こんにちは!
たまごのソムリエ・こばやしです。
本日は「たまごにまつわる名言」をご紹介。
『現在は、過去が産んだ卵であり、その殻の中に未来がある。』
(ゾラ・ニール・ハーストン・米国作家)
“The present was an egg laid by the past that had the future inside its shell.”
うまいこと言いますねぇ。
過去に食べた栄養で
卵がつくられる。
産み落とされた卵は、
「現在」目の前にある。
あるんだけども、
中身が今後どうなるのかは
まだ分からないわけですから、
たしかにこれすなわち
「未来」なわけです。
かなり好きな言葉です。
たとえば困った状況になって
「なんでこんな状況なんだろう・・・」
なんてボヤいてみてもたいていは
考えてみれば自分の過去に
やったことにしか起因しません。
また、自分の力で変えられるのは
未来のみで、それをステキにするために
努力していくしかないですよね~。
哲学的なお話ですが、
じっさいの「鶏卵」のメカニズムも
このとおりなのです。
たまごは、
約2週間かけて、卵管を通ってだんだんと
卵がかたちづくられていきます。
まず、黄身ができて
その次に白身、
最後に周りにカラができます。
ですので、
食べたもの、育った環境の
影響がたまごに出るんですが、
それは少なくとも直近2週間の
生活が影響するんです。
たとえば、
飼料を夏仕様に切り替えたり、
より香りや色味が良くなるような
飼料にすると、
すぐではなく
『2週間後』に色鮮やかで香りの良い
卵になるわけですね。
まさにゾラさんがおっしゃるように
「過去(の育ち方)が産んだ卵」なんです。
良い過去(育ち方)じゃないと
良い現在(たまご)にはならないし、
良い料理(未来)にもならない
ってわけですね~。
ウチの理念は、
卵を通して美味しさと
健康をお届けすること
です。
ぜひ、未来の食べるお客様に
良い「過去」から
美味しい料理を楽しんでいただければと思います。
もっとも、自分では失敗して
最高の「過去」なステキたまごから
しょんぼりなオムレツをつくっちゃったり
してますが・・・
この言葉を語られた
ゾラ・ニール・ハーストンさんは
1920年代に活躍された作家さん。
また、民族学者としても有名で、
カリブ海周辺の民族文化や
アフリカ系アメリカ人に伝わる
民間伝承をかなり詳しく調べ
まとめあげたスゴイ方。
カリブ海のブードゥー教も
教義や経典、教団もないため
なぞの民間信仰だったものを
わかりやすく著書にして
世界にしらしめたんですね。
ゾンビ映画ブームも
レゲエ音楽の浸透も、もしかすると
ゾラさんがいなければ起こってなかった
かもしれません。
超有名な代表作
『彼らの目は神を見ていた』が
めちゃくちゃ有名なんですが、
人種差別や貧困に対峙する
カッコいい主人公を描きつつも
白人社会への批判など政治的な事は
ほとんど書いてないんです。
憎しみでも対立でもない物語
だからこそ多くの人に
受け入れられてるんですね。
そんな物語を描けたのも、
幼少の頃過ごした町が
米国初の黒人郡区で
「黒人として劣等感も差別もほとんど受けずに育った」
からなんだとか。
まさに過去の良かった卵を
ステキな物語という未来に昇華させたわけですね~。
ここまでお読みくださって、
ありがとうございます。