古いたまごでなぜ試食試験するの?
こんにちは!
たまごのソムリエ・こばやしです。
となり町のコミュニティセンターに行ったら
駐車場にニョキっと
ホースがくっついたヘンな棒がありまして、
よく見たら
手押しの地下水ポンプ
でした。
いまどきなんでこんなモノが…!?
「教育用かなぁ。」
なんて
考えていたんですが、
「ああそうか。災害時用か。」
と思い至りました。
水道インフラが止まって
電気も来ない。
そんな状況はじゅうぶん在り得ます。
地域のコミュニティセンターが
そこに備えることには
大いに意義があるわけですね。
考えてみると
ふだんは「何の役に?」なんて
思われていて
『危機にはじめて役立つもの』って
気づかないだけで周囲に
いっぱいあるのかもしれません。
たとえば
ボクはいま子供のPTAで
お役をいただいておりまして、
先日
『PTA連合全国大会』
に参加してきました。
毎年全国から5千人くらい集まる
そうなのですが、
「意味あるのかなぁ・・?」
と正直思っていたのですね。
だって、
子どもがいる学校を良くする
ための学校PTA
・・・が集まった県PTA連合
・・・が集まった全国PTA連合
で、シンポジウムや講演を
やるわけです。
「そこまで大勢じゃなく
たとえば県単位くらいでも
学校に役立つ情報は
集められるんじゃないの?」
なんて思っていたのです。
ですが、これも同じで、
たとえば文部科学省なんかに
問題があってトラブル解決や改善を
していかなくちゃいけないときに、
「全国のPTAが一堂に集まっている」
「リーダーがいてまとまっている」
ということが
真に役立つのかな
・・という事に、
この人数を目の当たりにして
はじめて思い至ったんですね。
そういえば
「町内会の秋祭り」なんかも
災害時の炊き出しの予行演習に
なるそうですし、
「意味あるのかな」
なんて感じるのは
いまが「平時」で
それらが昼行燈化しているから
なんでしょうね。
◆平時じゃない卵の使い方は…
同じ考え方で
たまごだと、
「たまごの賞味期限はかなり長い」
というものがあります。
たまごは常温でも長期保存できて
日本人なら生食も可能な
じつはすご~く
非常時向きの
動物性たんぱく質です。
たとえば
20℃前後の秋の気候でも、
理論上30日は生食が可能でして
10℃前後だと57日も持ちます。
卵は家庭でも
回転しやすい食材ですので、
平時にはそんなに長く
保存することって無いでしょう。
ですが、
先日の能登半島の災害のように
通電が止まってしまった際、
肉や魚ならば常温では
すぐに捨てなくてはなりませんが、
たまごはしばらくのあいだ
食料として活用することができます。
ぼく達で言いますと、
たまご屋って
新鮮な卵ばかり
目にしているんです。
それを食べていただくのが
日々の仕事ですが、
震災などのようにお客様のほうで
そうできない事情が
起こる場合があります。
なので、
時にはあえて
(生食の)賞味期限を
超えた鶏卵で調理試食をくりかえし
どんな食味か?
またどんな調理方法が
やりやすいか?
なんてのを確認しています。
手押しポンプのように、
「意味のない遊びじゃないの?」
なんて言われる、
ムダになるほうがイイ実験ですね。
ここまでお読みくださって
ありがとうございます。