「最後の食事」が無くなった理由
本日はあまりたまごと関係ない話を。
こんにちは!
たまごのソムリエ・こばやしです。
米国では
執行前に死刑囚が
最後に食べる食事に
「希望する料理」を
オーダーできる制度があります。
「人は最後の食に
いったい何を望むのか」
世間をにぎわした
大犯罪者の『最後の食事』は
まとめられて本になっていたりもします。
たとえば映画「IT」の
モデルにもなった
殺人ピエロ、
ジョン・ウェイン・ゲイシーは
執行前に
「エビフライ12匹、
ケンタッキーフライドチキン、
イチゴ1ポンド」
を注文したとか。
ところが、
この制度が廃止になった州があります。
2011年テキサス州。
死刑囚ローレンス・ラッセル・ブリュワーという男が
死刑執行日、最後の食事に
オーダーを出しました。
これが、
とんでもない量だったのです。
書いてみますと
ひき肉とチーズのオムレツ、
そして
チキンフライドステーキ2枚、
グレービーソース、スライスオニオン、
トリプルミートベーコンチーズバーガーに付け合わせ、トマト、オニオン、パプリカ、ハラペーニョ、でっかいボール一杯のオクラのケチャップ炒め、バーベキュー肉串焼き1ポンドと白パン半斤、ファヒータ(スペインの肉料理)3つ、ミートラヴァーズピザ、ルートビアビール3本、ブルーベル・バニラアイスクリーム1パイント、ピーナッツバターファッジと砕いたピーナッツ。
…すごいですね。
まるで現代の満漢全席です。
しかし彼は、
目の前に並べられた
これだけの料理を前に
「おなか減ってないんだよね。」
と、一口も手を付けることなく
テーブルを立ったのです。
要望のとおりに
これだけ準備を
したのに・・・
テキサス州の刑務所長と
当局は激怒し、
その結果、州の
「最後の食事」制度は
廃止されることに
なったのです。
たしかに・・・
死刑になるほどの
害をなした犯罪者に
そんな情をかける必要が
果たしてあるのか、
ということもあります。
被害者家族の感情としても、
「どうしてあんな奴らに…!」
となるでしょうし・・。
ただ、こばやしは、
この「どんな人間であろうとも」
という
アメリカ的「食」への
情けのかけかたは、
嫌いじゃないです。
生き物としての
最後の温情というか。
そして・・
それを台無しにされる
ショックも、
すごく大きいんだと感じます。
◆最後に何を食べたいか
このエピソードは、
食の気づかい
に対する無礼は
すごく大きなショック
になる
という僕の個人的な
戒めになっています。
あと、
自分なら
死ぬ間際に
何を食べることを
オーダーするかな・・・?
とも時々考えます。
死を前にして
今まで食べたことのなかった
羨望の料理を望むのか
それとも
幼いころに食べた
思い入れのある料理を
臨むのか・・・
やっぱり
たまごかけごはんかなぁ・・
なんて思ったりもします。
ただし!
この
「人生最後の食事」、
死刑囚とちがって
僕たちは、
ほとんどの人が
そのオーダーをかなえることは
できません。
高齢や病気での死に際し
体が受け付けない
または不慮の事故により
自覚できなかった
このどちらかが
大半だからです。
ですので、
今日のごはんが
人生最後かも・・!
と思いながら
まいにち食をたのしむ。
これが一番ですよね~。
ここまでお読みくださって
ありがとうございます。
(参照:Death row killer asks for one of largest last meals ever then refuses to eat it | US | News)