小林ゴールドエッグ

ソムリエ日記 SOMMELIER DIALY

料理別・たまごのこだわり 記事一覧

タイの『パッタイ
ベトナムの『フォー
イタリアの『ピッツァ
モロッコの『クスクス』・・・

世界で親しまれている料理は
『呼びやすさ』が大事な気がします。

世界に羽ばたいてほしい
『たまごかけごはん』
はどうでしょう・・・!?


こんにちは!
たまごのソムリエ・こばやしです。

仕事で一年ぶりに小田原へ
参っておりました。

電車待ちの時間に
駅の構内で箱根そばを食べたのですが、

以前は無かった

「DONBURI」

「SOBA・UDON」

大きなローマ字表記がありまして、
なるほど観光地箱根ちかくだけあって
インバウンド向けの対応
重用になってくるんだなあ、
と気づかされます。

小田原駅となりのコンビニには
外貨両替機もおいてありますし。

そば屋さんには

「TKG
(たまごかけごはん)」

もでっかくアピールされてまして
卵屋としてはちょっとうれしい!

ただ、
こちらは日本人向けで、
残念ですが海外の方には
分かってもらえなさそう

 

◆TKGはITイメージ・・・!?

米国のGoogleサイトで
TKG」を検索すると、

まず
米国のシステム大手会社『TKG』

がトップに出てきて、
続いてAIサジェストで

“What is TKG?”(TKGって何?)

という質問-回答が出ます。
この答えが

Tanzu Kubernetes Grid(TKG)のこと。管理向けオープンソースソフトウェア・・・』

と、なってます。

つまり、
TKG=デジタルなイメージです。

まさか
「T(たまご)K(かけ)G(ごはん)」
とは考えないですよね。

 

日本人が海外に行って
「TOYOTA」と書いた料理名が
あったときの気持ち、
みたいなカンジかもしれません。

 

◆たまごかけごはんの海外での呼び名は?

じっさい海外の方は

たまごかけごはんを
どう呼んでいるのでしょうか?

じつは、

「Tamago Kake Gohan」

です。

つまりそのまま。
辞書にもこう載ってます。

 

他に無いですからね。
日本語以外に呼びようがないんですね。

なーんだ。

 

あと、説明として

“Japanese Raw Egg Rice”
(日本式 生卵ごはん)

・・と併記されていることも
良くあります。

 

◆海外でも呼びやすい愛称がほしい

そして、
この「タマゴ カケ ゴハン」って
海外の方には
ちょ~っと呼びにくいみたいですね。

濁音が混じった独特の
イントネーションが発音しづらいのだとか。

TKGだとITイメージが強く出て
タマゴカケゴハンだと
呼びにくくて注文しにくい…

 

なにかこう、
もう少しステキな
覚えやす~い呼び名が
欲しい気もします。

 

ポピュラーな英語説明の

「ロウ エッグ ライス」

も語感的には悪くないですが、
生肉のせ」みたいな
ちょっとキツいイメージが
ありますので

呼び名としては
親しみ感に欠けますね。

『エッグライス』
くらいなら
なんとか行けそうだなぁ。

 

そもそも

日本で「かける」は、
ほぼ「ご飯にかける」を
意味しますから、

GOHANを抜いて
たとえば

「Tama Cake(たまかけ)」

くらいのキャッチ―な
呼びかたにしてはどうでしょうか!?

 

◆インバウンドは今後めっちゃ伸びる

2024年のインバウンドは、
訪日外国人客数そして消費額が

過去最高を記録しています。

前半年だけで2,107万人、
しかも毎月増の記録更新と
さらに増え続けています。

 

みずほフィナンシャルグループの予想では
2025年には4,200万人、
経済効果8.5兆円を超えるとのこと。

あなたのお店でも
メニューイングなどにぜひとも
考えるべき要素ですね!

ここまでお読みくださって
ありがとうございます。

(関連:インバウンドで受ける意外な日本的たまご料理って!?その① | たまごのソムリエ面白コラム

こんにちは!
たまごのソムリエ・こばやしです。

小学生の息子が生き物にハマってまして、

「どれだけ長い名前の生き物がいるか?」
を調べて披露してくれました。

プエルトリコヒメエメラルドハチドリ

ウケグチノホソミオナガノオキナハギ

それぞれ17文字の鳥と魚
このあたりが正式なのは
最長になるんだとか。

へー!

じつは卵には
めっっちゃ長い名前の
専用調理器具があります。

Eierschalensollbruchstellenverursacher

って言います。

アルファベットで
38文字。

 

なが~い!

これドイツの発明品で、

直訳すると
「卵殻破断点誘発器」
ようするにゆで卵を割る器具です。

名前だけじゃなく
見た目もロングでして、

こーんなカンジの器具↓

上の丸い部分が
移動する重りになってまして

ゆでたまごに乗せたあと
重りを持ち上げて・・

ストンと落とすと
キレイに殻の上部が割れて
美味しい半熟たまごが食べられる、
というステキ器具です。

発明されたのは百年前の1907年。

フェルディナンド・フライシュマンさん
という方の考案です。

 

ドイツの朝食って、
半熟卵が伝統的なんですね。

エッグスタンドにのせて
ミニエッグスプーンですくって
ゆでたまごをたのしむ、
多くがこの食べ方をしてました。

 

ちなみに「カクテル」は、
このゆでたまごを食べるときに使う
エッグスタンド(コクティエ)が
語源との説があります。

 

それだけ日常的に食べてましたから
ゆでたまごオープナー的な
器具ってすごく
必要になるんです。

 

ただ、
この・・・

えーと
あえてカタカナ読みするなら

アイアシャルソルブヒストルヴォルシャア

でしょうか、
この器具は

上流階級でのみ
使われてました。

そういえば
ルパン三世のカリオストロ伯爵も
初登場時にこの食べ方してましたね。

 

じゃあ、
庶民はどうしていたかというと、

コレを使わず

『コーヒースプーンで
たまごのてっぺんをカツン!』

でおしまいでした。

あとナイフとか。

多少カラが入りますが、
まあいいよ、って感じですね。

なので、この

アイアシャルソルブヒストルヴォルシャア

は欧州ですごく

セレブなイメージ

があります。

このイメージは
かなり飲食店さんの
繁盛に活用できるんです。

 

◆日本の飲食店でもワクワクになる

たまご料理って
日常で食べられているぶん
飲食店さんで提供する際には

「非日常」

をどれだけたまご料理に
感じてもらえるかが
すごく大事なんです。

それにはこの
「卵殻破断点誘発器」

めっちゃセレブ感が
演出できて

なにより
やってて楽しい!

という卵料理の
付加価値アップ器具です。

意外と安価に1600円くらいで
ネットで買えるものも
ありますので、
ぜひカフェさんなどでも
導入してみてはいかがでしょうか!?

あ、検索するときは
「エッグカッター」
で大丈夫です。

 

正式名で探しても

「なにそれ?」

となるだけですのでご注意を。

ここまでお読みくださって
ありがとうございます。

 

※余談ですが

Eierschalensollbruchstellenverursacher
は、いちおう3つに区切れて

eierschaleは「卵の殻」
sollbruchstelle  は「破断点」
verursacher は「引き起こす」

という、つまり
『卵のカラに破断点を
つくる機器』です。

それにしても
いちいち書いてられない長さですね~。

ちょっと変わった
イラクのオムレツサンドを
ご紹介。


こんにちは!
たまごのソムリエ・こばやしです。

オムレツって
『お皿にのせて食べる』
のが定番イメージですが

オムレツをパンにはさむ

オムレツサンド

というジャンルが
世界中にあります。

たとえば
オムレツ発祥のフランスでは

サンドウィッチ・ア・ロムレット

というサンドイッチがありまして、
バゲットにオムレツを挟んで
ラルドンというベーコンの生スライス
を一緒に挟んだ美味しい料理。

また、
以前ご紹介した

アルジェリア名物

『フリットオムレット』

も、オムレツサンドですね。

(関連:魅惑のアフリカン卵サンド『フリットオムレット』 | たまごのソムリエ面白コラム

 

さて、本日は
そんな世界のオムサンドの中でも

とびっきり変わった
美味しいオムレツサンドを
ご紹介。

 

『バギラ・ビル・ディアヒン』

イラクの朝食です。

なんと、

上から煮汁(スープ)を
かけて食べるオムサンド

です。

 

・オムレツを焼く

・ピタパンをお皿にちぎる

・そらまめを鍋で煮る

・豆ごとピタパンにかける

・上からオムレツを乗せる

という料理。

 

えー!
汁かけちゃうの!?
パンらしく
なくなっちゃわない?

なんて気になりましたが、
考えてみれば

「親子丼」や「牛丼」だって
ライスにをかけちゃってますが
ご飯もの』ですよね。

 

この方式だと、
煮汁に含まれる旨味や
栄養成分も
余すことなく摂れますので

なるほどイラクの方々の
理にかなった生活の知恵
なんでしょうね。

 

◆たまご輸入大国なイラク

イラクの人は割とたまご好きです。

上記のサンド以外にも、

マフラマ・ビル・ポテイタ
(ジャガイモとハーブのイラク風オムレツ)

マフラマ・ラーム
(羊肉のイラク風たまご焼き)

など
広く食べられています。

うーん、おいしそう!

 

イラクは世界4位の
たまご輸入国でして、

年間2万トンちかく
消費量の8%を
海外から大量輸入しているんですね。

気候が熱く乾燥しがちな
西アジア地域は、
養鶏にちょっと向きにくい
風土でもありまして、

その分
インドなど南アジア圏から
多くの卵を輸入しているんです。

 

隣国トルコからも
大量に輸入していたのですが、
5年くらい前に
政治的に揉めて禁輸になっていたのを
覚えています。(いまはどうなんでしょう?)

 

 

中近東の料理は
東西の良いところを取り入れた
日本人にとっても新鮮で
楽しめる料理がたくさんあります。

ぜひ、あなたのお店でも
取り入れてみてはいかがでしょうか!?

ここまでお読みくださって
ありがとうございます。

 

(参照:世界のサンドイッチ図鑑・誠文堂新光社
※めっちゃ面白いおススメの本です!カフェ経営の方も必見!)

こんにちは!
たまごのソムリエ・こばやしです。

世界で愛されている「卵」は
多くの人の関心をかうため
SNSでもバズりやすいのですが、

最近わりと頻繁に見かけるように
なったのが、

ポーチドスクランブルエッグ。

 

「『ポーチドエッグ』と
『スクランブルエッグ』なら
知ってるけど
なにそれ・・・!?」

という方も多いかも。

決して下の写真のような
2つの合体料理じゃぁありません。

カンタンに言うと

お湯でつくった
スクランブルエッグ

です。


<ポーチドスクランブルエッグの作り方>

①たまごを3つボウルに割る

②大さじ3杯の水と塩コショウを入れて混ぜる

③お湯を鍋で沸かし塩をふたつまみ入れる

④沸騰したお湯に
しずか~に卵液を入れる

⑤固まったたまごを
網杓子ですくって
ペーパーナプキンの上に取る

⑥お皿に乗せ、
付け合わせを添えて完成!


 

こんなたまご料理が
流行ってきているんですね。
今年になってからも
海外SNSで何度もバズってます。

フワッとトロッとした食感が
美味しい、
作っていて楽しい料理です。

 

◆ヘルシー志向なたまご料理

このポーチドスクランブルエッグ
メリットが2つありまして、

まず
油を使わないので
ヘルシーだということ。

オムレツや
スクランブルエッグって
バターを使いますが

こっちはお湯だけ。
ゆでたまご並みの低カロリー
健康イメージも高いんです。

 

◆カンタンでキレイで美味しい

もうひとつは
スクランブルエッグや
ポーチドエッグと違って

誰でも
同じ出来栄えに
つくりやすい
ということ。

 

スクランブルエッグって
すご~く難しいんですよね。

火加減がむずかしい。

ちょっと火が通りすぎると
固いいり玉子になっちゃいますし…

ポーチドエッグもそうですよね。
あれ、割り込んでそ~っと取り出す
テクニックって結構大変です。

それにくらべると、
お湯に落として充分固まったら
アミで取り出すだけ、ってのは
かなり簡単です。

「お湯を沸かす手間さえかければ
誰でも美味しくサッとできる」
朝食向きのたまご料理といえます。

◆実は日本の〇〇とおなじ!?

バズっている動画へのコメントには

「水っぽそう」

「ホントに美味しいのか?」

味が想像できないな

なんて意見もあります。

 

たしかに調理方法としては
異質感ありますね~。

でもやってみると分かりますが、

「これって
『かきたま汁の玉子部分』
じゃないか・・・!」

と、日本人なら
気づくかと思います。

そう。

日本人にとってはさほど
目新しい調理方法では
ないんですね。

 

じゃあ、
飲食店ではウケないかというと
そんなことはありません。

油を使わないないばかりか
汁物とちがって
塩分も大幅に減らせます。

ヘルシー志向は
年々強くなっていますし、

また
洋風な食べ方として
非常にマッチしています。

あなたのお店のモーニングでも

「これは美味しい、新しい!」

と満足度たかく
受け入れてもらえる
ポテンシャルがあります。

 

ようは聖書の名言
「新しい酒を古い革袋に入れる」
ってヤツです。

ぜひ、
健康の波に乗る
新たなたまご料理として
メニューに活用してみては
いかがでしょうか!?

ここまでお読みくださって
ありがとうございます。

カテゴリー | ソムリエ日記 , 料理別・たまごのこだわり , オムレツ 2024年09月21日

飲食店さんに行くと、
「〇〇の由来」なんて風に
その料理の起源を
紹介してくださっている
卓上POPを時々見かけます。

 

ですが、
ちょ~っともったいない!
ぜひその由来の知識

雑学だけじゃなく
あなたのお店だけの
メニューにして活かすべきです。

 


こんにちは!
たまごのソムリエ・こばやしです。

『オムレツ』はその語源に
3つの由来・説があります。

お店でフツーに紹介しても
おもしろいですが、

これを応用して
新メニューにすれば・・・

あなたのお店のワクワクに
きっとつながります。


起源その①
はちみつ入り(オウェメーレ)
だったから説

ローマ時代全盛期(紀元前一世紀~)に

美食家アピキウスさんが書いた
世界最古の料理研究書(レシピ集)

『料理大全(De re coquinaria)』

というものがありまして、

そこに、
はちみつ入りのオムレツが
出てきます。

はちみつたっぷりで
コショウがはいった
デザートっぽい贅沢たまご料理でして、

筆者のアピキウスさんも大好物だったそう。

 

この当時の呼び名

『オウェメーレ』
(ハチミツ入りたまご)

が転じて→ オムレツ

になったという説ですね。

 

・応用するなら・・・

甘いオムレツは、
海外で定番のメニューもあります。

甘いジャムをのせたり
オレンジ系のソースかけて
オムレツを食べたり・・・

また、パンケーキ風にして
ベリーやバナナ、生クリームと
一緒に食べる
スイーツオムレツも人気だったりします。

『オムレツの起源(語源)は
スイーツオムレツなんです♪』

・・・として起源とともに
メニューに取り入れてみると
説得性があって面白いんじゃ
ないでしょうか!?

 


起源その②

剣(アルメーテ)に
似ていたから説

もともと“薄い板”をあらわす
『ラメラ』という言葉がありまして、

14世紀ごろ
これにフランス語の
冠詞がくっついて

『アルメーテ』(剣・ナイフ)
という言葉になったんですね。

 

そのカタチと似た玉子料理
ということで”oeuf(卵)”がアタマに
くっついて

『オメレート』→オムレツ

になったという説です。

言われてみればオムレツって
たしかにカタナっぽい
カタチしてますね~。

 

・応用するなら・・・

たとえばより「剣」っぽく
見えるように
もっと細長~くしてみても
面白いかもしれません。

 

見た目の奇をてらう
だけじゃなくって、
長くすることで
たとえばソースを3種かけたり

長いとシェアしやすくなりますから
居酒屋さんで出してみると
すごく盛り上がりそうです。

 

『オムレツの起源から生まれた!
カタナ型オムレツ
3種ソースかけ♪』

みたいな!

 


起源その③
フランスの『素早い男』説

めっちゃ早くつくったことで
王様が驚いた!

というお話しがあります。

 

野外に出ていた際に
食事を求めた王様。

それに対して
お付きの料理人さんが
サッと玉子を焼いてみせたのです。

あまりに早くできたので

「オム(男)レスト(素早い)だ!」

と超おどろいたことから

『素早い男』→『オムレツ』

となった・・・という説。

 

日本ではわりとメジャーな説です。

 

小林は若いころにこの話を
お世話になっている料理人さんから
教えてもらいました。

ただ・・
この説って海外では
耳にしないんですよね・・。

 

調べてみても
どこから出た説なのか
ハッキリしません。

 

とはいえ、

オムレツは
最速の料理のひとつ

だと僕も思っています。

 

溶いたりの下準備をのぞくと、
フライパンを火にかけて一瞬で
魔法のようにできてしまいます。

見る人に
感動を与えるレベルじゃないでしょうか。

 

・応用するなら・・・

朝食メニューやビュッフェで

「速さ」

をアピールするのはアリですよね。

キューピーたまご白書(2023)によると、
オムレツを一年以内に作ったこと
がある人はわずか25%。

7割超の人は
わずか数十秒でオムレツができる
ということを知らないかもしれません。

目の前で『素早く』できる
オムレツを見て
大いに満足になるんじゃないでしょうか。

『“素早い”が語源!
できたてオムレツを
ぜひ目の前で楽しんでください♪』

みたいな。


 

以上、3つの説と
そのアピールを書きました。

ぜひ、オムレツの世界を
もっと楽しいものに
してみてくださいませ。

 

ここまでお読みくださって
ありがとうございます。

お店の繁盛たまごメニューに
こんな考え方があります。


こんにちは!
たまごのソムリエ・こばやしです。

 

連続で代替食関連の
パリの話題を書きましたが、

和食の伝統的な
代替肉といえば

ひろうす(がんもどき)

があります。

雁(がん)のお肉みたいだから
『がんもどき』なんでして、
これ、美味しいですよね~。
僕、大好きです。

 

この大豆料理を
海外の方にご説明すると、
たいてい

「なんてクレイジーな
手間のかかる料理だ!」

・・・と
おどろき感動されます。

 

“大豆を蒸して潰し
濾した煮汁を
ミネラルで冷やし固め、

それをもう一度すり潰し
刻んだ野菜と混ぜて
あらためて固め、

今度は油で揚げて
最後に煮込んだ料理”

となるわけですが、

考えてみると
大変な手間ですね~・・・

 

「蒸したり煮たり揚げたり
なんで?
一度でいいんじゃないの?」

なんて
言われたことがあります。

 

 

◆すでにある「途中部品」的な食材

これは
『トウフ』という存在を
知っているかどうか
手間の印象が大きく変わりますよね。

上記の作り方の前半→『豆腐』までは
すでに世の中に広く用意されていて
入手がカンタンである、

 

だから、

『いつもの豆腐を
すりつぶして食感を
変えて揚げてみようか。』

なんて発想に
なるわけです。

 

豆腐を完成状態じゃなくて
いわば「料理のしかかり品」
として考えるわけで、
知らない方には

「すごい。」

となるんですね。

 

◆知らない『多段階料理』は感動する

こういう

多段階の組み合わせ料理って、
知らない方にとっては

調理方法が
合理的に想像できず

感動を呼ぶ繁盛メニュー

になるんです。

 

明治期に入ってきた
『カツレツ』が
感動をもって受け入れられたのも、

小麦粉を練って
何時間もかけて発酵させて
それを焼いたもの(パン)を、

すりおろして粉に戻して
肉にまぶして
油で揚げる

 

という
最初から考えると
めっちゃ複雑な調理工程が
当時の日本人の想像を超えていて
感動と大満足を呼んだからでもあります。

 

そして令和のいま!

同じ論法で
めっちゃ面白い
たまご料理ができます。

 

たとえば
この目玉焼き。

中までしっとり加熱され
白身は表層がカリッと
その内側はふるふる食感

めっちゃ美味しいんですが、
これは

温泉玉子を焼いた
目玉焼き。

温泉玉子を
そっと割り込んで
すばやく両面を焼いただけ。

 

でも、
この調理方法って、
知らないと
なかなか想像できないんです。

何も言わずにふるまってみると

「これすごくおいしい!」

ってビックリされます。

 

上で書いた
がんもどきと豆腐の関係や
パン粉とカツレツのように、

温泉玉子を
『しかかり品』としてとらえ
それを材料にして調理する。

 

じっくり時間のかけ方や
熱の通し方が
想像しにくい分
面白い繁盛メニューに
なり得ます。

 

『温玉調理』は面白い可能性が
いっぱいあります。

ここまでお読みくださって
ありがとうございます。

(関連:えッ!?ナニコレうまい!とろとろのオムレツを作るおきて破りの裏技! | たまごのソムリエ面白コラム