小林ゴールドエッグ

ソムリエ日記 SOMMELIER DIALY

料理別・たまごのこだわり 記事一覧

ちょうど一年程前、カゴメが「オムレターコンテスト」という企画をやっていました。オムレターとは、オムレツにケチャップで書いたレター、またはラブレターの事です。親子でお絵かきして楽しんじゃおうという企画ですね。「たのしく食事を。」というコンセプトは先日コラムのケチャップ商品と同じなんですが、ほほえましい度が全くちがいますね。

昨年、一昨年と続けてのイベントだったようですが、今年はどうもやらないみたい。残念です。ちなみに受賞作品はカゴメのサイトにて公開されています。

上の画像は「パパにっこり賞」の受賞作品です。ほほえましいですね~。_

もうすぐ父の日です、お母さんといっしょに「おとうさんありがとう」のこんなメッセージはいかがでしょうか?

そんなときは、加熱でとろーりとした食感とおいしい香りが楽しめる「とろーりオムレツ専用たまご」もどうぞ。

ところで上記の賞には、「パパにっこり賞」と「ママにっこり賞」があったのですが、ママ賞の賞品が「5万円分の旅行券」、パパ賞は「Wii+Wii Fit」でした。なんとなくママの方が、扱いが上な気がして仕方ありません。パパは家の中で遊んでおいて!という事でしょうか・・?(^^;)

昨日のエントリで、「おじいちゃんの焼いてくれたたまごやき」についてのエッセイをご紹介しました。実は私にも良く似た思い出があります。

亡くなった母方の祖母が、プレーンオムレツづくりの名人でした。

中になーんにも入れない、本当にシンプルなオムレツです。

これがまた実にウマかったんです!

祖母には私を含め8人の孫がいますが、正月などに泊まりに行くと朝ごはんに『一人一人の好みに合わせて絶妙の焼き加減』で絶品プレーンオムレツを作ってくれました。

おばあちゃんちから帰るたびに、「あのオムレツをつくって!」と母に頼み込んで困らせたのを覚えています。昨日のエッセイも、なつかしく感じて思わず取り上げてしまいました。

さて、今読んでいる「我が家のチャーハンはなぜパラッとしないのか?」(アステ新書)に、『ふんわりオムレツを作る秘訣』というのが出てきました。

それによると、

スプーン一杯の炭酸水

が必要なんですが、手軽なのでちょっと試してみようと思います。

でもスプーン一杯のソーダ水、使った残りは、どうすればいいんでしょうね。保存できないし、飲むのかな・・・?

カテゴリー | ソムリエ日記 , 料理別・たまごのこだわり , オムレツ 2009年04月29日

パキラハウス(著)『新装版おしゃべり用心理ゲーム』という本に「目玉焼きに何をつけるか?という議論をすると、必ず場が盛り上る」というお話が出ています。目玉焼きシリーズ第三段、今回は目玉焼きにつける調味料についてです。

(参照)目玉焼きのおいしさ_その1:おいしい目玉焼きを作るコツ
(参照)目玉焼きのおいしさ_その2:目玉焼きに向く卵ってどんなの?

さて、上記の本によると、よく知らない人同士の集まりの際に、その固い雰囲気をほぐしたり、より親密になる為の会話のことを、「ブレイク_ジ_アイス」と呼びます。つまり「氷を溶かす」訳ですね。白熱するといっても、政治や宗教、他人の悪口なんて話題はもってのほか、無難で意見が程よく分かれて、なおかつ興味を引く話題となると、結構限られてきます。確かに慣れていないとちょっと難しそうですね。

そんな話題の一つが、「目玉焼き」。これは私もトークに自信をもってます(笑)。

「ねえねえ、目玉焼きってあるでしょ?みんな、普段何をかけて食べてる?」と聞いてみると、予想外に意見が分かれることに驚かされます。

「そりゃ、当然塩コショウだろ?」

「えー!?、みんな醤油じゃないの?」

ソースに決まってるじゃん。何言ってんの。」

マヨネーズだよね、やっぱり。」

「いやいや、それよりも普通ケチャップでしょ?クレーマークレーマー見てないの?」

・・・、などなど、他にもトンカツソース七味唐辛子柚子コショウなど色んな意見がでてきます。とりわけ面白いのが、みなさん「普通・・」とか「ぜったい」とかをつけて断言することなんですよね。お雑煮の様に地域文化となってるわけでもなく、また給食やレストランに頻繁に出るメニューでもないですから、自然と家庭ごとの強固なルールができあがってくるという訳ですね。

ちなみに「asahi.com」の関西トピックス2008年7月9日版掲載、滋賀県栗東市の大宝西小学校の5、6年生のみなさん89人調べによると、塩・こしょう38人しょうゆ30人マヨネーズ5人ソース4人 となっています。
また、しょうゆ最大手のキッコーマンが01年にホームページで自由投票を募ったデータによると、全国約3千人が回答し、しょうゆ(54%)、塩(16%)、ソース(13%)の順だったとの事。地域別で見ると、関西はしょうゆ(41%)、塩(25%)、ソース(13%)で、しょうゆが減り塩が増えているそうです。
キッコーマンHPでの募集分ですから、ちょっとお客さんの贔屓分も差し引く必要がありそうですが、それを考慮しても塩コショウ派と醤油派が大派閥の様です。ちなみにウチは、小さい頃から醤油でしたが、結婚後妻の好みに合わせて塩コショウ派にくらがえしました。最初は随分と抵抗がありましたね。

更に、福井県にはなんと、「目玉焼き専用ドレッシング」を販売する会社もあり、まだまだ新しい「派閥」が生まれて来そうです。(ぜひここの会社の方には会ってお話を聞いてみたいです!!)

さて、いかがでしたでしょうか?
あなたのご家庭の味はどうですか?一度お友達、まわりの皆さんと「目玉焼きに何をつけているか?」について聞いてみてください。面白いですよ。

そして、香りや旨味そして黄身の曲率にまでこだわった「究極の目玉焼き専用たまご」もぜひ一度、体験していただけましたら幸いです。とろとろあつあつ、ホントに美味しいですよ。

次回は「面白目玉焼きの世界」についてお話します。

カテゴリー | ソムリエ日記 , 料理別・たまごのこだわり , 目玉焼き 2009年03月19日

『 [ロンドン2006年10月11日 ロイター] 英国の発明家が大昔から論議の尽きない、「完璧なゆで卵」をつくる方法を考案したそうだ。_この発明家はウィルトシャー州に住むサイモン・ライムズ氏(23)で、卵を調理するのに沸騰した湯ではなく強力な電球を使う。_ガラス製のコーヒーメーカーのような形状のこの装置を使うと6分でゆで卵が完成。てっぺんをカットして、とろりとした黄身にトーストを浸して食べる。(引用終わり)』

エキサイトニュース(http://www.excite.co.jp/ )の二年前の記事です。当時はかなりワクワクしながら期待していました。だって「完璧な」ですよ!?
『ライムズ氏はすでにこの装置の特許を取得済みで、大量生産することに関して複数のメーカーと交渉中だという。』との事だったのですが、どうなったんでしょう?もっと良い方法や、コスト面で駆逐されたんでしょうかね。少々残念です。

いずれにせよ、ゆでたまごの湯で加減は、欧米の方がうるさそうです。たしかシャーロックホームズ(ポアロだったか?)が小説の中でこだわりを語るシーンもありますしし、ガリバー旅行記で出て来た小人国の戦争も、ゆでたまごの割り方が原因でした。そういえばハードボイルドという小説のジャンル名も、「固ゆでたまご」が語源ですね。

本日ゆでたまごなど調理機械のメーカーさんと、お話をする予定です。いろんな美味しさについてのこだわりが聞けそうで、ワクワクしています。

 

今回は、いよいよ目玉焼きに向く卵について、ご説明いたします。究極においしい目玉焼きを食べるには、どんな卵を用意すればよいでしょうか?

さて、繰り返しになりますが、目玉焼きは世界の超人気メニューです。それだけに、ただ「焼く」という単純な行為の中にも、いろんなこだわりが存在します。
(参考リンク)目玉焼きのおいしさ_その1:おいしい目玉焼きを作るコツ

日本人のもっとも好きな焼き方は、「サニーサイドアップ」。片面焼いて上部は蒸し焼きのスタイルです。おそらくほとんどの方がそうではないでしょうか?
さて、サニーサイドアップで目玉焼きを作る場合、もっとも重要になってくるのが、熱の通りかたです。白身が焦げちゃったり、黄身が予想以上に固くなっちゃったり、この辺で失敗した方もたくさんいらっしゃると思います。私も、ついついテキトーにつくって、家族に叱られたりします。
では、誰がつくっても、理想の火加減とろウマの食感で食べられる卵は、あるんでしょうか?これについて、我が社ではいろんな仮説を元に、試験をしました。

我が社の「たまご研究チーム」と、プロの料理人の皆さんとの試食試験により、実は究極の目玉焼き作りに最も重要な点は、「割ったときの卵の形状」であるとの結論に達しました。詳細は以下のとおり。

◆白身が多すぎると大味になる。
最も重要なのは、黄身と白身の盛り上がり。濃厚卵白が弱いと、あっという間に白身だけ火が通ってしまって、焦げやすい。
黄身の盛り上がりが悪いと、出来上がりがばらついて、おいしく作りにくい。黄身も共に平べったいと、すぐにに火が通ってしまって固くなりすぎてしまう。日本人の多くの人が好む半熟の場合は特に、タイミングがムズカシイ。
黄身の曲率が球に近いほど、外側から均等に熱が伝わり、まろやかな風味が出る。表面はしっかり、内部はとろーりとしたまろやかな風味が楽しめる。

繰り返しますが、目玉焼きに関しては、加熱するときの形状が最も重要、次に旨味やとろみなどの味食感が来ます。この結果に基づき、更にサイズや鶏種、産地や飼料などで約10種程度にしぼりこんで、試食試験を行いました。
その結果、高評価の卵に共通していたのは、「鶏の若さでした。若鶏の卵は黄身に張りがあり、盛りあがりもホント球に近いくらいしっかりしています。箸でつまんでも割れないくらいのハリがあります。これは、料理しやすいです。私の様なあわてんぼが朝の忙しい中、料理しても焦げず破れず成功しやすい卵でした。

他にも、黄身の旨味やとろみ、醤油との相性、香りなどなど、いろんな要素から、養鶏家さんと共に飼料など工夫をした上で、「究極の目玉焼き専用たまご」ができあがりました。

一般のたまごで、おいしい目玉焼きに向く卵を探すなら、まず(1)MSサイズであること、(2)新鮮であること、(3)冷蔵庫から出してすぐ使うこと、この三点にこだわってください。
若鶏ほどのハリが無くても、やや小さめの卵が、上記の理想の形状に近くなるようです。新鮮であることも、同じ理由です。そして、低温の方が締まってハリがよくなりますので、あまり常温になる前にサッとフライパンで加熱する方が良いようです。

以上、いかがでしたでしょうか?皆様の食卓のワクワクに少しでも貢献できましたら幸いです。ぜひお試しください。
そして、香りや旨味そして黄身の曲率にまでこだわった「究極の目玉焼き専用たまご」もぜひ一度、体験していただけましたら幸いです。とろとろあつあつ、ホントに美味しいですよ。

次回は、目玉焼きにつける調味料について、お話します。

前回面白目玉焼きの事を書きましたが、今回は、目玉焼き(サニーサイドアップ)をおいしく焼くコツをご紹介します。

基本工程だけを書くと、次の様になります。

1.フライパンを熱し油を引く
2.卵を割り入れる
3.焼く

これだけです。単純ですね。世界中で流行する訳だ。では、トコトンこだわった場合に、それぞれの工程での「おいしく作るポイント」を下記に追記してみます。

1.フライパンを熱し油を引くとき
栄養学的に見て、卵は体に良い不飽和脂肪酸を既に沢山含んでいます。そして卵自体が動物性の食材である事もありから、使用する油には植物油を使うケースが多いです。 ただし、風味やコクをアップさせたいならバターの方が面白いです。 飲食店さんだと、一味違う風味へのこだわりを演出できます。 特に、フタをして蒸し焼き(後述)でつくる場合は、よりバターの豊かな香りが楽しめます。 バターを落としてブクブクと出た泡が静まったときが、温度も頃合です。

2.卵を割りいれるとき
先に容器にに割っておく方がやりやすいです。カラも取れますし。そーっと小皿に割ります。そして、できるだけ衝撃を与えないようにフライパン近くから滑らせるように入れます。これは、黄身が衝撃に弱く、見た目に大丈夫でも衝撃で黄身の成分に影響が出て食感がぼそぼそになってしまうからです。フライパンに直接割りいれるのであれば、卵のカラのはじっこが底にこするくらいフライパン表面近くで割りいれると、割れずに形もキレイな形の目玉焼きになります。少しだけ火傷に注意。

3.焼くとき
できるだけ弱火でじっくり焼いた後、必要なら小さじ一杯の水を卵白のふちからまわす様に流しいれます。これにより卵白の表面がやわらかく焼きあがります。
フタを閉め、10秒ほどして弱火に。その後一分ほど放置(お好みの固さになるまで)。ふたを閉めることで、ひっくり返さなくても充分表面が固まります。

※時間があるなら、水なしで『ごく弱火じっくり』を試してみてください。これはおススメ!

お好みで塩コショウを。ただし、焼き上がった後に振る事。 固まる前に黄身に塩がかかると、白い斑点になっちゃいます。 細かいようですが、外観だって美味しさには重要です。(^^)

いかがでしたでしょうか?次回は「目玉焼きに最高に合う卵とは?」についてご説明します。

(関連:目玉焼きのおいしさ_その2:目玉焼きに向く卵ってどんなの? – たまごのソムリエ日記)
※注1)片面焼きの「サニーサイドアップ」と、フタをして蒸し焼きにする日本の「目玉焼き」を区別する場合もありますが、今回は近いものとしてご紹介しています。

参考文献:cookbookたまご(柴田書店)、改定増補タマゴの知識(幸書房)、たまごのうふふ(コロナ・ブックス)