うまい卵は本当にウマいか問題
こだわり卵って
なぜ必要なのか?について。
こんにちは!
たまごのソムリエ・こばやしです。
マジシャンの
ナポレオンズ・パルト小石さんが
『デパートで見た石鹸の実演販売』について
生前に書かれたコラムがあります。
—
たまたま通りがかった売り場で
石鹸の手洗い実演販売をしていた。
マジシャンという商売柄
その伝え方が気になって見てみたら
水とその石鹸だけなのに
汚れたシャツがビックリする
くらいみるみるキレイになり、
その鮮やかな効果に感動して
さっそく買って帰って
ウチで愛用した。
しばらくして、ふと、
昔から使っている石鹸でも
同じように汚れをこすってみると…
まったく同じように
キレイに汚れが取れた。
ようするに、
いままでそんな丁寧に
磨いてなかっただけだったのだ。
・・・というようなお話だったかと思います。
十五年前くらいに読みましたが、
とても印象に残っています。
これって、
たまごでもあるハナシなんですね。
高い卵を買ってみた。
久しぶりに
卵かけ御飯で食べてみたら
もうビックリするくらい
美味しくって感動して
ファンになったよ。
こんなお話を聞くことがあります。
ウチのたまごの話だったりすると、
ホントに、心底うれしいエピソード
で躍り上がりたくなるのですが、
そんなとき、
上記のパルト小石さんのエピソードを
思い出すんですね。
その方はもしかすると、
『普段は卵かけごはんなんてしない。
でもせっかく良いたまごだから、
アツアツ炊き立てごはんで
薬味も添えて
じっくりそれだけ味わってみよう。』
となって、
『おおっ・・・!
これはスゴイ美味しさだ!!!』
と感動してくださったのかもしれないんです。
すなわち、
普段食べている白たまごでも、
アツアツ炊き立てごはんで
そっと丁寧に割って食べると
超おいしい
・・・ということかもしれない。
たまごによって
向き不向きはありますが、
たまごってそもそも
美味しいんですよ。
こだわり卵としての
底上げがなくても。
ですので、
ウチのたまごをほめていただいた時に
めちゃめちゃ喜びつつも、
それがもしかすると
商品としての「差」の部分じゃなくて
卵という物体そのものが褒められている
かもしれない、
慢心しちゃいけないなあ。
と肝に銘じています。
これって、どの商売でも同じかもしれません。
建設業だってそう。
住んだお客さんが
超満足していても、
その工務店さんの家だからなのと、
「新築」そのものが素晴らしいのと
ごっちゃになっているかもしれないんですね。
そして、
意図的にそれを混同させる方法も
あるんじゃないかと思うんです。
たまご・食材や料理の
こだわりどころを
きちんと伝えることで、
相手に丁寧に食してもらえ
それが感動につながるんです。
商品質の差 プラス
お客さんの意識の差
取り扱いの差
を引き出すことができる。
それこそが、
こだわり食材の
大きなメリットだと思います。
「なんにも書いてなくても
食べればウマいから分かるはずだ!」
なんておっしゃるかもしれませんが、
お客様の意識として、
テキトーに醤油をかけられる
可能性を排除できて、
スマホ見ながらじゃなく
一口目をちゃんと味わってもらえる
これだけでも、
『こだわり食材』という「情報」の
価値なんですね。
なので、しっかり伝えないといけないわけです。
ここまでお読みくださって、
ありがとうございます。