小林ゴールドエッグ

ソムリエ日記 SOMMELIER DIALY

飲食店さまへ 記事一覧

こんにちは!
たまごのソムリエ・こばやしです。

松屋先月スタートの新メニュー
「ごろごろチキンの濃厚カルボナーラ」
ですが、

お店のご繁盛メニューのヒントとなる
面白い点があります。

まず大事なのは、

「すでにある王道の組み合わせ」

を活用した新メニューだということ。

鶏肉とたまごの組み合わせは、
親子丼で確立された
日本人大好きなタッグです。

また、カルボナーラソースの
牛乳と鶏肉の組み合わせ
シチューとして親しまれている
組み合わせですよね。

また、面白いことに
以前にとても人気があった限定メニュー
「シュクメルリ鍋定食」
を強く彷彿させる味になってまして
「進化版だ!」と話題も上々なんだとか。

 

 

総選挙第一位になった味を
もう一度楽しみたいファンの
心も掴んでいるんですね。

つまり、

①親子丼の定番具材

②牛乳と鶏肉のシチュー的コンビ

③以前人気だった商品の進化版

と、目新しい料理に見えて
いくつもの過去のセオリーを
うまく活用した新メニューだと
いうことです。

たとえば海外でも、
人気料理研究家レイチェル・レイさんが
伝統的なイタリアン・シーザーサラダの
レシピを応用したデビルエッグを提案し
話題にもなっています。

(関連:米国で人気女性料理研究家の意外なデビルエッグレシピ | たまごのソムリエ面白コラム

同じようにたとえば、
茶碗蒸しの組み合わせや
裏ごし製法を活用した
スクランブルエッグや
オムライスとか、

上記のような
カルボナーラを応用した
たまごかけごはんとか、

王道をふまえることで
めずらしさのある
でもすごくウケがいい
ヒットメニューが
考えられるのでは
ないでしょうか。

ここまでお読みくださって、
ありがとうございます。

カテゴリー | ソムリエ日記 , 飲食店さまへ 2023年02月16日

こんにちは!
たまごのソムリエ・こばやしです。

前回に続き
価格高騰の話を連続しております。

現在、
飼料高騰による減産とともに
過去最悪の鳥インフルエンザ蔓延によって
全国1割近くのニワトリが
今年、処分となっています。

ようはたまごが大不足して
需給バランスがくずれ
たまごが高騰しているんです。

「高くて困ったな」どころか
「手に入ってラッキー」
世の中になる可能性すらありまして、

一度減ったニワトリ数が
ある程度増えるまで
かなり期間がかかりますので、

コロナ禍からの復帰状況によっては
長めの高騰がつづきそうです。

そこで、
ご飲食店さん、菓子業製パンさんが
鶏卵高騰に際して打てる対策を3つ
ご説明します。


その① サイズ差による価格ダウン

ニワトリさんは、寒い時期に快適で
たっぷりのエサを食べます。

すると、大きめのたまごを
産むんですね。

ですので、寒い時期は
大きめのたまごが多くなり、
すなわち相場価格も小さい卵に
比べて安くなります。

その逆に夏場は
小さい卵が多く安くなり
大きい卵は希少で高くなります。

例えば本日の全農大阪相場の
鶏卵価格であれば、

大きいサイズLLのたまごは
小さいサイズMSよりも
キロ当たり16円安くなっています。

サイズが違うと
白身と黄身の割合や
料理特性が変わってきますが、
調理方法やメニューで
調整できるなら

このコストダウンは案外
バカになりません。

 

その② 規格外卵や破卵・液卵の活用

あまり売物として流通していない
たまごを使う方法もあります。

たとえば、規格外卵。

サイズが一般的じゃなかったり
見た目など規格に合わないたまごや

破卵、つまり
目に見えないヒビが入った新鮮卵は
通常卵よりも安くなる傾向があります。

・必ず加熱で使う
・必ず数日以内に使い切る

など制約はありますが、
メニューやお店の調理方法に
よっては、有効です。

また、意外と割る手間や
カラを取り除く手間って
バカになりません。

液卵と言いまして、
あらかじめ「中身だけ」に
したたまご商品もありまして、

これもしっかり加熱が前提ですが
人件費などの面でコストを
下げるメリットがでてきます。

 

その③ 良いたまごで付加価値を上げる

最後に、最もおススメの
コスト削減方法をお伝えします

それは、

たまごにこだわって
差別化メニューをつくる」

です。

なぜ食材の高騰が困るのかというと
お店の粗利が減るからですよね?

ならばいっそ、たまごで
より高い粗利がとれる
メニューにしてしまえば良いんです。

たまごは、
原価とできた料理の価値に
ギャップが大きくできやすい
「粗利の取れる食材」です。

逆にこだわりたまごにすると、
数円のコストアップで、
百円二百円と高い付加価値メニューも
つくることができます。

高騰の悩みから脱却するには、
むしろこちらを狙ってみるべきです。

また、相場価格が高どまりしているなら
たとえば一個15円のたまご相場のとき
+3円高いこだわりたまごなら
20%コスト増ですが、

相場高騰で一個20円になっているとき
+3円高いのは15%増ですみます。

相場高騰のときこそ、
あえてこだわりたまごに
切り替えやすいわけです。

ぜひ、こんなときだからこそ
あなたのお店のファン化に、
こだわったたまごを
使ってみるべきじゃないでしょうか。

ここまでお読みくださって、
ありがとうございます。

カテゴリー | ソムリエ日記 , 飲食店さまへ 2023年01月13日

こんにちは!
たまごのソムリエ・こばやしです。

ついに、鳥インフルエンザ処分数が、
史上最大の被害だった2020年を超えました。

全国にいるニワトリ羽数の1割が、
これでいなくなった計算になります。

これちょっと大変な状況なんですね。

・鶏卵価格の高騰
・手に入らない

なんてことが起こっています。

たまごは生鮮野菜と同じく
冷凍や輸入で調整できない食材ですから、
今日余っているか足りないか、で
相場価格が上がったり下がったりします。

たとえば、
昨年末の時点での全農大阪鶏卵相場
価格は一昨年の約1.5倍でした。

5割高くなった、とはそれだけ
市場から卵が足りなくなっている
と言うことです。

ちなみに
これは日本だけじゃありません。
たとえば海外、欧州やアメリカでも
おなじ事が起こっています。

米国は日本よりたいへんです。
1月10日の時点で約5800万羽が
鳥インフルエンザに感染→処分と
なってまして、
『米国史上最も深刻な事態』なんて
見出しが連日新聞をにぎわしています。

他の要因もあってですが、
州によっては卵の値段が
昨年の3倍以上にもなっていまして、

例えばカリフォルニアでは
12個入り白たまごが
昨年2.35ドルだったのが、
今は7.3ドルなんですね。

7.3ドルというと
今日のレートで1パック962円…
これは確かに大変です。

4800万羽が処分されているEUも同様です。

日本も今後の展開では
起こりえるかもしれない、
まったく他人事ではないんですね。

相場で仕入れされている
飲食店さん、洋菓子店さん、製パン店さんは
今後どうなっていくのか
大変悩ましいかと思います。

畜産業界の存続観点でいうと
たまごの相場価格が高いのは
お客様にも生産者にも長期で
メリットとなる点もあるのですが

今回のように
緊急的な不足が理由となっての
価格高騰は、誰も喜べない
深刻なマイナス要素です。

とはいえ、
寒ければ防寒をしますし、
嵐になったら防護を増やします。

ご飲食店さん、菓子業製パンさんも
状況に合わせて対策をしなくては
なりません。

長くなりましたので、
採れるべき手を次回ブログで
3つご説明申し上げます。

ここまでお読みくださって、
ありがとうございます。

(つづきです→ 鶏卵高騰にとるべき飲食店さんの3つの手段 | たまごのソムリエ面白コラム

カテゴリー | ソムリエ日記 , 飲食店さまへ 2023年01月12日

こんにちは!
たまごのソムリエ・こばやしです。

メディアに出させていただくと
たまに番組記念のグッズやお菓子
いただくことがあります。

たとえば
番組のペンや上記のような
クリアファイルだったり、


なかにはお菓子のときも。

NHKさんで特集を頂いた時に
「NHKの焼き印が入ったおせんべい」
をいただいたこともありまして、

かなりレアだなあ、と面白かったです。

こういうのって
非売品的な要素がありますから
特別感があってなんだか
うれしいですよね。

いちど、
ある高校さんで講演をさせていただいた際
当社の社名ロゴ『CGE(Cobayashi Gold Egg)』と
絞り染めしてくださった手拭いを
生徒さんが作ってくださって
頂いたことがあります。

これはうれしかったですね~。

さて、たまごでも、
コストをあまりかけずに
こういう記念品的な、
グッズ的に何らかの特別感
出せる方法があります。

それは、卵殻への印字です。

可食インクで印字する方法ですね。
フツーはこういう機械って

ぼくたちもスーパーさん向けの
パック卵に賞味期限を印字するのに
使うのですが、

当社は飲食店さま向けにも
使用できるようにちょっと改良しています。

ですので、
業務用出荷包装の形態で、
いろんなメッセージを
お付けすることもできるんですね。

「祝!〇周年」とか

「ご開店記念!」など

だいたい7文字くらいの
メッセージでしたら、
いろいろ印字できます。

たとえば令和になったとき
キャンペーンで特別に
おめでとうメッセージを
入れた卵をご用意したこともあります。

以前に
英国の老舗スーパー
ウィートローズが
たまごの表面印字を

スポンサー広告に使用して
話題になったことがあります。

日本でもベンチャーが提案して
チキンラーメンが広告を出したり
したことも。

ただの卵が、
メッセージツールや
記念品になるのです。

何か、お店のイベントや
季節と関連付けると
面白い効果がでるんじゃないか
そう思います。

ぜひご一考くださいませ~。

ここまでお読みくださって、
ありがとうございます。

カテゴリー | ソムリエ日記 , 飲食店さまへ 2023年01月9日

こんにちは!
たまごのソムリエ・こばやしです。

仕事と関係の無い本を読もう!
と決めて司馬遼太郎「関ケ原」
上下巻を買ってきて読み始めた
のですが、

上巻を読み終えてドキドキ
しながら下巻をめくった
ところ・・・

話がつながってない・・・!

下巻との間に「中巻」が
あることに気づきました。

いきなり関ケ原が開戦して
しまっていてビックリです。

どうやら書店で
僕の前に中巻だけ買った方が
いらっしゃったようですね。

続きが気になりますが、
もうしばらく待つ必要が
あるようです(汗)


さて卵でも、上中下にあたる
ものがあります。

たまごの『サイズ規格』ですね。

農林水産省で定めた鶏卵規格取引要綱
というものがありまして、

6グラム幅で、

SSサイズ・Sサイズ・MSサイズ
Mサイズ・Lサイズ・LLサイズ

なんて風に分かれています。
(厳密にはその他の規格もあります)

上中下、的に主になるのは
MS・M・Lくらいの真ん中へん。

ここから少し外れたサイズは
全国的に生産量がやや少ない
傾向があります。

ご飲食店さんでは、
ちょっと使い分けを意識すると、
トータル利益にかかわってきます。

 

◆冬場は大きいサイズが安く、夏場は小さいサイズが安い

それぞれのサイズで相場価格が
出ますので、生産量によって
サイズごとの価格が日々変わります。

時期によって傾向がありまして、
たとえば
寒い時期は大きいサイズが増え
価格も他サイズより安くなります。

これは、寒くなることで
ニワトリさんも快適で
エサを多く食べるため等の
理由です。

価格の指標になる
全農相場(大阪)では、
今週よりLLの相場価格と
Lサイズ価格が逆転して
LLサイズが安くなりました。

夏場はその逆で、
若鶏が増えることもあり
小さいサイズの卵が増え
相場が安くなる傾向があります。

◆相場差をコストへ活かす方法2つ

ですので、これをメニューに
活かすなら、

①夏冬で推す卵メニューを分ける
…という方法があります。

冬場は大きめのたまごを
使うメニュー
(玉子焼き・オムレツ・天津飯)

夏場は小さい卵を一個ずつ
使うメニュー
(たまごかけ・温玉・目玉焼き・ゆでたまご系)

をイチオシメニューに入れる
という方法があります。

 

また、

②レシピで卵サイズ差調整して
サイズの安めのものに切り替える

という方法もあります。

サイズ間の重量差は6グラム。

大きくなると白身の割合の
比率が上がります。

加熱特性も変わりますが、
料理によっては許容差があり
またレシピのやや調整により
同様に美味しくできるメニューも
多くあります。

相場が逆転したときに
安い隣のサイズにサッと
切り替える、そのために
試作などで準備をしておく、
なんてのもひとつの方法です。

 

◆相場高騰が続きそう

現在、鶏卵の価格はどんどん上昇しています。

時期的に高くなるタイミングでも
ありますが、それ以上に
海外の要因が大きいのです。

戦争や不作による
穀物価格の高騰や、
円安による輸入価格の
コスト増など…。

いまの高騰した状況でも
生産者視点でみるとまだ
全然足りないくらいなんです。

全国で廃業や減産が続いて
いますから、しばらくは
更なる高騰がつづくでしょう。

サイズ切り替えによるコストダウン
また、どうせならさらに美味しく
できる方法や提案も
一緒に考えたいですね!

ここまでお読みくださって
ありがとうございます。

カテゴリー | ソムリエ日記 , 飲食店さまへ 2022年11月24日

こんにちは!

たまごのソムリエ・こばやしです。

先日近所のスーパーで

「飲むみかんジュース」

なる商品を見かけました。

飲むみかんジュースって
ジュースだから飲むに決まってるよね。

変わった名前だなぁ
と思ったのですが、

商品を手に取ってみると

「飲む」「みかんジュース」じゃなくて

「飲むみかん」
という商品名のジュースでした。

 

なるほど・・・

『飲むみかん』(カテゴリー:ジュース)

それならば確かに
差別化の面白い商品ですね。

 

まるでみかんを食べている
そんなジューシーで
濃厚なジュースだよ!

…というコンセプトなのが
分かる、

想いのこもった名前
だと思いますが、

もしかすると
“売り場表記”でちょっと
損しているんじゃないでしょうか。

 

あ、でも僕みたいに
「?・・・それって
当たり前じゃないの??」
と思って違和感から
手に取って買ってみる
人もいるわけですから、
むしろ作戦通りなのかもしれません。

 

さて、

たまご料理でも

ちょっとしたメニュー表記で
出数がガラッと変わる

そんな魅力の伝わり方が
まるで変わる場合があります。

 

本日はそんなコツを3つご紹介。

 

その1: 食感を書く

日本人は食感にかなりこだわりがあると
言われます。
日本語の食感に関する語彙は
他国平均の5倍あると言われて
いたりもするくらい・・。

特にたまご料理は、

「とろふわオムライス」

「とろとろの煮玉子」

みたいな食感キーワード
書くことで、売り上げが
かなりアップします。

当社のお客様では
「とろ~り」を付けただけで
2割近く出数が増えたデータも
あります。

 

その2:遠方のたまごは田舎感を書く

たまごのイメージには、
ノスタルジー的な田舎要素を
魅力としてとらえる人が多い
というデータがあります。

少し遠方から仕入れている場合
同じ関東圏内など都市部であっても
養鶏の農場は離れているケースが
多いです、のどかなイメージを
打ち出すと、メニューでの
満足度も出数も上がります。

僕たちのたまごだと、
「四国の自然を活かす手摘みたまごを直送してます」
みたいな打ち出しですね。

 

その3:黄身のシズルを入れる

「黄身」をメニューやシズル写真に
入れることで、これまた2割出数が
増える実績のデータがあります。

日本人は世界有数のたまご好き
なのですが、特に黄身の鮮やかな
見た目に魅かれる人がとても多い
のです。

ほら、上記の写真でも
たまごの黄身に目を惹かれ
ますよね?

ぜひ、ちょっとしたコツとして
知っていただけましたら幸いです。

ここまでお読みくださって
ありがとうございます。

カテゴリー | ソムリエ日記 , 飲食店さまへ 2022年11月19日