桃太郎のお供はニワトリだった!?
こんにちは!
たまごのソムリエ・こばやしです。
スタッフのOさんが
少し前に岡山へ行ったお土産を
持ってきてくれました。
岡山名物「桃太郎」
登場キャラのきびだんごです。
味も美味しいですし、
見た目が楽しいと
盛り上がりますね!
さて、ごぞんじ
桃太郎お供のイヌ・サル・キジの
キジ。
じつはもともと
桃太郎のお供は
キジじゃなくて
ニワトリだった
・・・と言ったら
驚くでしょうか。
いやそもそも桃太郎って
なんでお供が3匹の小動物なんでしょう?
◆方角の話からはじまった!
もともと「鬼」って
『鬼門』
風水で言う
良くない方角のこと
を指していたんです。
鬼門=北東、
丑寅(うしとら)の方角ですね。
ウシとトラ・・
なので
昔話にでる鬼さんって、
ウシの角をつけて
トラのパンツを履いているんですよ。
鬼門(うしとら)の方角・北東って
建築で言うと日当たりが悪くって
じめじめしやすい方角なんですね。
ですので古来より
「この方角はダメ。
鬼が通るところだ。
玄関なんかにしちゃいけないよ。」
と言い伝えてたんです。
そして、
その鬼門の『反対の方角』が
申・酉・戌
(さる・とり・いぬ)
なんですね~。
3匹がセット=南西の方角は、
疫病や体調不良になる
じめじめ鬼門の真逆、
あったかくて
陽の気あふれる
邪気を払う方角
なんです。
そして酉(とり)といえば
一般的にニワトリのこと。
太陽神・天照大神さまに仕え
邪気を鳴き声でふっとばす
スゴイ霊鳥です。
◆世界共通で鶏は「太陽のトリ」
古来より
ニワトリは暗黒の夜を追い払い
光明の太陽を呼び出す霊鳥として
古事記にも出てきます。
ちなみに神社の鳥居は
神話の霊鳥ニワトリの止まり木です。
夜明けとともに正確に鳴くニワトリは
世界中で「太陽のトリ」でして、
中世ヨーロッパでは
雄鶏が太陽の象徴として
家の屋根や教会、戦士の兜に
ニワトリ絵が付けられていますし、
古代インドや中国では
「太陽の霊鳥」とされて
インドでは食べるのも禁止だったくらい。
◆『強い』イメージが無くなった…!?
そんなニワトリさんですから
まさに鬼退治にはうってつけの
スーパー動物なんですよ。
じゃあお話しは、なんで
ニワトリからキジに変わったの?
かというと、
ニワトリが庭の鳥だから。
桃太郎が広まりだした
江戸時代初期ごろはすでに
結構な数のニワトリが
農家で飼われていまして、
身近をウロウロしている
キャラでは、
ちょっと冒険ぽくない・・・
バトル話に
イメージが不向き
になっていたんですね。
今でいうなら
ペットのネコみたいな。
その逆に、
キジのイメージはだんだんと
「強い」にチェンジしてきたんです。
◆だんだんイメージアップしたキジ
まず、「日本の国鳥」になるくらい
野山にた~くさんいます。
ニワトリと違って野生のイメージです。
そして、室町時代より前は
「キジも鳴かずば撃たれない」
→うっかり鳴いて撃たれちゃう存在
「日本神話では伝言ミスで殺される」
→失敗屋
と、「ちょっと抜けたイメージ」でしたが、
江戸時代にはイメージが一変します。
キジは山火事で
自分が焼け死んでも
かぶさって卵を守る
『焼野の雉(やけののきぎす)』
なんて「いわれ」ができる
勇気のイメージがつくんですね。
ニワトリと評価が逆転(?)したカンジが
ありますね~。
桃太郎の物語的には、
ニワトリ→キジの交代で
『聖なるイメージ』こそ
なくなっちゃいますが、
『勇気イメージ』がプラスオン、
同じトリのなかでは冒険譚として
悪くない配役なんですね。
◆イメージを料理メニューに!
このニワトリのイメージは
お店の料理にも活かせるかもしれません。
桃太郎からは無くなりましたが
「ニワトリ=聖なる」は健在でして、
たとえば
『正月の料理に鶏肉』
の風習は日本の各地でみられます。
年明けやめでたい料理に
うまく活用できるんじゃないでしょうか。
ここまでお読みくださって
ありがとうございます。