小林ゴールドエッグ

ソムリエ日記 SOMMELIER DIALY

ちょっとつぶやき 記事一覧

こんにちは!
たまごのソムリエ・こばやしです。

最近、

昔話は
視点を変えてみると
面白い

という話をきき
ナルホドと思いました。

 

たとえば
桃太郎であれば、

本人じゃなく
おじいさんおばあさん視点
考えてみると

子供のいない自分たちに
すごく優秀な息子ができて
大きな手柄を立て

世間の評判と
財産をどっさり得て

実家に帰ってくる

というお話なわけです。

ご近所の評価も
うなぎのぼり!

・・・という
夢のある
高齢者にとってのステキ
サクセスストーリーに。

なるほど面白いです。

 

たしかに
桃太郎がいきなり
鬼を退治しに行く
行動原理も
ちょっと謎ですし、

『日本一』
のキャッチコピーや
財宝をもってかえる
ところも、

 

どちらかというと
『待つ側のワクワク』
な魅力となって

読む人に『親の視点』で
楽しませる
ストーリー構造だと
考えると、
納得がいきます。

 

 

現代風に言うならば
遅くしてできた
自分の息子(娘)が

スタートアップで
ベンチャー企業を立ち上げて

世の中を変える技術サービスを
提供するお役立ち上場企業の

経営者かつ
ビリオネアになって
帰ってくる、みたいな。

これはたしかに
ワクワクしますね~。

 

おなじく
知人家族をすべて失い
最後には老人になってしまう物語
浦島太郎
「カメの視点」で考えると、

いのちを救われ
良かれと思って
恩返しをこころみるも

本人の思惑と違っていて
ありがた迷惑になってしまった
人物(カメ)の後悔の物語

という
すごく共感しやすいお話
になると
聞いたことがあります。

 

これも、
なんか理不尽なお話が
ビターな大人のストーリーに
様変わりしますよね。

 

こういった2重の視点は
何も昔話に
かぎったことではなくて、

たとえばピクサーの映画も
この別視点がすごいんですよね。

映画『モンスターズインク』は
何をするかわからない
子供の行動にハラハラする
親目線の共感

『ファインディングニモ』は
ズバリ子供を助ける
お父さんの視点ですから、

子供だけじゃなく
親子で楽しめるわけです。

 

◆もうひとつ目線で心に響かせる!

飲食店さんの
たまごメニューも

なにかこう『別視点』での
魅力が込められていると
おもしろいんじゃないか
と思います。

 

たとえば
地元の主要駅前にある
僕たちの得意先ホテルの
レストランさんは

「たまごがどれくらい近くで
育ってとれたのか」

を細かく伝えてくれています。

 

これは、
遠くから来たお客様が
ターゲットではあるのですが、
もう一つの目的として、
『地元の人が他県の人を連れて行きたい』
『そして喜んでもらえてうれしい』
・・・となる価値づくりなんです。

なので、細かな伝え方で

「県外のお客様に
ぜひ来てほしい」

と、

「他県のお客様を
お連れすると
喜んでもらえます」

というコンセプトを
伝えています。

おもしろいですよね。

 

「家族団らんのための
サンドイッチセットです」

みたいな
買う人(連れてくる人)と食べる人、

もう一人誰かのための別視点
魅力を伝えてみるのは
おもしろいのかもしれません。

 

ここまでお読みくださって
ありがとうございます。

カテゴリー | ソムリエ日記 , ちょっとつぶやき 2023年11月4日

こだわり卵って
なぜ必要なのか?について。


こんにちは!
たまごのソムリエ・こばやしです。

マジシャンの
ナポレオンズ・パルト小石さんが
『デパートで見た石鹸の実演販売』について
生前に書かれたコラムがあります。

たまたま通りがかった売り場で
石鹸の手洗い実演販売をしていた。

マジシャンという商売柄
その伝え方が気になって見てみたら

水とその石鹸だけなのに
汚れたシャツが
ビックリする
くらいみるみるキレイになり、

その鮮やかな効果に感動して
さっそく買って帰って
ウチで愛用した。

しばらくして、ふと、

昔から使っている石鹸でも
同じように汚れをこすってみると…

まったく同じように
キレイに汚れが取れた。

ようするに、
いままでそんな丁寧に
磨いてなかっただけだったのだ。

 

・・・というようなお話だったかと思います。

十五年前くらいに読みましたが、
とても印象に残っています。


これって、
たまごでもあるハナシなんですね。

高い卵を買ってみた。

久しぶりに
卵かけ御飯で食べてみたら
もうビックリするくらい
美味しくって感動して
ファンになったよ。

 

こんなお話を聞くことがあります。

ウチのたまごの話だったりすると、
ホントに、心底うれしいエピソード
で躍り上がりたくなるのですが、

そんなとき、
上記のパルト小石さんのエピソードを
思い出すんですね。

 

その方はもしかすると、

『普段は卵かけごはんなんてしない。
でもせっかく良いたまごだから、

アツアツ炊き立てごはんで
薬味も添えて
じっくりそれだけ味わってみよう。』

となって、

『おおっ・・・!
これはスゴイ美味しさだ!!!』

と感動してくださったのかもしれないんです。

すなわち、

普段食べている白たまごでも、
アツアツ炊き立てごはんで
そっと丁寧に割って食べると
超おいしい

・・・ということかもしれない。

 

たまごによって
向き不向きはありますが、

たまごってそもそも
美味しいんですよ。

こだわり卵としての
底上げがなくても。

 

ですので、
ウチのたまごをほめていただいた時に
めちゃめちゃ喜びつつも、

それがもしかすると
商品としての「差」の部分じゃなくて
卵という物体そのものが褒められている
かもしれない、

慢心しちゃいけないなあ。
と肝に銘じています。

 

これって、どの商売でも同じかもしれません。

建設業だってそう。
住んだお客さんが
超満足していても、

その工務店さんの家だからなのと、
「新築」そのものが素晴らしいのと
ごっちゃになっているかもしれないんですね。


そして、
意図的にそれを混同させる方法も
あるんじゃないかと思うんです。

たまご・食材や料理の
こだわりどころを
きちんと伝えることで、

 

相手に丁寧に食してもらえ
それが感動につながるんです。

商品質の差 プラス
お客さんの意識の差
取り扱いの差
を引き出すことができる。

それこそが、
こだわり食材の
大きなメリットだと思います。

 

「なんにも書いてなくても
食べればウマいから分かるはずだ!」

なんておっしゃるかもしれませんが、
お客様の意識として、
テキトーに醤油をかけられる
可能性を排除できて、

スマホ見ながらじゃなく
一口目をちゃんと味わってもらえる

これだけでも、
『こだわり食材』という「情報」の
価値なんですね。

なので、しっかり伝えないといけないわけです。

 

ここまでお読みくださって、
ありがとうございます。

カテゴリー | ソムリエ日記 , ちょっとつぶやき 2023年07月19日

こんにちは!
たまごのソムリエ・こばやしです。

ずいぶん前ですが、
ドイツで花屋さんをしている
日本人の方の記事を読みました。

印象的だったのが、

ドイツでは
花を買いに来るのは
圧倒的に男性が多い。

とおっしゃっていたこと。
ちょっと驚きですよね。
ドイツでのお客様から分かったのは、

本当に花が好きなのは女性で、
男は喜んでもらうために
頻繁に花を贈るから。

だそうで、なかなかステキな文化ですね。
そしてこれって、かなり大事な観点だなあ、
と思います。


◆伝えることが変わってしまう

どういうことかというと、
上記のドイツのお花屋さんのように
商売によっては

その商品がほしい『ファン』と
じっさいに買う人が別

なんですね。

 

たとえばおもちゃ屋さん。
ファンは子供でも、
じっさいのスポンサーは
「親」です。

 

じゃあ、
飲食店さんの場合はどうかというと

「欲しくない人が来る」

というケースは、
まぁ無くはないけれども
レアケースかと思います。


食べたい人が来る
のが
普通ですよね!?

じゃあ、
テイクアウトだったら
どうでしょう・・?

 

いちばん欲しい人が
買いに来るんじゃなくて、

もしかすると、人気メニューを
お子さんや奥さまが大好きだから
買って帰っているのかもしれません。

 

もしそうならば、

「お子さん大喜び!」ハンバーグオムライス
のメッセージひとつが
繁盛につながる可能性があるわけです。

あと『宴会』なんかも
そうですよね。

 

お店を予約するのは
「幹事さん」です。
食べる人じゃありません。

この場合チラシやSNSで伝える事は、

「ウチで宴会すると
幹事さんは面倒くさくなくて
さらに盛り上がります。
そして幹事としての株が上がるよ!」

ということですよね。

ですのでこの場合、
「場がたのしく盛り上がる」に
焦点をあてたコース内容になっていたり
「お店までの分かりやすい地図」
をご用意したり・・・
そんな人気の飲食店さんもあります。

 

洋菓子店さん・パン屋さんも
お店によっては
食べたい人と買う人が
ちがうこともあります。

 

駅前の洋菓子店さんで
サラリーマンの『持ち帰り』だけに
思いっきりターゲットを絞った
お店を見かけたことがあります。

ある時期だけ限定で絞る、
たとえばホワイトデー前だけ、
POPの文言とフォントすら
男性向けに変えてしまう
洋菓子店さんもありますよね。

 

◆たまご屋もそう

そしてじつは、
たまご屋である僕たちも
『食べて喜んでくれる人』と
『買ってくださる方々』が
思いっきり違うんです。

 

ウチのたまごを買ってくださるのは
飲食店さん、洋菓子店さんなど
『料理をご提供する』人たちで、

たまご料理を食べて
喜んでくださるのは
そのお店のファンです。

量販店さんにも
僕たちの卵商品が並びますが、
こちらも僕たちが取引しているのは
スーパーさんで、
帰って食べるのはお店のお客さん。

 

ですので僕たちは、
①「食べるお客さんが健康で美味しく喜んでくれる」
ことを考えつつ、

②「美味しい料理にしてくれる
取引先さんがよろこぶこと」

も考えないといけないんですね。

そこが、たまご屋の面白さだ!
と常々感じますね~。

取引先さんの大事な方のことを
一緒に考えられるわけですから。

 

ここまでお読みくださって、
ありがとうございます。

カテゴリー | ソムリエ日記 , ちょっとつぶやき 2023年07月16日

こんにちは!
たまごのソムリエ・こばやしです。

海外のニュースサイトを見ていたら、
ゆでたまごをマヨであえた
フツーの玉子サンドが、

「ジャパニーズスタイル
エッグサンドイッチ
『TAMAGO・SANDO』」

としてレシピ紹介されていました。

ゆでたまごをマヨネーズであえて
塩コショウするだけ
・・・というシンプルな構造ですから、
日本式、と言われるとちょっと気恥ずかしさがあります。

 

ですが、たしかに
海外では野菜やチーズ、
いろんなものが入ったサンドイッチが
主流でして、たまご単独のサンドは
ほぼ見かけません。

考えてみると不思議ですよね。

 

訪日した海外のライターさんや
東京オリンピックに来た記者さんが
コンビニなんかで手軽にたまごサンドを
買ってみて、その美味しさに超おどろいて
次々と海外で拡散されている状況でもあります。

(関連:外国人がビックリ大絶賛する「たまごサンド」の理由 | たまごのソムリエ面白コラム

 

ほかにもこういう料理ってありまして、

たとえば「枝豆」

ごぞんじ大豆を
さやごとゆでたものです。

これも
日本食『EDAMAME』
として海外で広まっています。

大豆なんて世界中の
どこにでもあるのに

それを
茹でて塩を振ったものが
『日本食』『和食』なんて、
ちょっと不思議に感じますよね。

 

これも考えてみると
豆料理も海外の料理では
かなり味濃く煮込んだり肉や野菜と
一緒になったものが主流ですから、

日本料理の『シンプルさ』は
ぼくたちが考える以上に特徴に
なっているのかもしれません。

 

◆自分たちの当たり前が非常識に

この2つの例から何が言えるかというと、

自分のお店の当たり前は
世界の非常識かもしれない、

ということですね。

ずっと昔から
当たり前にやっている
あなたのお店のこだわりや
仕込み方やサービスが、
意外とお客様に

「エッ!?そんなすごいこと
やってるの。言ってよ!」

みたいなことがあるかもしれません。

枝豆やたまごサンドが
世界の非常識なんですから、
あなたのお店の魅力も
ぜったいに「知らなかった」の
非常識な魅力があります!

 

ここまでお読みくださって、
ありがとうございます。

カテゴリー | ソムリエ日記 , ちょっとつぶやき 2023年07月11日

「ボクはこのお店を発展させて
フランチャイズ化するつもり。」

「これ食べてみてよ。
このうどんの小麦粉のバランス、
最高でしょう? この県で一番の
味だと自負してる。
食べ歩いたけど負けてるお店なんて
正直ないね。」

 

これは
それぞれ別オーナーさんが
オープン前の打ち合わせ中に
おっしゃった言葉。

どちらのお店も
開店3か月経たずに
廃業しました

ウチの売掛を残したまま・・・。


僕が、たまご屋をやっていて

いちばん嫌いな事のひとつが、
お客様の倒産です。

これまで夢を語ってくれていた、
納品のたび笑顔でお声がけ
してくれた、

そんな取引先さんが開き直って
「ないものは払えない。知らん。」
なんておっしゃる。

一夜にして
憎い相手に変わるんです。

売掛の間の、
工場・事務所・営業配送、
すべてのスタッフが汗水ながして
がんばってくれて納品した仕事が
すべてムダになるわけです。

 

ぼくはこの事をすごく憎みます。

たとえ千円でも
一生わすれない、
道であったらどうしてくれよう・・!
と思いながら生きてます。
(もちろんきちんと精算され
円満に廃業される取引先さんは
別です。その場合は残念でさみしいです)

それと同時に、

じゃあ、
どうやったら廃業せずに
お客様に長く、ながく
続けてもらえるのか

を考えるようになりました。

一食材としておこがましい、
のかもしれません。

ですが、
たまご料理で
ワクワクしてもらえるメニュー情報、
世界の繁盛メニュー事例とトレンド

そして
食べるお客様にまで伝わる
差別化メニューになる、
そんなたまごの開発・・・。

『繁盛』という価値を
たまごを通してお届けしよう

そう思ったら、
僕たちにできること、
やってきてなかったことって
山ほどあるんです。

ぼくたちは、
たまごを使ってくださる
取引先さんが繁盛しない限り
ぼくたちの売り上げは
一円も上がりません。

取引先さんの飲食店さん
洋菓子店さん、製パン店さん・・・
これらのお店にファンの方が増えて
盛り上がってこそ、
僕たちも成長し、業績も上がるんですね。

ですので、
単に「良い卵を納める」だけ
その向こう側にあるもの

取引先さんに来店するお客様、
最終の食べてくださるお客様の
ハッピーを、
取引先さんと一緒に考えようと
決めております。

 

時にはヘンな質問も
たくさんお聞きしますが、
お店さまの『想い』や
『強みこだわりどころ』、
顧客さんのことを
教えていただければ幸いです。

そして、ながくご一緒に、
お付き合いいただければ最高です。

美味しさ提供業、健康提供業
そして繁盛提供業として
精進してまいります。

ここまでお読みくださって、
ありがとうございます。

カテゴリー | ソムリエ日記 , ちょっとつぶやき 2023年07月8日

こんにちは!
たまごのソムリエ・こばやしです。

徳島で人気のジェラート屋さんに
食べに行ったら

お店の外に新しく
コンテナ製の休憩場所
できてました。

 

川のすぐわきの場所で、
筒状になっているため、
風通しよく景色もステキで

美味しいジェラートとともに
すんごくリラックスできる
楽しさがありました。

 

で、ですね。

中に入って座ってみると、
コンテナの側面にが付いているんです。

 

これ、すご~く大きな違いなんですね。

 

体感で
単なる「筒」か「建物」か
それを分ける一点が、
小さな窓なんですよ。
そしてそこから見える
木々の木漏れ日がすごくいいんです。

 

もしこの窓がなかったら、
両側が大きく開いているけども
ちょっと閉塞感あっただろうな、
と思いますね~。

ぎゃくに大きな窓だったら
今度はくつろぎにくかったでしょうね。

 

これって、なんとなく
料理の魅力の伝え方に似てるな、
と思います。

魅力の窓となる小さな一言が
メニューの価値をすごく高めます。

メニュー名が
ただの「オムライス」みたいな
なんにもないと、そっけなくて
差別化にも楽しみにもならないですし、

逆にくどくど書きすぎても、
覚えにくいし辟易しそうです。

 

端的に一言だけ魅力をメニューに加える
それで自分にピッタリだと知ってもらったり
注文する決定打になるわけです。

これってたまご料理でもそれ以外でも、
お店の魅力を伝え利益構造を良くする
大事な部分だと思います。

ちなみに飲食店さんのたまご料理は
「面倒くさい手間」「技術」
利益になりやすいのですが、

たとえば

「たっぷり」

「じっくり」

のようなお店さんが意外と当たり前と
思っている事に魅力が出やすいメニューです。

「半熟たまごの上から
デミグラスソースを
たっぷりかけた
オムライスです。」

「じっくり香りづけを
した燻製たまごの
たまごかけごはんです。」

みたいな。

なぜ手間ひまや面倒そうな事に
関するキーワードが良いのかというと、

たまご料理はしょっちゅう家で
作られているからですね。

家で作ろうと思えば物理的にはできるけど
うまくは作れなくって、
でも美味しい卵料理を食べたい!

というところが外食でのたまご料理の
大きな魅力です。

そして、他の食材料理よりも
そこのニーズは大きいんです。

 

ぜひ価値を高める一言、
あなたのお店のたまご料理で
お考え下さいませ~。

ここまでお読みくださって、
ありがとうございます。

カテゴリー | ソムリエ日記 , ちょっとつぶやき 2023年07月6日