小林ゴールドエッグ

ソムリエ日記SOMMELIER DIALY

いつも行列ができていた、たこ焼き屋さんの話

今日はお休みなので

たまごとあまり関係のない話を。

 

こんにちは!

たまごのソムリエ・こばやしです。

 

梅雨とはいえ気温は

行楽日和にちょうど良い日が続いていますね!

人の出も戻ってきつつあり、

行列の並ぶ店もあちこちに見られるようになりました。

 

若いころ僕は名古屋に住んでいました。

独り者の気楽さもあり、

古い町並みの雰囲気が

気に入っていた大須商店街を

よくぶらぶらしていたのです。

そこに、

いつも行列ができている

たこ焼き屋さんがありました。

 

おばあちゃんが焼いているんですが

常に、人が並んでいる。

それもすんごい人数が。

 

行くたびに、気になっていたんですよ。

 

ただ…たこ焼きに並ぶ、というのが

ちょっと抵抗あったのですね。

正確には、名古屋のたこ焼きに並ぶのが。

 

というのは、我が徳島県は

大阪の文化的影響が強く、

たこ焼き店もすんごく多くて、

家庭でもお店でも

良く食べるんですね。

で、

今はどうだかわからないですが、

僕が名古屋に住んでいた

30年前はたこ焼きに

「青のりがかかってない」

「醤油味だけ」なんてお店が多くありまして、

 

「こんなのはたこ焼きじゃない!」

・・・と抵抗感を持っていたのです。

 

今はチーズ入りも醤油味も

オイスター風味だって大好物ですが。

 

そんなわけで

いつも行列の脇を通りつつ

たこ焼きの香ばしい匂いに

後ろ髪をひかれていたのです。

 

ある日、かなり早い時間に

大須商店街を通ることがありまして、

見るとそのお店には

珍しく数名しか並んでなかったのですね。

 

うーん、

これなら一度食べてみようか。

と意を決して

列に加わったのです。

 

すると・・・

意外な事実が判明したのです。

 

そのお店に、なぜいつも

行列ができていたのか?

その理由が分かったのですね。

 

それは、

おばあちゃんの

たこ焼きを作るスピードが

異常に遅い!

ということだったのです。

めちゃめちゃゆっくりで

ぜんぜん完成しない…!

 

 

数名しか並んでないのに

ぜ~んぜん列が動かない…

 

そのうちにフト後ろを振り返ると

ズラーっと行列が(笑)

 

つまり、

そのたこ焼き屋さんの

行列ができる秘密は

「行列ができていること」

だったのです。

僕と同じく、みんな行列に呼び寄せられていたんです。

 

やっと自分の番が来て

食べてみたたこ焼きは、

やっぱり美味し・・・い!?

・・・いやフツーだな。これ。

非常に無難な感じのたこ焼きでした。

 

◆どこまでが魅力に入るのか?

いまでもときどき

お客様と繫盛たまごメニューの

打ち合わせをする時に

このたこ焼き屋さんのことを

思い出します。

 

お客様にとってのお店の価値って

ひとつつじゃないんだなぁ、

という当たり前のことを

考えるんですね。

 

そのたこ焼き屋さんも、

大須のゆったりとした雰囲気と

レトロな街並みのなか

そのたたずまい

 

そこに並ぶことで

自分も一服の絵に参加するような

魅力があったようにも思います。

 

ゆったり待つこと、

進みの遅さに気づくこと

味のビミョーさ

その後誰かに語ることまで

含めて「体験」という魅力だったのかも。

 

僕たちがお届けする卵も案外

ド田舎から少人数で

お届けしているから

なんだかスマートにやってない

そんなところが

意図せずご評価になっている

・・・こともあるのかもしれません。

いや、それに甘えていてはいけませんが。

 

ここまでお読みくださって、

ありがとうございます。

カテゴリー | ソムリエ日記 , ちょっとつぶやき2022年06月19日