あなたの大手ライバルは決して手を抜かない
こんにちは!
たまごのソムリエ・こばやしです。
スターバックスが
フラペチーノのストローを
すべて紙ストロー化する
と発表しましたね。
賛否あるようですが、
変化対応、という意味では英断だと思います。
僕はたまご屋になる以前、
食品メーカーの開発研究者だったのですが
その時に得た最大の学びは、
「大手はゼッタイ手を抜かない」
ということ。
その食品会社の主力商品のひとつに
「味ぽん」という調味料
がありました。
というか、いまもあります。
発売後57年も続いている
ずーっと全国売上シェア№1
の商品です。
なにがスゴイって、
毎年、味のリニューアル
をしていたのです。
毎年ですよ?
とても優秀な先輩たちが
何人も担当して、
味を毎年変えるんです。
「今の味でも売れてるんですよね?」
「なんでそんなことするんですか?」
と、聞いてみたのです。
その答えは、
「味を変え続けないと、
かならず飽きられるから。」
というものでした。
味ぽんって、
発売当初はもちろん
「鍋を楽しむ」ためのものでした。
でも途中から、
おろしハンバーグにかけたり、
サンマにかけたり、
醤油代わりにつかったり、
食シーンでの
用途がだんだん変わってきたんです。
すると、使い方がちがうから
合う味だって変わる。
また、今の若い人は
酢の物なんて食べません。
「酸っぱい」
に慣れてないんです。
「だったら酸味は
ちょっとまろやかな方が喜ぶよね。」
こんなふうに、すこしずつ、
世の中に合わせて
味を変えているんです。
聞いてみたら
カルビーの
ポテトチップスだって、
バーモントカレーだって同じでした。
ながく売れているからこそ、
手を抜かずにしょっちゅう
リニューアルしているんです。
そうやって進化つづけて、
やっと「変わらぬ美味しさだね。」
と言ってもらえるんですね。
ところが、
中小企業はどうでしょう?
以前、県の勉強会で、
ある大手百貨店のバイヤーさんと
お話する機会がありました。
いわく、
「『〇〇年の伝統』があって
『頑固に味と製法を守っています』
って、
ホント多くの方がおっしゃるので、
正直ウンザリします。」
とのことでした。
つまり、小さな会社の多くは、
「味を変えないこと」が
作り手の矜持であって
強みだと思っているんです。
そして、徐々に飽きられる。
ところが、大手は違ったんです。
どんなに売れてる商品でも、
ためらわずに
時代に合わせて変えている。
でもそれって、ホントは
中小企業の強み
なんじゃないでしょうか!?
一回の生産ロットだって小さいんですし、
小さい会社の方がより
細かい変化対応ができますよね?
春夏秋冬で年4回味を変えたり、
極端に言うならば、
毎月味を変えることだって
できるはずです。
※僕たちもそう思って「夏のあっさりたまご」
という商品を作りました
どの分野でも同じかもしれません。
任天堂へゲーム機を修理に出すと、
子供が貼ったシールまで付け替えてくれるそうですね。
しかもおんなじ角度で
わざわざ貼りなおしてくれる。
サービスに感動したいろんな人が
SNSにアップしています。
象印へポットの修理を依頼すると、
まず「修理中に使う代わりの電気ポット」を送ってきます。
それが入っていた段ボール箱に、
修理するポットを入れて送り返すんです。
実に細やかなサービスですが、
こんなのもホントは、
小回りの利く中小企業の得意なサービスのハズ。
小さなたまご屋の経営者となったとき、
ボクはこの事実に恐怖しました。
業界大手のとても優秀な人たちが、
いっさい手を抜かずに、
ぼくたちの得意な領域で
強みを発揮してくる。
きっと、たまご業界もそうだろう。
じゃあどうすればいいか?
ボクらも手を抜かずに
取り組むしかないんですよね~。
取引先のラーメンチェーン店さん。
二十数店舗を全国で展開する
有名店さんですが、
本部にお邪魔するたびに
「スープを新しい味にしたんだけど、
今度のはどう?」
と試食をさせてもらいます。
こうやって今があるんだなぁ、
と元気をもらっています。
手を抜かずに、
勇気をもって
変化していきます!
ここまでお読みくださって、
ありがとうございます。