採卵鶏の肉は美味しいのか?
こんにちは!たまごのソムリエ・こばやしです。
本日は、たまごを産む親、ニワトリさんのお話。
現在日本では大きく二種類の目的でニワトリさんが飼われています。
それは、
食肉用の、お肉が美味しいニワトリさん
採卵用の、卵が美味しいニワトリさん
このふたつです。
昔は「肉も卵もどっちも!」という品種がいて結構な数が飼育されていたのですが、けっきょく「どっちも中途半端」でして、どんどん効率化が進む中で肉・卵それぞれの“専用種”に特化していったんですね。
◆いろいろ違う
年齢も全然違います。 採卵向けのニワトリさんは、約二年ほど飼育されます。その期間に日々卵を産むんですね。2歳を超えたニワトリさんは、だんだん産卵率も下がり規格外の卵も増えてきます。 いっぽう、お肉になるニワトリさんはわずか50日ー60日ほどで“出荷”されます。 こちらはめっちゃ若いウチにお肉になっちゃうんですね。
また、体格も違います。 品種にもよりますが、基本的にお肉になるニワトリさんは体が大きく、卵を産むニワトリさんは小さいです。 時代と共に差が開いてるんですね。
肉用鶏→ 品種改良によりどんどん大きく
採卵鶏→ 品種改良によりどんどん小柄に
結局のところ、同じ量の餌を食べても、
肉用鶏→ 体に栄養をため込んで、大きく育ってほしい
採卵鶏→ 卵に栄養をどんどん送って、良い卵を生んでほしい
・・・・・・という相反する要望があるわけです。
◆採卵鶏さんのお肉は美味しいのか!?
では、卵を産むニワトリさんのお肉は食べないのか?、というとそんなことは無いんですね。
約2年間のあいだ卵を産み終わったニワトリさん(「成鶏」と呼ばれます)は、お肉になる専用の若鶏さんに比べるとずいぶん肉質が固いです。年とともにそうなっちゃうんですね。
私も試しに1羽さばいてみた事がありますが、全部唐揚げにしたところ、胸肉はそう変わりがありませんでしたがモモ肉なんかは「歯が折れるかと思う」くらい硬くてビックリしました。
ただ、味の豊かさは抜群です。 噛んだ時の旨みの深さ、味の豊かさは段違いに良いんですねー。
ですから、例えばシチューなどの煮込み料理に、卵を産み終わったニワトリさんの肉を使うと、メッチャ美味しくなるんですね。
他にも、この「卵を産んだあとのニワトリさん」はその歯ごたえの硬さと旨みの強さから、ハンバーグになったりラーメンのスープ、ハムなどに利用されています。
◆地鶏ブームが影響する!?
肉食文化水準が高いヨーロッパ、例えばフランスでは、なんと鶏肉専門のお肉屋さんがあります。
そこでは、若鶏は「プーリー」、成鶏は「プール」と呼ばれ、どちらも同じくらい重用されているんですね。
日本でも、地鶏ブームから肉質がちょっと硬くても味がしっかりした鶏肉の良さを理解する方が増えており、それが二年を経て成長した採卵鶏肉の美味しさ理解にもつながってきているようです。
ここまでお読みくださって、ありがとうございます。