小林ゴールドエッグ

ソムリエ日記 SOMMELIER DIALY

鶏さん・鳥さんのコト 記事一覧

こんにちは!
たまごのソムリエ・こばやしです。

前回、
米国ではコロナ禍で
『ヒヨコ飼いブーム』が起こっている
とお話しました。

 

ときどき
僕たちの会社にも、

「ニワトリを飼いたいので
売ってくれないか。」

「ニワトリを
こんど飼うんだが、
どんなものを食べさせる
のだろうか?」

などのお問合せを頂きます。

 

美味しい卵を食べるため
ニワトリさんを家で飼うのは
とってもステキな事ですが、

2つだけ
注意すべきポイントが
あります。

 

それは、

「家族の人数以下の数を飼う」

産まなくなってからの事を考えておく」

ということ。

 

お問合せ頂いた際に

「ところで何羽くらいを
お考えなのですか?」

と尋ねると、

 

「ウチは庭も広いので、
とりあえず10羽くらいかなぁ。」

なんておっしゃるんですね。

大抵の場合、
「それは止めた方が良いですよ。」
と伝えます。

 

想定外!の卵の量がスゴイ

現代のニワトリさんって
とても優秀なんです。

産卵率9割以上、
つまり10羽飼ったら
一日9個のたまごが手に入る。

 

「ウチは卵好きだから
それくらい2~3日で
使い切るよ!?」

…なんて思ったあなた、
それはちょっと甘いのです。

 

一日9個ってことは
10日で90個。
一ヵ月で270個です。

毎日、毎日、
・・・たまごは生まれます。

 

どこかのタイミングで・・・

「こんなに食べられない!」

となります。

 

「余ったら近所にあげるから、大丈夫だよ。」

なんてこともおっしゃるのですが、

しょっちゅうお邪魔して
卵をお渡しする、
なんてのもそのうち面倒に
なりますし、

あげるまでの間
どこに置くの?などの事も
重要になってきます。

 

意外と長生き!ニワトリさん

そして

『その後』

です。

 

ニワトリさんは
ヒヨコから大人になって、
数年は卵を産みます。

でも、その後、

産まなくなってから
の方が長い

のです。

 

ニワトリさんは
上手に飼うと10年ほど、
長いものでは15年ほど生きます。

 

最初の2年、
長くても3年ほど
卵を産んで、

あとの7年間以上は
ほぼ卵は産まないのですね。

 

卵を産まなくなってからも、
大切な家族として長く
可愛がってあげられるか・・・

・・が、
飼うときに考える
2つ目のポイントです。

 

長く家産みたまごを楽しみたいなら…

ご自宅でニワトリを飼われて

「家産み卵のある生活を
長く楽しみたい」

のであれば、

 

いっぺんに沢山
飼い始めるよりも、

少な目に飼育し始めて、
一年おきに数羽ずつ
増やしていく

をお勧めします。

 

そうすれば
産まなくなる期間になったころ、
次に入った若い鶏さんが順次、
活躍してくれます。

 

ただ…本当に効率を求めて行くと、
どこかでその命を頂く。
そういう事を考える必要も
出てくるのです。

 

僕たちがお届けする卵
が生まれる農場では、

産み始めて2年ほどたったころ
たまごの品質が下がってきた
時点で“食肉”として出荷します。

 

可哀そうではありますが、
大切な食の恵みとして、
最後に命をいただくのです。

ご家庭ではそういった事は
ちょっと難しいので、

ぜひご家族として
長くご一緒に過ごして
いただければと思います。

 

・ご家庭のたまご消費量以下の羽数を飼う

・産まなくなった後の事を先に考える

日本ではまだ
米国のようなパニック鶏飼い、
なんてことは起こっていませんが

この先もし飼育をお考えでしたら、
上記の事ご一考くださいませ~。

ここまでお読みくださって、
ありがとうございます。

カテゴリー | ソムリエ日記 , 鶏さん・鳥さんのコト 2020年04月22日

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こんにちは!たまごのソムリエ・こばやしです。

いよいよ冬到来、

風邪の心配をする時期になりました。

日本でカゼをひいたときの「おばあちゃんの知恵」っていうと、

「梅干し」と「生姜湯」でしょうか。あと「たまご酒」ですね!

所変わってイスラエルでは、

カゼ、そして万病に効くとも言われる

イスラエル版おばあちゃんの知恵、

「ユダヤ人のペニシリン」

とまで呼ばれる家庭料理をご存知でしょうか?

コレ、「チキンスープ」のことなんです。

具体的には骨付き鶏肉にセロリや玉ねぎ・ニンジンなどの野菜と一緒に煮込んだもので、滋味があってとっても美味しい、心まで温まるような料理です。

あまりのチキンスープ好きなイスラエル国民に対するジョークまであって、

「ユダヤ人は、病気になった鶏にも(別の鶏をつぶして)チキンスープを飲ませる」

「ユダヤ人が飼っている鶏をつぶすのは、自分が病気になった時か、鶏が病気になったときだけ。」

なんて言われるくらい。

それくらい、カゼや体調不良には「チキンスープ」なんですね。

じっさい、鶏肉には体に必要なアミノ酸が豊富に入っており、野菜などのビタミンと共に効率よく摂取することで、炎症を抑え風邪の症状を緩和する、ということが医学研究からも報告されているんです。

◆たまごも沢山食べるイスラエル

また、イスラエルは少し前まで日本と同じく、世界1、2を争う卵消費国でした。今は統計を発表していませんのでランキングには入ってきていませんが、依然として「たまご大好きの国」であることには違いありません。

シャクシューカと言われる料理など、魅力的なたまご料理もたくさんあるんですよね。

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◆イスラエル大使館がチキンスープのレシピを紹介中!
有名レシピサイト、クックパッドに、実はイスラエル大使館の方がチキンスープのレシピを紹介しているんですね。(参照:下記写真はリンク先より)

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作り方はとてもシンプルで、

骨付き肉好きなだけと、大き目に切ったニンジン・セロリ・玉ねぎ・ズッキーニに、ニンニクのかけらを入れ、水で煮込むだけ。味付けは塩だけというシンプルなのですが、旨みたっぷりで美味しいんです。

ぜひお試しあれ!

カテゴリー | ソムリエ日記 , 鶏さん・鳥さんのコト 2017年12月16日

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こんにちは!たまごのソムリエ、こばやしです。

来春入社予定のAさんから先日、「えぞりすは冬眠しない」という話を教えてもらいました。

エサを貯めておく習慣があるから冬眠の必要がないそうです。

そういえば、ニワトリさんも冬眠しません。

というか、 鳥類はすべて冬眠しないんですね。

考えてみたら不思議ですね。

コレなぜかというと、

「空を飛ぶために、食いだめできない体質になっているから。」

なんです。

たくさん食べて重くなると飛べなくなっちゃうから、というわけですね。

なるほど。 うまく飛べなくなってリスクを増やすより、渡り鳥のように温かい所へ移動するほうが、たしかに合理的で強みを活かしてますよねー。

だったら、飛ばないニワトリさんやダチョウは冬眠できても良い・・・のかもしれませんが、まだそこまでの進化にはいたっていないようです。

ですので、

「冬眠」ってのはそもそも、

『体温を下げて生命活動を休止させる』ことですが、

ニワトリさんは逆に冬でもめちゃくちゃ温かい、ってことなのです。

以前書きましたが、

60年ほど前、

イギリスは「核地雷」という『地面に埋める核兵器』を開発していました。

その際、地面が凍り付くくらい寒い冬でも使えるように、

「爆弾の内部で暖かいニワトリさんを飼っておく」

…というなかなかメチャクチャな仕組みを組み込んでいたんですね!

それくらいニワトリさんは温かいんですねー。

人間よりも高い体温で、

ホカホカふわふわ

産みたてのたまごもホカホカです。

皆さまもお風邪など召されませんように、温かくお過ごしくださいね。

ここまでお読みくださって、ありがとうございます。

(関連:ニワトリを使った核兵器があった【ニワトリ稼働式核地雷】 – たまごのソムリエ面白コラム

カテゴリー | ソムリエ日記 , 鶏さん・鳥さんのコト 2017年12月5日

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こんにちは!たまごのソムリエ・こばやしです。

金曜ロードSHOW!で今月2週連続でジュラシック祭り、「ジュラシックパーク」とTV初公開となる「ジュラシックワールド」が放送されるようです。

息子は二人とも恐竜が大・大好きなので、今からとても楽しみです^^

ジュラシックワールド(2015年公開)にはシリーズ第一作目の「ジュラシックパーク」(1992年)のオマージュが沢山ありますので、続けてみることでより楽しめそうです^^

さて、

われらが卵の親、ニワトリさん。

「ニワトリは竜の末裔である。」

ある方から言われてすごく印象に残っている言葉です。

そう、そのとおり

最新の研究によると、

恐竜の正当な進化の先端にあるのは鳥類、それもニワトリさんなのだそうです。

「鶏はティラノサウルスと最もDNAが近い」

という研究結果も出ており、

特に骨格や羽・ティラノサウルスの爪と成り立ちが非常に似通っているとの研究報告がなされています。

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米国の最も著名な古生物学者ジャック・ホーナー氏は、

「ジュラシックパークのように古代の恐竜DNAを取り出して復活させることはまず現代の科学では不可能だが、現代に生きる恐竜“ニワトリ”からさかのぼり、恐竜『チキノザウルス』を生み出すことは理論上可能です。」

と述べています。(http://bit.ly/2utGiUg)

じっさい、隔世遺伝を研究するウィスコンシン大学では、ニワトリさんに眠る遺伝子を起こし歯のあるニワトリさんが生まれることに成功しています。

また、胎児のニワトリさんには「しっぽ」があるのですが生まれる前に消えてしまいます。これも同様に隔世遺伝研究により、恐竜のようにしっぽのあるニワトリさんが世に生まれているんですね。

事の是非はもちろんあろうかとは思いますが、

ようするにニワトリさんから、ジュラシックパークとは別のアプローチで「竜」が復活されつつある!?ということのようです。

子供のころからワクワクしていた恐竜の世界が、

数億年経った進化の最先端まで現代に脈々とその系譜を残しており、そして、僕自身がその数万羽の「竜の末裔」の身近で暮らし生計を立てている…。

なんだかとってもロマンあふれるお話ですねー。

ぜひ生きているうちに、

われらがニワトリさんの後輩(大先輩?)、

恐竜「チキノザウルス」をこの目で見たいものです^^

ここまでお読みくださって、ありがとうございます。

カテゴリー | ソムリエ日記 , 鶏さん・鳥さんのコト 2017年07月17日

こんにちは!たまごのソムリエ・こばやしです。

先週のニュースですが、

オーストラリアで高速道路走行中のトラックから積み荷が落下、中に入っていた鶏7000羽が逃げ出して一時通行止めとなる騒ぎがありました。

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オーストラリアで高速道路でニワトリ7000羽が脱走! 積み荷落下で オーストリア (AFP=時事) – Yahoo!ニュースhttps://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170704-00000049-jij_afp-int

想像するだけでなかなか大変な騒ぎです^^;

さて、卵を産んでくれる鶏さん、いわゆる「採卵鶏」と呼ばれる種類の鶏さんは、ヒヨコから大人になってからは、輸送など移動をすることはほとんどありません。

ぜったいムリ、という訳ではありませんが、採卵の鶏さんはとても繊細なので、輸送などのストレスがかかると、すぐにビックリして卵を産まなくなってしまうんです。

農場では採算というものを考えなくてはいけませんので、やはり「産卵率」というものを重視します。

農場を入れ替えたり、エリアを移動させたり、こういったことで産まなくなっちゃうと、餌代だけかかりますから、その分がコスト増になってしまうんですね。

記事よると、逃げ出した鶏さん達は採卵以外の用途のトリさんたちと書かれていますが、そもそも卵のためのニワトリさんの場合には起こりえない事態なわけですね。

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人間と違って、あちこち旅行するよりは、ノンビリ自分たちの住み家、農場ですごすのが親鳥であるニワトリさん達の幸せのようです。

ここまでお読みくださって、ありがとうございます。

(関連:ニワトリはどうして道を横切ったの?・・・世界一有名な英語ジョーク – たまごのソムリエ面白コラム

カテゴリー | ソムリエ日記 , 鶏さん・鳥さんのコト 2017年07月7日

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こんにちは!たまごのソムリエ・こばやしです。

毎年新年には「干支とたまご」についてコラムを書くのですが、

今年はなにせ酉年、トリとたまごについて書いても普段通りなので、今回はニワトリさんと神様について書きます^^

もともと日本神話では、「ニワトリは神の使い」とされていました。

「古事記」「日本書紀」には、

太陽の神様、天照大神(あまてらすおおみのかみ)が天岩戸(あまのいわと)に隠れてしまい世の中が闇に包まれてしまった際、

八百万の神さまが額を集めて話し合った結果、知恵の神オモイカネさんの案で「常世の長鳴鳥(とこよのながなきどり)」ことニワトリさんを一列にならべさせ、その長い美声で天照さまを誘い出そうとしたと記されています。

以前も書きましたが、そもそも神社の『鳥居』は神の使いたる「ニワトリさんの止まり木」なんですねー。

この逸話もあり、天照大神さまを祀る「伊勢神宮」では

ニワトリさんは『神鶏』と呼ばれ内宮境内に放たれています。

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さてそんなニワトリさんを、

鳥居だけじゃなく『御神体』、

つまり神さまとして祀る神社もたくさんあります。

山形県にある「荷渡(にわたり)神社」

福岡県にある「鶏石神社」

和歌山県にある「闘鶏神社」

などが有名ですね。

また、

ニワトリさん自身は、

干支としてじゃなくっても

一年の最初に鳴く動物

ということで、

新年に縁起の良い動物とも言われています。

古代中国に始まり日本でも、

地域によっては、毎年の風習として鶏肉や卵料理を正月に食べる所もあるんですね。

たまご料理はチオニンやコリンといった肝機能を向上させる成分がたっぷりあります。 一年の景気づけと、新年会などの体調をいたわるためにも、正月明けにはちょいとたまご料理・鶏肉料理を召し上がってみてはいかがでしょうか。

ここまでお読みくださって、ありがとうございます。

(関連:『山盛りの卵を食べつくせ!』と責められる、神社の儀式がある – たまごのソムリエ面白コラム

(関連:源氏と平家の運命を分けた「闘鶏占い」 – たまごのソムリエ面白コラム

カテゴリー | ソムリエ日記 , 鶏さん・鳥さんのコト 2017年01月6日