小林ゴールドエッグ

ソムリエ日記 SOMMELIER DIALY

ちょっとつぶやき 記事一覧

こんにちは!
たまごのソムリエ・こばやしです。

羽田発→徳島へ飛ぶ予定が、
記録的豪雨の影響で2時間ちかく機内に足止めに。

「飛んでくれ・・・!」

と祈りながらこのブログを書いてます。
(→欠便になりました)

 

「考えてみれば
俺って飛行機運がわるいんだよなぁ。

3年前に函館から戻る時も
羽田で飛行機同士が接触事故を起こし
全便欠航になったし、

去年、茨城空港から帰る時も、
機器トラブルで半日も遅れたんだよな。

今回は空港で夜明かしだし・・・。

あ~あ。」

 

なんてつらつら振り返っていたのですが、
これはネガティブ思考の勘違いですね。

 

飛行機が普通に飛んだとき
ただの「移動」なので印象に残らない。

何かあったときは強く記憶に残るため
「よくあるなぁ」と思ってしまいがちなんですね。

対抗するには、
ちゃんと飛んで降りられた時も、

「なんてラッキーなんだ。」
「ステキな操縦だった。最高。」

と喜んでおけば、
「俺はいつもツイてる!」
となるんじゃないかと思います。

 

◆記憶のせいでしょうがない「卵嫌い」

さて、

「私って卵が嫌いなんです。」

という方に時々お会いします。

 

どういう点が嫌いか聞いてみると、

「小さいころ卵アレルギーだったのよ。」

ということなんですね。

なるほど・・
これはしょうがないですね。

 

でも、ですよ。

消化機能が未成熟なときにおこりやすい
卵や牛乳のアレルギーは、

十代後半になると9割の人が治る
ことが知られています。

アレルギーで卵が「嫌い」な大人は、
かゆみなどつらい体験を覚えていて

その後もずっと
「たまごに良い印象を持てない」
ということがあるのかと思います。

 

「分かるけどもったいないなぁ・・・。」
卵屋として、どうしてもそう感じます。

卵には大きな健康メリットがありますし
また日本の食文化の中で卵は
『最も避けにくい食材』の一つです。

食べられるようになったとき、
好きになってほしいんですね。

 

◆〇〇〇を使わない卵料理レシピ

なので、もし、
あなたのお子さんが卵アレルギーになったなら、

いずれ治る時にそなえて、
たまご『料理』に良い印象を
小さいうちに持ってもらう。

これが大事なんじゃないかと思うんです。

「でも卵食べられないのに、
そりゃ無理じゃないの。」

とおっしゃるかもしれませんが、

 

じつは!

『たまごを使わない
たまご料理レシピ』

の料理本がいくつも出版されているんです。

なんと

卵を使わない『目玉焼き』

卵を使わない『オムライス』

卵を使わない『たまごかけごはん』

なんてのもあります。

上の写真のたまご料理は
ぜんぶ卵不使用。

ビックリですね。

 

◆ヴィ―ガン向け植物性たまごが有効かも

また、近年はヴィ―ガン食として
大豆など植物性100%で作られた
スクランブルエッグなど、

ほぼ卵料理がつくれる
『プラントベースエッグ』が
日本でも普及しつつあります。

たまごは食べられなくても
十分にたまご料理を楽しめる、
好きになってもらうことが可能なのです。

 

ぜひ『たまごの良い記憶』
未来へのプレゼントのため
活用してみてください。

ここまでお読みくださって
ありがとうございます。

カテゴリー | ソムリエ日記 , ちょっとつぶやき 2025年09月13日

こんにちは!
たまごのソムリエ・こばやしです。

いよいよお盆の入りですね!
取引先のお店さんもぼくたちも
てんてこまいです。

我が四国徳島県には
あの“月に投げ草にすてる”優雅な手つきの
盆踊りはありません。

阿波踊りです。

もともと水路が発達した徳島の城下町では、
盆踊りをする広いスペースがなく、
橋をわたって練り歩くスタイルの
『阿波踊り』になったのですね。

水路をめぐるボートツアーもあるくらい。

地域特性がもたらす文化って
おもしろいです。

阿波踊りって東京の高円寺でも
やってますが、住んでる人によると
高円寺から大和町のあたりは
すっごく道が狭いことで名高いそうで、

その地で阿波踊りが定着したのも
同じ理由かもしれません。

 

こばやしにとっては生れてからずっと
めちゃめちゃにぎやかなお盆
がデフォルトなので、

ようこそっ!
おかえりなさいっ!

って感じで明るくご先祖様を
迎えたくなる雰囲気は
悪くないです。

 

◆お盆には食べなかった卵

昔むかしは、お盆には卵を食べない
風習がありました。

仏教の催しですから、
たまご・肉・魚など
殺生はしないで過ごそう
という考えですね。

ただ、
もう今はずいぶん変わってきていまして
スーパーさんのチラシにも、
おもてなしのお肉や魚、良いおすすめが
フツーにズラッと並んでいます。

 

葬祭関連の知人によると

「今は故人の好きだったものを
みんなで食べて、喜んでもらえるのも
良いんじゃないでしょうか。」

との話でして、
たしかに本質的に誰のため
というマーケティング視点でいうと

お盆にあの人が好きだったオムライスを!
みたいな流れもよさそうです。

 

◆供養で積極的に卵を食べる中国

ちなみに中国では真逆でして、

中国のお盆にあたる“清明節”には
めっちゃ卵を食べます。

赤く染めた卵を食べたり

火を使わない料理『寒食』が
風習になっているため
事前にゆでて煮た玉子や
ピータンを積極的に食べます。

これは乾燥する時期に
火事を防ぐための風習だった、
という説もありまして

 

阿波踊りと同じく
風土環境的な要因から生まれて
たまごを食べる風習になっちゃうのは
とても興味深いです。

ご飲食店さん洋菓子店さん製パン店さん
みなさま怒涛の一週間だと思います。

ご自愛くださいませ・・!

 

ここまでお読みくださって
ありがとうございます。

(関連:清明節はなぜ卵を食べる?まさかの伝説が・・・ | たまごのソムリエ面白コラム

カテゴリー | ソムリエ日記 , ちょっとつぶやき 2025年08月11日

こんにちは!
たまごのソムリエ・こばやしです。

めちゃめちゃ頑丈な
生き物っていますよね。

 

有名なのがクマムシ

宇宙空間でも死なないとか
高熱やごく低温でも死なないとか

月面に高スピードでぶつける
生存実験なんてのもされて、
話題になりました。

 

でも、
超つよいのは休眠状態の時だけ

休眠期じゃなくて活動期は
ほかの生き物なみに弱いんだとか。

 

納豆菌も頑丈です。

耐熱性芽胞菌といいまして

シェルターみたいなカラに閉じこもり
100℃10分でも死なない耐熱菌です。

 

すごいですね。

ですが納豆菌も、
増えて活動する栄養型細胞の状態では
さほど熱に強くありません。

 

そして『たまご』。

じつは頑丈です。

おそらく
あなたがイメージするよりも。

長軸方向(タテの上下)
からの力には、なんと

一個のたまごで
7㎏もの荷重に
耐えられます。

すごい!

10個あれば70㎏

たまご1パックの上に
そーっと大人がのっかっても
割れないんですね。

ちなみに中身を抜いた
カラだけの卵だと
だいたい5㎏くらいの耐荷重。

 

NHK番組「大科学実験」では、

1トンあるラクダが
1500個のたまごの上に
割らずに乗れる

という大実験をしています。

ちなみにギネスブックには

213m上空のヘリから
芝生に卵を落として
割れなかった
(英国・1994年)

という記録も。

しかし、
前述の2つと同じく
中身はやわらかで弱いんですね~。

ニワトリの5倍厚みのある
最強ダチョウ卵でも
黄身の強度は鶏卵とほぼ同じ。

 

お城と同じ
外壁はめっちゃ頑丈、
中は平和で優雅に暮らす、
そんな体制ですね。

 

必要な事にだけコストをかける。

メリハリがはっきりしているのが
生物の生存戦略ですね。

ここまでお読みくださって
ありがとうございます。

(関連:たまごで固めて造られた城がスゴイ | たまごのソムリエ面白たまご

カテゴリー | ソムリエ日記 , ちょっとつぶやき 2025年07月5日

こんにちは!
たまごのソムリエ・こばやしです。

「上司が締切を『おしり』と
表現するのが気持ち悪くて
耐えられない。」

・・・というネット相談が話題ですね。

なるほど~。

僕は使いませんが
意識したこと無かったですね。

『ケツの日程を先に決めちゃいましょう。』

なんて打合せで誰かが言っても、
気づくことすらないかもです。

つまり僕のアタマの中では
リアル「おしり」と比喩の「おしり」が
つながってないんですね。

SNSでは
『お金を袋に入れないで手渡しする

「はだかで渡す」

もまずい表現なのか?』

なんて意見も出てまして、

こういった
身体をつかった表現に生々しさを
感じる人が今後増えてくることも
考えられます。

 

また、ある業界の中では普通だけど
違和感がでるワードもありまして、

プログラマーの「殺す」「つぶす」や
出版業界の「処女作」
建築・製造業界の「オス・メス」表現
なども問題になりつつありますね。

多くの人と対峙する
飲食店・洋菓子店さんでは特に、
表現のアップデートが必要になってくる
かもしれません。

 

◆問題じゃなくても問題なワードも?

気をつけるのはそれだけじゃありません。
まったく問題ない」言葉ですら、
マイナス印象になることもあります。

例えばぼくが感じるのは
捨てる」というワード。

いまほとんどの小中高校で
SDGs関連の教育をしています。

そのため「捨てる」に
よりネガティブなイメージ
持つ若者が増えている、と見ています。

断捨離という言葉もあるとおり、

捨てる=清潔に保つ

という印象を持つ人はいっぱい
いらっしゃいますが、

若い人たちにとっては
「そもそも捨てるものは持たない」
という感性になっています。

すなわち

「捨てる」=「悪」の印象。

いま開催中の大阪万博日本館も
捨てない」が大きなキーワードの
ひとつになっています。

 

すると、
あなたのお店でスタッフに

「これ捨てといて。」

と言うのをお客さんが耳にすると
悪イメージを持つ・・・そんなことが
今後おきるかもしれません。

 

さらにお客さんに

よかったら捨てておきましょうか?

と言って印象を落とす可能性すらあります。

 

よかったらリサイクルしときますね。

みたいな言い換えが
必要になってくるかもしれませんね。

 

◆たまご業界のナゾワード

そして、ぼくたち卵業界にも
マイナス印象になる業界ワードがあります。

たとえば「廃鶏(はいけい)」。

ひねどり」なんて言い方もしますね。

たまごを産み終わって処分される
年を経た鶏のことですが、

僕はこの表現が嫌いです。

長年おいしいたまごを生んでくれた存在へ
の敬意が感じられないですし、

そのあと食肉になるわけですから

「いらないもの」

みたいな表現は
すべきじゃないですよね。

福井の「純鶏(じゅんけい)」とか
香川や九州の「親鶏(おやどり)」の
呼び方はかなりステキだと思います。

 

あと、「赤玉」「白玉」みたいな
業界内の略し方も、やめた方がいいですね。

一文字しか減ってないですし。

「赤たまご」「白たまご」でいいじゃないですか。

 

たとえ同業者どうしでも、

できるだけ一般的な用語を使うほうが
親しまれる業界、
新しい人が入りやすい業界になると
強くつよく思います。

 

ここまでお読みくださって
ありがとうございます。

カテゴリー | ソムリエ日記 , ちょっとつぶやき 2025年06月21日

こんにちは!
たまごのソムリエ・こばやしです。

Googleやマイクロソフト、大手発AIサービスが
だんだんと浸透してきていますね。

Chat GPTも便利ですし、
身近なカンジで我々の生活に定着してきつつ
あるのを感じますね~。

その反面、ちょっと興味ぶかい指摘が。

 

 

誰かがつくったAIが質問を受けるたびに
特定のサイト(この場合はデジタル庁)
にアクセスした結果、

まるでハッカー攻撃のように
そのサイトが使えなくなっているのでは
という推測のお話です。

なるほど・・・たとえるなら
沢山のロボットがご主人の質問に応えるため
電話しまくって相手先をパンクさせる
みたいな。

AIに質問する人も、
まさかそんな知らぬサイト先にめっちゃ負担をかける
なんて考えもしていないでしょうね。

でも、あり得る話です。
以前にアレクサだったかSiriだったかで、
「ありがとう。」と返答のやりとりを
するだけで世界的に膨大なデータ量が
発生している・・なんてニュースもありました。

 

誰が悪いわけでもないですから
今後の対策として、

サービス提供側があらかじめ制約をつける
(アクセス上限をつける?)か、

事前にお願いしてAI側で調整してもらう、
くらいしか手がない・・のだと思います。

 

◆卵業界にもある殺到タイミング

じつは僕たちのお届けする卵でも、
ちょっと似た事態になる事があります。

飲食店さんは、
それぞれのお店で在庫を見て
ご注文をくださいますが、

その注文が
ある『特定の日』にかぎって
殺到することがあるんです。

たとえばGWなど、
連休直前の平日

お店さんが
「これから忙しくなるぞ!」
と同じタイミングで考える。

すると、
その前に在庫を持っておかないと
いけませんから、

多くのお店さんの発注が
その日「だけ」に重なってしまう
のです。

ご注文数がその日だけ
普段の3倍・5倍になる事も。

 

ありがたい話ですが、
鶏の産む数は急に増やせないので
悩ましい事になるんですね~・・。

◆ご理解と事前の準備で解消に

たまごは『作りだめ』できない、
けれど『無い』とご迷惑になりますので

いまは事前に

「だいたいの使用予定」

を教えていただく仕組みにしました。

直前2週間のご使用予定
各店舗さまに教えていただき、

あまりに一日に重なる場合は

「前後に分けて分納でも良いでしょうか?」

「前日のご納品ではいかがでしょうか?」

などご調整をいただきます。

 

早めに準備しつつ
注文ピークをなだらかにする作戦です。

ありがたいことに
多くのお店さんがご協力くださり、
今ではしっかりと準備して
混乱なく卵をご発送できるようになりました。

本当に感謝です。

ここまでお読みくださって
ありがとうございます。

カテゴリー | ソムリエ日記 , ちょっとつぶやき 2025年06月14日

こんにちは!
たまごのソムリエ・こばやしです。

本郷和人著「考える日本史」によると

戦国時代の日本には
「軍師」がいなかった

のだそう。

 

えー!?
そんなことないでしょう・・・?

 

軍師ってパッと思いつくだけで
上杉謙信の名参謀・直江兼続

秀吉のブレーン
竹中半兵衛黒田官兵衛

石田三成の右腕・島左近
武田の山本勘助

あと真田幸村とか・・・

きら星のような頭脳たちが
戦乱の世を彩っていました。

 

黒田官兵衛なんて
NHK大河ドラマで『軍師官兵衛』って
タイトルで放送されていたくらいですし、

「軍師いっぱいいるじゃん。」

と思ってましたが、
読んでみるとそうじゃなかったのです。

 

彼らみんな
普通に『バトル』するんですね。

“指揮をするだけの『文官』”
じゃなくって、

“武力を行使しながら指揮「も」する『武官』
なんだと。

つまり、
中国の「百家争鳴」みたいな
知力のみで世の中を渡る人がたくさんいる、
そんな時代が日本にはなかったわけです。

アタマ良くっても
ベースとして「戦える武将」じゃないと
ハナシを聞いてもらえなかった。

言われてみれば確かにそうですね~。


そういえば現代日本も、
企業文化で『兼任』の思想が強いと言われますね。

 

営業マンは営業だけをするわけじゃなくて
各種調整したり段取りしたり書類仕事や
経費処理もやっていることが多い。

 

工場スタッフだって、
見学のお客様には
キチンとご挨拶することが
当然のように求められます。

海外では営業は営業だけする
工場は自分の担当業務さえできれば
見学者が来てもムシです。

求められるものの違い、
という側面がありそうです。

 

兼務する日本式は大変ですけど
それって自身の成長や機会、
できる可能性を伸ばせたり
ステキなことも多いんじゃないかなぁ
と思いますね。

そして、
たまごの機能も、
武と知をかねる“武将兼軍師”と
似たところがあります。

 

◆いろんな役割を兼ねるたまご

飲食店さんのメニューでは、
たまごの効果は3つ。

 

・彩(いろどり)

たまごの鮮やかな黄色
料理のアクセントになります。

また少し前にも書きましたが、
黄身人の目を引き付ける誘因効果が
とても大きい食材です。

・食感(とろみ・ふわふわ)

加熱することでたんぱく変性が起こり

絶妙な食感なめらかさや
ふわふわ食感が出せます。

生―中間―固化

この間で重層的にふくざつな、
いろ~んな食感を楽しめる卵は
めずらしい食材なんですね。

 

そして最後に、

・繁盛提供

たまごはメニューの工夫で
おおきな満足を感じられる、
価値を高めやすい食材です。

シフォンケーキやオムライスのように
技術を価値(利益)にできますし、

温泉玉子のように調理法じたいが
生食と比べ5倍も価値を高めることもあります。

世界に3万レシピあるといわれる
多様なメニューは
ファンをつくり粗利益を上げ
あなたのお店の強い味方となる食材です。

3つの価値をフル活用して
ぜひあなたのお店を活性化してくださいませ。

これこそが
当ブログの目的です。

 

ここまでお読みくださって
ありがとうございます。

カテゴリー | ソムリエ日記 , ちょっとつぶやき 2025年05月31日