たまごから見るコロナ後の楽天的な未来
こんにちは!たまごのソムリエ・こばやしです。
『アフターコロナ』なんて言葉もできまして、コロナ禍終息後のいろんな予測が出てきています。
「外食業界は、元のような活気には戻らないだろう。」
そんな悲観的な声も良く耳にします。
大多数の人の行動原理や
価値観が変わってしまった
なので、コロナ終息してもリスクある外食なんてしないだろう…
…、という予測ですね。
確かに、「コロナが収まったから、また今まで通りワイワイ大宴会をしようぜ!」とはなりにくい、そんなイメージがあります。
ただし今の時点では、です。
そこで本日は、あえて楽観的な未来予測を過去の流れからしてみたいと思います。
僕が楽天的な未来を考える時、
イメージが浮かぶのが「焼肉」と「たまご」です。
◆コロナ前にも業界存亡の危機が!?
焼肉って、本当に何度も「業界ごと無くなるピンチ」がありました。皆様覚えていらっしゃいますでしょうか!?
20年前には狂牛病
10年ほど前には口蹄疫
11年前に豚インフルエンザ、なんてのもありました。
そのたびに、
「もう食べない!」なんて言葉がネット上にもあふれ、来店のお客様は激減、前年同月比の売上90%ダウン!……なんてのがどの店も起こっていたわけですね。
そういえば狂牛病の際には、吉野家さんの輸入した牛肉に背骨が混入していた事で大きなバッシングがありました。あの時は「二度と吉野家では食べない!」なんて言われていましたよね。
ところが、コロナ直前で考えますと、焼き肉店はどこも大賑わい、吉野家にいたっては2月までの営業利益は前年比で39倍という好調ぶりです。
あんなに恐れられていた「背骨」だって、今じゃタウン誌でも「絶品!テールスープ特集♪」みたいな紹介されるくらい、「あれは何だったんだ!?」状態です。
つまり…
誤解をおそれずに書くならば
最期は「美味しい」が勝つ
と言えるのではないでしょうか。
(もちろん、正しい知識の伝達や業界の対策などたくさんの努力があってのことではありますが)
そして、たまごの歴史にも、同じような事がありました。
◆800年のたまご禁食を終わらせたもの
実は日本では、卵は800年ほど食べる習慣が途絶えた歴史があります。
奈良時代に入ってきた新しい考え方「仏教」によって、卵を食べる事を「いけない」とする考えが急速に広まったのですね。そして、実に江戸初期まで800年ものあいだ表立って卵を食べる人がいなくなったわけです。
当時の著名人の発言や、鎌倉時代のベストセラー本「日本霊異記」「沙石集」(落語や狂言の基になったともいわれる説話集)などのメディア的(?)影響からも「食べちゃいけないよ。」というメッセージが一般大衆に浸透しました。
そして、
日本での長い長い禁卵食を終わらせたのは、西洋から入ってきたカステラ・天ぷら等の「思ってもみなかった美味しさ」だとも言われます。
新しい「美味しさ」を体験したことで、
「殺生はダメ」から「良く考えたら、たまごって生き物じゃないし、食べてもいいんじゃね?」へと考えが変わった。圧倒的に新しい「美味しい」が、戒律の解釈を変えてしまったわけです。
その結果たまごは、江戸の初期には玉子料理ベストセラー本「江戸料理集・卵百珍」(1674年)まで出版される人気食材になります。
僕たちは、生きる熱意の根源として、
「美味しいもの」を求める意欲を持っています。
それも、自分で思っている以上に、
ものすごく強く。
経営上のリスクヘッジとして、「できるだけ悲観的な将来」に対して備え行動する事は重要ですが、心のどこかに、『「ああ、そんなこともあったね。そういえば。」くらいのスッカリ元通り活性化した外食業界』が戻ってくる楽天的な未来を、元気の源として持っておくのも良いのではないでしょうか!?
ここまでお読みくださって、ありがとうございます。