古い卵には天使のわけまえがある
こんにちは!
たまごのソムリエ・こばやしです。
パンを焼いた時のパチパチという音って
「天使の拍手」って言うんだそうです。
パンをオーブンから出したらパチパチと言っているので何この音怖い…と思って調べたら天使の拍手というらしい pic.twitter.com/STcuEFrmRy
— 水棲生物 (@nrnkncj) April 18, 2024
ステキな表現ですね~。
『天使の』
っていう表現って
良いですよね。
フワッとして白っぽくて
なんか高級感もありますし。
たまご料理、
たとえばメレンゲ料理や
菓子のネーミングとしては
活用できるんじゃ
ないでしょうか。
ところで
「天使の」と付く言葉は
他にもありまして、
たとえば
「天使の分け前」
なんてのがあります。
これはウィスキー醸造で
言われる言葉。
ウィスキーって蒸留後に
タルで静置して醸成するんですが、
だんだんと色が琥珀色になるとともに
中身が蒸発して少なくなっていくんです。
これを「天使の分け前」と言います。
だいたい一年で2~3%。
「それくらいならまあぁ・・。」
と思うかもしれませんが、
たとえば10年熟成するなら
中身は73%、四分の一も減ってしまいます。
天使、なかなかの強欲ですね!
そして実は
たまごにも、この
「天使の分け前」が
あるんです。
たまごのカラには
気孔という一万個の微細な穴が
空いていまして、
そこから呼吸をしています。
産卵の直後に
炭酸ガスなんかが抜けていくんですが、
それと共に
水分が徐々に抜けていくんですね。
最大で7%くらい抜けることも。
古い卵を茹でると
おしりを切り飛ばした
弾丸型になっていることがありますが、
これは水分が蒸発して減ったため
なんですね~。
そしてこの蒸発は、
ウチみたいな『たまご屋』に
ちょっとした影響があります。
たとえば
10トンのたまごを夕方に集卵して
一晩経って計量するとします
仮に0.01%減、
1000分の一の水分が飛んだけでも
なんと10㎏減、約160個分のたまごが
無くなった計算になります。
考えるとバカになりません。
天使さん、やっぱり強欲かも(笑)
ここまでお読みくださって
ありがとうございます。