小林ゴールドエッグ

ソムリエ日記SOMMELIER DIALY

「いらないものを大切につかう」という価値

こんにちは!

たまごのソムリエ・こばやしです。

 

先日Twitterで

「蔵書を処分する際は、

必ず古書店の人を呼ぶなど相談すべき。

『これは要らない』と捨てる古い雑誌が

入手困難な高価品で、一見

立派な本が安価ということが多々ある。」

 

というつぶやきを見かけました。

なるほど・・・!

 

いらないと思ったものが重要

という事があり得るわけですね。

 

化石の研究エピソードを思い出しました。

かつて、岩の中に眠る恐竜の化石を

掘り起こす際、

最新の注意を払って骨を削りだしていました。

 

あるときフト、化石を削りだした

まわりの捨てている土を

分析してみたら・・・

 

なんと!

その恐竜が死んだとき

食べていたものや

体内の胃にあったであろう石

体内微生物の情報、

 

生きていたころの情報が

山のように手に入る事が

分ったんですね。

捨てていたものこそが

情報の宝だったんです。

 

たまごでも中世以降、

歴史的に欧州の修道院では

ワインづくりが許されており、

その工程で

大量の卵白を必要としました。

で、余ったのがたくさんの黄身。

それを何とかしようと

修道士さんたちは頭をひねりまして

 

たまごの黄身をつかった

大変ぜいたくで

美味しいお菓子を

いろいろ考えたんですね。

 

今では

ワイン処イコール

たまごの黄身菓子が絶品の

銘菓となって

地域の人の楽しみや

観光の目玉となっています。

 

スペインの名物菓子

「聖テレサの黄身」がまさにそうですね。

 

最近、東京のある有名料理店さんで、

すだちを食べて育ったこだわりたまごの

「白身だけ」を使っていただいています。

 

それは、

こだわりの麺をオリジナルで

発注し、その製麺に

ウチの黄身を使っていただく。

 

その際の余った白身

これをムダにしないため、

わざわざご注文くださっているのです。

 

「もったいないを無くす」

そのために、コストがかかっても

輸送費がかさむ小ロットの白身液卵を

注文下さるんですね。

 

その姿勢と考えに

たまご屋として

ものすごく心を打たれます。

 

他のすべての食材も

同じ考えで使っていただいているはずです。

大切に食べきっていただくこと。

その考え方にとても尊敬します。

 

ぜいたくに一部分だけ使う、

じゃなくって、

SDGsの観点で、このお店さまの

かんがえに共感し、

その美味しい体験以上にファンになる

そんなことがきっと起こっていることでしょう。

 

味だけじゃなく

「思想」まで含めて美味しさの内

これからそんな発想が、

お店のご繁盛をつくっていくのではないでしょうか。

 

ここまでお読みくださって、

ありがとうございます。

カテゴリー | ソムリエ日記 , ワクワクすること2022年02月19日