小林ゴールドエッグ

ソムリエ日記 SOMMELIER DIALY

ちょっとつぶやき 記事一覧

こんにちは!

たまごのソムリエ・こばやしです。

 

南大西洋に、トリスタンダクーニャ島という

絶海の孤島があります。

ギネスブックにも載っている

「世界一孤立した有人島」

 

ようするに、

人が住んでいるところから

最も遠い島なんです。

へー。

 

個人的に面白いなぁと思うのは

どれほど「すごく遠い!」

のかを表す表現です。

 

「上空約400kmを飛行する

国際宇宙ステーションが最も

近い人が居住する場所になる。」

 

とのことで、

これって「すさまじいな!」

と感じますよね。

 

「お隣さん」の島は

2千4百km離れたセントヘレナ島

なんですが、数字を出すよりも

「宇宙ステーションが最も近い」

のインパクトはすごいですよね。


こんな風に

飲食店さんのメニューでも

 

おなじ「すごい」という情報を

お伝えする場合でも、言葉を選ぶと

よりインパクトが増しますよね。

 

あなたのお店のたまご料理、

いや全メニューは、

どんな表現をされていますでしょうか?

 

まさか

「おいしいです」なんて表現、

書いてませんよね?

 

実は、これを書くと

百害あって一利なしなんです。

 

なぜなら、

・あたりまえすぎる

・期待値が下がる

からです。

 

今の世の中「おいしい」ものって

あふれすぎています。

むしろ「おいしくない」メニューを

探す方が難しいくらい。

 

であれば、

「おいしいです」って書くのは

「食べられます。」とか

「これは食品です。」

くらいの意味しかないということ…。

当たり前すぎて意味がありません。

 

また、

期待値が下がるというのは、

たとえば玉子料理が得意

牛肉料理が自慢

 

なんてことがあった時に、

「おいしい!」…とPRしても

ただ「びっくり感動」を下げるだけ

になっちゃうかもしれないから。

 

料理を食べたときの感動って、

『事前の期待感』と

『実際の満足の差』から

生まれるんですね。

 

「おいしい」かどうかは、

こちらが伝えることじゃなくて

相手が判断すること。

それよりも、

「熟鶏のたまごで白身が多く、

ふわとろ食感が特徴のオムレツです。」

「自然豊かな四国から直送した

産卵翌日のたまごです。」

・・・みたいな、

 

美味しいと判断する前の「材料」、

料理の『特徴』をお伝えすべきです。

 

お見合い的に

「イイひと紹介するよ!」

と連れてくる前に

 

「彼は車の免許持ってるよ!」

なんて誰もが持ってる特徴は言わないですし、

「超かっこいいんだよ!すごいよ!!」

なんて煽らないほうが会った時

上手く行きますよね。

 

「おいしい!」と伝えずに

ワクワクしてもらえる

そんな卵料理の表現でしたら、

我々は大得意です。

 

メニューイングの

差別化でお困りでしたら

ぜひご相談くださいね~。

 

ここまでお読みくださって、

ありがとうございます。

カテゴリー | ソムリエ日記 , ちょっとつぶやき 2022年06月1日

こんにちは!

たまごのソムリエ・こばやしです。

三角関数よりも金融のことを学ぶべき!

と言った議員さんに批判が殺到し

話題となっていましたね。

 

それって実践野球だけやって

キャッチボールはやめる、

みたいなカンジじゃないの?

という意見もありまして、

いやホントその通りだと思います。

 

実際、三角関数って仕事に使ってなくても

その「思考のプロセス」を

自然と活用している人も

少なくないのではないでしょうか。


僕は、

「関係ないと思える知識が

人生にめちゃくちゃ役に立つ」

という事を身を持って

体験しています。

 

僕はいま、たまご屋3代目ですが、

十代の頃は家を継ぐのなんて

まっぴらごめんだ、と思ってました。

 

で、高校の時

父に将来の相談をしたところ

「おまえの人生だ、好きにしろ。」

と父が言ってくれたのですね。

 

これ幸い!と、

全く違う分野である、

大学の工学部へ行きまして

「高分子物理学」なるものを学びました。

 

プラスチック(高分子)の研究で

その弾力性や変形性を

数式などをもとに考える

「レオロジー」という学問です。

あまり一般的じゃないですね。

 

研究室で3年学び、

その後食品メーカーを経て

たまご屋を継ぐことに

なったのですが、

 

ふつうに考えると食品分野では

プラスチックの物理学なんて

役に立ちません。

 

じゃあ

研究室での3年間は

大学のつごう6年間は

まったくムダだったのかというと、

 

これが!ですね、

僕たちのいまの取り組みに

オンリーワンの「強み」を

作ってくれたのです。

 

◆たまごも料理も化学だった

「高分子」っていうと

樹脂・プラスチックなど

材料っぽいイメージですが、

実は食品にも高分子が沢山あります。

 

たとえばこんにゃく。

超巨大な分子が

立体構造となって

あの食感ができている

「高分子」です。

 

おなじく

豆腐もかまぼこも納豆も、

高分子なんですね。

 

そして、

たまごも高分子。

加熱で構造を変化させる

高機能な物体、として考えると

たまごに滑らかさが出る条件や

より濃厚な味を感じる条件、

 

高分子物理学の観点で

食感やのど越し、口当たりに

どんな卵が料理に合うのか?

…が考えられたのです。

たとえば、

たまごの生食をするなら、

舌の味蕾にたくさんの信号が伝わるほど

味が濃いと感じます。

 

そして、

最も長く味蕾に接点を持つ

黄身の粘性と弾力性があるんですね。

「高分子」として考えると、

その値が分かってきます。

こんなふうな考えが、

「料理別専用たまご」の

裏付けにもなったのですね。

 

◆なんでも役立てる

「考え方次第だなあ。」と思います。

これ、たまたま役に立つ勉強していただけで、

ラッキーだっただけなんじゃないの?

みたいに感じるかもしれませんが、

 

役立てるどうかって、

自分だけの強みだと思う

意志一つですよね。

 

だって、

高分子物理学なんて学問の

知識を持っている卵屋さんなんて

ほかにいないですから(いるかもしれませんが…)

強みだと考えると、そうなっちゃうんです。

 

もし僕が美術大学に行っていたら、

それを大いに活用した

ステキなたまごをお届けしていたかもしれません。

 

それはそれで、

面白そうですが・・・。

 

ここまでお読みくださって

ありがとうございます。

カテゴリー | ソムリエ日記 , ちょっとつぶやき 2022年05月27日

こんにちは!

たまごのソムリエ・こばやしです。

パソコンが出張先で壊れまして、

とても往生しながら仕事をしております(汗)

 

タブレットでこの文章も打っておりますが、

慣れないとホント大変ですね・・


少し前に

取引先様主催の展示会に出展させていただく機会がありました。

足を留めていただいた方に本当に感謝です。

 

料理別専用たまごほか、

ご繁盛につながる卵を

いくつかご提案させていただきましたが、

このご縁が、

新たなお客様のワクワクに

繋がりますこと、とても楽しみです。

 

先日ある農業関連の本を

読んでいましたら

「人類は落ちない稲穂を偶然発見したところから、農業が始まった」

ということが書かれていました。

 

植物は、当たり前ですが、

実った種が散らばることで

自分を広げます。

 

小麦の穂や稲の穂も同じで、

実ったら下にバラバラと落ちるはず。

 

ですが、偶然、

実っても穂についたままの品種が生まれた。

 

そして、それを見逃さなかった人がいた。

すると、大量の稲穂を実がなるまで育て

大量に収穫できる・・

すなわち農業の始まりとなった訳ですね。

 

そこから、コツコツと増やして

今ではお米は4億8000万トン/年に、

小麦は7億8000万トンに広がった訳ですね。

 

うーん、すごい。

卵も似たような歴史があります。

かつて鶏は、

一年にほんの一時期しか

卵を産みませんでした。

春だけしか産まなかったのです。

 

そりゃそうですよね。

ツバメだって、スズメだってそうです。

 

さらに、

鶏は卵をみると温めたくなる。

温め始めると産まなくなる。

そんな本能があります。

 

ところが、偶然にも、

季節関係なく

産む鶏さんが出たのです。

 

さらに、産んでからも、

温めないし、

卵を見ても産卵ストップしない。

偶然にもそんな種が生まれました。

 

それを、人類は見逃さなかったのです。

 

で、大切に育て始めたのですね。

それが今では世界に230億羽。

人類の3倍を超えています。

すごいですね。

 

落ちない穂のすごいメリット

季節によらず産む鶏のすごさ

 

これを見逃さなかった人は

一体どんな人だったのでしょうね。

時々想像してしまいます。

 

その人がいなければ、

今も人類は飢え続けていたかもしれません。

 

今回参加させていただいた展示会でも、

僕たちがご提案した取り組みや商品が

 

「見逃さない」

「価値を活かす」

そんなお客様のおかげで

 

僕たち、自分では思いもよらない

食べるお客様の価値を

生んでくださるかもしれません。

 

他とは違って実を付けたまま育つ

変わった稲穂の縁のように

 

新たな価値を見出す方とのご縁が

もし!世の中を変えるなら素敵だなあ、

とワクワクしております。

 

ここまでお読みくださって、

ありがとうございます。

 

カテゴリー | ソムリエ日記 , ちょっとつぶやき 2022年05月26日

こんにちは!

たまごのソムリエ・こばやしです。

 

息子にせがまれ絵本の

「わらしべ長者」を読んだのですが、

ふと気づいた事があります。

 

わらしべ長者って、

最初にわらを掴んでから、

「ちょっと上の価値のもの」

と交換していって、

最期に長者(金持ち)になった…

 

交渉とそのタイミングが良かった。

そんなお話だと思っていたのです。

 

ですが、

あらためて読んでみると、

「付加価値」アップの工夫を

随所にこらしているんですね。

 

まず、

スタート時の「わら」ですが、

これにアブを結んだところ…

ぶんぶんと飛び回る

おもちゃになって、

 

それに見てめっちゃ欲しくなった

子供にせがまれた親から

美味しいミカンと交換してもらえたのです。

 

ただの「わら」を、たのしい

遊びグッズに価値UPしたから成功したんです。

 

また途中で、

持っている反物を

たおれた馬と交換するのですが、

持ち主が見捨てた馬に

かいがいしく水を運び

何度も飲ませ介抱することで、

立派な馬をゲットするんです。

 

現代で言うなら

廃車になったフェラーリを

買い取ってレストアした、

みたいなイメージでしょうか。

 

いずれにせよ、

単に「交換」しているだけじゃなく、

その時持っているものに、

なにがしかの価値を高める

加工やケアをしていたわけです。

 

なかなか面白いですね~。

 

さて、

「付加価値アップ」

という意味で言いますと、

 

飲食店さん

洋菓子店さんは

まさに日々それを

ご商売にされておられますよね。

 

食材を魔法のように加工して

完成した料理やお菓子が

高い価値の物になって

喜ばれるわけです。

 

そんな食材の中で

実は「たまご」は

とくに調理で価値が高まりやすい

効果の高い食材なんです。

 

属に「こめ・こな・たまご」

と言います。

 

米、小麦粉、卵

この3つは、

比較的単価の低い食材なのに、

組み合わせると価値が上がりやすく

 

この組み合わせで

人気メニューができますと、

お店の利益率はとっても高くなるんですね。

「ステーキ」を食材で差別化すると

原価がすごく上がりやすいですが、

 

「米+たまご」のオムライスであれば、

工夫次第で原価をあまり上げなくても

魅力価値を上げやすいわけです。

 

そして特に

「卵」にこだわることが

メニューの味や見た目の

差別化率が大きいんです。

加熱で超とろふわになる

熟どりのたまごで作ったオムレツ

 

ハーブで育てた卵の

香りのすんごく良いシフォンケーキ

 

黄金色の良い風味のたまごで作った

黄金プリン・・・

 

こんな風な価値アップが、

たまごの差別化で生まれ、

お店の高収益につながります。

 

ぜひ、コメ・こな・タマゴ3つの食材で

付加価値アップを

考えてみて下さいませ~。

 

あなたのお店がさらに価値アップし

繁盛し最後におおきな「収穫」となりますように!

ここまでお読みくださって、

ありがとうございます。

カテゴリー | ソムリエ日記 , ちょっとつぶやき 2022年05月13日

こんにちは!

たまごのソムリエ・こばやしです。

 

北海道沖で観光船が沈没した事件

大変痛ましいことですが、

自分たち自身も意識を変えるべき点が

いろいろあるんじゃないか、

そんなツイートが話題となっていました。

 

 

道路や橋など今のインフラも、

作られ40年以上経つものも多く

利用する僕たちが気をつける事も

多いのでは、ということですね。

たしかに・・・。

 

自己責任、というか

自分で気を付けることが

多くなってくる世の中なのかも

しれません。

 

ただ、

ぼくたち卵を含む

「食品」に関してだけは、

自己責任なんて考えが

未来へ向けゼロになる。

無くなる。

そんな世の中であるべきです。

 

昭和以前は、

野菜や食品は古くなっていても

自己判断で使う

そんな世の中でした。

今はずいぶん変わりましたよね!?

 

とはいえ現代でも

海外ではまだそういう考えも

多くあります。


以前、上海の市場で

たまごを山積みに

販売している所を見かけたことがあります。

そのさい、

脇にあるテーブルの上に

小さな『筒』が

置いてあったのですね。

 

中には電球が固定してあり

上部に布が貼ってあり、

真ん中に小さな穴が開いていて

そこから光が漏れている‥‥‥。

ヘンな道具ですが、コレは

たまごの中身が腐って無いかを

確認するための簡易道具なんです。

つまり、

筒上の黒い布の穴に卵を置くと、

光が卵を通って、

正常なものなら卵が明るく光る。

腐っていれば、内部が真っ黒に見える。

そんな道具だったのですね。

 

へー。

と興味深かったですが、

よくよく考えると、これつまり

「たまごを買って帰り

腐っていたとしたら、

チェックしなかった

あなたが悪い。」

という意味なんですね。

 

なんという自己責任(笑)

すごい発想です。

ぼくたちの洗卵選別工場では、

こんな風に全部のたまごを

光で透かして中身チェックし、

さらに微細なヒビがあるかを

音波検査で確認しています。

 

ちなみに

たまご一個が乗っている写真は

当社の簡易チェック器です。

 

世のインフラの懸念とは逆に

より安心してお使いいただける卵へ

進化して参ります!

 

ここまでお読みくださって、

ありがとうございます。

カテゴリー | ソムリエ日記 , ちょっとつぶやき 2022年05月12日

本日は、連休明けに思ったことをすこし。


こんにちは!

たまごのソムリエ・こばやしです。

 

ゴールデンウィークはこうじゃなきゃ!

という鉄道漫画ツイートが話題になってますね。

 


今年のゴールデンウイークは忙しい!

でもこうじゃなきゃな―♪という感想、

ホントそうですよね。

 

大変だけどうれしい、

というのはスゴク良くわかります。

 

ご飲食店様も、そうではないでしょうか。

ゴールデンウイークでお忙しくなり、

大変おつかれかと思いますが

そこにワクワクを感じられた

そんなお店さんスタッフさんも

多かったのではないでしょうか。

 

米国マーカス・バッキンガム著の

「まずルールを破れ~すぐれたマネジャーはここが違う~」という本があります。

 

20年ほど前の本ですが、

8万人のマネージャーと

100万人の従業員にインタビューをし

その結果を集計した結果をまとめたもの。

 

その結論が非常におもしろくて、

・人には仕事の向き不向きがある

・それは『才能』である

・それは”仕事の技能”のコトじゃなくて、

その業務を『好きになれるかどうか』

・だからマネージャーは、仕事の有能さじゃなくって

その仕事が好きになれるか、で適材適所を考えるべき

 

そんな内容でした。

 

看護師さんは

注射がすごくうまいかどうかよりも、

 

多忙な夜勤のときに

患者さんに「ありがとう」と

言ってもらえて疲れが吹っ飛ぶかどうか

 

そういう気持ちを持てることが

すごく大切で貴重なことで

そう感じられるのは

その人の「才能」である、

という事ですね。

 

飲食店さんでも

コロナ禍の閑散を体験し、

さらに今年GWや年末のような

忙しくも賑わいを体感して、

「やっぱりイイなぁ。」

と思えるならば

それってホントステキな才能で

それを感じた人は誇るべきですね!

 

僕たちも、たまごの仕事に対して

この部分とっても大きいと感じます。

 

僕たちのモットーが

「人を楽しく自分は面白く」

なんです。

 

楽しいは「らく」に通じます。

そして「面白い」は

けっして楽じゃなくても面白いことがある

「大変だけど面白い」

というセカイがありますよね。

 

楽しいのも良いですが、

コレってピンチだけど面白れェ…!

みたいなカッコよさがあると思ってます。

 

お客様から急なお届けの

ご注文があった際に、

想定外の集客があったことに

「うれしい」「ありがたい」

って思える集団でありたいです。

 

コロナ禍明けももうあとちょっと!

と期待しながら忙しさを待ちます。

 

ここまでお読みくださって、

ありがとうございます。

カテゴリー | ソムリエ日記 , ちょっとつぶやき 2022年05月9日