お客様とのズレをつねに考えるべき
こんにちは!
たまごのソムリエ・こばやしです。
今年は健康について考える時間が多いなぁと感じます。
コロナ禍唯一のメリットかもしれません。
46歳になって、ちょっと気を使おうと、
「人間ドック 口コミ評価サイト」
なんてサイトを覗いてみました。
驚くことに、
評価した人の大多数が
「サービスの良さ」
を理由に挙げ評価点を付けているんですね。
「気配りがあるか」
「待ち時間にたいくつしないか」
などなど…。
ボクは人間ドックって
一度も行った事が無いので
よく判りませんが、
これ、ホテルやゴルフ場じゃなくって
『病院の評価』ですよ?
「医師のアドバイスが細かい」
「検査精度が高い」とか
「最新の機器があるから」
なんていう評価理由が…
少なくとも半分くらいは
あって良い気がしますよね。
でもそうじゃない。
なのに、口コミがあった
それぞれの病院のサイト
『人間ドックPR・申し込みはコチラ』
みたいなページを見ると、どこも
「機器の充実・検査項目の充実」
をイチオシしています。
そりゃそうですよね。
僕が病院の宣伝担当だったとしても、
そうするでしょう。
でも顧客は…
そんなところで
評価していないわけです。
おそらく
受診する方々の大多数は
「自分の体は大丈夫だろう。」
って思っているんでしょうね。
その上で、
たぶんムダになる
いや、何も見つからず
ムダとなってほしい…!
と願うその「退屈な時間」を、
病院の良いサービスや
暇つぶしの充実でもって
有意義なものにしたい。
そんなニーズが高いのではないでしょうか。
このズレがとても興味深いです。
僕たちの仕事でも、
そんなズレがあります。
僕は以前、
「めちゃくちゃおいしい『たまご』」
を届けたい、
そう思っていました。
でも、お客さんが本当に求めているのは、
たまごそのものじゃなくって、
「そのたまごでできる、
めちゃくちゃ美味しい料理」
なんですね。
たまご単体だけで美味しくったって、意味がないんです。
僕はその事に気づかず失敗した、
苦い経験があります。
たまご屋を継いで1年目でした。
夏場に、沢山使ってもらいたいと、
コッテリ濃厚なこだわり卵を
売り込んでいたんです。
「とにかく使ってみて下さい。」と
卵を少し置いてくるのですが、
どこもゼンゼン反応が無い。
そんな時、商談をしていた
ある有名地場うどん店の
店長さんが僕にこう言ってくれたんです。
「ウチにいろんな人が提案に来てくれるけど、
どんなメニューがあるか
を聞いてくれる人っていないんだよね~…。」と。
その時に『価値のズレ』にハッキリと気づいたんです。
確かに…!
そのうどん店には
沢山のメニューがある。
卵を親子丼に使うのか、
月見うどんに使うのか、
天ぷらに使うのか…
卵の向き不向きが全くちがう。
そして
夏場にこんな
コッテリ濃厚な卵なんて
求めていないのかも……。
相手の事情をなんにも知らずに、
こちらの都合で
「これ濃厚で美味いですよ!」
なんてオススメしていたのです。
もちろんそのたまごの採用はありませんでした。
僕たちはたまごを勧めたい、
取引先さんは
それよりまず聞いてほしい、
そんなズレがあったのだと思います。
この失敗は、
「料理別専用たまご」
誕生のきっかけになりました。
洋菓子に合う卵だけでも
3種類も生産しているのは、
お客様の声からスタートする
と決めてからです。
ですので、
まず当社にお問合せ頂いた際は、
メニューや理念
こだわりどころ
などをしつこく聞かせていただいております。
めんどうくさいかもしれないですが、
インタビューを受けてるつもりで、
ぜひおつきあいくださいね~。
ここまでお読みくださって、ありがとうございます。