月見バーガー戦争にみる大手の『たまごメニュー増益戦略』
こんにちは!
たまごのソムリエ・こばやしです。
月見バーガーの時期ですね。
マック、ケンタ、モス、コメダ
月見戦争の勃発やないか! pic.twitter.com/HsH7res5uJ— 巨四郎@特殊陶芸家 ガラダ堂代表 (@garada_k4r) September 6, 2022
今年は4社に増えたので、
さらにお祭り化してますね。
ネットでも盛り上がりつつあります。
どんなカンジかちょっと寄って
みたのですが、モスバーガーは
まだでした。残念。
マクドナルドはもうやってました。
全面的な押し方でしたね。
この、卵を使った
「月見」キャンペーン
同じコンセプトで、
同じような商品を、
同じ時期に期間限定で4社が出すんです。
別にコラボレーションじゃないんですよ?
よく考えてみると、
スゴイ話ですよね。
そんなにやりたいのか
なぜなのか?
これ、実は、
あなたのお店のメニューにも
関係する、大きな理由があるんです。
◆タイミング的にベストな月見バーガー
そもそも、
秋刀魚なんかと違って、
卵は年中あるわけですから、
ホントに人気あるなら定番で
やっちゃえばいいはずですよね?
実際春にも「てりたまバーガー」
なんて同じようなメニューを
出しているわけですし。
じつは期間限定『月見バーガー』
って、ちょっとした発明でして、
秋のこの時期にやると、
メリットがたくさんあるんです。
理由①:コストが安い
まず、夏季の鶏の入れ替え時期の
直後で若鶏が多く、小さい卵が
相場安く調達しやすいのです。
この期間後、
秋の終わりから冬~春先までは、
だんだんと小さい卵の産まれる率が
減ってきまして、小卵の相場が
上がってきます。
たまごはサイズによって
安い時期と高い時期が異なりまして、
『春のてりたま』も、
初秋の「月見バーガー」も、
小ぶりで数をかせげる小卵が
大変使いやすいタイミングなんです。
理由②:卵の利益率の良さが活きる
そして、もう一つ
たまごは食肉と比べて、
比較的原価を抑えやすく、
お客様の付加価値になりやすい
という特徴があります。
ありていにいうと、
月見バーガーはお客様が
豪華に感じる割に、
ベーコンたっぷりの
BLTバーガーよりもずっと
コストを抑えながら提供できるのです。
とはいえ、
一年中あって本来季節感が
薄いですから、
より
「おっ!食べてみようか。」
と思ってもらえる季節の話題が
いるのです。
そうやって、重点的にたべてもらって
粗利を稼ぐ戦略。
それが、「月見」という
古来よりあるテーマなんですね。
本来たまごの旬は2つありまして、
ひとつはもともとニワトリが
産む季節だった「春」
もうひとつはもっとも滋養に富む
「大寒」の候。
そこに、低価格で提供しやすい
「月見の時期」という第三の「旬」を
創出したわけですね。
う~ん、なかなかしたたかで、
すごい戦略だな~と思います。
◆中小の飲食業界はぜひ乗るべき
上記のメリットは何も大手企業
だけに限っていません。
年末へ向けての相場上昇期の前で、
特に小さめのたまごに関しては
非常に使いやすい、粗利の出やすい時期です。
しかも!
これだけ大手4社がこぞって
「月見だ」
「月見だ」
「月見だ」
ってアピールしてくれて
いるんですよ。
これに乗らない手はありません。
黄身だけの料理
黄身を使った小鉢
たまごかけごはん
なんでもとにかく
月見的なメニューの楽しみを
ワクワクしてもらいながら
楽しんでいただきませんか。
きっと、あなたのお店の
粗利向上にも、
お客様の楽しみにも
つながります。
ここまでお読みくださって
ありがとうございます。