代替卵について一点だけ疑問
こんにちは!
たまごのソムリエ・こばやしです。
記録的なたまご不足&高騰から、
代替卵によるメニューが
あちこちで出てきていますね。
外食店だけじゃなく
コンビニエンスストアの
サンドイッチなど幅広いメニューで
使われつつあります。
ただし、
そもそもがヴィーガン対応のための
食品ですから、
メーカーさんもどこまで増産体制に
投資していいのか迷うところだそう。
設備投資して、
鶏卵が元の生産量に戻ったとき
注文が急にしぼんじゃう可能性も
ありますし、難しいところですね・・・
この代替卵。
味も悪くないですし、
メリットもたくさんあります。
たとえば、
・卵アレルギーでも食べられる
・配合によって栄養付加しやすい
・生き物飼育じゃないため、
短期の生産コントロールがしやすい
などですね。
ただし、その裏返しとして
配合ミスなどがあれば
生き物から生まれる卵では
あり得ない栄養価ミスなども
起こりうるため、
リスクもあります。
じっさい米国では、
代替卵の配合調整ミスによる
回収さわぎも起こっています。
良い点と好き嫌いなどを
かんがみたうえで、
牛乳に対する豆乳とおなじく
一定のファンとシェアを獲得して
伸びていくんじゃないかと思います。
たまごに選択肢が増えるのは、
ステキなことだと思います。
特に、アレルギーのあるお子さんの場合
7割以上が5歳までに治っちゃいますが、
その時点ではもうあまりたまご料理を
好きでも食べようとも思わなく
なっている子供さんも出てきます。
治るまでの間に、
代替卵の料理でたまごに親しむ習慣を
持って人生の楽しみ選択肢とする。
そんなたまごの魅力を
楽しんでいただくのには
代替卵は役立ちますよね。
ただ、
一点だけツッコミを入れるなら、
代替卵の方が環境に良い
というアピール。
穀物→ニワトリに食べさせる→卵を得る
というのはカロリーや環境にムダが出る。
それよりも、
穀物→代替卵
の方がエネルギー的にロスがなく
将来の地球環境に対して有効である。
そういう論調があります。
なるほど・・・?
いやいや、
それってちょっと違うんじゃないでしょうか。
穀物から代替卵を作る際には、
食品加工工場のエネルギーが
必要になっているはずです。
穀物→ニワトリ飼育→卵
と比べるなら、
穀物→工場での加工→代替卵
とのエネルギー収支を比べるべきで、
穀物カロリーのロスは少ないけども
洗浄や加工に必要な「水」
工場稼働の「電力」、
そして「CO2排出」などは
たくさんあるわけです。
その製品ができるまでの「水」の量
バーチャルウォーターを見直す
考え方も浸透してきています。
圧倒的に環境に有利、
というわけでもないんですね~。
容器のリサイクルをすると
逆にの環境負荷が増えるケースが
あるのと同じでして、
ライフサイクルアセスメントと言って、
トータルの環境負荷収支で
考えていく必要がありますよね~。
細かいツッコミですが、
あまり話されていないこの一点
もうちょっと議論しても良い気がします。
ここまでお読みくださって、
ありがとうございます。