こんにちは!
たまごのソムリエ・こばやしです。
『ニワトリが鳴いたら朝だよ』
が重要なキーになる、
世界中にある物語の紹介第4弾です。
今回は中国のお話し。
むかしむかし、
中国・青洲の嫌城という町に
あるおばあさんが住んでいました。
夜中にふと目を覚ますと、
家のそとでヒソヒソ話す声がする。
なんだろう?
と聞き耳を立てると
なんと!
大勢の妖鬼があつまっています。
「この村を
石壁で取り囲んで
逃げられなくするぞ。」
「村人を一人残らず
食べてしまおう。
今夜中に。」
と話をしている。
なんてこと・・!
とあわてていたら、たちまち
石を運ぶ気配がしはじめます・・・。
どうしよう!!?
皆を起こして逃げる?
それとも戦う?
妖鬼たちに気づかれずに
全員で逃げるのはとてもムリそうだ。
老婆はめっっちゃ考えます。
そうだ・・!
朝だと思わせれば
良いんだわ。
そこでおばあさんは
ミノを手で打ってバサバサと
羽の音を出し、
ニワトリの鳴き声をマネした
のです。
すると、
寝ていたニワトリたちが
朝だとかんちがいして
一斉に鳴き始めたため、
「なに!?
もう夜明けか。
しまったァ!」
と妖鬼たちは
我先に逃げ出したのです。
町の人はおばあさんに感謝し、
その知恵を徳として
石婆の廟を建てたのだそうな。
◆鶏=朝のイメージな伝承
以前にご紹介したドイツの悪魔城、
日本のデイダラボッチと同じく、
鶏が鳴く イコール 朝
というイメージを活用した伝説ですね。
雄鶏は夜明けとともに鳴く
『時間に正確な本能』のおかげで、
もっと肉がおいしい鳥や
より従順で飼いやすい鳥を退けて
世界一飼育される家畜になりました。
いま世界にニワトリは230億羽!もいます。
これは他のトリの10倍以上
すずめの40倍もいる計算になります。
結果的には
世界で最も増えている種、
と言えるんです。
それくらい、
『時間を知る』ことが
重用だったということですね。
ちょうど稲や小麦が、
『人に栄養あって美味しい』
を強みとして益をもたらすことで
繁栄種となったのとよく似ています。
ちなみに中国独自のイメージでは
『鶏』と『吉』の発音が似てるため
吉兆のイメージがありまして、
また
『雄鶏は妖怪を喰ってしまうので
悪鬼妖怪はニワトリを恐れている』
なんて民間伝承もあります。
そのためか、中国のお話しでは
祀りごとや縁起の良いエピソードでは
ニワトリが良くでてきますね。
今年、中国からの来日客は
コロナ前の過去最高を更新するそうで
インバウンド消費も
過去最高の2019年の5.3兆円を
たった9か月で超えています。
ニワトリの縁起良いイメージを
うまく取り込んで
飲食店さんの日本料理で
演出することもできるかもしれません。
ここまでお読みくださって
ありがとうございます。
(関連:『鶏は朝』という伝説【ドイツ・悪魔城編】 | たまごのソムリエ面白コラム)
(関連:『鶏は朝』という伝説 その②【中国・パワー王様編】 | たまごのソムリエ面白コラム)
(関連:『鶏は朝』という伝説 その③【日本・デイダラボッチ編】 | たまごのソムリエ面白コラム)
(参照:大清一統志)