役立たない知識?がウチのたまごを独自化させてくれた!
こんにちは!
たまごのソムリエ・こばやしです。
三角関数よりも金融のことを学ぶべき!
と言った議員さんに批判が殺到し
話題となっていましたね。
それって実践野球だけやって
キャッチボールはやめる、
みたいなカンジじゃないの?
という意見もありまして、
いやホントその通りだと思います。
実際、三角関数って仕事に使ってなくても
その「思考のプロセス」を
自然と活用している人も
少なくないのではないでしょうか。
僕は、
「関係ないと思える知識が
人生にめちゃくちゃ役に立つ」
という事を身を持って
体験しています。
僕はいま、たまご屋3代目ですが、
十代の頃は家を継ぐのなんて
まっぴらごめんだ、と思ってました。
で、高校の時
父に将来の相談をしたところ
「おまえの人生だ、好きにしろ。」
と父が言ってくれたのですね。
これ幸い!と、
全く違う分野である、
大学の工学部へ行きまして
「高分子物理学」なるものを学びました。
プラスチック(高分子)の研究で
その弾力性や変形性を
数式などをもとに考える
「レオロジー」という学問です。
あまり一般的じゃないですね。
研究室で3年学び、
その後食品メーカーを経て
たまご屋を継ぐことに
なったのですが、
ふつうに考えると食品分野では
プラスチックの物理学なんて
役に立ちません。
じゃあ
研究室での3年間は
大学のつごう6年間は
まったくムダだったのかというと、
これが!ですね、
僕たちのいまの取り組みに
オンリーワンの「強み」を
作ってくれたのです。
◆たまごも料理も化学だった
「高分子」っていうと
樹脂・プラスチックなど
材料っぽいイメージですが、
実は食品にも高分子が沢山あります。
たとえばこんにゃく。
超巨大な分子が
立体構造となって
あの食感ができている
「高分子」です。
おなじく
豆腐もかまぼこも納豆も、
高分子なんですね。
そして、
たまごも高分子。
加熱で構造を変化させる
高機能な物体、として考えると
たまごに滑らかさが出る条件や
より濃厚な味を感じる条件、
高分子物理学の観点で
食感やのど越し、口当たりに
どんな卵が料理に合うのか?
…が考えられたのです。
たとえば、
たまごの生食をするなら、
舌の味蕾にたくさんの信号が伝わるほど
味が濃いと感じます。
そして、
最も長く味蕾に接点を持つ
黄身の粘性と弾力性があるんですね。
「高分子」として考えると、
その値が分かってきます。
こんなふうな考えが、
「料理別専用たまご」の
裏付けにもなったのですね。
◆なんでも役立てる
「考え方次第だなあ。」と思います。
これ、たまたま役に立つ勉強していただけで、
ラッキーだっただけなんじゃないの?
みたいに感じるかもしれませんが、
役立てるどうかって、
自分だけの強みだと思う
意志一つですよね。
だって、
高分子物理学なんて学問の
知識を持っている卵屋さんなんて
ほかにいないですから(いるかもしれませんが…)
強みだと考えると、そうなっちゃうんです。
もし僕が美術大学に行っていたら、
それを大いに活用した
ステキなたまごをお届けしていたかもしれません。
それはそれで、
面白そうですが・・・。
ここまでお読みくださって
ありがとうございます。