小林ゴールドエッグ

ソムリエ日記 SOMMELIER DIALY

ソムリエ日記 記事一覧

こんにちは!

たまごのソムリエ・こばやしです。

 

人気セルフうどん店の社長さんと

お話をしていた際、

「釜玉うどんの見た目重視がもったいない」

というハナシになりました。

 

釜玉うどんって、

ゆでたてアツアツのうどんに

たまごと生醤油を絡めて食べる

めちゃくちゃ美味しいメニュー。

 

いわば、うどんを用いた

カルボナーラですね。

 

で、大抵は注文すると

こんなカンジだと思うんです。

うーん、美味しそう…!

 

でも・・・

「本当に美味しく食べてもらうなら

アツアツの内に混ぜないといけない。

じつは、

お渡しする前にかきまぜて

お出しした方が、

ダンゼン美味しいんだよね。」

というのが、社長さんの言。

なるほど。

ゆでたてに生卵を絡めるから

美味しいのに、

こうやってたまごを割り乗せて

出されると、

テーブルまで持ってくる間に

冷めちゃうんですね。

 

もちろんそれでも

たまごかけごはん的な

美味しさはありますが、

絶妙なぐあいに熱がとおった

たまごとうどんの絡み、

醤油が混然一体となった

食感と風味が

釜玉うどんの魅力です。

 

アツアツで絡めないともったいない!

というお店の感覚

とてもよく分かります。

 

「『こちらで混ぜましょうか?

どうしますか?』って聞いてみた事も

あるんだけど、ほとんどの

お客様が『自分で。』って

おっしゃるんだよね。」

とのことでした。

 

同じ様なハナシで、

目玉焼きの「ターンオーバー」

があります。

いわゆる『両面焼き』ですね。

 

海外だとポピュラーで、

両面焼くことで表面カリッ!

中身はトロッ!という

すんごく魅力的な食感になります。

 

テキトーに作ってもそうなります。

 

ですが一点

「見た目」が悪いんですね。

裏返さない目玉焼きとくらべて。

 

◆味だけじゃない!?「美味しさ」の要素

「ああ、もっと美味しくできるのに…」

という葛藤、ホントよく分かります。

 

結局のところ、

味じゃない「おいしさ」を

どれくらい重視するのか?

というハナシですよね。

 

色、見た目、音、情報…

味以外の要素だって

「美味しさ」に大切で、

とくに『卵の黄身』は

視覚の誘因効果が非常に大きいんです。

 

 

ただ、きちんと情報を伝えることで

理解してもらえることもあります。

 

お好み焼きはかつて、「自分で焼く」のがデフォルトでした。

それ込みで、

「おとうさんひっくりかえして!」みたいな

ライブ感もお好み焼き屋さんの魅力でした。

 

ところが近年は

ちょっとこだわった

鉄板焼き屋さん系お好み焼き店も

たくさん出てきまして、

そういうお店では

 

「いちばん美味しく食べてもらうため、

厨房で焼いてからお出しします」

というスタイルも増えてきました。

 

お店のコンセプトに合わせて、

「ここは譲れないんです。」

と、こだわり発信することで、

より差別化になるんじゃないでしょうか。

 

見た目が悪いけど

美味しくなる卵料理2品についてでした。

 

ここまでお読みくださって、

ありがとうございます。

カテゴリー | ソムリエ日記 , 面白たまご話 2022年02月12日

こんにちは!

たまごのソムリエ・こばやしです。

 

在留アメリカ人の方が書道に挑戦して

Facebookにアップ、

「それは文化盗用だからやめなさい」

って言われてションボリ…

そんなお話が

Twitterで話題になっていました。

 

以前には、

着物を着てSNSにアップしたところ

文化盗用だ…!と炎上した

海外の有名人さんもいましたね。

 

他国の文化として尊重してくださる

からこそのご意見でしょうが、

 

個人的には

まずそんな文化があることを

沢山の人に

知ってもらいたい段階なら

どんどん発信してもらっても

いいんじゃないかなぁ、

という感覚がありますね~。

 

だって、日本人ですら、

大人になったらほぼ

書道もしませんし、

着物も着ないんですよね。

 

筆ペンとかワンタッチ浴衣

くらいの感覚で

むしろ世界にひろまってくれればなぁ、なんて感じます。

 

でもこういった風潮が、

もし、食の分野に来たらどうなるでしょうか…!?

 

◆食でも「文化盗用だ」の指摘があり得る…?

例えば日本のオムライスは

大丈夫なんでしょうか?

たとえばケチャップを使った

ナポリタンは…!?

 

ちなみにイタリア人の89%が

ケチャップを使ったパスタなんて

容認できん・・・!のだそうです。

昨年ブームになった

マリトッツオは

イタリアのパン料理ですが、

和風に魔改造されて

カツオのたたきマリトッツオとか

さつま揚げマリトッツオとか

出てますよね。

 

創作系居酒屋の

日本人の舌に合わせた

外国風創作料理はどうなんでしょう。

 

今のところ料理については

ある国の食を別の国の者が

作ることに対して、

さほど厳しい意見は出ていません。

 

ただ…数年前ですが、

英国人のシェフが和風レストランを英国で出した際、

そのメニューが和風の創作料理、

というか

和風をアレンジしたオリジナルだったことが

「文化を尊重していない!」

と炎上したことがあります。

 

◆リスペクトが無い!と思われると危険

このレストランが炎上したのは、

「うわべだけアジアっぽくしている」

「シソや梅・サシミを使えばいいと思ってる」

なんて言う、ようするに

『オリジナル』文化へのリスペクトが無い

という批判ですね。

 

オムライスはフランス由来の進化

ラーメンは中国由来の進化

カレーは…

と日本人は食の取り入れが広いですが、

そこに由来となった国の

食文化への敬愛と尊敬が

あれば、今後も大丈夫でしょうね。

 

また、地域の文化に限らず、

『思想』についてもおなじく

敬愛と配慮をすべきです。

 

たとえば

『ヴィーガン食っぽい魚料理』とか

『ハラルっぽい豚肉料理』みたいな

思想を理解しない創作メニューは

危険でしょう。

 

海外に限らず、

たとえばもし

名前に「子ども食堂」と入った

高級レストランを作ったら

100%炎上するでしょうね。

 

◆急な流行りはこれから注意が必要

あまり急激に流行ったものなんかは、

あまり考慮されない

派生品が出やすいですから

 

「ふざけてる!」と

受け取られないように

立ち止まって自分で考えてみるべきですね。

 

上記のマリトッツオだって、

イタリアとフランスが

決して仲良くないことを

知らずに、もし

「フレンチ風マリトッツオ!」

みたいな商品をつくっちゃったら、

海外で炎上しても不思議はないんです。

 

ここまでお読みくださって、

ありがとうございます。

カテゴリー | ソムリエ日記 , ちょっとつぶやき 2022年02月11日

現在進行形で盗用されている、

という怒りの愚痴です。本日は。


こんにちは!

たまごのソムリエ・こばやしです。

休日なので、ちょっと関係ないハナシを。

 

少し前ですが、

『ちょっと見て下さい~!』

って、当社スタッフのMさんから

画像メッセージが来ました。

スマホのスクリーンショットのようです。

(※一部ロゴ等を加工・見えないようにしてあります)

 

「んん・・・!?」

「これって・・・」

 

ウチで撮った卵の写真じゃないですか。

『究極のたまごかけごはん専用たまご』の。

ぼくたちのパンフレットの表紙にも使ってるヤツ↓

でも、Mさんが送ってきたのは

ウチの広告じゃないんですね。

そもそも広告出してませんし。

 

黄身にかぶせて差し込まれてる

薄緑色の卵カラも

ま~ったく違う鶏種のもの。

 

ようするに・・・

写真だけパクられたってこと…!?

のようです。

 

◆当社サイトの画像を手軽にパクられた

バレにくくするためか、写真の

左右反転までさせているんですよね。

 

ウチはメディアのお取り上げは

多い方だと思いますが、

あんな風に「テレビで話題!」みたいな

広告を打ったりは、

あんまりしないんですよね。

 

ですので、

発信力のあるほうをみて

僕たちが「パクってるじゃん。」

って思われるのは、困ります。

 

クリックしてみると、

ウチから日本半分くらい遠くの

農場さんのサイトでした。

バナーだけじゃなくて、

サイト内ほかにもバナーに

ガッツリ使われてましたね~…。

うーん、コレ

ウチの写真を勝手に

使われているのも腹立たしいですが、

何よりお客さんをダマしているのが

気に入りませんね。

 

「テレビで話題!」

って商品PRしてますが、

じっさいその話題のたまごじゃなく

ウチのたまご写真をつかって

販売しているわけですから、

 

お客さんにウソついてますよね。

ご自身の農場のたまご品質に

そんなに自信が無いのでしょうか。

 

現在ECサイト経由で

先方さんに連絡してますが

場合によって厳しい対応も要りますね~。

 


◆大手の追随戦略もこわい

さて、話は少し変わりますが、

食の世界って、

レシピとかコンセプトとか

特許でガードしにくい

ノウハウが多いせいか、

 

マネする事に

倫理観がゆるい気がします。

 

もちろん今回みたいにバッチリ盗用

というのは論外ですが、

上場大手企業同士でも、

売れるとなれば、業態も商品も、

コンセプトを真似し合って

追随しているんですよね。

 

たとえば、下の商品も

左右どちらも食品大手企業のものですが、

パッとみてどちらも同じに見えますよね?

(ちなみに販売開始は左が先)

 

あなたのお店がすごくステキだと

同じコンセプトで

強者が競合してくるかもしれないわけです。

 

ですので、

「ああ、こりゃムリだな。」

と思わせる強みかどうか

これが求められるわけです。

 

僕たちが業務用で超レアなたまごや

ごく短期間しか無い

季節限定卵の作り分けを

小ロットでしているのは、

 

マネされない強みのサポートを

卵の価値で創るためです。


今回の件、

怒りは感じてますが、

「これに気づいたウチのMさん優秀だなぁ。」

「マネされるくらいステキなんだな!」

という点だけは、

うれしく思っております。

 

ここまでお読みくださって、

ありがとうございます。

カテゴリー | ソムリエ日記 , ちょっとつぶやき 2022年02月10日

こんにちは!

たまごのソムリエ・こばやしです。

 

北京オリンピックのフィギュアスケート

羽生結弦選手の4回転アクセル、

残念ながら失敗でしたね。

現在8位。

インタビューでは

「今考えるとあと1センチずらしておけば、

ということも考えてしまう。」

とのことで、1㎝で天国と地獄

ホント厳しい世界だと感じます。

 

そもそもなぜ僕たちは

「難しいこと」に

あこがれるんでしょうね。

 

料理も「難しさ」と「あこがれ」に

大きな関係があります。

 

少し前に、海外のSNSで

「いとこが彼氏に『鍋で卵を4つ茹でて。』と頼んだら…」

という写真がバズってました。

 

 

ゆ、ゆでたまご・・・!?

うーん、先に割っちゃったら

ちょっと・・ムリですね~。

 

でも、冗談じゃなくって、

たまご料理って

知らない人からすると難易度高くって

 

人によっては茹でたまごだって

未知の難しさなんです。

 

イギリス大手スーパーチェーンの調査では、

『英国に住む10代若者の8割は卵の茹で方を知らない』

というデータがあります。

 

また、

米国では

日本の『家庭科』にあたる授業(FCS)を

受ける学生はたったの4%だそうで、

前述のゆでたまご未遂(?)事件も、

「米国教育省の予算削減の結果だ。」なんて

厳しいコメントも出てるくらいです。

 

話はそれますが、

目玉焼きって英語で

「フライドエッグ」って言うんですよね。

直訳すると『たまご焼き』

以前アメリカに住んでいたとき、

『日本の玉子焼き』を説明するのに

ちょっと苦労したことがありました。

 

知らない人に、

『卵を混ぜて味つけして、

重層的に焼きながら巻いて

ケーキのように固めた料理』

を想像してもらうのって

難しかったんですね。

 

同じように、

たとえゆでたまごでも、

「あまり作ったことのない」料理は、

指示されてもその調理過程を想像できず

「どうやるんだっけ???」と

トンチンカンなことを

やっちゃうんですね~…。


たまご料理って実は

「調理スキルがないとできない」食材です。

 

たまごをおいしく食べるには

なにがしかのちょっとした

調理技術がいります。

オムレツしかり、

玉子焼きも親子丼も…

 

ですので、

たまご料理は、プロの技術

より難しそうにみえるほど

「食べたい!」のニーズが高いんです。

 

ぜひ、定番のたまごメニューを

ちょっと見せ方に工夫をして

『難しそう』で『魅かれる』たまご料理、

イコール繁盛メニューにしてみませんか。

 

ここまでお読みくださって、ありがとうございます。

カテゴリー | ソムリエ日記 , ちょっとつぶやき 2022年02月9日

美味しいのになぜ売れないのだろう?

って思う事ってありますよね。

伝え方にちょっと工夫ができれば・・・


こんにちは!

たまごのソムリエ・こばやしです。

 

こんなニュースがありました。

『中国が約1兆ドルかけて製造・運用する「人工太陽」 太陽の5倍高温なプラズマの維持に成功!』

すごいですね。

いや、内容じゃなくって、

この見出しの「圧」がスゴイくないですか

 

『一兆ドル』『人工太陽』

『太陽の5倍高温なプラズマ』

これ見ると

「なんか分からないけど

とんでもないことをやってそう。」

って思いますよね。

 

そういえば、

先週封切りとなった

映画「怪獣のあとしまつ」

前評判のワクワクほどには

面白い内容じゃなかったようで、

ガッカリ感の大きかった怪獣ファンや

一般の方から強くバッシングされていますね。

 

ただ批判されているだけじゃなくって、

「令和のデビルマン」や

「世紀の駄作」とか

「歴代最低!」みたいな

 

『どれだけ強いワードで批判できるか』

みたいなインパクト表現競争となって

内容そっちのけで

エスカレートしています。

 

こういった、印象に残る『強い表現』は

もしうまく応用できるなら

とても効果があると思います。

 

たとえば、たまご料理でいうならば、

英語ならあそび言葉に

「エッグセレント!」

みたいな表現があります。

 

これは、「エッグ」と「エクセレント」が

掛け合わされた洒落言葉で、

エクセレントは「超ステキ」

「100点満点でステキ」

みたいな意味なので、

表現としてかなり強い部類に入ります。

 

「eggcellent soufflés pancak」

(エッグセレント スフレパンケーキ)

というレストランがニューヨークにありますが、

意味合い的には「俺たち超スゴイんだぜ!」

っていう強い自負を感じます。

たまごはともかく、

メニューの美味しさを伝える

「強い言葉」をかんがえるなら

 

➀ジュワー!ザクザク!など音に訴える強い言葉

②肉厚!ぎっしり!など質感の強い言葉

③「ごはん一升炊いておいてください!」みたいな食べた実感の表現

 

こんなのがありますね。

とくに③は、

料理系YouTuberの皆さんや

Twitterなどで発信している

料理研究家さんは、総じて

めちゃくちゃ上手いです。

 

「もうね、年とって死ぬまで麻婆豆腐これだけ食べていられますよ。」

なんて、表現「うわ~、美味しそう」って思うのと

「それは言い過ぎだろ!(笑)」

のギリギリをとらえるその感性

すごい方がたくさんいらっしゃいます。

 

ぜひ、メニューの美味しさを伝えるきっかけに

参考にしてみてください。

個人的には料理研究家リュウジさんの

youtube動画の「美味しい!」表現は

「よくこんなの思いつくな。」というレベルで

面白い語彙で、好みです。

 

ここまでお読みくださって、

ありがとうございます。

カテゴリー | ソムリエ日記 , 飲食店さまへ 2022年02月8日

こんにちは!

たまごのソムリエ・こばやしです。

電子レンジでチンすると

ヒエヒエの冷やし中華ができる

そんな???な商品が販売されて

話題になっていますね。

僕も「なんだそれ!?」と

思いましたが、とても理にかなってるんですね。

なんでも、

麺や具材とくらべると

氷ってチンしても

溶けにくいんだそうで、

それを利用すると

「麺もたれも具材もほどよく溶ける」

「氷だけが残る」

「結果、麺はヒンヤリちょうどに食べられる」

こんな商品になるのだとか。

うーん、すごい。

冷やし中華、なんていう

ある意味シンプルな食品でも、

これだけ面白いイノベーションができるんですね。

 

ド迫力のハリウッド映画にもなった

『ナルニア国物語』の作者として有名な

英国作家のルイスさんが、

こんな言葉を残しています。

 

『卵が鳥になるのは

難しいかもしれませんが、

卵のままで飛べるようになる方が

よっぽど難しいことです。

 

私たちは今、卵のようなものです。

そして、いつまでも

普通の卵のままで

いることはできません。

孵化しないとダメなんです。

じゃないと、腐ってしまいます。』

C. S.ルイス(英国作家)

 

うーん、良い言葉ですね。

 

たまごは完全な栄養が詰まった

すばらしいものですが、

 

そのまんまでは、

な~んにもできないわけです。

 

栄養を使って

「鳥」になってこそ

天を舞えるんですよ。

 

あなたは素晴らしい

『だから』から変わろう、

というメッセージですね。

 

あと、そうしないと腐るよ!とも

言ってますね。つまり。

 

このコロナ禍で

否応なく変化が求められています。

またIoT環境も激変して、

以前ならとてもできなかったような

サービスも手軽に考えられるようになりました。

 

せっかくなので、

卵が空を飛ぶ鳥に変わるくらい

面白いイノベーションをしてみるのも

面白いんじゃないでしょうか。

 

たとえば、

日本のフツーのお菓子で

米国でサブスクをやって

大ヒットしていますが、

これなんかも

 

日本の美味しいお菓子が

広く羽ばたいているわけです。

 

ぜひ自分も

あなたのお店も

羽ばたくアイデアを

考えてみませんか!

 

ワクワクしますね。

 

ここまでお読みくださって、

ありがとうございます。

カテゴリー | ソムリエ日記 , たまご・鶏のことわざ 2022年02月7日