一万人の従業員を生んだ特大たまご
こんにちは!
たまごのソムリエ・こばやしです。
ジョー・コロンベさんという方がいます。
500店舗を超える全米スーパーチェーン
「トレーダー・ジョーズ」の創始者
昨年89歳で亡くなられたのですが
その後出版された回顧録で
「もしあの時の
『特大たまご』が無かったら
今の165億ドルの売り上げ規模も
一万人の社員もいなかっただろう。」
・・・と述べています。
どういう意味でしょう?
60年前、
まだコロンベさんのお店が
10店舗ほどだったころ
売り上げも良くなく、
まわりの大手チェーン店に苦戦していました。
そんな時、
オフィスに一人の農場主がやってきたのです。
「困っているんです…!」
聞いてみると、農場で
たまたま特大サイズ(Extra Large)のたまごが
たくさん産まれすぎて、
だぶってしまっている。
普通より12%大きいけれど、
レギュラーサイズの卵と
同じ価格でいいから買ってくれないだろうか。
とのことでした。
農場はそう大きくなかったので
大手ライバルチェーンで
扱うほどの大量では無かったのですが
コロンベさんのお店にちょうど良いくらいで
さっそくチラシを打って
大好評で売り切ったのです。
ここで、コロンベさんは
気づいたんですね。
野菜でも卵でもワインでも、
ちょっとだけ
メーカーでだぶっていたり
少量で仕入れが面倒くさくて
大手が手を出さない
手に入れにくい商品は
ほかにもあるはず。
それをお安く提供できれば・・・!
それで、
国産メーカー保護のために
高い関税がかかっていたチーズのうち
国産がないため関税から外れていた
「ブリーチーズ」を見つけて
全米一ブリーチーズを輸入して販売したり
メープルシロップを
ドラム缶で仕入れて量り売りしたり
ワインでもコーヒー豆でも
同じ考え方で
大手がしない手間をかけたことで
そこからお店は急速に繁盛するようになったのだそうです。
それがいまや530店舗。
「『特大たまごのテスト』がトレダー・ジョーンズ販売計画の基礎のひとつだ。」
「『特大たまご』がブレイクスルーのきっかけなんだ。」
と回顧録で語っています。
面白いですね~。
ぼくは若いころアメリカに一年ほど
住んでいたことがあるんですが、
トレダー・ジョーズは「安くて面白い物が多い店」の
イメージがありました。
まさか、たまごがきっかけなんて…!
このお話のポイントは2つ
「めんどくさい、大手ライバルがしないことをする」
「仕入れも地域も、皆が喜ぶ三方良しになっている」
こと。
これって、
小さいお店だからこその
強みを活かしやすいですよね。
ぼくたちも
寒い冬の時期は
鶏がたっぷり餌を食べるので
特大サイズのたまごが
余りがちになります。
そんなときに
「白身がおおくてとろふわになります!」
と特別なシールや容器で
販売をしたり
メニューごと提案したり
ちょっと面倒くさいことを
すると、ものすごく売れたりします。
お客様に合わせて料理別にたまごを作り分けたり
同じ商品でも売り場に合わせて
容器を変えたり
面倒くさいところに
できることはまだたくさんあるなぁ
と感じます。
ぼくたちも、
コロンベさんの特大たまごのように
あなたのお店の
大きなきっかけになりますよう
精進してまいります。
ここまでお読みくださって
ありがとうございます。