呼ばれ方がいっぱい!『穴の中のたまご』【エッグインザホール】
昨日のつづきです。
パンをくりぬいて
目玉焼きを落として焼いた
シンプル美味なたまご料理
「エッグインザホール(穴の中のたまご)」
パンと目玉焼きが同時にできて
忙しい朝にぴったり!
見た目にも
おしゃれで華やかですよね。
そして今日の本題
ネーミングについて。
めっちゃ面白いのが
その流行り方
なんです。
◆映画で何度も話題に
このたまごトースト、
ヒット映画とともにメジャーになった
のです。
「メアリージェーンのパ」(1935)という
家族ドラマ映画がありまして、
そこで話題になりました。
次に映画「マイアミの月」(1941)で
登場し、再び流行します。
ビジュアル的な「映え」と、
卵トーストという「日常性」からか、
今に至るまで
いろんな映画やドラマで
出てくるんですね。
たとえばマトリックスで有名な
ウォシャウスキー姉妹脚本の映画
「Vフォー・ヴェンデッタ」(2005)や
最近では、コメディ映画
「マダム・メドラー おせっかいは幸せの始まり」(2016)
でも出まして、そのたびに
エッグインザホール面白い
とSNSでも話題になりました。
◆とにかく名前がいっぱい
そして、正式な料理というよりは
ジャンクな感じで広まったせいか
めっちゃ名前があるんですね。
しかも気軽に呼ばれ方が変わります。
『メアリージェーンのパ』では
陽気なキャラクター、
ガイ・キビー扮する男が
「片目のエジプト人たまごサンドっていうんだ。」
なんて紹介しているのですが、
たまごメニューとして流行した際
「ガイ・キビーのたまご」
と呼ばれてますし、
『マイアミの月』で話題になった時は
「居酒屋たまご(gashouse egg)って言うの。」
なんて呼び方で出てくるのですが
いつのまにか女優さんの名前をとって
「ベティ・グレイブルのたまご」
とその後呼ばれるようになってます。
(または「マイアミの月たまご」とも)
◆親しまれながら100年以上の歴史に
エッグインザホールの初出と同じ時期に
同じく“人の名前”を冠した卵料理
エッグベネディクトも流行したのですが、
こちらはやや高尚イメージで
ジャンクな流行り方じゃなかったせいか
ずーっと同じ名前、
『エッグベネディクト』のまま。
それにくらべて
このエッグインザホール、
上記の名前以外にも
十数個の名前バリエーションが
あるんです。
「帽子付きたまご」
「居酒屋たまご」
「額縁たまご」
「ホールインワンたまご」
「かごの中のたまご」
「穴の中のたまご」・・・
すごいですね~。
同じ「パンの上に卵が乗った料理」なのに。
それだけ人口に膾炙して
口伝で親しまれながら
伝わったから、
とも言えますね。
このカッコよくて伝統のあるたまごトースト
ご飲食店さまでも、
目先を変えたモーニング
として面白いんじゃ
ないでしょうか。
ここまでお読みくださって、
ありがとうございます。