たまご恐怖症というものがある
こんにちは!
たまごのソムリエ・こばやしです。
小説家川端ケイさんの作品に
「卵の殻が割れなくて」
という小説があります。
副料理長をやっている女性が
突然たまごの殻が割れなくなってしまう。
なんでだろう、こまったな
なんて考えながら人生を振り返る
非常に引き込まれる物語です。
(※幻冬舎のネットで連載もしていて読めます
【小説】副料理長の女性「卵の殻が割れなくなってしまった」 | 幻冬舎ゴールドライフオンライン )
じつは
「たまごってちょっと怖い。」
って考える方って
意外といらっしゃるんですね。
その恐怖感は人それぞれで、
「割れそうでこわい」
「衛生的に触るのがこわい」
「何か出てきそう」
「なんとなく見た目にこわい」
なんて様々です。
少し前に、
探偵ナイトスクープにも、
『たまごが怖くて割れない女子大生』
という相談がありましたね。
(関連:若者はたまごを調理しない。でも外食で食べる。 | たまごのソムリエ面白コラム)
何かに過剰な恐怖心を抱くことを
医学的に「恐怖症」と言いますが、
たまご恐怖症は
「オヴォフォビア」と呼ばれます。
医学的にはほかに
「ニワトリ恐怖症」なるものがありまして、
ニワトリが攻撃的でこわい!
という思い込みで、
幼少時のつつかれた
トラウマから来ることが多く
こっちでも
たまごが怖くなっちゃうんだそうです。
うーむ・・・
僕は幸いにもたまご好きですが、
じつは感覚的にはこの恐怖
想像できなくもないです。
人間、まじまじと見ないもの
抽象化してとらえているものって
あんまり怖くないんですよ。
ほら、たとえばトカゲとか
クマだって、
ぬいぐるみやアニメでしか
観たことなければ、
そんなに怖くも
ないじゃないですか。
でも実物をじっくりと観察すると
すごくこわい・・・!
みたいなことってあるんですよ。
卵も、じっっくりとカラを眺めると
すごく凸凹や細かい模様があって
なんだか異世界ですし、
割った生卵の光沢や
固ゆでたまごの断面だって
冷静に眺めてみると
「こんな身近にこんな
みたことない物体が・・!」
みたいなヘンな感覚に
なっちゃうこともあります。
仕事柄、顕微鏡の拡大図を見たり
そのものをじっくりまじまじと
見つめることもしょっちゅうなので
「おお・・スゴイ・・・!」
なんて感覚になりますし、
人によっては恐怖心になっても
おかしくないと思いますね。
代表的な例で言うと、
あの映画監督ヒッチコックさんは
めっちゃ卵恐怖症で、
「あの穴のない白い丸いもの
から黄色いものが出てくるなんて・・・
血は赤で陽気だけど、
黄身って黄色なんだぜ。生き物なのに。」
みたいなことを語っています。
恐怖を演出する第一人者で、
常に対象を観察する名監督ならではの
感覚かもしれません。
この
ヒッチコックさんの卵恐怖を
イメージした芸術作品もありまして、
「卵恐怖症(ヒッチコック以降)」(グスタフ・アルメストール)
こんな作品です。
うーん、確かにシリアルキラー的に
襲い掛かってきそうな怖さです。
そして、意外とこういう
「よく見るとこわい」
現象ってほかの食材でも
あったりしまして、
たとえば魚の目が怖いとか
年齢層なお客様層や
料理によっては、
見た目に配慮する必要も
出てくるかもですね。
ここまでお読みくださって、
ありがとうございます。