小林ゴールドエッグ

ソムリエ日記 SOMMELIER DIALY

安心安全 記事一覧

こんにちは。たまごのソムリエ・こばやしです。

コロナ禍で「安心」できる伝え方がすっごく重要になってきています。

「安心安全」って言いますよね。

飲食店を営む皆さまは、調理の場、ホール、どの場面でも大事にされている言葉かと思います。

でもこの「安心」と「安全」って…

本来はそれぞれ別に考えるべきなんですよね。

そもそもこの2つはどう違うんでしょう?

 

安全でも安心じゃない!?

ざっくり言うならば、

安全は「そんな状態」で安心は「そんな気持ち」です。

「安全」ならば『安全な状態』のこと。

そして「安心」ならば『安心だなぁと感じられる』こと。

ぼくたち卵屋でしたら、

卵が次亜塩素酸ナトリウム水で殺菌され菌が無い状態、

工場に異物が侵入しない状態、

商品表示で賞味期限や生産ロットが判る状態、

機器が倒れてケガしない状態……

こんな“状態”が「安全」になります。

そして、「これだけシッカリしてくれていれば、安心だね。」

……と思ってもらえること、それが“安心”。

感じる気持ちですね。

例えば棚が見えないところでシッカリ固定されていて「安全」でも、見た目に危なっかしいなら「安心」できないわけですし、どれだけ殺菌していても不潔そうな担当者ならば安心できないのです。

そして、両方とも取り組み方が違ってきます。

 

〇コロナで「目立つ安心」が大事になってくる

安全にすること、これはもちろん大事です。

今回のテーマは「安心」

安心って、安全なことを「伝えないと伝わらない」のです。

例えば耐震工事でも、補強した梁鉄骨が赤いペンキで目立つように塗られていたり「耐震補強済み」なんてでっかく表記してあったりしますよね!? これって「安心」のためなんです。

今、コロナ禍の中で少なくないお客様が飲食店での食事に不安を感じています。

「せまい飲食店で食べて大丈夫かな?」

「外出してうつらないかな……?」

みたいな。

なので、意外と当たり前にやっている事でも、積極的に「伝えて」安心へのアプローチをすること。これが重要なんじゃないかと思います。

例えば、感染リスクを下げるため店内に殺菌水の噴霧器を置くお店も多くあります。

また、店頭に手を消毒するアルコールを置いてあるお店も多いです。

でも、

噴霧器って目立たない色とカタチなんですね。

白とか黒とかでコンパクト。

場所も、カウンターや部屋の隅など邪魔にならない場所に置いてある事が多いです。

ですが、これからはそれじゃぁもったいない!

より「安心」してもらうため、目立たせないといけないのです。

具体的には、

でっかくて、目立つ場所にあってハデな色で、すぐに気づく、どうせならそんな状態の噴霧器にしないと「安心」が増えません。

繰り返しますが、

以前であれば「安全」のためにやっていれば良かったのですが、

コロナ禍後は安心のニーズが以前よりずっと増えています。

あなたのお店で当たり前のようにやっている「安全」の取り組みは、余さずどんどん伝えて行くべきです。

テーブルの拭き掃除も、以前はお客様がいない時にされていたのが、逆に混雑中こそ拭き掃除することが「目立つ安心」になります。

たとえば……

・店頭のアルコール消毒のスプレーはよりでっかいボトルに変えて、「殺菌用アルコールです!」と大きく表示する。

・噴霧器は黄色に塗って店のド真ん中に置いて、「殺菌のため噴霧中」とでっかくパネルを付ける

・お客様がいても10分おきにカウンターを拭き掃除する&「定期的に拭き掃除しています、ご了承ください」とでっかく表示

・調理される方の服装を変える。白衣っぽい服にする、目立つ色のゴム手袋にする

などなど……

「そんな病院みたいなこと、イメージが崩れるんじゃ・・・」

と思われるかもしれません。

でも、少なくとも今(2020年6月時点)は、

以前お店の雰囲気と調和のため目立たせずやっていたことを、ガラッ!と変えて目立つ伝え方にしなくてはいけない、そんな世の中になっています。

「これなら安心だね。」

…と思えることのニーズ増大を、ぜひお店の戦略に取り入れるべきではないでしょうか。

ここまでお読みくださってありがとうございます。

カテゴリー | ソムリエ日記 , 安心安全 2020年06月15日

こんにちは!たまごのソムリエ・こばやしです。

新潟・青森で連続して鳥インフルエンザが発生、殺処分となっております。

ご不安に思われる方もいらっしゃるかと思います。

一昨年に鳥インフルエンザについて書かせていただいたのですが、

下記に再掲させていただきます。

鳥インフルエンザの怖くない話 – たまごのソムリエ面白コラム

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・鳥インフルエンザが発生確認され140年、卵や鶏肉を食べて感染した人はいない。

・私共のような洗卵選別場にて洗浄された卵は、基本的に次亜塩素酸殺菌水などでインフルエンザウィルスは死滅する。

このようなことについて、あれこれ書かせていただいております。

また、農場にても、野鳥などの侵入防止、車や人含めた殺菌による感染防止を十全に行っております。

より安心安全にお召し上がりいただけますよう、取り組んでまいります。

ここまでお読みくださって、ありがとうございます^^

カテゴリー | ソムリエ日記 , 安心安全 2016年11月30日

有名チェーン店の食中毒が話題になっています。

もちろん我々も含めて、安心安全は食の大命題です。

 

■サイコロステーキ(結着肉)はステーキより危険
でも、今回の事件は、いわゆる「サイコロステーキ」特有の問題でもあるんですよね。

通常、牛肉の内部にO‐157菌は存在しません。

調理時に、いろいろな媒介を経て肉の表面に付いた菌が、問題となります。

レアステーキでも、表面をしっかり焼くことで食中毒を抑えられるのはこのおかげです。

ただし、サイコロステーキ(結着肉)は違います。

これは、実は肉片をよせあつめた塊なんですよね。

結着剤といわれるもので、再度お肉をくっつけて形成しているんです。

なので、表面のO-157菌が内部に取り込まれている可能性が大いにあるんです。

なので、普通レアで食べられる牛肉も、サイコロステーキ(結着肉)の場合は中までよっっく火を通さないと食べられないことになります。

皆様も、量販店さんで買って調理される際は、ちょっとだけご注意を。

 

■たまごの高度な防菌構造
さて、 たまご。

実は、かなり頑強な防菌構造になっています。

まず、カラの外側にはクチクラ層という膜があり、菌の侵入を防いでいます。(注1)

次にカラの外側の卵殻膜。 二層構造になっていて、ここでも菌をブロックします。

そして卵白。

これも四層構造になっているんですが、卵白には卵白リゾチームという成分があり、なんと菌を溶かす作用があります。

これにより栄養たっぷりな卵黄を、菌から守っているんですね。

冷蔵で一か月近くも食べられる、卵の保存性のヒミツはここにあるんですね。

 

■調理時の危険性は・・?
もちろん、上記のサイコロステーキのようなリスクも、たまごに存在します。

たとえば、タルタルソースを作って常温放置するなど、たまごを割った状態で非加熱保存した場合。

これは、前述の防菌構造がまったく機能しませんので、リスクは格段に上がります。

時間のかかる料理や、割ってからある程度放置してしまったたまごは、よっっく確認して加熱した上でお召し上がり下さい。(^^)

(注1)洗卵ラインを通すと、ほとんど除去されてしまいます。相対的に菌リスクを減らせるため、現在は殺菌洗浄を行っているケースがほとんどです。 

(参考文献)たまごの知識 ・タマゴ屋さんが書いたタマゴの本

 

(参照) 「サイコロ」成型肉はよく焼いて レアだと食中毒の危険

カテゴリー | ソムリエ日記 , 安心安全 2009年09月16日

 

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新型インフルエンザ、大変な事態になってきましたね。猛ピッチで進めている新型用ワクチンも7月中を過ぎないと準備できないとのことで、我々個々の対策が重要になってきます。

有名サイトGIGAZINEさんで紹介されていましたが、厚生労働省が家庭でできるインフルエンザ対策を動画サイトをYou Tubeにアップしています。これがまたスゴク参考になります。どういう所から感染するのか、そしてマスクや手洗いのポイントなどこれを見るだけでその実効性もよくわかります。Sealed15分くらいの映像でよくまとまっていますので、ぜひご覧になって欲しいです。(YouTube映像※音が出ます

 「マスクじゃ感染は防げない。」これは良く言われていますが、上記の映像を見ると、逆にくしゃみをしたときの飛沫距離はぜんぜんちがうのが良く分かります。特に我々沢山のお客様に日々納品する身としては、万一があったときに「周囲に迷惑をかけない」ことが最も重要になってきます。

どうか皆様も、正しい方法でマスク、手洗い、うがい、を意識なさってください。Smile

 (参照:厚生労働省-目で見て判る新型インフルエンザ
参照: GIGAZINE-5月19日

<参考?インフルエンザの一般的な予防(たまご博物館HPより)>

(1) 日常的に実施すること 
外出後の「うがい」、「手洗い」の励行
日頃からバランスよく栄養を摂る
十分に休養をとり、体力、抵抗力を高める

(2) インフルエンザが発生後に実施すること 
マスクの着用
流行地への渡航を避ける
人ごみや繁華街への外出を避ける

カテゴリー | ソムリエ日記 , 安心安全 2009年05月19日

いよいよ日本人でも感染例確認とのこと、日本でのパンデミックも現実味を増してきました。ただ、通常(?)の季節性インフルエンザと同じ弱毒性とのことですので、ただちにバタバタと死者が出てくるというわけではなさそうです。正確な情報のまとめとしては、下記のblogが判りやすいです。

(参照)私なりの新型インフルエンザへの考え方 :Rails で行こう!

抗体を持つ人がいないため、感染者拡大の危険性が非常に高いとの事です。 逆に弱毒だからキャリアーとなった患者が移動してしまうことによる感染も増えるかもしれません。

いざというときの対策も考えるべきかも。下記のblogにちょっとしたまとめがあります。

(参照)新型インフルエンザに備えて用意しておくべきもの

 ところで、この一連の広がりのなか、イメージや風聞に流されないことも重要ですね。Undecided
イスラム圏で豚の殺処分が行われたり豚肉の輸入が停止したり、日本でもメキシコ料理店で閑古鳥が鳴いたり米国のスーパーで豚肉消費が落ち込んだりしていますが、イメージ先行のとんでもない風評被害です。おなじ農畜産物を扱う身として、とっても残念です。
まず一般的にウィルスは細菌と異なり、生体エネルギーの無い環境では増殖も長く生息もできないので、食肉(つまり死んだ肉)から感染する可能性は極めて低いです。また、熱に弱く調理により基本的に完全死滅します。そもそもヒト-ヒト感染が確定した時点で、もはや豚を避けてもしょうがないともいえますし・・。人ごみに行かないほうがよっぽどマシな対策ですね。

takosu.jpgのサムネール画像

「逆に人が減ったメキシコ料理店の方が、感染するリスク減るんじゃないですかね?」これは当社スタッフのジュリさんの言ですが、確かにそのとおりだと思います。明日の休みはタコス料理にしてみようかな・・?Laughing

 

カテゴリー | ソムリエ日記 , 安心安全 2009年05月9日

『(以下引用)愛知県は27日、同県豊橋市のウズラ飼育農家で、ウズラ2羽から高病原性鳥インフルエンザウイルスを確認したと発表した。国内でウズラから確認したのは初めて。またウイルスはH7亜型で、国内で同型が確認されたのは1925年以来。県などの検査の結果、陽性反応が出た。死んだウズラは確認されておらず、弱毒性とみられることから、人へ感染する可能性は低いという。(引用終わり)』
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090227-00000008-maip-soci

野鳥由来のインフルエンザは定期的に国内でも発生していましたが、ウズラは初めて。豊橋市はウズラ卵の一大生産地なので、移動制限が解けるまで、需給に少なからず影響が出そうです。
弊社取引のある農場さんに確認しましたところ、こちらは通常どおり入荷いただけるとの事で、ホッとしました。

話し変わって、一般的なお話をします。
鳥インフルエンザウイルスの影響
鳥インフルエンザウイルスは人に感染しない:鳥類と人類ではその生体構造が違いすぎる為、ただちに人間に感染することはありません。ただし、外国で見られる様に、例外的に養鶏場などで作業中の大量吸引によって同様の症状が出ることはあります。
GPセンターでの洗卵・選別により、インフルエンザウイルスは死滅する:洗浄に使用している次亜塩素酸殺菌水によって100%死滅する事が判っています。
鶏肉や鶏卵を食べて感染することは無い:イタリアで最初に発見されてから129年間、食品としての鶏肉や鶏卵を食べることによって、人が感染した例はありません。また、発生した場合には、発生農場を中心とした半径5?30Kmの区域にある農場の生産物は、出荷できなくなりますから、原則として市場に出回ることはありません。 
(農林水産省プレスリリース(2005年6月26日)より抜粋編集)

カテゴリー | ソムリエ日記 , 安心安全 2009年02月27日