小林ゴールドエッグ

ソムリエ日記 SOMMELIER DIALY

料理別・たまごのこだわり 記事一覧

こんにちは!たまごのソムリエ・こばやしです。

上記は、スぺインの画家ディエゴ・ベラスケスさんという方が4百年ほど前に描いた

「卵を調理する老婆」という絵画です。

鍋っぽいところに卵の黄身と白身が見えていますね。

これが、めっちゃウマイ目玉焼きの作り方なんです。

揚げ卵って何!?

目玉「焼き」、と言いましたが、実はちょっと違います。

コレ、生卵をたっぷりの油で揚げ焼きしているんです。

なので厳密に言うなら「めだま揚げ」ですね。

スペイン語でウェボフリート(huevo frito)と言いまして、

たっぷりのオリーブオイルを熱してそこにソーッと生卵を割り入れ揚げた料理です。

揚げ物を作った翌朝なんかに僕もときどき作るのですが、これ白身表面がカリッとしていて黄身の中身はトロトロ半熟、普通の目玉焼きよりもずっとコクと香ばしさがあってメチャクチャ美味い!

こちらにスペインの方がご紹介している動画があります。

<用意するもの>

オリーブオイル

小皿・フライパン

<作り方>

1.フライパンに深さ1㎝くらいオリーブオイル(サラダ油でもOK)を入れ、約170℃に熱する

2.小皿に卵を割りそーっとフライパンの油に浮かべます

3.白身をフライ返しでまとめながら揚げる(1分くらい?)

4.黄身へもスプーンなどで熱い油をかけてやりながら熱する

5.なんとなく香ばしく火が通ったら完成!

あとは塩コショウでも醤油でも、お好みの調味料で♪

やってみるとわかりますが、ゼンゼン難しくありません。

かなりテキトーに作っても、ちゃんとできます。

そして、正直超ウマイです。

見た目は少々悪いですが、コクと香ばしさがあって

「玉子料理の中で最高の料理法だ。」

そう言いきる卵屋の社長もいるくらい。

またこの料理はサッと油で揚げる為、すっごく短時間でできるんですね。

ですから、普通の目玉焼きと違って

「あ!焼きすぎた…!」

ってことがありません。失敗が無く、目玉焼きより簡単です。

わざわざその為に多量のオリーブオイルを使うのがもったいないと感じるのでしたら、この料理は普通にサラダ油で揚げても美味しいので、ご家庭で天ぷらを作った翌朝にでも、ついでに作ってみて下さい。

生卵をただ揚げるだけ、

というシンプルな料理なのに美味しくてきっとビックリしますよ。

唯一の欠点としては、

普通の目玉焼きより…ちょっとだけカロリーが高いことくらいでしょうか。

たまの贅沢、というイメージですね。

ここまでお読みくださって、ありがとうございます。

(関連:フェルメールのあの名画には卵が隠れていた! | たまごのソムリエ面白コラム

(関連:シュークリームは揚げ物だった!?名画に見る美味しさ | たまごのソムリエ面白コラム

こんにちは!たまごのソムリエ・こばやしです。

本日6月2日は、「オムレツの日」です。

0 6 0 2 でオ ム レ ツ なんです。

もう一つの意味としては、6月が一年中で一番オムレツが良く食べられる月なんだそうです。

なんで6月なんでしょうね…!?

どうやって集計したのかも少し気になります。

オムレツを一言で言うと、

「近代フランス料理の父」

オーギュスト・エスコフィエさんが現した一言が的確です。

『オムレツはスクランブルエッグを卵の薄皮で包んだもの』

なるほど。

なので、最初はスクランブルエッグを作るつもりで

てばやく混ぜ中央に寄せ、

最期にその周りを薄く包むつもりで焼いていきます。

これが美味しいオムレツのコツを一言で表したものですね。

ご家庭で作られるオムライスもステキですが、

黄身トロふわのオムレツ、

たまに作ると絶品ですよ!

(関連:映画「ディープブルー」に学ぶ、最高のオムレツをつくるコツ | たまごのソムリエ面白コラム

こんにちは!たまごのソムリエ・こばやしです。

ゲーム好きとして有名なタレント後藤真希さんのたまごかけご飯が話題になっています。

後藤さんのYouTubeチャンネル「ゴマキのギルド」にて、

ゲームのローディング中に作ることができる料理「ローディングクッキング」として、たまごかけご飯を紹介されたのですね。

作り方は、

「ジャーを空けて、卵を割って、醤油シャー、ほんだしをパラパラかける、以上」

とのことです。

なるほど、これは早いですね!

詳しくは、

①サトウのごはんをチン、茶わんに盛ってくぼみをつける

②卵を割り込む

③醤油を回しかける

④ほんだし(顆粒だし)をパラパラかける

⑤ゴマ油をたらす

すぐに食べられるのは、たしかに卵かけご飯の魅了のひとつ。

そして、たまご屋の観点でゴマキ流のステキな点を挙げていくなら、

「チンすることで、アツアツのご飯で食べる」

これ、結構重要なんです。普段のご飯でも、冷蔵庫から出したたまごで食べると、ちょっと冷めちゃうんですね。サトウのご飯じゃなくても、ご飯をよそってチンしてから卵かけご飯にすると、めっちゃ美味しくなります。

また、ごま油の香りは、卵かけご飯と非常に相性が良いです。

そして、顆粒だしの多くはかつお出汁など濃厚な旨味の成分を含んでいます

発酵魚粉など配合の飼料を食べて育った卵の風味・アミノ酸などの旨味と、これらのだしの風味は非常に相性が良いのです。

なんにせよ、たまごかけごはんがこれだけ話題になるのは、とっても嬉しい!

後藤さんいわく「卵かけご飯は飲み物」との事ですが、

時間の無い時にうお~っ!と食べてしまうのには、確かに最適!の時短料理ですね。

かつて、忠臣蔵の大石内蔵助らは、

討ち入りの直前に卵かけご飯を食べて突撃したそうです。

ゲームにかける後藤さんの勢いもそれに近いものがあるのかもしれませんね。

時間の無い時はぜひ、ゴマキ流たまごかけごはんをお試しくださいませ!

ここまでお読みくださって、ありがとうございます。

(関連:『たまごバー』イベントで大人気だった「忠臣蔵討ち入り 卵かけごはん」って・・・!?

こんにちは!たまごのソムリエ・こばやしです。

中国語で「煮」というと、文字通り「煮る」ことを意味しますが、

「烹」という言葉もあって、

これは「煮る」と「油で揚げる」の両方の意味があります。

訳者さんが、少々戸惑う事もあるのだとか。

ゆで玉子の料理に、

「虎皮蛋(フゥヒイタン)」なる料理があります。

これは、ゆで玉子をサッと素揚げしたもので、表面が香ばしく「虎の皮」みたいになっているからそう呼ばれるのだそうです。

細かな隙間が表面にできるため、

ダシやスープがとても良くしみこんで、

とっても美味しいんですよね。

この虎皮蛋は中国料理なのですが、

実は熊本県の郷土料理でもあります。

昔むかし、熊本に移り住んできた中国の料理人さんが広めた、太平燕(タイピンエン)という春雨スープに欠かせない玉子料理なのです。

面白いですねぇ。

この料理、たまごを煮てさらに揚げるわけですからまさに「烹」の料理ですね。

そういえば日本では、

カウンターでこじんまりと楽しむ和食のお店を「割烹」と呼びます。

煮たり揚げたりする料理がメインだからなんでしょうか?

この虎皮蛋、中国ではホイコーロー的な「甘辛い味付け」が主ですが、日本熊本式のスープ入れとはまた違う魅力とボリューム感があって、とっても美味です。

ちょっとひと手間の料理ですが、ぜひこういった新メニューも面白いのではないでしょうか。

ここまでお読みくださってありがとうございます。

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こんにちは!たまごのソムリエ・こばやしです。

「めがね」という日本映画をご存知でしょうか?

南国の離島?っぽいところの小さな旅館でのーんびりすごす、ちょっと変わった人々を描いた物語です。

登場する大人がすべてめがねをかけているんですね。

主人公の女性は都会でバリバリと仕事(途中で明かされます)する日常から逃れるためにその島へやってきます。

あまりに変な宿なので最初は面食らうのですが・・・

という内容です。

殺人事件が起こるわけでも、恋愛ドラマが始まるわけでも無い、

ただのんびりするだけ。

でもだんだんと主人公と一緒に、観ている自分の心も溶けて行くようなステキな時間を過ごせます。

あ~、こんなのいいなぁ。

と、ずっと観ていたくなる映画です。

さて、この映画には朝食シーンがたびたび出てくるのですが、

そこでとっても印象的だったのが「目玉焼き」

はじっこがカリカリで、黄身はほどよいしっとりとした半熟

気取った感じのない、

ああ、こんなの毎日食べたいなぁ。

と思える、まさに「朝ごはん」です。

あのカリカリ、僕好きなんですよね~。

でも、意外と作るのが難しいんです。

作中では宿のご主人・ユウジさんがつくるご飯ですが、実際はフードスタイリストの飯島奈美さんが調理・監修をされたそうです。

 

〇カリカリ&黄身トロの目玉焼きの作り方:「めがね」バージョン

糸井重里さんのサイト「ほぼ日刊イトイ新聞」で、そのコツをご紹介をされていました。

飯島奈美さん・映画「めがね」のカリとろ絶品目玉焼きのコツ

 ・フライパンに油をペーパーでうっすらひく
 ・少し熱しておく
 ・新鮮な卵を1個ずつ割り入れる
 ・安定してきたら、まわりにちょっとだけ油を足す
 ・まわりがカリっとイイ感じになったら、その油もふき取る
 ・そこでちょっと水を入れ、瞬間、蒸らす

これで上記の写真のような、白身カリカリ黄身しっとりのめちゃうま目玉焼きになります。いや、ホント美味しいですよ。

飯島さんは映画「かもめ食堂」の料理監修もされてまして、併せてレシピ本を出されています^^

現状ではまだコロナ禍で旅行なんてできない状況ですが、ぜひ南の島に想いを馳せ、のんびり美味しい朝食を作ってみるのも一興ですね。

ここまでお読みくださって、ありがとうございます。

(参照:ほぼ日刊イトイ新聞 – かもめとめがねのおいしいごはん)

カテゴリー | ソムリエ日記 , 料理別・たまごのこだわり , 目玉焼き 2020年04月24日

こんにちは!たまごのソムリエ・こばやしです。

卵かけご飯大好き有名人シリーズ、今回は俳優の水谷豊さん。

言わずと知れた『相棒』で有名な方です。

そのエレガントな雰囲気にファンの女性もたくさんいらっしゃいますが、実は「たまごがけごはん」がとっても大好物なのだとか。

数年前、番組で木梨憲武さんが「水谷流のたまごかけごはんが美味しい!」と紹介した事でSNSでも一時話題になりました。

ちょっと変わっていまして、

 ・ごはんに醤油をかける

 ・黄身だけを乗せる

 ・ごはんとあまり混ざらないようにして、崩しながら食べる

と、こんな風な方法です。

このこだわり、結構理にかなっていまして、

以前ご紹介しましたように温かいご飯に直接醤油をかけることは、醤油の香ばしさがアツアツご飯で立つというメリットがあります。

また、卵のうまみ成分の多くは黄身にありますので、よりしっかりとした卵の味を楽しむなら、黄身だけで食べるのは良い方法かと思います。

ただ・・・食感の面では、白身が無いとたまごかけごはん全体の滑らかさがやや出にくくなっちゃいます。

もっと美味に卵を味わうなら

・・・イヤ、べつに水谷さんの方法にケチをつけるワケじゃないのですが、たまごのソムリエとして更に良いやり方を提案するなら、

 ・ご飯の量を半分にする

 ・アツアツご飯を茶わんによそい、2分ほど待ってから卵の黄身を入れる(ちょっとだけご飯を冷ます)

この2点を意識するだけで更に極上の美味しさになります。黄身だけの食べ方だと、ほんのり温かい方がたまごかけご飯の旨味と食感を、より味わえます。

『相棒』と検索すると予測変換で『相棒 紅茶』と出てくるくらい、水谷さんふんする杉下右京特命係長のエレガントな紅茶が有名ですが、卵かけご飯もぜひ杉下流、いや水谷流で優雅に楽しんでみたいですね。

ここまでお読みくださって、ありがとうございます。

(関連:たまごかけご飯好きの有名人・・・その8 柳家小三治 師匠