小林ゴールドエッグ

ソムリエ日記 SOMMELIER DIALY

オムレツ 記事一覧

こんにちは!

たまごのソムリエ・こばやしです。

 

世界的に有名なフランス・

モンサンミッシェル前の名物

ふわふわスフレオムレツ。

世界中にファンがいる

江戸前の玉子焼き。

調理に共通する面白い点があるのをご存じでしょうか。

それは、

「銅製の調理器具」を使う点。

 

カリオストロの城のモデル

海に浮かぶ修道院

モンサンミッシェル前の名物店

スフレオムレツは、

 

まず銅製のボウルで

たまごを思いっきり泡立てます。

それを、一気に焼き上げることで

超ふわふわのオムレツになるんですね。

めっちゃ美味しいんですよ。

 

卵をめちゃめちゃ泡立てると、

 

泡立てによって

たんぱく質の立体構造がほどけて

より小さな気泡を含みやすくなります。

なめらかふんわりになるんですね。

 

しかし、卵に含まれる

システインという含硫アミノ酸がくっつくと、硬くてぼそぼその食感になっちゃうんですね。

 

それを防ぎ、

安定した泡にしてくれるのが、

『銅のボウル』なんです。

 

銅製のボウルだと、

混ぜるときに

溶けだした銅イオンが

このシステイン同士の結合を防ぐんです。

面白いことに、データを取った論文もあります。

 

生クリームに

スフレオムレツ、

白身の泡立てで楽しむ

ふっわふわの料理ってたくさんあります。

 

もしかすると、

あなたのご家庭でも

銅製の容器を活用するだけで

美味しさが倍増するかも・・・!

 

ちなみに、

江戸前の玉子焼き。

だし巻き玉子もそうですが、

プロの皆さんは、銅製の玉子焼き器を使います。

これは、熱伝導のため。

薄く焼き上げるため

均一に熱を伝えるには、

伝導率の高い金属がうってつけなんですね。

だしを逃がさず

一気につつみ焼くことができますので、

だし巻き玉子にもピッタリなんです。

 

こういう、

伝統にちゃんと理由がある

というのはすごくテンション上がりますね。

 

たとえば伝統的な

甘い玉子焼きにするのも意味がありまして、

 

卵の黄身は熱変性する際に

砂糖があるかどうかで固まる温度が変わります。

 

砂糖を入れると、

最大でなんと15度ちかく

固まる温度が上がります。

すぐ固まりにくくなると

それだけ滑らかに作りやすいんですね。

単に甘くておいしい!以上の意味があるわけです。

 

こんな風に

セオリーの理由を抑えると、

和洋問わずほかの新メニューに応用できたり

するかもしれません。

 

ここまでお読みくださって

ありがとうございます。

カテゴリー | ソムリエ日記 , 料理別・たまごのこだわり , オムレツ 2022年07月17日

こんにちは!

たまごのソムリエ・こばやしです。

米国のシェフにジョシュ・エルキンさんという方がいます。

ケーブルテレビ・クッキングチャンネルで

人気番組を持ってまして、

またたびたびSNSでバズっている方でもあります。

 

この方、超たまご好きなんです。

なにせ、インスタグラムのタグも

「#neverskipeggday」(ぜったい毎日卵を食べろ)

となってますし、そのTシャツまで作って伝道してくれるくらい↓。

たまご屋としてもめちゃめちゃ敬愛できる方。

 

さて、このエルキンさんが

インタビューに答えて、

イチオシしているのが、

「日本のたまご調理器具

マキヤキナベ オムレツフライパン」

なんです。

 

・・・?

なんのことでしょう??

 

これ実は、

だし巻き・玉子焼き用の

玉子焼き鍋(玉子焼き器)

のことなんです。

四角いフライパンって

海外では珍しいんだそうです。

 

「これでオムレツを作ると

超クールなロールオムレツになるんだ!」

 

なんて言ってます。

海外の方にとって、日本の

だし巻き玉子や厚焼き玉子は、

巻き巻きオムレツ

なんですね。

 

ちなみにインスタで上げて

4万イイね取っているのが、

バターを溶かし

チーズの芯とベーコンを挟んで

「まきまき」した

『ジャパニーズスタイルオムレツ』

 

 

この投稿をInstagramで見る

 

Josh Elkin(@thejoshelkin)がシェアした投稿

うーん!

美味しそうですね。

 

僕の中では玉子焼きとオムレツは

全然別物のイメージなんですが、

 

こうやって

「オムレツ」の構文で

玉子焼きを捉えなおしてみると

いろんな具材や味付けの

新しい組み合わせがありそうです。

 

たとえばイタリアンや

フレンチ・ロシア料理の

レストランでのだし巻きが

めちゃめちゃファンを作ることも

ありえますよね。

 

こんな風に、

視点を変え

たまご料理の再定義をすると

面白いメニューも増えそうです。

 

以前に、知人が

醤油を使ったティラミスを

作ってくれたことがあります。

思った以上に風味があうんですよ。

 

これもよく考えてみれば

ティラミスって生卵を使いますし、

日本のたまごかけごはん的な

組み合わせとして

醤油とティラミスの相性が

すごく日本人受けするのかもしれません。

 

日本独特のメニューだった温泉玉子が

世界に広がっているように、

世界の目から見た日本の玉子料理

ワクワクしますね~。

 

ここまでお読みくださって

ありがとうございます。

カテゴリー | ソムリエ日記 , 料理別・たまごのこだわり , オムレツ 2022年07月15日

こんにちは!

たまごのソムリエ・こばやしです。

 

もう梅雨が明けた、みたいな報道がでてますね。

えっ!?いきなり?びっくりです。

 

となるともう夏いり。

暑さに負けず頑張るしかないですね。

 

暑いと水分過多もあって胃が弱り

食欲が無くなってきますが

そんなときはぜひともたまごメニューです。

 

「たまごは完全栄養食」なんて言われるくらい

栄養はすんごくバランスよくあるのですが、

唯一無いのがビタミンC

そこを補うことで、

夏バテを吹っ飛ばす超元気メニュー!

になるんです。

 

◆世界には野菜たまごオムレツがたくさん!

栄養面だけじゃなくって、美味しさでも

ソテーした玉ねぎ、鮮やかな緑のハーブ、

新鮮な野菜と一緒に食べる卵ほど

おいしいものはないんです。

 

これ、世界共通の考え方でして、

いろんな国に

「野菜たっぷりオムレツ」が存在します。

 

たとえば

スペインの野菜オムレツ「トルティーヤ」

(トルティージャとも呼びます)

日本ではスパニッシュオムレツ、

なんて呼び方もありますよね。

 

ジャガイモとタマネギ、

ホウレンソウやアスパラ・ベーコンなど

具だくさんなのが特徴で、

いわゆるフランス風のオムレツと違って

ひっくり返したりのさほど難しい技術が少なく

ご家庭でも作りやすいんです。

 

また、イラン近辺の名物料理

ペルシャ料理の野菜たっぷりオムレツ「クークー(kuku)」

があります。

これは卵とコショウ・ハーブ

ターメリックで味付けし

たっぷりのパセリとほうれん草

コリアンダやレタスなんかの

緑野菜をいっぱ混ぜて焼き上げるんです。

 

見た目にも「エッ!?これたまご料理なの?」

と驚かれるかもしれませんが、

香り良くって美味しいヘルシー卵料理なんです。

 

味もさることながら、

インパクトあると思うんですよね。

 

北アフリカの「スフレ ド パタータ」

フランス語やイタリア語っぽい名前で

ちょっと不思議ですが、

地中海沿岸北アフリカ発祥の野菜オムレツです。

つぶしたジャガイモと玉ねぎ、

パセリ、エンドウ豆や刻みニンジンなんかも入ります。

口当たりが良くってふわっと美味しい野菜オムレツです。

 

以上、世界の野菜たっぷりオムレツを

ご紹介しました。

 

考えてみると、世界的にはお米=野菜のイメージもあるそうですから、

日本「親子丼」もある意味野菜オムレツだと思われているかもしれません。

 

ぜひ、ビタミンとアミノ酸をたっぷりとれる

野菜オムレツで

夏を元気に!乗り切りましょう!

 

ぜひ、あなたのお店の夏限定メニューとして

ご検討くださいませ~。

 

ここまでお読みくださって、

ありがとうございます。

カテゴリー | ソムリエ日記 , 料理別・たまごのこだわり , オムレツ 2022年06月27日

こんにちは!

たまごのソムリエ・こばやしです。

 

小さいころ

亡き祖母のいた母方の実家に

泊まりにいくと朝ごはんに必ず、

トロトロのオムレツを作ってくれるのが、

めちゃくちゃ楽しみでした。

 

甘くてやわらかなオムレツ。

初めて食べて、幼心に感動したのですね。

「やわらかめ」「ちょっとやわらかめ」「ふわふわしっかり」

みたいな微妙な好みを、

兄弟ごとに作り分けてくれたんです。

 

思い返してみてちょっと珍しいな、

と感じるのは、

「たまご一個のオムレツ」

だったこと。

 

オムレツって、

たまご2個~3個でつくる事が

多いんですよね。海外も国内のレシピ本も、

たいていそうなっています。

 

ですが、

オムレツのおいしさって

実は「できたて」にあるんです。

焼きあがってすぐが、いっちばん美味しい。

ですから、

卵一個のオムレツを、

次々と焼いてもらって

常にできたてをたべる。

このわんこオムレツが、

本当の贅沢料理なのかもなぁ、

といまになって思いますね。

 

◆ちょっと冷めてもおいしいオムレツ

さて、ご飲食店様では、

テイクアウトメニューや

パーティ形式など場合によっては、

オムライスやオムレツを

すぐに食べていただけないことも

あります。

 

ちょっと冷めてしまう、

でも美味しく食べてほしい。

 

それには、コツがあります。

それは、

「植物性油」の使い方。

 

オムレツやオムライスは

フツーだと、たっぷりバターで

コクもあって香りも良くおいしい!

・・・のですが、

冷めてしまうとバターの

流動性が無くなり、食感が

イマイチになってしまいます。

 

ですので、バターの代わりに

オリーブオイルで風味を出し、

そして卵液にしっかりと

「マヨネーズ」を使うんです。

 

キューピーさんの研究では、

乳化した植物性油脂とお酢でできている

マヨネーズが、たまごの

たんぱく質構造をやわらかくし、

ふるふるの食感のオムレツにしてくれます。

 

しかも、この場合

冷めても食感は素敵なままの美味しさです。

 

◆じつは人肌の玉子料理が旨味最高

じつは人肌程度のあたたかさの

たまご料理って、いちばん「うまみ」を

強く感じるんです。

 

たまごかけごはんもそうですし、

親子丼だって熱々よりも

人肌のやわらかいぬくもりになった頃が

最もおいしく感じられます。

ただ…オムレツやオムライスの場合は

ちょっと冷めちゃうと、

「旨味」は良くても「食感」の問題が出てしまう。

 

ところが上記のように植物性油脂の力、

マヨネーズの作用で、

 

最もうまみを感じる人肌の温度帯を

オムレツでも楽しんでいただけるんですね。

 

ぜひ、お試しくださいませ~。

 

ここまでお読みくださって、

ありがとうございます。

こんにちは!

たまごのソムリエ・こばやしです。

というわけで、

本日のテーマはオムレツです。

 

歴史的にみるとオムレツって

残っている卵料理のレシピ上

もっとも古いんです。

 

「たまごを調味料と混ぜて焼く」

これが「料理」として一番

歴史があるんですね。

そして、その最古のレシピな

オムレツは、あまーいオムレツでした。

 

そもそもの『オムレツ』の語源が

オウェメーレ(はちみつ入りたまご)

から来ている、という説もあるんですね。

 

甘いオムレツ、

つまりスイーツ要素のあるオムレツは、

実は、時々流行しています。

 

たとえば1930年代には米国で

『オレンジオムレツ』が流行しました。

これは砂糖入りオムレツに

レモンやオレンジ果汁を活用した

甘くさわやかな酸味を

楽しめるオムレツ。

エッ!?オムレツにオレンジ!?

なんてびっくりするかもしれませんが、

これすんごく美味しいんですよ。

 

白身と黄身を分けて

白身を泡立ててから焼くのが特徴の

スフレオムレツです。

 

このころはちょうど果物の

オレンジが普及し始めたころで、

ローマから続く伝統のおいしさと

最新の流行を取り入れたレシピだったのです。

 

カンタンにできるスイーツとして

大いに好まれました。

 

これらの甘いオムレツは、

スイーツとしてみると、

「小麦粉など炭水化物を使わないスイーツ」

という特徴があります。

つまり、今風に考えると

低糖質スイーツです。

 

シャトレーゼさんが

低糖質お菓子のラインナップを

多数出して話題になったり、

コロナ禍の健康管理で

低糖質の食事・お菓子はニーズが伸びています。

 

フルーツと焼きたてのおいしさ、

というとパンケーキがありますが、

これをさらに「低糖質で美味しく」

という点で進化させると

 

この最古のたまごレシピから続く

「オムレツスイーツ」に回帰するということ

面白いですね~。

 

パンケーキブームの次には

ふわふわで甘い

低糖質スイーツオムレツが

 

ブームになってくるかもしれません。

ぜひ、あなたのお店で

取り入れてみませんか?

 

ここまでお読みくださって

ありがとうございます。

こんにちは!

たまごのソムリエ・こばやしです。

 

たまご料理は進化し続けています。

新しい機材や手法を用いる

ガストロノミー料理と

日本の温泉玉子がつながって

味わったことのない食感の

西洋料理ができたり、

煮玉子の作り方が

いろんな発展があったり、

 

非常に面白い展開をしているな~

と感じます。

 

もし、あなたのお店で

『あたらしいたまご料理』

をお考えなら

ひとつだけそのコツがあります。

 

それは、

「たまご料理のコツを

別のたまご料理に応用する」

ということ。

 

たとえば、

白身を泡立ててから

黄身と合わせて焼き上げる

ふわふわのスフレオムレツ

 

フランスの地方にある

この伝統の作り方を

 

たとえば『親子丼』に応用して

どこでもたべた事のない

ふわふわ感がすっごい

新しい和の親子丼を

作られているお店があります。

 

その逆に、オムレツを

新しくしようと思ったらどうでしょう?

 

◆新食感の超おすすめオムレツ!

たとえば、親子丼は、

具材と溶き卵をとじたあと

黄身だけをそっと乗せる

そんな手法がありますよね。

これによって、加熱と生

2種の加熱具合が

新しい食感を生む、絶品のおいしさですよね。

 

逆にオムレツに応用するならば、

たとえば

『温泉玉子のオムレツ』

というものができます。

これ、自分で試行錯誤作ってみて

一番おいしい!と感動した

オムレツのひとつなんです。

 

溶いた卵を焼き上げる際に

そっと温玉を乗せて、

それを巻いて焼く。

 

オムレツ外側のとろふわ感

温玉の白身のふるふる感

温玉黄身のねっとり濃厚食感

3層の食感が

絶品のオムレツとなります。

オムレツの語源は、フランス語の

「オムレット(素早い男)」

との説があります。

 

数あるたまご料理のなかでも

特に手早くできる、

美味しい料理なんですね。

 

そこに、事前にじっくり熱をかけた

温泉玉子を応用する。

 

「じっくり」と「手早い」の融合

得意を活かすタッグマッチなんですね~。

 

他にも、目玉焼きの技法を活かしたり

茶碗蒸しの技法を活かしたり

 

たまご料理って、

起泡性や両親媒性など

いろ~んな卵の特性を

活かした料理がありますので、

 

ぜひ、和洋の垣根

たまご料理間の垣根を

とっぱらっちゃって応用して

 

面白い玉子料理を

世の中に出してみては

いかがでしょうか!?

 

ここまでお読みくださって、

ありがとうございます。

カテゴリー | ソムリエ日記 , 料理別・たまごのこだわり , オムレツ 2022年04月20日