小林ゴールドエッグ

ソムリエ日記SOMMELIER DIALY

古い卵には天使のわけまえがある

こんにちは!
たまごのソムリエ・こばやしです。

 

パンを焼いた時のパチパチという音って
「天使の拍手」って言うんだそうです。

 

 

ステキな表現ですね~。

 

『天使の』
っていう表現って
良いですよね。

フワッとして白っぽくて
なんか高級感もありますし。

たまご料理、
たとえばメレンゲ料理や
菓子のネーミングとしては
活用できるんじゃ
ないでしょうか。

 

ところで
「天使の」と付く言葉は
他にもありまして、

たとえば

「天使の分け前」

なんてのがあります。

これはウィスキー醸造で
言われる言葉。

ウィスキーって蒸留後に
タルで静置して醸成するんですが、
だんだんと色が琥珀色になるとともに
中身が蒸発して少なくなっていくんです。

これを「天使の分け前」と言います。

 

だいたい一年で2~3%。

「それくらいならまあぁ・・。」

と思うかもしれませんが、
たとえば10年熟成するなら
中身は73%、四分の一も減ってしまいます。

天使、なかなかの強欲ですね!

 

そして実は

たまごにも、この
「天使の分け前」が
あるんです。

たまごのカラには
気孔という一万個の微細な穴が
空いていまして、
そこから呼吸をしています。

産卵の直後に
炭酸ガスなんかが抜けていくんですが、
それと共に
水分が徐々に抜けていくんですね。

最大で7%くらい抜けることも

古い卵を茹でると
おしりを切り飛ばした
弾丸型になっていることがありますが、
これは水分が蒸発して減ったため
なんですね~。

 

そしてこの蒸発は、
ウチみたいな『たまご屋』に
ちょっとした影響があります。

たとえば
10トンのたまごを夕方に集卵して
一晩経って計量するとします

仮に0.01%減、
1000分の一の水分が飛んだけでも
なんと10㎏減、約160個分のたまごが
無くなった計算になります。

考えるとバカになりません。
天使さん、やっぱり強欲かも(笑)

 

ここまでお読みくださって
ありがとうございます。

カテゴリー | ソムリエ日記 , 面白たまご話2024年04月20日