小林ゴールドエッグ

ソムリエ日記SOMMELIER DIALY

養鶏とたまご売りがテーマの小説

こんにちは!

たまごのソムリエ、こばやしです。

 

若者の活字離れ、なんてことが

僕が学生の頃から

言われ続けております。

 

出版物の市場は

ピーク時の半分以下に

減っているそうですが、

じっさいどうなんでしょうね?

 

いまの若い人たちって、

昔よりずっと毎日活字に

触れているように感じます。

 

スマホやSNSのつながりがありますから、

毎日活字を読まない日って

ないんじゃないでしょうか?

 

僕達が若いころは、

ホント学校が終わったら

まったく字を読まない、

 

ゲームセンターだボーリングだと

遊び歩いて帰ったら、

テレビを見て寝る

 

授業以外では「文字」なんて

見たくないね…なんてのも

割と普通でした。

 

今とは雲泥の差ですね。

実際、「国語に関する国勢調査」

世代別データによると、

本を読まない率は60代、70代と

上の世代ほど高くなっているようで、

 

「若者の活字離れ」どころか

「中年以降世代の活字離れ」として

僕たち以上の世代が意識して

活字に触れて行かないと

いけないんじゃないかと思います。

 

本日は「世界観って大事だなぁ。」って思った、本のご紹介を。

 

〇「ヒカルの卵」(森沢昭夫著 徳間文庫)

限界集落の養鶏家が、

卵かけご飯専門店を

森の中に出店するお話です。

 

お人よしの主人公に

次第に周囲の人たちが巻き込まれ、

だんだん「オレたちも頑張ろう。」

…となっていく様子に

とっても心が温かくなります。

 

“「誰かを幸せにする」のが仕事だ”

という真理を思い出させてくれますね。

 

読む人に

「へー、養鶏ってこんなカンジなんだね。」

と感じてもらえる、

業界PRとしても貴重な一冊です。

「養鶏や鶏卵のこだわり」が

たくさん出てきますが、

 

実際に鶏卵業界であった

取り組みなども

うまく取り込まれていまして、ちょっとニヤッとする事も。

 

僕が面白いな、と思ったのは

作中で出てくる

「卵の魅力」の伝わり方。

 

卵の味に関する細かな描写も

出てはくるんですが、

「ああ、この卵かけご飯食べてみたいな。ステキだなぁ。」

と感じるのは

そんな描写の部分じゃなくって、

 

主人公たる養鶏家の人柄や

鶏舎まわりの大自然や

満天の星空、

卵かけご飯専門店を包み込む『世界観』に触れているシーンなんですよね。

 

僕たちが卵を売る際に

伝えて行かなくてはいけないのも、

決してモノとしての卵のスペックじゃなく

 

こういう“物語”や

人柄や想いや理念

といったような

もっと大きな部分なんだなぁ、

と気づかされます。

 

何のために養鶏をするのか。

たまごをお届けするのか

そういう根源的な想いこそが

 

最終の食べて頂ける

お客様の食卓を魅了するのかもしれません。

 

ここまでお読みくださって、

ありがとうございます。

カテゴリー | ソムリエ日記 , ワクワクすること2021年10月30日