日本のたまご業界に必要なこと
本日は業界のお話を。
こんにちは!
たまごのソムリエ・こばやしです。
つい先日、
こんな海外の記事がありました。
アレックス・ウォルドバウムさん、母親とともに鶏卵ビジネスを成功させる
Alex Waldbaum runs successful farm fresh egg business with his mom | Chagrin Falls
米国オハイオ州に住むアレックス君が
5年前11歳のとき
「両親とずっと一緒にすごす方法はないか」
と考えた結果、
養鶏業を思いついたんですね。
「アレックスフレッシュファームエッグ」
(アレックスの新鮮たまご農場)の名前で
お母さんと創業したのです。
最初は100羽。
着実に人気があがって
経営は順調、
いまは1000羽以上を飼って
さらに成長中だとか。
10倍に拡大しているんですね。
このニュースって
日本の鶏卵産業にとって
大きなヒントなんじゃないかなぁ。
そう感じます。
それは、
『創業』のしやすさ。
いま、わが国における
養鶏業、鶏卵業界では、
創業が圧倒的に少ないんですね。
廃業も多いんですが、
それよりなにより
「養鶏業をやってみよう。」
「たまご屋をやってみよう。」
という人が圧倒的に少ない。
どの産業もそうですが、
創業者・新規参入が無い業界は
企業数が減るばかりですから、
長期的にみれば衰退する可能性が
高いんですね。
経営学者のマイケル・ポーターさんも
そう言っています。
こんにゃくや豆腐
納豆なんかの伝統産業も
同じ悩みがあるそうですね。
共通しているのは、
「新規参入のハードルが高すぎる」
ことかなあ、と思います。
機器設備が必要で
ノウハウがいる、
軌道に乗るまで
売上をつくるのが大変、
こんな業界って
自分が創業する立場だったら
考えちゃいますよね~・・・。
じつは海外では、
行政と業界がタッグを組んで
養鶏業・鶏卵販売業の
創業の後押し
をやっているケースが
けっこうあるんですね。
上記のアレックスくん農場も
州のいろんな支援があったそうです。
たとえばカナダ
ブリティッシュコロンビア州では
『BC EGG』という団体が
「養鶏農場の創業支援」を
行っています。
“新規生産者プログラム”
というものがありまして、
申し込みをすると、
『この辺が気候も良いし
土地も借りられて飼いやすいよ。』
『この計画だと〇〇〇羽から
スタートすると良いよ。』
『飼い方やこだわり品質の
アップの仕方も教えるよ。』
『販売もいっしょにやろうね。』
なんて風に、
なんの経験もない方が
スタートしやすいように
丁寧なサポートをしてくれます。
サイトを見ると
サポートを受けた農場が
表示されているんですが、
写真のとおり
たーくさんの方が
このプログラムから
創業されているんですね。
すごいな~。
ちなみにクリックすると
個々の情報に移りまして、
どんな飼育方法かも分かります。
しかし日本では
3年前、そして昨年の
鳥インフルエンザ被害から、
行政によっては
ニワトリの飼育に
厳しい制約をかけるように
なったところもあります。
ただ飼わせたくない
だけなんじゃ…?
と思えるくらい理不尽な制約。
厳格な防疫体制を敷くのは
大賛成ですが、
それがために将来
ニワトリを飼う人が
いなくなっちゃったら
元も子もないですよね!?
むしろ先達企業や行政が
適正な管理の仕方を
教えサポートしながら
「たまごもニワトリ飼育も
怖くないよ!ちゃんと学んで
しっかり商売しようぜ。」
という状態にすることが、
業界として活性化する
大事な一手じゃないでしょうか。
そう思います。
日本のアレックス君を
どう増やすか、がカギですね。
ここまでお読みくださって、
ありがとうございます。