小林ゴールドエッグ

ソムリエ日記 SOMMELIER DIALY

ちょっとつぶやき 記事一覧

こんにちは!

たまごのソムリエ・こばやしです。

 

今朝の徳島新聞に

価格高騰に関する当社のコメントと

写真が載っています。

「たまごは物価の優等生」

ホント良く言われる言葉ですが

実はそもそも優等生ではありません。

 

ニワトリの飼育って、

飼料価格、ひいては穀物価格に

大きな影響を受けるんですね。

 

また、保存できない生鮮食品のため

その日その日の需給バランスで

価格もかなり左右されます。

 

遠く過去には

オイルショックの際には

大変な飼料原価の高騰があり

大きな影響も出ました。

 

また昨年は、

鳥インフルエンザ大発生により

ほか農場への飛び火を防ぐため

全国の1割のニワトリが殺処分

需給バランスの崩れから

相場高騰を招きました。

◆ずーっと原価の高騰が続いていた

短期的には

ロシアウクライナ戦争の影響

円安の影響による

飼料向け輸入穀物価格の上昇

などの影響が大きいのですが、

 

原油価格は以前より高騰してましたし、

それによりプラ容器包だけじゃなく

紙包装やガスも上がっていました。

 

飼料もバイオエタノールの影響で

あがり始めはずっと以前です。

 

たまご業界・鶏肉の業界では、

戦争要因抜きにしても避けがたかったかもしれません。

 

◆高い、とは何か

あがるコストに対して何ができるか

スタッフと皆で話し合いをするのですが

結局のところ

「より価値を高めるしかない」

と思うのですね。

 

高いなあ。と感じるのは

価値が価格を上回ってないから。

 

あがるコストを避けられないなら

「この品質でこれなら安い。」

そう思ってもらえる

商品質・サービスとなるまで

高めていくしかないですよね。

 

「お、ねだん以上。」

というのは家具ニトリの

キャッチフレーズですが、

商いとはまさにこれに尽きるなぁ。

と感じます。

 

われわれは普段、

五千円のマンゴーでも

百万円のクルマでも

「安い。」と感じることもありますし、

 

お値段相応の価値が無ければ

100円のお菓子でも高いと感じます。

 

コストが上がるなら

お役立ちを上げる

 

これからの挑戦として

僕たちの存在意義が問われていると感じます。

 

ここまでお読みくださって

ありがとうございます。

カテゴリー | ソムリエ日記 , ちょっとつぶやき 2022年07月23日

飲食店さんでは、何のために“卵”を使うのでしょうか。

「安い食材だから」「メニューのため」

…だけじゃない役割があります。


こんにちは!

たまごのソムリエ・こばやしです。

 

突然ですが、

スーパーで売っている総菜コロッケと

飲食店のたまご料理の役割って、

実は同じなんです。

 

少し前に「コロッケの面倒くささ」

についての議論がTwitterでバズっていました。

 

コロッケって、

買うとお手頃な価格だけど

自分で作るとなると

めっちゃ手間のかかる料理なんですよね。

 

売っている総菜コロッケが

かなり高レベルで美味しい

なのに自分で作るとなると、

手間がかかりすぎて

それに見合った家族の満足度になりにくいわけです。

 

だって、売ってるものを

買ってきたら、かなり美味しいわけですから。

 

価値と手間のギャップ

これが、総菜コロッケの魅力なんですが

飲食店さんのたまご料理にも

同じことが言えます。

たまご料理って

家庭でも頻繁に作られていますが

ある一定の料理以外は

けっこう調理スキルを必要とする

料理が多いんですよね。

 

めちゃめちゃ美味しいオムライス

めちゃめちゃ美味しいだし巻き玉子

親子丼…

どれも、家で調理はしますが、

けっこうな技術が必要で

プロの料理と大きな開きがあります。

 

たまご料理はこの差が、

ほかの料理よりも大きいのです。

 

以前にご紹介しましたが、

毎年キューピーが出す「たまご白書」によると、

卵を食べたいけどもガマンしている。

作るのが面倒くさいから

作る技術がないから

という方が、かなりの割合でいらっしゃいます。

ですので、

飲食店さんのたまご料理が

お届けする価値は、

『面倒くさい手間の提供』

なのです。

 

ですから、

飲食店さんのたまご料理は

「より面倒くさく見える」

ほど、単価が取れます。

 

温泉玉子が比較的高くても

受け入れられるのも、

温度管理などが自宅で面倒だからですね。

 

そうすると、

お店でのご提供の際に

魅せ方によって、より人気が増し

高単価でも受け入れられやすくなる

その方向性がはっきりしてきます。

 

ふつうのオムライスよりも

ドレスドオムライスの方が

面倒に見えますし、

 

吉野家の朝定食の

たまごかけごはんは200円ですが、

 

トッピングをふんだんに準備した

土鍋ごはんのたまごかけごはんは

1000円でも大人気です。

 

味の美味しさも大事ですが

「めんどうに見える」

このキーワードの力を

ぜひご飲食店様は

たまごメニューで意識して

頂ければご繁盛につながります。

 

ここまでお読みくださって

ありがとうございます。

カテゴリー | ソムリエ日記 , ちょっとつぶやき 2022年07月21日

こんにちは!

たまごのソムリエ・こばやしです。

 

本日は僕がサラリーマンだった頃の話を。

20年ほど前、

ぼくは大手食品メーカーで

マーケティング開発職をしていました。

 

新しい技術などを取り入れて

食べ物の新商品をつくる仕事です。

 

新商品の開発・・・

と一概に言っても

いろんなものがありまして

 

既存品の容量を変えただけの

ちょっとしたリニューアルから、

 

予算をかけた

CMだってバンバン打つ

鳴り物入りの新商品、

 

また、

「こんなの見たこと無い…。」

と言うくらい、

尖った開発品だってあります。

 

当然、並行して

いろ~んな検討が進められます。

そんな中に、

僕の上司が取り組んでいた

「未来的プロジェクト」

がありました。

 

食品の分野として画期的な

当時の考えでは、

「ありえね~!!」

と皆が言う構想商品でした。

 

本気でその商品を発売するなら、

まず容器をイチから考える

調理加工の製法が全く変わる

包装の工程が全くちがってくる

 

前代未聞なので、

保健所さんとのやりとりも膨大になる

 

でも…

とても便利になって

食べるお客様はかならず喜ぶ。

 

そんな構想の新商品開発でした。

膨大な手間

作れるかもわからない

売れるかもわからない

喜んでもらえるのは確実

 

あなたなら、どうしますか…?

定期的な開発ミーティングに出ていた上司は

各部署のリーダーと少しずつ話を詰めていましたが

なにせ雲をつかむような話です。

例えるならトヨタが

宇宙へ行く車を開発するようなものでしょうか。

 

「できたらいいなぁ。」

みたいな遠い先の蜃気楼を

皆が見るようなカンジだったのを、

横目でみて覚えています。

 

そして…

僕がその会社を退職して数年後

いきなりその商品が発売!になったのです。

当時ものすごく話題になりまして、

売り切れ続出

そのチルド食品を食べない人も

「クルっとやったらすぐ食べられるんでしょう?」

なんて話題にするくらいのヒットになりました。

 

まさか・・・!

 

で、元同僚の友人に電話して

聞いてみたのです。

「10年20年単位じゃないと

とてもムリって言ってたのに、

いったいどうやって商品化までこぎ着けたのか!?」

 

その答えは、とても驚くものでした。

雲をつかむような構想

それを商品化できた理由は

 

社長が“発売日”を決めたから

とのことでした。

 

〇年後の〇月〇日に

この商品を必ず発売する

 

強い意志で社内を統一したことで

いろんな部所間のやりとりも

飛躍的に進んで

皆で難しかったいくつもの課題を

クリアーしていったのだとか。

 

「夢に日付を」

これは実業家・渡邉美樹さんのお言葉だったかと思います。

みんながぼんやりと夢だと思うことを

未来で具体化するのは

経営者の仕事なんですね。

お役立ちに対する覚悟とも言えます。

 

先代の後を継いで数年の

ドシロウト社長の僕に

強烈に印象に残ったできごとでした。

 

商品の具体名は明かせませんが、

いまでも心に留めている

エピソードです。

 

ここまでお読みくださって

ありがとうございます。

カテゴリー | ソムリエ日記 , ちょっとつぶやき 2022年07月13日

こんにちは!

たまごのソムリエ・こばやしです。

 

梅雨も終わって、

わくわくする季節になりましたね!

四国の田舎、我が徳島は今が最高ですね。

湿気もまだ来ておらず、風も心地よいです。

ちなみに、ウチの周りはとても風通しがよく、

ウチの家の玄関を開けると、こんな風景です。

めっちゃ田んぼ!

 

これ、比喩表現じゃなくって、

ホントにドアのすぐ外がこうなんです。

秋には一面の黄金色でそちらも良いですが

今の緑のじゅうたんの方が好きですね~。

 

本日は、

自然と卵品質についてお話します。

 

たまごのカラの外観なんですが、

赤たまごだと、

カラの色が濃いほうが

なんとなく美味しそうに感じますよね?

実際は、たまごのカラの色って

産む鶏のコンディションによって

ちょうど人間の肌の色と同じで

多様性があるんです。

見ての通り、

ちょっとずつ明るさが違います。

 

ただ、傾向はあります。

たとえば、明るいところで飼育された

ニワトリさんのたまごは

明るいカラの色になりやすく、

 

暗いところで飼育されたたまごは

やや暗っぽい、カラの色の濃い卵に

なる傾向があります。

 

これはなぜかと言いますと、

やはり外敵に見つからないように

本能的に周りの色味に合わせるため

と考えられます。

 

ですので例えば

放し飼いの農場のたまごほど

外観、たまごのカラの色に

ばらつきがあって

ちょっと明るめのことが多いです。

 

ところが、

そういう色むらを嫌う

消費者の方もいらっしゃることから

あえて暗がりで飼育をして

色の濃い目のカラのたまごにして

出荷する農場さんもある・・・

なんて話も聞きます。

 

ただ個人的には

あまり意味のないこだわりだと感じています。

見た目、たまごのカラの色のために

ニワトリにとっての環境を厳しくするのは

必要なことじゃないですよね。

 

たとえ「そのほうが売れるから」

だとしても、

「殻色のばらつきは

自然を活かす飼育のためです。」

と正しく知ってもらうべきで

伝える努力が必要なんだと思います。

 

あなたの食べている卵のカラ、

その色味がいろいろであれば、

 

もしかすると

元気なニワトリさんの証!

かもしれません。

 

ここまでお読みくださって

ありがとうございます。

カテゴリー | ソムリエ日記 , ちょっとつぶやき 2022年07月9日

こんにちは!

たまごのソムリエ・こばやしです。

 

昨日からの大規模通信障害、

auの方は大変ですね。

 

お客様やウチのスタッフと連絡が取れなくなって

LINE電話で対応しましたが、

やっぱり困りましたね~。

 

昔は一日二日、連絡がつかなくても

そんなに気にならなかった気もしますが、

今は仕事抜きの一個人の携帯であっても

「だれかとコンタクト取れない」のはすごく不安になるんですね。

 

auショップにも、

困った方々が殺到していたようですが、

双方たいへんだったかと思います。

 

ところが、KDDIによる経緯説明の記者会見、これが、

非常に評価高かった!

との声がありますね。

 

 

 

いや~、すごいですね。

通信障害の是非は別として、

経営陣がちゃんと現場を分かっている

というのはすごく安心感につながるのが分かります。

 

知床観光船沈没の際は、

経営者が法律の規定や実際の運用を

「聞かれてもわからない」状態で

あたふたしどろもどろしてましたが、今回はすごく対照的に感じました。

 

経営者はもちろんのこと、

お客様と接する人間が技術面の話や

品質面の話をキッチリ即答できるかどうかって

すんごく大事だとわかりますね~。

 

僕たち卵屋でいうならば、

昨年は鳥インフルエンザが全国で猛威をふるいました。

いざ不安な点があったとして、

現場で即その解消ができているかどうか。

また、鶏卵にはインエッグと言いまして

どんなきちんとした管理の農場であっても、

鶏卵の内部にサルモネラ菌を持った卵が

数十万~数百万個に一個の割合で

発生してしまいます。

どんなたまご屋であっても

常にお客様の食中毒の可能性に対して

ゼロにすることはできないんですね。

 

いざ何かあった時に

経緯、メカニズム、打てる対応、現状

きちんと微に入り細を穿つ説明ができるかどうか…

特に経営者として求められていると感じます。

 

今回のauの件、会見を観て

「auを選んでよかった。」

という声までネットでありました。

 

僕たちも、あってはならないことがもし仮に起こってしまったら、

逆に信頼してもらえるように、

普段より深くふかく考えてまいります。

 

ここまでお読みくださって、

ありがとうございます。

カテゴリー | ソムリエ日記 , ちょっとつぶやき 2022年07月4日

こんにちは!

たまごのソムリエ・こばやしです。

 

「カツカレーはもったいない。

1+1が2にならないですし。」

カリスマ講師の林修先生が

以前こんなことを言ってました。

ちょっと話題になりましたよね。

 

なるほど、

トンカツもおいしい

カレーもおいしい

 

でもカツカレーになっても

とんかつの2倍美味しい

カレーの2倍美味しいとはならないんですね。

 

たしかに世の中には

1+1が10くらいになる

相性の素材もありますから、

 

それにくらべると

カツもカレーも主役級で

そもそもが旨すぎるんでしょうね

 

合体しても

それぞれの美味しさの1.6倍くらい?

のような気はします。

それでも食べたいんですが。

 

ですがこの議論

もう少し別の観点があるように思うんです。

 

先日、ある洋食店さんで

「オムハヤシ」を食べたんです。

オムレツにハヤシライスが

かかっている料理ですね。

合体しているだけあって

そのお店のハヤシライスよりも

オムライスよりも高いんですが

 

頼んでみたところ

ハヤシライスのルーが

全体に対してやや少ないんです。

 

しかもオムハヤシですから

ライス部分は

ケチャップライスじゃなく

ほぼ味なしライスでして

「オムライス」としてもちょっと味が足りない・・。

僕の中では

老舗のハヤシライスと

オムライスが合体したら

そりゃあウマいだろう!

・・・と思ったのですが、

 

「もしかするとどちらかの方が美味しかったかも。」

と、ちょっと悔やみました。

 

いや、そのお店に文句を言いたいんじゃなくて

オムカレーとかオムハヤシって

構造的にそういう風になりやすい気がするんですよ。

 

「オム」になってるんだから

かけるルーの量は少なめでいいだろう

みたいな。

おそらく上の写真のような

スタンダード的オムライスの

美的感覚ソースがけから

逸脱しにくいんじゃないかと思うんです。

 

これって、カツカレーでも

同じことがあるんじゃないでしょうか。

カツあるし、ルーは控えめでもいいだろう

 

…と、見た目のバランスなんかで

つい盛り付け担当する人が

考えてしまうのかもしれません。

 

観光協会の専門誌「旬刊旅行新聞」編集長が

「カツカレー・ルーが少ない問題」を

提起していたことがあります。

 

先日、かつやの期間限定メニュー

「大人様ランチ」の話をしましたが、

美味しいもの×美味しいもの

の新メニュー構成の場合

 

見た目・盛り付けの美的要素もありますが、

客の期待値がめっちゃ高い可能性もあります。

 

新メニューを考えたときに、

バランス感覚で

「ちょっとそれぞれを減じてしまう」要素は注意すべきかなあ、と思います。

 

ここまでお読みくださって、

ありがとうございます。

(関連:団塊のおっさんターゲットなたまご料理は面白い。 | たまごのソムリエ面白コラム

カテゴリー | ソムリエ日記 , ちょっとつぶやき 2022年07月1日