小林ゴールドエッグ

ソムリエ日記SOMMELIER DIALY

時には顧客の望む「逆」を行きましょう!

 

こんにちは!

たまごのソムリエ・こばやしです。

将棋の藤井聡太三冠が竜王戦対局中に食べていたお菓子が話題になってますね。

うーん、これは美味しそうですね~。

 

スポンサーである不二家の

人気お菓子を藤井三冠が食べた時も

 

話題になり注文が殺到

ほぼ全店で完売になるなど、

藤井三冠対局中のオヤツや食事に

ず~っと焦点があたっています。

 

が、それでホントにイイんでしょうか?

と思いますね。

だって、

 

お菓子が売れるよりも

ホントは、

『将棋盤が売れてます。』

『将棋の入門書が完売に!』

 

みたいなニュースの方が

藤井三冠や

業界の人にとって

うれしいんじゃないでしょうか。

 

でも『お菓子』が

特集されて

飛ぶように売れてしまう。

 

なんでそうなるかっていうと、

「将棋なんて分からないよね。」

っていう人たちのニーズを

聞いちゃってるから

じゃないかと思うんです。

 

対局中に食べた

オヤツの説明をするよりも、

 

藤井三冠の

『伝説の「3一銀」』って

言われる名局や、

「人間の手じゃない」

とまで言われた

名勝負『7七飛成』の

なにがスゴイのかを、

 

「将棋なんて知らないよ。」

って人たちに

「へ~!すごい!」って

言われるまで発信する。

 

すると、10年後に

競技人口が倍になっているかもしれません。

 

同じ様に、

あなたのお店でも

ぼくたち卵業界でも

 

お客様が望むことだからイイこと

だとは限らないんです。

 

たまご業界ではつい先週、

お客さんの望むことに迎合したために、

大変なことになった事件がありました。


あるたまご屋さんが、

自分たちの卵の販売POPに

『アレルギーの子でも食べられる卵を』

と題して

「子供に食べさせて大丈夫でした。」なんて

『お客さんの感想』を掲示しました。

 

それをみた健康系有名Twitterアカウントさんが

『アレルギーでも食べられる卵です!』

と紹介→ 大炎上したのです。

 

生産農場さん→「アレルギーの方は食べないで!」

…とあわてて発表する事態に……。

という顛末です。


たまごアレルギー症状を示すタンパク質は、

鶏卵中に65%もあります。

 

どんな健康的に飼育したたまごでも、

65%を変質させるのはムリです。

 

なのに、なぜお客さまが「卵を食べてもアレルギー症状が出なかった!」と思い込むのか?

以前、その心理メカニズムについて書きました。

「この卵は食べてもアレルギー症状出なかったよ!」の怖さ | たまごのソムリエ面白コラム

 

ようするに、

お客さまが望むからこそ

勘違いをすることがあるんです。

でも、正しいとは限りません。

 

上記の場合は、

自分もそう言われてまんざらでもない

そんな気持ちが

訂正をためらわせたのかもしれません。

 

でもお客様の好意的なカンチガイにも、

「いえ、そうじゃないんです。考え方がちがいます。」

と伝える必要があります。

 

勇気をもって

『お客様の望みの逆を行く』

そんな場面が、

あなたのお店にもくるかもしれません。

 

たとえば、

たまたま盛り付けの見え方で、

「あのお店は常連になると大盛サービスしてくれる!」

ってカンチガイしたお客様が

SNSで宣伝してくれるかもしれません。

 

それで集客メリットが出ても、

長期的には多くの「ガッカリ」を

産んでしまうことになります。

 

また、コロナ禍で

厳しい入店制限をしているお店が、

「まだまだスペースあって入れるのに。」

「サービスが悪い。」

と厳しい評価をいっぱい書かれている…

 

そんなお店も目にしました。

 

でもコレ、

いま不満が多くでていても、

長期的に見るとファンを増やす

行動かもしれませんよね。

 

僕たちも、

「とにかく味の濃いたまごを入れてくれ。」

って言われて

「このメニューなら必要無いです。」

って断ったお客様と、

15年来のおつきあいになっている

そんなこともあります。

 

時にはあえて

お客様の望む逆!

を考えてみましょう!

 

ここまでお読みくださって、

ありがとうございます。

カテゴリー | ソムリエ日記 , ちょっとつぶやき2021年10月9日