すぐ役に立たない!がお役立ちに
こんにちは!
たまごのソムリエ・こばやしです。
今週はノーベル賞ウィークですね。
ノーベル医学生理学賞は
ドイツ・マックスプランク
進化人類学研究所の教授で、
沖縄科学技術大学院大の
客員教授をされている
スバンテ・ペーボ博士に授与されます。
授与理由は「絶滅したヒトのゲノムと人類の進化に関する発見」
古代ゲノム学という分野を
確立され、人類がどこから
来たのかという根源を問う
成果を出された方です。
大事なことなので強調しておきます。医学生理学賞の対象になったのはまるで儲からない研究です。しかし人類が進化してきた道を一つ明らかにした。人間とはなにかという哲学的な問いに答える研究なんです。
ネアンデルタール人のゲノム解読、人類史に光 ノーベル賞のペーボ氏 <ahref=”https://t.co/1IYeD5snlY”>https://t.co/1IYeD5snlY— こなみひでお (@konamih) <ahref=”https://twitter.com/konamih/status/1576957673828143104?ref_src=twsrc%5Etfw”>October 3, 2022
すぐに儲からない分野
でもとても大切な学術研究に
ちゃんと光があたるのって
ノーベル賞の意義といいますか
とても素晴らしいことですよね。
たとえば、
「ニワトリの祖先は
ティラノサウルス」
なんて研究結果の報道が
数年前に出ました。
(関連:ニワトリは竜の末裔 | たまごのソムリエ面白コラム)
これは現代に生きる鳥類
ニワトリのゲノムを探ることで、
古代の生き物から生命の進化を
逆にたどる研究です。
ロマンもさることながら
すぐには役立たなさそうな
ことを長~く追求していく
という姿勢は
僕たちの仕事にとっても
すごく大事じゃないでしょうか。
◆好奇心からの研究って大事
ご飲食店さんと
打ち合わせしていて、
特別な料理の研鑽について
お話しを聞けることが
ときどきあります。
「メニューには入れられないんだけどね。」
なんておっしゃりながら、
長いこと試行錯誤されて
いらっしゃることを聞け、
とても刺激をいただきます。
僕たちも、
一見、商売としては
すぐに役立たないけども、
卵屋である僕たち
しかできない事を
大事にしよう
と決めています。
たとえば卵の品質と
料理の関係について。
以前は料理に関して
料理のプロに物申すなんて・・・
と思っていましたが、
たまご「だけ」に関してなら
僕たちの方がプロの料理人さん
よりも圧倒的に手間も時間も
取れるはず、と考えたのです。
例えば、
産卵後の条件のそろった
たまごを30個並べて
毎週々々食べ比べするなんて
相当マニアな方じゃ
なければとても面倒くさくて
されないでしょう。
でも僕たちなら入手も
比較も可能なわけです。
けっきょく、
こんな官能評価が
数年たって次々と
新商品たまごになったわけですが、
ほかに調理方法も
いろんなことを試しています。
たとえば
一時間加熱して作った
ゆでたまごはどんな性質か
定説と真逆な調理法で
作った目玉焼きは…?
などすぐ役に立たなくても
「卵について」であればすべて試す!
これを迷わずできるのは、
たまごのソムリエとしての
醍醐味だと感じますね~。
今は知的好奇心が先行ですが、
いつかお客様のお役立ちに
なることを楽しみにしています。
ここまでお読みくださって
ありがとうございます。