ファンタジー世界の呼び名問題、とたまごの白身
こんにちは!
たまごのソムリエ・こばやしです。
グッズやコラボなど
社会現象にもなりつつある
大人気アニメ
「葬送のフリーレン」
昨日放送された回で
ハンバーグ
が出てきまして、
「異世界なのにドイツの
地名由来の食べ物が
出るのはおかしいのでは!?」
とSNSでおおきな話題になっていますね。
なんとネットニュースにまで
なるくらい。
そう、
たしかにハンバーグは
ドイツのハンブルグ発祥
がその名の由来、
と言われてるんですね。
なるほど~。
興味深いツッコミです。
実はこの問題は
過去にも出てきていまして
たとえば
芥川龍之介の『羅生門』。
「羅生門の下で
行く所がなく
立っている下人が、
センチメンタリズムを感じる」
という表記があります。
平安時代の人物が
外国表現の
『センチメンタリズム』
とは・・・!?
(実際はフランス語なので“サンチマンタリズム”ですが)
という不思議さがありますが、
結局のところ
読み手の現代人が
理解しやすいように
作家が『翻訳』している
わけですね。
つまり
羅生門の下人には
そんな語彙が
あるわけないけども
ぼく達から見て
そうとしか言い
あらわせない気持ち
だったから、
そう表現した。
という
芥川龍之介さんの
非凡さのなせるワザ
なわけです。
上記のフリーレンの
『ハンバーグ問題』も、
ぼくたちから見て
ハンバーグとしか
表現できない
ひき肉を焼いた料理
だから、便宜上
そう翻訳呼称しているのだ!
という
『作者のわかりやす化表現だ』
という解釈で良いんじゃ
ないかと思いますね。
そうじゃないと、
たとえばロードオブザリングで
「サムは愛嬌があるなぁ。」
なんて
訳した時に、
「“愛嬌”とはもともと
菩薩さまの温和な笑顔の事。
仏教徒がいる世界なのか!?」
なんて野暮なツッコミに
なってしまいます。
なんにも表現
できなくなっちゃいますよね。
そいえば、
漫画家の柴門ふみさんが
『東京ラブストーリー』で
医師インターンの登場人物三上に
うっかり“夜勤”をさせてしまい
編集者さんに
突っ込まれた際、
『あの世界は
何もかも地球と同じなのだが、
ただ一点、ニホンの
インターン夜勤制度だけが
この世界とチガウのだっ!』
・・・と
強弁したのだとか。
そもそも創作世界なので、
それくらいの感覚で
楽しめばよい気もしますね。
◆飲食店でも名前を変えるべき
ですので、
あなたのお店でも
メニュー名なんかを
時代にあわせて
どんどん分かりやすく
変えても良いんじゃ
ないかと思います。
べつに
『カルボナーラ』と
名乗らなきゃいけない
わけでもありません。
たとえば
たまごの黄身が2倍の
カルボナーラをPRするのに
『カルボめっちゃ
黄身大魔神』
とか名付けても良いわけです。
ちなみに
たんぱく質は
『蛋白質』と書きますが、
「たまご」由来で名づけられ、
たまごが原因で名前が変わっています。
蛋白質の『蛋』の字は
たまごのこと。
中国語でも『鶏卵』は
“蛋”と書きます。
つまり
蛋白質=卵白質
なんです。
医学上では
たまごの白身
がたんぱく質の
代表格だったため
ドイツでそう命名されました。
ですが、
ドイツ語の医学書から
日本語に訳す際に、
「『卵』って日本じゃ
タマタマの表現で
下ネタにも使うな・・・
下品だし『蛋』にしてやれ。」
なんて気をまわしたことで
卵白質じゃなくて
蛋白質に・・・。
気を回さなければ
『卵』は今ごろ
もっとすごい健康イメージに
なっていたかもしれません。
今からでも
『卵白質』に
呼び名をかえませんかね・・・!?
ここまでお読みくださって
ありがとうございます。