小林ゴールドエッグ

ソムリエ日記SOMMELIER DIALY

SNSでバズった羽のあるたまご問題

こんにちは!
たまごのソムリエ・こばやしです。

米国のスーパー・ホールフーズマーケットで
オーガニックたまごを買ったら、
殻から羽毛が・・・

というSNS動画が話題になっていますね。

 

@brielledior_ Listen… ive been grieving one of my best friends in the entire worlds death so im already fckd up AND I KNOW CHICKENS COME FROM EGGS BUT WHO TF EXPECTS THIS TYPE OF TRAUMA?!???? #wholefoods #eggs #chicken #babychicks #food #cooking #cookinghacks ♬ original sound – BrielleDior

 

コメントも含め、
中身がすでにヒヨコに!?
・・・というのを想像して
ショックを受けているようです。

「怖くて割れない!」

「オーガニックすぎだろ」

「自然派な商品嗜好を見直す時が来たようだ。」

なんてコメントがいくつも入ってます。

 

気持ちはよくわかります。

ですがこれは、
中身から出てるんじゃなくって
表面の洗浄が不十分で
羽毛が外にくっついているだけ
じゃないかと思うんです。

それを気づかず割っちゃった。

これたぶん成鶏の羽ですし。

有精卵がヒヨコになるのには
21日間かかります。
羽ができるのはほぼ後半です。

保管されている間が
ず~っと40℃弱でこの期間
お店の陳列状態でそこまでに
なる可能性は薄いですね。

割ってみて「ヒヨコさんこんにちは」
・・・な展開はまずなさそうです。

 

もちろん衛生面では問題ですし、
ちゃんと検卵してるのか!など
厳しい目で批判はされるべきだとは思いますが、

ご想像のようなホラーな展開は
無いかと思いますね~。

 

◆洗卵の有無とメリットデメリット

たまごには『洗卵』という工程がありまして、
次亜塩素酸殺菌水など、食品向けの
衛生的な洗浄水で表面をブラシで洗って
乾かす仕組みになんですね。

その際に、
鳥インフルやノロウィルス、
サルモネラ菌や大腸菌なども
すべて死滅させますので、
衛生的にたまごを食べるには
必須の工程とも言えます。

日本で産まれる99%のたまごは
洗卵工程を経て売り場に並んでます。

ウチも含め、ことさら「洗浄済み!」
なんて書いてないケースがほとんどです。

 

対して「無洗卵」というものがあります。
これは、小規模の農場さんなどで、
洗浄工程を経ずに商品になっているもの。

自販機などで販売するケースで、
洗浄をせずに売られている場合もあります。

この場合は、
カラ表面に菌が残ることも。

 

ただし、
卵として『長もち』するのは無洗卵の方
ということが分かっています。

産卵後のたまご表面には
「クチクラ層」という天然の
コーティングがありまして、

菌の侵入から中身を守っているんですね。
産みたてたまごを触ると、
ちょっと「ペタッ」とした感触があります。

ですが残念なことに
このクチクラ層は水に溶けるため
ブラシで洗浄すると
剝がれてしまうんです。

まとめますと、
たまご表殻の衛生と安全性は
洗卵済みたまごが圧倒的

中身の保存期間・長もち度は
無洗卵が上、という事なのです。

 

◆使うシーンによっては注意が必要

ですので、

ウチは良い卵を買っているのだ。

なんて思っていても、
こと衛生面に関しては
リスクが上がっていることも
あり得ます。

 

ただし、無洗卵が悪いわけじゃなくって、
たとえば、

無洗卵の調理をしたら
殻を触った後は手を洗わずに
サラダなど他食材を調理しない

など、ちょっと気をつければ
問題ありません。

鶏肉など生肉さわったあとと
同じだと思っていただければ良いです。

また、洗卵済みたまごは
その心配はありません。

旅館で小鉢に入った卵が
気になる、なんて話も聞くことが
ありますが、
まったく問題ないですね~。

 

ぜひ使うたまごによって
分けて考えてくださいませ~。

ここまでお読みくださって、
ありがとうございます。

カテゴリー | ソムリエ日記 , 安心安全2023年06月16日