一子相伝の技
本日はちょっと印象的だった
商売の話を。
こんにちは!
たまごのソムリエ・こばやしです。
あるお世話になっている
社長さんを訪ねる機会がありまして、
手土産を持っていくことにしたんです。
その方は、無類のお酒好き。
僕ものんべですが
何でも来いでこだわりがなく
あまり銘柄に詳しくないため、
知人がやっている酒専門店に
相談に行ったのです。
そこの店主Oさんに
「酒好きの人にお渡しするのって、どんなのが良いかなぁ。」
と尋ねると
「その人の人柄は?」
「どんな生活?」
などいくつか質問されまして、
その答えでドン!と
一本のお酒を出してくれたのです。
「これ、~県の離島にある酒蔵で、
一子相伝の方がつくっていらっしゃる。」
とのこと。
「一子相伝なんだ。」
「そう、一子相伝。一子相伝の殺人拳。」
「さつ・・・!???」
というわけで、
酒造りの傍ら道場を開き、
またご自身は秘伝の拳
殺人術を一子相伝で継承する
武術家の方が作ったお酒。
・・・
酒造りに関係ねえ…!
・・のですが
妙に納得してしまいまして
『なるほどそりゃ美味い酒を造りそうだな』
とすごく感じたのです。
ケンシロウみたいな人が
酒造りしていたら
そりゃすごいのができそうですよね。
寿命ものびそう。
なるほど、と思い
そのお酒を持っていくと
果たして豪放磊落な性格の
その社長さんはめちゃくちゃ面白がり
喜んでくださいました。
◆モノじゃない価値だけを変える
商売とはモノを届ける事じゃなく
価値を届けること
そんな言葉を聞くたびに
このことを思い出します。
味や品質とは全く関係ないけども
僕との聞き取り話から、
『ほしいのはお酒じゃなくて
面白いと思ってもらう事』
『酒好きの老舗製菓経営者が
興味を持つ歴史的な興味ごと』
みたいなことを考えて
膨大な知識とお店の商品のストックから
このお酒を勧めてくれたわけです。
おススメの仕方
提案の仕方で
そのモノの「意味」を変える、
というのは、そのときの良い気づきでした。
だって、味も醸造方法も
聞いてないんですよ!?
たまごも、
そのものの美味しさも
もちろん大事ですが
そのバックグラウンドや
ストーリーも含め
料理になった時の魅力になりえる。
そう考えて、
提案を考えてまいります。
ここまでお読みくださって
ありがとうございます。