小林ゴールドエッグ

ソムリエ日記 SOMMELIER DIALY

鶏さん・鳥さんのコト 記事一覧

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こんにちは。たまごのソムリエ、こばやしです。

雑誌、“ 少年ジャンプ ”連載中の人気漫画「トリコ」をご存知でしょうか?

美味しい=至上」という価値観のファンタジー世界を舞台としたグルメバトル(?)マンガです。

さて、この物語第147話に、一個一億円!の超高級たまごが出てきました。

幻の親鶏(ニワトラ)が産む極上のたまごなのですが、更にスゴイことに、この親鶏サンはたった「一坪」の決まった場所でしか卵を産まないため、その土地が一坪「数百億円」の価値がある・・・というストーリー。

実はこのお話、まったくの架空というわけではなくて、現実のニワトリさんも、たまごを決まった場所に毎日産む習性があります。

ときどきご質問をいただくのが、「放し飼いのたまごって、どうやって拾うの?探し回るの?」という質問。

じつは、放し飼いのニワトリさんは、必ず小屋に戻って巣箱の中で卵を産みます。 他では産みません。

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「より安全な場所を定め、その場所で産む」、というのが生存競争の理にかなっているわけです。

私達の契約農場では、寝床のそばに快適な「巣」を作ってありますので、そこでニワトリさんは毎朝たまごを産むわけです。 必ず決まった場所です。 上記の漫画「トリコ」の伝説鶏と同じですね。

しかし、一坪百億円の価値を生み出す卵・・・、ぜひ食べてみたいですね。(^^)

カテゴリー | ソムリエ日記 , 鶏さん・鳥さんのコト 2012年11月14日

 

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たまごはつるんと丸っこくてカワイイですが、親はどうでしょうか!?

正面から見ると、ダチョウ(左)はなにやら愛嬌がある顔なのですが、鶏サン(右)は正直かなりおそろしい面構えです。 
さすが恐竜の末裔!ってなぐらい怖いです。(^^;)
人懐っこくて性格はカワイイのに・・・。

変わった顔つきの鳥サンとしては、別名リアルキョロちゃん、ハシビロコウという大型鳥が有名です。

 

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ちなみに鶏が人間に飼われるようになったのは、「総合力でトップ」だったからではないかと言われています。 卵、肉はモチロンのこと、鳴き声の音色や時間の正確さ、姿の美しさ、闘争力による娯楽性(闘鶏などの賭け事)、…これだけ全てを満たす家畜要素のある鳥として、鶏の祖先「セキショクヤケイ」がダントツだったようです。

実際現在でも、食べる目的のみではなく、鳴き声のキレイな「東天紅」や見た目の美しい「長尾鶏」など、様々な目的で飼われています。  コワイ顔も含めて、鳥界のイケメンエリートだ!というわけなんですね!

 

カテゴリー | ソムリエ日記 , 鶏さん・鳥さんのコト 2012年09月25日

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こんにちは。こばやしです。

上の写真は少し前に話題になったものですが、何だか分かりますか?(※クリックで拡大します)

これなんと、すべて鳥。 130万羽のガチョウがいっせいに飛び立った写真です(※1)

スゴすぎ!

この驚きのシーンは、カナダのスコークリーク国立野生動物公園で写真家マイクホリングスヘッド氏によって撮影されたもの。gachou_geese_somany2.jpg

ここまでくると壮観ですね。 にわとりさんが卵を産む、最新の大規模養鶏施設では、一拠点で150万羽が飼育されている拠点もあります。 一斉に行動したらこんなカンジになるのでしょうか。もっとも鶏サンは飛べないですが・・・(^^;)

 

◆ガチョウのたまご
ちなみにガチョウのたまごは、ニワトリさんのたまごよりもよりも大きくて殻も頑丈です。 とくに黄身がデッカイ!大きくタップリなので味わいも濃く、野趣あふれるナカナカ魅力的な風味が楽しめます。

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写真の手前側はガチョウのたまご、奥がニワトリさんのたまごです。 全然ちがいますね!(写真クリックで拡大します)

ガチョウのたまごは日本ではあまり食べられていないですが、世界的には広く親しまれています。 ぜひ機会あれば食べてみたください!おススメですよ!(^^)

※1 野生なので、雁(ガン)と言うべきかもしれません。 ガチョウとガンは同種なんです。

カテゴリー | ソムリエ日記 , 鶏さん・鳥さんのコト 2012年04月27日


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こんにちは。こばやしです。

英語で「チキン」というと、“弱虫”のことを指します。

「鶏は3歩あるくと忘れる」と・・・、バカの代名詞のような慣用句があります。

1537年ポーランドで起きた鶏戦争は、『反乱を起こそうと集まった一般貴族たちにできることは、せいぜい「田舎の鶏を全滅させる」ことくらいさ。』と息巻いた大貴族がバカにして付けた名前。

なんだかあちこちで、蔑まれているようで、ちょっと悲しいですね。(^^;)

ちなみにニワトリさんはけっこう頭良いです。

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写真は私どものお届けするたまごを、木屋平高原で放し飼い飼育で育てていただいている香川さんちの農場です。

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ちゃーんと育ての親、香川さんご夫妻の顔を見分けて寄っていきます。

最初に教えると、たまごを産む巣箱の位置、飼料を食べる小屋、食事の時間・・・、すべてちゃんと覚えます。

ニワトリやカラスなど鳥類の賢さを研究されておられる宇都宮大学農学部の杉田昭栄教授によると、“鶏の短期記憶力は人間とほぼ大差ない”のだそうです。 「3歩で忘れる」と言われるのは、“忘れるのではなく、生存に関係すること以外はもともと覚える興味がないだけ ”なのだとか。

納得です。

意外とかしこいんですよ・・・!

(関連) たまごは頭がいい!?(たまごのジョーク)-たまごのソムリエ日記

カテゴリー | ソムリエ日記 , 鶏さん・鳥さんのコト 2012年04月18日

こんにちは。こばやしです。

「タイ」 「鶏」 「300万人」 「3月3日」

何の組み合わせか分かりますか?

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答えは「闘鶏」

タイは、俗に「闘鶏人口300万人」と言われており、アジア有数の闘鶏好き国です。

なぜそんなに闘鶏好きなのか?

それは約450年前、タイを救ったひとりの英雄国王のエピソードから来ています。

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時は16世紀、タイのアユタヤ朝に、ナレースワンという王様がいました。

彼は小さいころから大の鶏好きでした。 当時アユタヤは、隣国ビルマの属国。 苦しむ国民の姿に想いを馳せていたナレースワンはある日こう決意しました。 「闘鶏でアユタヤの行く末を占おう。 アユタヤを示す軍鶏が勝ったら、ビルマからの独立へ向け決起するぞ!」

はたして占いは「アユタヤの勝利」と出、ナレースワンはその通りにビルマからの独立を勝ち取りました。

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現在においてもタイに行くと沢山の“ニワトリさんの置物”を見ることができます。  これは英雄ナレースワン王にあやかったものです。 タイの一部地域では、願掛けをして願いがかなうとニワトリ像をお寺に奉納する風習もあるのだとか。

サテところ変わって日本。 実はひな祭りの3月3日は、「闘鶏の節句」でもあります。 平安時代から、闘鶏をすることで五穀豊穣を祈り占うという風習があるんですね。 占いと闘鶏、ニワトリにまつわるタイと日本の意外な共通点ですね。

(参照:「ニワトリ 愛を独り占めにした鳥」光文社新書)

カテゴリー | ソムリエ日記 , 鶏さん・鳥さんのコト 2012年03月3日

penguin2.jpgこんにちは。こばやしです。

それにしても寒いですね!東京は大雪だとか、お帰りの際にはケガなきようにお気を付け下さいませ。

さて、鶏さんなど鳥類は比較的寒さに強いのですが、そのなかでも格別寒さ耐性の高い鳥といえばペンギンさん。

ごぞんじのとおり、極寒の地、南極に住んでいます。

さて、ここでタイトルの質問。

「ペンギンの卵は、なぜカチンコチンに凍ってしまわないのか?」

お父さんペンギンが暖めているとはいえ、

外気温はマイナス数十度。 地面はヒエヒエです

もちろん木も生えてませんから、「巣」なんてつくれません。  

いくら上から暖めても、これだけ地面から冷やされたんじゃ・・・

大丈夫なんでしょうか・・・?

実はどうなっているのかというと、お母さんペンギン、

「お父さんペンギンの足の上」に卵を産むんです。penguin_tamago3.jpg

そして卵を冷やさないために、ペンギンの足はつま先までフワフワの羽毛で覆われています。

なので、この足の上で卵はあったかぬくぬく、地表の冷たさで凍ってしまうことも無いというわけです。

へー。 なるほど!

・・・・・・。

「じゃあ、温めてるお父さんペンギンは、歩きたいときどうしたらいいの?」

と皆さん思ったかもしれません。

つま先に我が子供である卵を乗っけていたら、歩けない!

どうしたらいいんでしょう・・・。

答えは、

「生まれるまで歩かない。」です。

お父さんペンギンは、子供が生まれるまで60日間直立不動で立っているんです。

すごいですね。 ペンギン父は偉大です。

(参照)雑学おもしろ百科(角川文庫・小松左京)

カテゴリー | ソムリエ日記 , 鶏さん・鳥さんのコト 2012年01月24日