小林ゴールドエッグ

ソムリエ日記 SOMMELIER DIALY

ソムリエ日記 記事一覧

こんにちは!

たまごのソムリエ・こばやしです。

 

「ウチのメニューに一品だけ

刺身定食があるでしょう?

なんでだと思いますか?」

 

あるとんかつ専門店の

社長さんから聞いたお話

 

確かに、

そのお店は肉料理がウリで

 

ほかに魚介系のメニューなんて

あってもせいぜい

季節のカキフライくらい・・・

 

なのに、なぜか、

刺身定食があるんですね。

 

これ、理由を聞いてみると

「家族で食べに来てもらうため」

なんだそうです。

 

つまり、

子供とお父さんお母さん

そして

おじいちゃん

おばあちゃん

 

こんな構成の家族で

外食をしようと考えたとします。

 

「何を食べよう・・・」

と、考えたときに

 

「揚げ物や肉料理はちょっとなぁ。」

・・・となりやすい。

 

だから、高齢の方や

油物はちょっと、という方も

一緒に席を囲めるように

そんな選択肢のために

一品、刺身定食を載せているのだとか。

 

じっさい、週末なんかには

よく出るんだそうです。

 

ほかにも、サラダをたっぷり

食べられるようにしている

肉料理専門店さんも

ありますよね。

 

こんな風に、

一品だけでも、

メインのターゲットから外したものを

メニューに載せることで、

来店を招きやすくする手法があります。

 

たまごでも、

そんな方法があります。

 

卵だけのメニューを

一品入れておくと

集団での来店が

のぞみやすくなる。

 

たとえば、

国際化にともなう

宗教の問題に関して。

 

食材輸入の議論が取り上げられがちですが

TPPが始まれば

「人の移動」条項に伴って

外国人技術者労働者が

沢山日本で仕事に従事するようになります。

 

たとえば

世界の4人に一人は、

宗教的理由で

豚肉を食べません。

 

牛肉は9人に一人が食べません。

 

インド中心の

ヒンドゥー教や仏教のように

殺生を避けるために

肉を食べない人も多くいます。

 

ですが、

卵なら大丈夫

そんな方はかなり多いのです。

それは、

量産され始めてまだ180年少々しか経っていないため

鶏肉や卵は

宗教の戒律に記されていないから

 

もう一つの理由として、

無精卵であれば殺生にならない

そう考える人も一定の割合でいること

があります。

 

今後、国際化に伴って、

もしあなたのお店が

ある程度人口の多い

都市部にあるなら

 

連れだって昼食を食べにくる

同僚の一人が

宗教上の理由で

食べられないものがある

 

そんなケースがこれから増えます。

例え焼き肉店であっても、

豚骨ラーメン店であっても

 

ランチ定食に

玉子料理のみ

鶏肉料理のみ

 

そんな一品を入れておくことで

皆で食べにくるハードルが

グッと下がることになります。

 

ぜひ、

今後のグローバル化を見据えた

メニューイングとしてご一考を。

 

ここまでお読みくださって、

ありがとうございます。

カテゴリー | ソムリエ日記 , 飲食店さまへ 2021年12月12日

こんにちは!

たまごのソムリエ・こばやしです。

 

突然ですが、

かつ丼とオムライスの共通点、

ってなんだと思いますか?

そりゃぁ

どっちも卵を使っているよね!

 

…というのも

確かにそうですが、

もう一つあります。

 

「この2つは日本人らしさが詰まった料理なんだよ。」

故内閣官房長官

仙谷由人さんが以前、

お会いした際に

そう語ってくれた

ことがあります。

 

「オムレツってのは

ヨーロッパのもんだよ。

それを日本のコメ食文化と

融合させて広く普及させている。

カツ丼だってそうだ。

 

『カツレツ』という

西洋の料理をじつに

うまく取り込んでダシと合わせ、

日本の食べ物として

ちゃんと成立させている。

これは、日本の文化を象徴する食べ物だよ。」

 

こんなお話でした。

なるほど。

 

歴史的に見ると、

カツ丼のカツは、

フランス料理のコートレットが語源。

 

オムレツは古代ペルシャから続く

ヨーロッパの伝統的な玉子料理。

どちらも長く海外の歴史を持つ

由来の食べ物です

 

その派生の

オムライスと

カツ丼は、

「お米」と「たまご」が

とても美味しい

『日本食』の名物料理です。

 

世界トップクラスの消費を誇る

「たまご大好き」

な日本に住む身としては、

なかなか興味深いですね。

 

こんな風に、

海外の料理→日本の料理

となる定着の可能性としては、

 

アフリカの料理なんかは

面白いんじゃないかと

思うんです。

 

伝統的に内陸部の割合が多い

アフリカは、

海岸線が多い日本と異なり

「塩」をあまり使わない

料理が多いんです。

 

WHOが推奨し、

「減塩」が世界的なテーマにも

なりつつある現代では、

 

北アフリカのタジン鍋を使った料理など

魅力的な味がいっぱい

一時、日本でも話題となった事ありますよね。

 

さらに和食の技法と合体したら

きっと!

めちゃくちゃ美味しくて

健康な味に

なるんじゃないかと思っています。

 

おなじく北アフリカには、

ブリックと言いまして

でっかい「春巻き」みたいな

たまご料理もあります。

こんなのも、

日本式にアレンジする

または中華式を考えてみても、

面白いワクワク料理になるんじゃないでしょうか。

 

ここまでお読みくださって、

ありがとうございます。

カテゴリー | ソムリエ日記 , ちょっとつぶやき 2021年12月11日

こんにちは!

たまごのソムリエ・こばやしです。

以前、旅先でフラッと入ったラーメン店で

味噌ラーメンを注文したら

油揚げが入ってました。

「めずらしいなぁ。」

と思ったのですが、

これがラーメンのスープに合う!

かなり美味しい組み合わせでした。

 

それもそのはず、

味噌ラーメン+油揚げ

って、よく考えてみると

 

「味噌汁」

の組み合わせですよね。

 

同じ様な例で、

スーパーさんの売り場で、

「トマトジュースとバニラアイスは相性抜群!」

ってPOPが書いてありました。

 

トマト+バニラってとても

めずらしく感じますが、

 

よく考えると

酸味バニラアイスって

ブルーベリーや

いちご

メジャーな取り合わせが

いくつもありますよね。

 

シーザーサラダのように

ミルク系ドレッシング+トマト

だって絶品です。

 

であれば、

トマトジュース+バニラだって

合わない道理がないわけです。

 

こんなふうに、

要素を分解してみることで、

 

基本的な相性の合った

「新しさ」のある

おいしい組み合わせ

が、できます。

 

たまごでも、

少し前に、ZIP!さんで

洋風たまごかけごはん、として

醤油の代わりにトマトジュースを

入れ、パルメザンチーズをたっぷりかけた

たまごかけレシピをご紹介したのですが、

これも一見、

卵+トマトジュース+ごはん

というと「ヘン!」と

感じますが、

イタリアンリゾットの取り合わせ

だと考えると、

 

なぜ相性が良いのかは

納得できるのでは

ないでしょうか。

 

他にも、意外な玉子料理の

組み合わせで言いますと

 

玉子焼き + ワインビネガー

があります。

 

醤油のようにかけると、

トマトの酸味とたまごが合うように

ワインビネガーの酸味と

玉子焼きの甘味、だしまきの

和っぽい風味がめっちゃ合うんです。

そもそも卵+お酢の酸味は、

「マヨネーズ」がそうですよね。

 

これも合わないわけがない!

くらいの名タッグです。

 

 

ヌーボー・オーボ・キュイジーヌ

なんて言われまして、

近年フレンチやイタリアンでも、

まったく新しい玉子料理のレシピや

取り合わせが次々誕生しています。

 

まったくとっぴな組み合わせ

となると、なかなか

思いつくものではありませんが、

 

黄身+酸味は!?

白身の泡立て+焼き上げは?

など要素を分解する中で、

 

新たな玉子料理の魅せかたが

生まれてくるんじゃないでしょうか。

 

インド料理

イタリアン

ケイジャン料理

中華に和食

イスラエル料理

・・・・・・

 

世界に3万のレシピがあると言われる

玉子料理の要素から

ぜひあなたのお店で、

次の人気たまごメニューを!

 

ここまでお読みくださって、

ありがとうございます。

カテゴリー | ソムリエ日記 , 面白たまご話 2021年12月10日

こんにちは!

たまごのソムリエ・こばやしです。

渡邉政子さんの

「パンのおいしい物語」を

読んでいると

 

パンのたべごろ

というテーマがありました。

 

パンの食べごろは、

「焼きたて」じゃない

 

「冷めたて」が最高!

なんだそうです。

 

アツアツ湯気の出ている

焼き立てパンは、

ご飯でいうならば

まだ「蒸らし前」の状態で

 

皮は香ばしいけども

中身の湯気は

イースト臭が強く

アルコールっぽい

 

食感も柔らかすぎて

口の中で団子状になる

 

焼きたてをカットすると

スライス面が乾燥して

パンの風味も飛んでしまう・・・

 

そんなカンジで食べても

イマイチなんだそう。

 

したがって「冷めたて」が最高

なるほど。

 

僕は仕事柄いろんなパンを

食べ歩くことも多いのですが、

 

「焼きたて」っていうワードは

店舗で焼かれるお店さんの特権

強みだからどんどん推すべし!

だと思っていました。

 

業界の常識と一般イメージの違い

こんなことは、

どの業界にもありそうです。

 

魚もそうですよね。

イカやアジは

獲れたてが美味しいですが、

 

マグロなど赤身の魚は

すぐ食べると固いだけ、

熟成した方がはるかに美味しいんだとか。


さて、

たまごも同じなんです。

「産みたて」

という言葉には

ある種の魔力がありまして、

 

書くとお客様は喜ぶ

お店は売れる

 

誰も、そのことを

悪く言う方はいません。

 

したがって、

自農場のPRや

通販サイトで

「産みたて!」と

PRされる農場さんも多いです。

 

ですが、そこにちょっと

物申すならば、

 

卵たべごろの美味しさは

「料理によってちがう」

という事ですね。

 

中部大学小川教授らの研究によると、

「産みたての張りのあるたまごを使って玉子焼きを焼くと、攪拌しても白身が凝集した立体構造になり、硬い美味しくない食感になりやすい。」

という報告を、

電子顕微鏡などを

使って実証されています。

 

これは、

和食の伝統的な知恵と

おなじ結論でして

 

玉子焼きが有名な

和食の老舗店さんで

「あえてたまごを数日置いて、食感を落として焼き上げる」

そんな技法を

教えて頂いた事があります。

 

おなじく、

ゆでたまごも

鮮度の高いたまごは向きません。

 

産みたてすぐのたまごは

炭酸ガスを多量に含み

pHが低いため

えぐみがあり

ツルンとキレイに剥けません。

 

数日ほっておくことで

炭酸ガスが抜け

美味しいゆでたまごになります。

反対に

鮮度が大事!な

たまご料理もあります。

例えば、

たまごかけごはん

粘性・弾性が高い

つまり

張りと粘りがあるたまごは、

 

食べた時に

舌の味蕾に信号が

たっぷり送られるため

新鮮なほど

「味が濃厚!」に感じます。

目玉焼きも同様で、

黄身の立体構造が

「球」に近い

 

つまり鮮度が高いほど

熱の通りが均一になりやすく

滑らかな食感の黄身になります。

まとめますと

たまごの食べごろ

オムレツ・玉子焼き

→産卵後3日~7日以内

ゆでたまご

→産卵3日後以降~

たまごかけごはん・目玉焼き

→はやいほど美味しい

 

また、

温泉たまご

→7日以内

洋菓子

→種類による

 

など特殊なものもあります

あらためてご説明しますね~。

 

ご使用量が多くない

お店での活用の場合、

 

例えば日替わり

朝食・ランチメニュー

などで、

 

その時点のたまごの鮮度に

最適なメニューに

する方法もあるかと思います。

 

ここまでお読みくださって、

ありがとうございます。

カテゴリー | ソムリエ日記 , たまご全般コラム 2021年12月9日

本日は料理店さん向けに書いています。


こんにちは!

たまごのソムリエ・こばやしです。

 

少し前、Yahoo!ニュースに

「ラーメン800円は高いか?」

というアンケート記事が出ていました。

「ラーメン1杯800円」高いと思う? 安いと思う? アンケート結果は?(TOKYO FM+) – Yahoo!ニュース

 

TOKYO FM番組「Skyrocket Company」

「社会人意識調査」コーナーのアンケートで

結果は

高い 73%
安い 27%

とありました。(370票中)

 

うーん、

ラーメンには

『1000円のカベ』というものがある

1000円を超えるととたんに売れなくなる

そんな話を聞いていました。

 

ラーメン漫画の金字塔

「ラーメン発見伝」(小学館)

にもその話が提起されていましたね。

 

それが

800円でも高い、

というハナシ

これは日本がよりデフレ社会となってしまったこと

が原因なのでしょうか。

 

ただ、これは

「ラーメンが細分化されたから」

そんな見方もできるんじゃないでしょうか。

 

ラーメン店の中には

平気で1000円超えている

人気店も増えてきています。

 

カレーや焼肉も

高級化

低価格化

分かれているように

 

ラーメンも変化・進化している

結果かもしれません。

 

さて、僕たちも何度か

「たまごの値段」

についてアンケートを取った事があります。

 

「たまごっていくらくらいのイメージですか?」

「ゆでたまごっていくらくらいの~・・・」

「煮玉子って~・・・」

 

結果で言うと

料理方法によって、

恐ろしく差が出ました。

 

ふつうの生たまごの価格イメージは

10円~20円くらい。

 

実際はスタンダードな白たまごでも

もう少し高いのですが、

特売のイメージがあるようです。

 

対して温泉玉子は

80円~120円くらいのイメージ

 

なんと!

加熱されているかどうかで、

最大10倍の価格イメージ差が

あるんです。

 

煮玉子も

温玉とおなじ80~120円くらい

 

ただし、

「ゆでたまご」は

生たまごと同じ

 

10~20円くらいの結果でした。

 

面白いですね。

 

つまり、

「調理された卵は高い」

「しかも家でつくりにくい玉子料理は高い」

というイメージがあるんです。

 

ということは、

たとえばあなたのお店で

メニューに「牛すじ丼」

があったとして、

 

ちょっと濃い目の味付けにして

温泉たまごを割り入れ

「とろふわ温玉牛すじ丼」

とすると、

 

100円価格が高くても

お客様は

「まぁそんなものかな」

…と思うという事です。

 

この、実際の単価と

イメージの差が

たまご料理って大きいのです。

 

なので、ぼくは

「たまごは利益提供食材だ」

ということを常々お伝えしています。

 

いろいろ試してみると

細かな伝え方の差で

他にもお客様のイメージ差が

大きく変わります。

ときどきこのブログで

お伝えして参りますね~。

 

ちょっとした調理の差によっても

「ステキで高い」イメージの料理にもなるし

「家でつくれる身近な料理」のイメージにもなる。

 

とても面白い食材、それがたまごです。

 

ぜひ、あなたのお店のファンづくり

粗利アップのために

たまごを味方につけてくださいませ~!

 

ここまでお読みくださって、

ありがとうございます。

カテゴリー | ソムリエ日記 , 飲食店さまへ 2021年12月8日

こんにちは!

たまごのソムリエ・こばやしです。

 

たまごを使った

代表的なソースといえば、

マヨネーズ。

 

新鮮なたまごと、

油、そしてお酢という

シンプルな作りながら

 

野菜やパン

魚や肉、

いろ~んなものに合う

万能調味料です。

 

日本では大手メーカー品が

普及していますが、

これ、飲食店さんで手作りすると、

粗利のとれる

面白い差別化メニューになります。

 

〇領土争いから生まれた!?マヨネーズの合わせやすさ

諸説ありますが、

もともとマヨネーズが生まれたのは

地中海のミノルカ島の

町マオン(現スペイン領)

 

「マオンのソース」→「マオンネーズ」

となった説が有力です。

 

面白いことに

3国が発祥争いをしています。

 

18世紀半ば、

イギリス領だったミノルカ島を

フランス軍が攻撃、

マオンに布陣をしたんですね。

 

その際に指揮をとった

リシュリュー公爵が町で食事をし、

「こりゃうまい!!」

・・・と感動したのが

 

島名物の

新鮮卵とオイル・レモン果汁で作った

摩訶不思議なめちゃうまソースの

肉料理でした。

 

これをフランスに持ち帰り

広めたのがマヨネーズの発祥と

言われています。

 

「だからフランス発祥なの。」

・・・という声に、

イギリス人「いやいや、マオンはイギリス領だったんだから、それってイギリス発祥でしょう?」

スペイン人「何言ってんの?マオンはもともとスペイン領だったし、食文化もスペインじゃん。同じようなソースはスペインにもあったし。」

 

・・・と、

3国で発祥争いをしています。

 

世界的には、

「フランス生まれだよね」

という感覚ですが、

たしかに英国・スペインの言い分にも理はありますよね~。

 

とにかく、

マヨネーズ発祥の島は、

仏スペイン・英国領の真ん中にあって

常に奪い合いをしていた

軍事的重要拠点でした。

それだけに、島では

3国の文化が混在していて

 

なので

マヨネーズは

単なる一国の食文化だけじゃなく、

広くいろんな料理に合わせやすい。

そんな素地があるんです。

 

そして、

材料がシンプルなだけに

卵やオイル

ビネガーの素材

 

その配合率で

ゼンゼン味が変わってきて

あなたのお店のオリジナル性が

出しやすいソースです。

 

なにより、日本は

キューピー80%

味の素14%の市場シェア

たった2社の味で

94%もあります。

 

ほぼ二択。

 

マヨネーズに関しては、

多様性がかなり少ない…!

と言えます。

それだけに、

自家製マヨネーズは

「こだわってるね!」

と感じてもらえやすい要素です。

 

これは、先日東京に行ったとき

入手してきました

オリジナルな

マヨネーズの一部。

 

それぞれ、

たまごのこだわりや、

お酢・素材のこだわり

いろんな特徴をうたっています。

 

ご採用いただいている中だと

たまごの違いも

マヨネーズでは

わりとハッキリ出やすいです。

ぜひ、お店のワクワク繁盛と

差別化に、自家製マヨネーズも

考えてみて下さいませ~。

 

ここまでお読みくださって、

ありがとうございます。

カテゴリー | ソムリエ日記 , たまご全般コラム 2021年12月7日