今回は、いよいよ目玉焼きに向く卵について、ご説明いたします。究極においしい目玉焼きを食べるには、どんな卵を用意すればよいでしょうか?
さて、繰り返しになりますが、目玉焼きは世界の超人気メニューです。それだけに、ただ「焼く」という単純な行為の中にも、いろんなこだわりが存在します。
(参考リンク)目玉焼きのおいしさ_その1:おいしい目玉焼きを作るコツ
日本人のもっとも好きな焼き方は、「サニーサイドアップ」。片面焼いて上部は蒸し焼きのスタイルです。おそらくほとんどの方がそうではないでしょうか?
さて、サニーサイドアップで目玉焼きを作る場合、もっとも重要になってくるのが、熱の通りかたです。白身が焦げちゃったり、黄身が予想以上に固くなっちゃったり、この辺で失敗した方もたくさんいらっしゃると思います。私も、ついついテキトーにつくって、家族に叱られたりします。
では、誰がつくっても、理想の火加減とろウマの食感で食べられる卵は、あるんでしょうか?これについて、我が社ではいろんな仮説を元に、試験をしました。
我が社の「たまご研究チーム」と、プロの料理人の皆さんとの試食試験により、実は究極の目玉焼き作りに最も重要な点は、「割ったときの卵の形状」であるとの結論に達しました。詳細は以下のとおり。
◆白身が多すぎると大味になる。
◆最も重要なのは、黄身と白身の盛り上がり。濃厚卵白が弱いと、あっという間に白身だけ火が通ってしまって、焦げやすい。
◆黄身の盛り上がりが悪いと、出来上がりがばらついて、おいしく作りにくい。黄身も共に平べったいと、すぐにに火が通ってしまって固くなりすぎてしまう。日本人の多くの人が好む半熟の場合は特に、タイミングがムズカシイ。
◆黄身の曲率が球に近いほど、外側から均等に熱が伝わり、まろやかな風味が出る。表面はしっかり、内部はとろーりとしたまろやかな風味が楽しめる。
繰り返しますが、目玉焼きに関しては、加熱するときの形状が最も重要、次に旨味やとろみなどの味食感が来ます。この結果に基づき、更にサイズや鶏種、産地や飼料などで約10種程度にしぼりこんで、試食試験を行いました。
その結果、高評価の卵に共通していたのは、「鶏の若さ」でした。若鶏の卵は黄身に張りがあり、盛りあがりもホント球に近いくらいしっかりしています。箸でつまんでも割れないくらいのハリがあります。これは、料理しやすいです。私の様なあわてんぼが朝の忙しい中、料理しても焦げず破れず成功しやすい卵でした。
他にも、黄身の旨味やとろみ、醤油との相性、香りなどなど、いろんな要素から、養鶏家さんと共に飼料など工夫をした上で、「究極の目玉焼き専用たまご」ができあがりました。
一般のたまごで、おいしい目玉焼きに向く卵を探すなら、まず(1)MSサイズであること、(2)新鮮であること、(3)冷蔵庫から出してすぐ使うこと、この三点にこだわってください。
若鶏ほどのハリが無くても、やや小さめの卵が、上記の理想の形状に近くなるようです。新鮮であることも、同じ理由です。そして、低温の方が締まってハリがよくなりますので、あまり常温になる前にサッとフライパンで加熱する方が良いようです。
以上、いかがでしたでしょうか?皆様の食卓のワクワクに少しでも貢献できましたら幸いです。ぜひお試しください。
そして、香りや旨味そして黄身の曲率にまでこだわった「究極の目玉焼き専用たまご」もぜひ一度、体験していただけましたら幸いです。とろとろあつあつ、ホントに美味しいですよ。
次回は、目玉焼きにつける調味料について、お話します。