ちょっとズラす、が小さいお店の活路
こんにちは!たまごのソムリエ・こばやしです。
前回のつづきを。(不味い料理をつくるとお店のファンが増える!? | たまごのソムリエ面白コラム)
◆地ビールは“最高”を目指して凋落した?
僕がたまご屋の三代目になって3年目に、日本一儲かる農業「もくもくファーム」木村社長さんに会いに行ったのですね。
その際に「全国の地ビールブームがかつて下火になったのはなぜか?」というお話を聞かせて頂きました。
それは「美味しいビールを作ろうとしたから」なのだそうです。
「美味しい味は大手メーカーが膨大な研究費用をかけてすでに追求しています。すなわち美味しさだけを追求していくと、キリンのラガーやサッポロの黒ラベルにどんどん近づいていくんです。お客様からすると、値段が2倍もする地ビールを買ってみたら『美味しいけど同じじゃん』となる。だから廃れたんです。」
とのことで、
すなわち「美味しさの中心からちょっとズラす、これが中小のお店には大事だ」という事になります。
実際もくもくファームさんでは地ビールを作っていますが、ほのかなすっぱさと香りに特徴がある風味です。好き嫌い分かれる味ですが、とにかく「そこに行かないと飲めない」事だけは確か。
同じく自家製パンも販売していますが、こちらも流行りのふわふわパンじゃなくってズシンと固くて重いドイツパン。
ドラマにもなったグルメ漫画「喰いタン」(講談社)で人を殴り殺す凶器にされたくらいの固いパンです(笑)
これがまたソーセージに合うんです!
駅から数十分の山の中にある農場ですから、
わざわざ来てもらう「理由」がいる
街でどこでも作っているふわふわパンじゃダメなんですね。
差別化に悩んでいた僕には、とても納得できる理由でした。
ですので、
中小のお店で「美味しさ」を目指す場合は、
王道の美味しいものからチョットだけ、いかにずらせるかが勝負、僕もそう思います。
絶妙のバランスから、野菜が多いハンバーガー
絶妙のバランスから、香ばしいスモークの香りがとても強いお肉
絶妙のバランスから、めちゃくちゃチーズだけが多いサラダ
絶妙のバランスから、ライスだけとてもジューシーなオムライス
自分のお店のお客様が喜びそうな、ちょっとしたズラしかたがファン化のヒントになるのかなぁと思います。
ここまでお読みくださって、ありがとうございます。