小林ゴールドエッグ

ソムリエ日記 SOMMELIER DIALY

飲食店さまへ 記事一覧

こんにちは!たまごのソムリエ・こばやしです。

どの料理店様も「美味しい!」を探求されていらっしゃるかと思います。

でも実は、

「美味しくない

を追求すると、

意外にもお店の繁盛とお客様の幸せにつながる事があります。


味覚研究から見えてきたファン化のヒント

20年ほど前、僕が食品メーカーの開発研究員だった頃のお話です。

味覚研究が専門のとある大学教授に、

ぜひ、マズい食べ物を作ってください。

……と言われたことがあります。

ビックリしました。

「そうすると、ファンが増えます。」

と言われ、またしてもビックリ。

なんでも嗜好と味覚の研究によると、

「めちゃくちゃ苦い」

「とんでもなく臭い」

「べらぼうに不味い」

など、強烈な特徴の味だけが、

「死ぬほどうまい!」

という最強の「好き」になり得るのだそうです。

最初は嫌いでもいいので『強い印象』であればあるほど、それが転じたときに「大好き」に変わるのだとか。

「くさやめっちゃ臭い。」→「この香りがサイコー!」みたいに。

うーん、言われてみればそういう感覚ってありますよね。

そもそも特徴がウスいものを、大好きになったりはしないですし。

イヤなヤツ!”→“大好き!”って、

なんだか少女漫画のテンプレみたいですね~。

「なのに、世の食品メーカーは万人が好む味を作ろうとするあまり、可もなく不可もない80点平均で特徴のない味の商品ばかり作っていますよね?」

「これでは『本当に美味い!』と感じる食べ物が世に無くなってしまいます…。」

「だから‥‥‥。」

不味いものを積極的に世に出してください!

と、そんなお話でした。


ただ、その当時は「そんなこと言ってもなぁ…(汗)」と正直思ってました。

だって、「大部分の人が美味しくないと思うもの」をあえて作ってね! という話ですから、

「売れなきゃハナシにならないよなぁ。」

「大部分が『まぁまぁ美味しい』と思っているものなら、それでいんじゃないかなぁ。」

と若い頭で考え、その貴重なご意見を頭の中にしまいこんでしまったのです。

ですが、その後卵屋を継ぎ、

「ぜひ不味いものを作ってください」

真のメリットが『小さい会社』にこそあることに気づかされたのです。


◆不味い→大ファン!となるコツ

取引先の人気カフェ「K」さんは、自家焙煎のコーヒーがウリの専門店。

「パフェ」がメニューにあるのですがコレが面白くって、

「鬼のように苦いパフェ」なんです。

クリームとバニラアイスの間に超濃くいれたエスプレッソが何層も入っていて、もう「苦みを味わうためのパフェ」といっても過言じゃないくらい(笑)

いわゆる普通のパフェを想像して注文すると、「なんだこれは!?」となります。

でも、それで良いんです。

いや、これがイイんです。

これ、『コーヒーが大好きなヒト』のためのパフェですから。

苦みと甘みの連続ハーモニーがとにかくクセになる美味しさでして、

こんなのはここでしか味わえないので、僕も時々思い出して無性に食べたくなります。


つまり、中小規模のお店こそ、上の大学教授が言う『ファンになる100点の料理』が出せるということです。

「お客様を選べる」のが中小企業の強み、

仮に、10人中8人が「こんなの絶対次から頼まない!」となっても、残り2人が熱烈大好きになってくれるなら、その方が繁盛につながるんです。

だってどのみち全部のお客様に食べてもらう事は不可能なんですから。

上記のパフェで言うならドトールなら万人受けの良いマイルドな風味にするでしょう。つまり80点平均を狙わざるを得ない。

僕も、某大手食品メーカーでいたときに、そのことを痛感しています。

めちゃくちゃ酸っぱい調味料、とか超くさい発酵食品、なんてのは規模が大きいと出せないんです。

 

「誰のために」を考える事がキーポイントなのです。

僕たちも、「カルボナーラでだけメチャクチャ美味しくなる卵」なんてものを育てお届けしてますが、大部分の方はご興味ないかと思います。でも人気のたまごなんですよ!?

そういえば、甲府にあるパスタ店さんが「パスタ一人前100gなんて誰が決めた?」「パスタはお腹いっぱい食べるのが幸せなんだ」と張り出して、ボリュームあるメニュー提供をして話題になっていました。

これも100点を狙う、同じ考えかもしれません。


これ突き詰めると、幸せになってもらう為ですよね。

なぜお客さんに美味しいものを出さないといけないのかというと、喜んでもらうイコール「美味しい」だから。

「美味しい」は目的じゃなくて手段なんですね。

であれば、本当に幸せにしたい人のこと「だけ」を考えて超よろこんでもらえる、他のヒトには「マズい!」と言われるメニューを‥‥‥ためしに一品!考えてみてはいかがでしょうか。

ここまでお読みくださって、ありがとうございます。

カテゴリー | ソムリエ日記 , 飲食店さまへ 2021年06月23日

こんにちは!たまごのソムリエ・こばやしです。

写真はコンビニの商品ですが、

わりとでっかく「糖質」の数値が書いてあります。

この商品に限らず、最近はこんな風に「糖質」量を判りやすく書いてある食品やメニューが増えました。

これはもちろん「糖質制限」をする人が増えたから。

「ゆるい糖質制限」流行りがコロナで更に加速、

日清オイリオ調べのデータによると、なんと半数以上の人が「糖質制限ダイエットに挑戦したことがある」と答えています。

みんな食べ物の糖質量を知りたい、低糖質で食べたい!‥‥‥のです。

こうした風潮を受けて、カレーチェーン店coco壱番屋でも御飯の代わりにカリフラワーを使った低糖質カレーや、牛丼チェーンすき屋では御飯の代わりに豆腐を使った低糖質牛丼を展開、大きくページを取っているなど、大手外食店でも糖質制限ニーズに対応した動きを広げていますね。

コロナ禍の影響で、運動量が減ったこと、健康面での意識の高まりが要因じゃないかと思います。


〇低糖質ブームをメニューに取り入れるには?

健康面のメニュー強化や打ち出し方の改善は、ぜひ外食さんでも取り組むべきテーマになっていますね。

糖質制限の風潮を外食さんで取り入れるとすると、下記の2つがあります。

➀炭水化物などの糖質食材を、低糖質に置き換える

②糖質量をメニューに「表示」し、お客さんの方で一日摂取量をコントロールしてもらう

まず➀ですが、これは、

ごはん → ブロッコリーやカリフラワーを砕いたもの・豆腐・こんにゃく米

麺 → こんにゃく

などに置き換えるだけ、ですね。

メリットは、常備しておくとオペレーションは比較的そのままでもお客様にご提供ができる点です。「良かったら御飯をこちらに変更できますよ。」みたいな。

また、小麦粉よりも全粒粉の方が3割ほど糖質が少ないですから、メニューによって全粒粉に切り替えることも必要かもです。

そして②の「表示」ですが、これはざっくり計算してみると良いかと思います。


〇お店のメニュー糖質量を計算してみよう

まず、メニューに使われる食材の成分量を書きだします。

いろんな目安になるサイトもありますが、文部科学省の「食品成分データベース」がオススメです。

糖質量 = 炭水化物量 ― 食物繊維

として計算しますので、

上記データベースで「食材」を入力、炭水化物と食物繊維量(『他の成分を表示』で表示されます)を書きだして、引き算します。

数値は「100gあたり」なのでレシピに合わせて計算し、全部を足すと完成です。

特にメニュー内容やオペレーションをいじるわけじゃありません。

これだけ関心持った人が増えたわけですから、せめて糖質量「表記」はすぐに始めても良いんじゃないかと思います。

上記はサンドイッチの「サブウェイ」メニュー表記です。こんなカンジで小さく書いておけば問題無いかと思いますが、せっかくなのでヘルシーメニューを作ってPRするのも面白いですよね。

ちなみに卵は卵の糖質はほぼゼロ!なので低糖質メニューには最適です。
卵に唯一不足するビタミンCや食物繊維とあわせ、夏野菜でバランスメニューをぜひ試してみて下さいませ~!

ここまでお読みくださって、ありがとうございます。

カテゴリー | ソムリエ日記 , 飲食店さまへ 2021年06月9日

こんにちは!たまごのソムリエ・こばやしです。

こだわった煮玉子をメニューに取り入れているお店がずいぶん増えました。

食感や漬ける出汁・製法も多様化して、

半熟トロトロからしっとり風味、中には出汁液を注射したすんごいジューシーなものまであります。

さて、次の多様化の一手として、

卵の漬物

が面白い!です。

たまごの漬物 メリット
 ①保存ができる
 ②味の独自性が出せる
 ③健康面でアピールできる


世界的には、たまごを漬ける事で保存性を上げた食べ物は、結構いろいろあります。

例えば、中国料理では、酒かすに漬けこんだ四川名物「糟蛋(ツァオタン)」や、発酵茶に漬けた「茶葉蛋(チャーイェダン)」なんてものがありまして、特徴ある濃厚風味が楽しめます。

和食でも『卵のぬか漬け』があります。あ、あと「ゆで玉子の酒かす&白味噌漬け」も超美味しいですよ。これは江戸時代の人気レシピ本『卵百珍』にも載っている伝統メニューです。

洋風では『玉子のピクルス』がありますね。これも、白ワインを使ったりワインビネガーをうまく使ったりと、工夫で独自の味が追求できて、本当に面白いです。お酢の効果で独特のしっかりした白身の食感になりますので、うまく料理アレンジするとお客様の驚きにもなります。玉子サンドイッチやタルタルソースに玉子ピクルスを使うと、爽やかでビックリするくらい美味しいです。

また最近では「味噌ヨーグルト漬け」というジャンルがありまして、ゆで玉子を漬けるとこれまた超美味です。名前から味のイメージがしにくいのでメニュー名などはちょっと工夫が必要かもしれませんが、伝え方次第でラーメントッピングや居酒屋メニューでも相性良さそうです。

そういえば、東南アジアの「皮蛋(ぴーたん)」も、卵の漬物ですね。ちょっとクセがあって人を選びますが、おかゆなどシンプル料理で超ウマイです。 自作はちょっとだけムズカシイですが…。

コロナ禍3たびの緊急事態宣言、お客様のご来店数がさらに読みにくくなっています。

また糖質制限やダイエットも含め、『健康感』がとても重要なキーワードとなってきています。

お店で余りそうな分の卵をうまく活用し、

ぜひ、あなたのお店メニューで、「ネクスト煮卵」として漬物たまごを検討してみませんか!?

ここまでお読みくださって、ありがとうございます。

カテゴリー | ソムリエ日記 , 飲食店さまへ 2021年05月14日

こんにちは!たまごのソムリエ・こばやしです。

この美味しそうなたまごの絵が入った商品、いったい何だと思いますか?

コレ実は、ホームセンターで売っている炊飯器の外箱なんです。

良く売れているんだそうです。

以前少し書きましたが、卵の黄身を見せることで、人は目を惹きつけられます。

店舗での写真を載せたメニューイングには、積極的に黄身のシズルを取り入れるべきです。


〇日本人は世界トップクラスの卵好き

意外と意識されていない

「卵の魅力」が

黄身の「色」と「形」です

あの黄色、あの丸みを見るとどうしても目が行ってしまうんですね。

世界トップ3に入る卵消費国の日本。

食文化的にも生卵としての黄身を見慣れていてよく食べますので、「見た目」の誘因効果としても機能しやすいんですね。

例えば下の商品メニュー。

もし黄身が無ければ、絵的にとっても地味な商品になりますよね。

こちら↓の2商品なんて『肉炒めの素』『のり』ですからたまごは入ってませんし関係無いですよね。なのに、たまごが主役級に目立っている……。

こんな風に、街中でよく見るとあちこちに「黄身」で目を惹きつける商品やメニューがあります。

冒頭の紹介のように、電化製品まで「黄身のシズル効果」を使うようになってきていますが、

それだけ「効果的」だということです。

じゃあ、なんで黄身が効果的なのかといいますと、2つ理由があります。

〇丸い形状に惹かれる

人は心理学的に丸いものに惹かれます。

人間の攻撃欲求は丸いモノを見ると弱まるのだそうで、子供のキャラクターなんかも全て丸っこくなっていますよね?

特に日本人は丸いカタチが好きな傾向があるそうで、

和菓子・茶道の影響や日本国旗など様々な様式で「〇」形が取り入れられていて、自然と丸い形状に触れていることも大きいんじゃないか、ともいわれています。

 

〇たまごの色味にヒトは惹かれる

また、黄身の明るいオレンジ色は心理学的に「開放感」を掻き立てます。

ビタミンカラーとも言われるこの色味は、元気さの象徴でもあります。

○の形状とオレンジ色

この両方を併せ持つ黄身は、シズルとして人の目を引くベスト食材なんですね!

実際僕達のお客様でも、和風パスタに黄身を乗せ写真をメニューで見せたところ、

100円UPしたにもかかわらず出数は2割もアップしました。

お客様の目を引く、

粗利のとれるメニューシズルにぜひ「黄身の写真」を活用してみてはいかがでしょうか!?

ここまでお読みくださって、ありがとうございます。

カテゴリー | ソムリエ日記 , 飲食店さまへ 2021年02月3日

こんにちは!たまごのソムリエ・こばやしです。

いちおしメニューは少しでも出数を増やしたいですよね?

そんなときのちょっとしたコツとして「食感・オノマトペを書く」というものがあります。

日本は『食感の国』なんです。

サクサク

もちもち

ぱりぱり

“食感”を表す語彙の数が、他国と比べて圧倒的に多いのです。

雪と共に生活するエスキモーの言葉には『雪』を表す単語が数十語もあるそうですが、同じように日本人は『食感』を大事にしてきたとも言えます。

実際、日本人の食感に対する許容性は相当広いものがありまして、例えばこんにゃくカマボコの食感。弾力と歯ごたえが好きな方は多いかと思います。

ですが、海外では「ゴムみたい…。」とさっぱりウケません。

でも弾力を減らして食感を変えたカニカマボコは欧州で「20世紀最大の食の発明!」とまで言われる大ヒットとなっています。面白いですね。あとネバネバ食感も、世界的には好きな方はごく少数派だとか。

 

〇オノマトペというだけで好印象!?

加えて、「オノマトペ」。(もぐもぐとかヨチヨチとかニコニコとかツルツルとか擬音語・擬態語のこと)

語彙の研究によると、食に限らず、どの国でも、オノマトペは9割以上が肯定文なんだそうで、もしかすると否定する文章があまり無い事も、『ポジティブな表現』として印象良く受け止められやすいのかもしれません。

ですので、

「ふわとろオムレツ」

「しっとりロールケーキ」

「ほくほくゆでたまご」

「なめらかふわり!玉子サンドイッチ」

みたいなカンジで、なんでも良いので『食感』をイメージしやすい言葉を加えることで注文数が増える、例えばオムライスでは販売数が17%増加したとのデータもあります。

「わくわく」などの雰囲気ワードとか、「香りスッキリ!」みたいな匂いイメージなんかも良さそうですが、『食感』のキーワードがさらに影響大きいようです。

中部大学の小川教授は、「食感は美味しさの6割を占める」と述べています。

本能的にお客様もそれを感じながら美味しさを求めているのかもしれません。

ちなみに、一般的な傾向として、景気の良い時は強い音素、景気の悪い時は柔らかい音感が好まれるというデータもあるようです。

好景気→「バリバリ」「お肉ゴロゴロ」

不景気→「ほろほろ」「ふんわり」みたいなカンジですね。

なんにせよ、一言加えるだけで、美味しさ魅力が上がりオーダー数が増えるなら、ぜひやってみる価値があるのではないでしょうか。

ここまでお読みくださって、ありがとうございます。

(参照:新食感事典・西成勝好)

カテゴリー | ソムリエ日記 , 飲食店さまへ 2020年09月17日

こんにちは!たまごのソムリエ・こばやしです。

『アフターコロナ』なんて言葉もできまして、コロナ禍終息後のいろんな予測が出てきています。

「外食業界は、元のような活気には戻らないだろう。」

そんな悲観的な声も良く耳にします。

大多数の人の行動原理や

価値観が変わってしまった

なので、コロナ終息してもリスクある外食なんてしないだろう…

…、という予測ですね。

確かに、「コロナが収まったから、また今まで通りワイワイ大宴会をしようぜ!」とはなりにくい、そんなイメージがあります。

ただし今の時点では、です。

そこで本日は、あえて楽観的な未来予測を過去の流れからしてみたいと思います。

僕が楽天的な未来を考える時、

イメージが浮かぶのが「焼肉」と「たまご」です。

 

コロナ前にも業界存亡の危機が!?

焼肉って、本当に何度も「業界ごと無くなるピンチ」がありました。皆様覚えていらっしゃいますでしょうか!?

20年前には狂牛病

10年ほど前には口蹄疫

11年前に豚インフルエンザ、なんてのもありました。

そのたびに、

「もう食べない!」なんて言葉がネット上にもあふれ、来店のお客様は激減、前年同月比の売上90%ダウン!……なんてのがどの店も起こっていたわけですね。

そういえば狂牛病の際には、吉野家さんの輸入した牛肉に背骨が混入していた事で大きなバッシングがありました。あの時は「二度と吉野家では食べない!」なんて言われていましたよね。

ところが、コロナ直前で考えますと、焼き肉店はどこも大賑わい、吉野家にいたっては2月までの営業利益は前年比で39倍という好調ぶりです。

あんなに恐れられていた「背骨」だって、今じゃタウン誌でも「絶品!テールスープ特集♪」みたいな紹介されるくらい、「あれは何だったんだ!?」状態です。

つまり…

誤解をおそれずに書くならば

最期は「美味しい」が勝つ

と言えるのではないでしょうか。

(もちろん、正しい知識の伝達や業界の対策などたくさんの努力があってのことではありますが)

そして、たまごの歴史にも、同じような事がありました。

 

800年のたまご禁食を終わらせたもの

実は日本では、卵は800年ほど食べる習慣が途絶えた歴史があります。

奈良時代に入ってきた新しい考え方「仏教」によって、卵を食べる事を「いけない」とする考えが急速に広まったのですね。そして、実に江戸初期まで800年ものあいだ表立って卵を食べる人がいなくなったわけです。

当時の著名人の発言や、鎌倉時代のベストセラー本「日本霊異記」「沙石集」(落語や狂言の基になったともいわれる説話集)などのメディア的(?)影響からも「食べちゃいけないよ。」というメッセージが一般大衆に浸透しました。

そして、

日本での長い長い禁卵食を終わらせたのは、西洋から入ってきたカステラ・天ぷら等の「思ってもみなかった美味しさ」だとも言われます。

新しい「美味しさ」を体験したことで、

「殺生はダメ」から「良く考えたら、たまごって生き物じゃないし、食べてもいいんじゃね?」へと考えが変わった。圧倒的に新しい「美味しい」が、戒律の解釈を変えてしまったわけです。

その結果たまごは、江戸の初期には玉子料理ベストセラー本「江戸料理集・卵百珍」(1674年)まで出版される人気食材になります。

僕たちは、生きる熱意の根源として、

「美味しいもの」を求める意欲を持っています。

それも、自分で思っている以上に、

ものすごく強く。

経営上のリスクヘッジとして、「できるだけ悲観的な将来」に対して備え行動する事は重要ですが、心のどこかに、『「ああ、そんなこともあったね。そういえば。」くらいのスッカリ元通り活性化した外食業界』が戻ってくる楽天的な未来を、元気の源として持っておくのも良いのではないでしょうか!?

ここまでお読みくださって、ありがとうございます。

(関連:なぜ日本人は江戸時代にたまごを食べ始めたのか?-たまごのソムリエ面白コラム

カテゴリー | ソムリエ日記 , 飲食店さまへ 2020年07月18日