小林ゴールドエッグ

ソムリエ日記 SOMMELIER DIALY

面白たまご話 記事一覧

雀卵斑(じゃくらんはん)ってご存知ですか?

スズメのたまごの模様」という意味ですが、

これ、「そばかす」の事なんです。

なんでこんな名前なのかというと、

雀の卵の模様がそっくりなんですね。

雀のたまごは、うずら卵と殻の色目が似ていますが、

模様がより淡く細かいので、

たしかにお肌のそばかすっぽさがあります。

日本人はそばかすが出る人がさほど多くないですが、そばかすの方が多い欧州では「かわいい」の代名詞なんだとか。

そういえば、日本では江戸の昔からツルツル肌をたとえるのに「卵肌」、つまり「ゆで玉子」と評しています。

なにかと卵はお肌の表現の対象になってますね~。

ちなみに卵は肌に理想的なアミノ酸を含み、高い抗酸化作用も持つ、美肌フードです。卵の薄皮、“卵殻膜”に多く含まれる「シスチン」も、肌に高い効果があるとのことで近年注目されています。

ここまでお読みくださって、ありがとうございます。

(関連)たまごの〇〇に美肌効果が! | たまごのソムリエ面白コラム

カテゴリー | ソムリエ日記 , 面白たまご話 2020年12月11日

こんにちは!たまごのソムリエ・こばやしです。

歌舞伎の小道具に「卵紅(たまごべに)」というものがあるのをご存知でしょうか!?

卵の殻のてっぺんに丸く穴をあけ、中身を出したあとで赤紅を溶いた液を詰め紙で封をします。

役者が切られたり吐血するシーンで、この卵を潰すと流血する。これが「卵紅」です。

そう、いわゆる「血のり」ですね。

携帯性が良くていざというときにクシャッと壊しやすい。

歌舞伎の発展した江戸時代で考えてみても、たしかに卵殻のほかにそんな便利な容器って思い当たりません。卵の殻はなかなか優秀な特殊容器なんです。

そういえば、忍者粉末を卵殻に詰め、いざという時に投げる煙幕玉を作っていた……というようなことをどこかで聞いたことがあります。

ただ……よく考えてみたら激しく動く前提の忍者が持ち歩くのには、卵のカラでは強度不足な気もします。

もしかすると、「歌舞伎の卵紅」からヒントを得た後世の創作なのかもしれません。

〇有名シーンのお約束、卵紅

この卵紅を使用するシーン、

例えば歌舞伎演目「仮名手本忠臣蔵」でも最も人気の高い五段目『鉄砲渡しの場』があります。赤穂浪士の一人・勘平がうっかり鉄砲で人を撃ち殺すシーンがありまして、そこで卵紅が使われているんです。

この演目、略称で「血吐き」なんて言われたりもするそうで、それくらい卵紅の重要度が高いシーンなのです。

ちなみに、鉄砲を撃つまでの細やかなしぐさやタイミングが結構難しいらしく、その大変さを笑い種にした落語まであります。

『素人芝居』という落語で、

素人芝居でこの『鉄砲渡しの場』をやったものの鉄砲の音がどうしても鳴らず、でも撃たれ役は卵紅を口に含んでガブっといっちゃってるので血はダラダラ…困ったあげくに「今日は吐血で死ぬんだ」と説明してバッタリ、というオチの噺です。

こんなパロディがでるくらい一般的だったということですね~。

ここまでお読みくださって、ありがとうございます。

カテゴリー | ソムリエ日記 , 面白たまご話 2020年08月25日

こんにちは!たまごのソムリエ・こばやしです。

海外の方が日本語習得で困惑するものの一つが「数え方」だそうです。

一本(ぽん

二本(ほん

三本(ぼん

と、規則性なく読み方が変わっていく……

たしかにコレ考えてみればかなりヘンですよね。

ニワトリさんの数え方は「一羽」「二羽」…で、

基本は(わ)と読みます。

ただし、末が10と100のときだけは、

)という読み方になります。(「じゅっぱ」「ひゃっぱ」)

そして、最期が「ん」になる数字、

3とか千とか万の場合は()なんですね。(「さんぜん」など)

不思議ですよね~…。

いち

じゅっ

せん

……なんでそうなっているんでしょうね。

僕たち卵屋は、どうしても鶏さんを数える時は「まとまった数」のことが多いですから、千とか万とか最後が「ん」になる数字を使う、つまり()で読む羽数が圧倒的に多いのですね。

なので、数を聞く方も最初から「なん(何羽)ですか?」なんて()読みで言います。

もし、アタマに数字が無くて「なん?」じゃなく「なん?」と話す人を町で見かけたら、もしかすると鶏卵か鶏肉関係のヒトかもしれません(笑)

そういえば、「卵」も鶏卵業界ではわざわざ「殻付き卵」と呼びますが、これも「殻が無いたまご商品」(液卵)の事が頭にあるから。

一般の方からすると「『殻付き』って……カラが付いているの当たり前だよね?」となります。

こちらも業界「見破られポイント」ですね(笑)

ここまでお読みくださって、ありがとうございます。

カテゴリー | ソムリエ日記 , 面白たまご話 2020年08月1日

こんにちは!たまごのソムリエ・こばやしです。

先週末は「キリストの昇天日」でした。

イタリアの伝説によると、

昇天日生まれのたまごを食べると胃と頭と耳の痛みが治るんだそうです。

日本でも、明治時代に紹介されています。

『イタリアのモンフェラートでは、キリストが昇天した日に新しい巣で生まれた鶏卵は、胃と頭と耳の痛みを治し、麦畑に持ちゆけば麦奴の侵害を予防し、ぶどう園に持ち往けばその葡萄が霰あられに損害を受けることは無くなると信じられている』( 南方熊楠著 十二支考(下))

イタリアの伝説で健康になる、なんてちょっと素敵かもしれません。

来年は2021年5月13日です。

メニューイングのヒントにいかがでしょうか?

また、デスクワークで目や頭の疲れが出ている方、ぜひ今、量販店さんに並んでいる卵を食べるとちょうどそれくらいの産卵かもしれません!

ゲン担ぎにいかがでしょう?

カテゴリー | ソムリエ日記 , 面白たまご話 2020年05月24日

こんにちは!たまごのソムリエ・こばやしです。

「孔雀の卵」

という慣用句があります。

どういう意味か分かりますでしょうか?

これ、いわゆる長っ尻(ながっちり)、

つまり人の家に行って長居する事を「孔雀の卵」と言うんです。

なんで孔雀なのかと言いますと、

孔雀の卵はなかなか産まれず、またふ化するまでの期間も長くて、孵るまでが大変だ

なかなか孵らない→「なかなか帰らない」

という訳です。

ダジャレですね。

ちなみにクジャクのふ化期間は約28日。

ニワトリさんは21日ですから、約3割ほど長い計算になります。

そんなに言うほど長くも無いですね…

何はともあれ、

このような、ちょっとわかりにくい言葉に変えてのコミュニケーションは「洒落言葉」と呼ばれ、関西では昔っから商売や日常の中での言葉あそびとして親しまれてきました。

例えば、

「お前は八月の槍やなぁ。いっつも忘れ物しとる。」

みたいな言い回しをするんですが、八月にはお盆があります。なので「盆槍」→「ぼんやり」というわけです。

それは勘弁してください・・!なんて場面でも、

「それだけ値引きせえ言われたら、ホンマ仏の椀ですわ。」

なんて言うんです。

これは仏の椀 イコール金属の椀→「かなわん」という意味。

四国でも関西が近いせいか、タマにこういった洒落を言う年配の方がいますが、なんとなく場が和むというか、しゃーないなぁというなんだか通じ合った感がでるというか、ふんわりした笑いの雰囲気に包まれるんです。

前述の「孔雀の卵」だって、そのまま口に出したら感じ悪い悪口ですが、

「アンタいっつも孔雀の卵なんよ。ほんま早よしてや~。」

・・・となるとちょっと和らぎますよね。

大阪的商売からくるコミュニケーションの知恵だなぁと感じます。

せっかくですから、新しく考えてみても良いのかもしれません。

ちょっと卵屋として僕も考えてみますと、

ウチの亭主は最近「夏のニワトリ」さね。→「飲んでばっかり」

今回の口ゲンカは「傷んだ卵」だよ。→「黄身(君が)わるい」

どうでしょう・・・!?(汗)

(関連:「ゆで玉子におろし金」って何のこと?-たまごのソムリエ面白コラム

(関連:生きてるみたい!?幻想料理ってなんだ?-たまごのソムリエ面白コラム

カテゴリー | ソムリエ日記 , 面白たまご話 2020年04月6日

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こんにちは!たまごのソムリエ・こばやしです。

卵を産む生き物っていうと、

鳥さんと魚

あと虫、

カエルなど両生類や

爬虫類もそうですね。

ぼくたちの仲間、

“哺乳類”は基本たまごを産みません。

ですが、

ほんのわずかながら、

『たまごを産む哺乳類』が存在するんです。

その一つが、

「カモノハシ」

オーストラリアにのみ生息する、超不思議な動物です。

なにせ、

・哺乳類で唯一くちばしがある

・哺乳類なのにたまごを産む超レアな存在

・前足のツメに犬をも殺す猛毒を持つ

・くちばしで微弱電流を感知するソナーを持ち、獲物を捕まえる

…とまぁ、『ナゾ機能』がてんこもり。

とにかく常識外の存在なものですから、

200年と少し前に初めて、英国人によって発見されたときには、

剥製を見た本国の科学者たちは

「こんな生き物がいるわけない!ニセモノに決まっている。」

…とまったく信じようとしなかったそうです。

まぁさもありなん、ですね^^;

また研究が進んでも、

やっぱり更にナゾは深まるばかりでして、

遺伝子を解析してみると哺乳類と鳥類さらに爬虫類のDNAまであわせ持っていることが判り、もしかすると恐竜の時代からいたんじゃないか!?…なんて説まであるようです。

◆カモノハシのたまごはどんなもの…!?
さて、カモノハシが生む「哺乳類のたまご」はどんなものかというと、

直径20mm弱、一円玉よりちょっと小さいくらい。

ソラマメみたいな大きさです。

殻の色は白。

「コレ…食べたらどんな味だろうか…?」

と思ってちょっと調べてみましたが、

カモノハシの赤ちゃんは生まれるまでに38日かかり、

卵は「ヒナ(?)が生まれるわずか10日前に産まれる」との事でしたので、

ようするに、

たまごが産まれた時点ですでに、けっこう大きくなった赤ちゃんが卵の中にいるみたいです。

これじゃァさすがに食べられないですね^^;

ちょっと「カモノハシ卵の目玉焼きをつくってみよう。」・・・なんてわけにはいかないなぁ。

ここまでお読みくださって、ありがとうございます。

カテゴリー | ソムリエ日記 , 面白たまご話 2017年10月8日