小林ゴールドエッグ

ソムリエ日記 SOMMELIER DIALY

ソムリエ日記 記事一覧

こんにちは!

たまごのソムリエ・こばやしです。

 

アフターコロナを見据えて

目新しい料理、メニューの開発は

皆さんのお店でいろいろ考えられていらっしゃることと思います。

 

まだあまり日本に浸透していないけども

これから伸びそうなものに

中東料理

があるんじゃないでしょうか。

 

◆ナッツ多用の中東スパイス「デュカ」

日本でナッツの消費が伸びています。

おやつだけじゃなく

健康を重視したロカボフードとして、

 

ドラッグストアやスーパーでも

ラインナップがずいぶん増えました。

コロナ禍でも伸び続けており、

家のみ需要とも合わせて

今後もどんどん広がると

予想されています。

 

中東の料理では

このナッツ類をたーくさん使います。

 

ザクザクっとした食感がたまらない

ナッツ類とスパイスを混ぜた

中東調味料「デュカ」

ちょっと塩っけがあって

サラダやゆでたまごに乗せるだけでも

超ウマイんです。

同じ低糖質で良質な脂質を持つ

たまごとの相性は抜群でして、

 

完全栄養食である

たまごに足りない

「食物繊維」がたっぷりです

 

僕も大好きなとりあわせです。

 

◆中東の定番人気たまご料理!

中東では養鶏がさほど盛んでないので

消費量じたいはそう多くありませんが

魅力的なたまご料理は沢山あります。

 

たまごは宗教上の制約も無いため

広く食べられています。

 

暑いとちょっと養鶏には

向きづらいのですが、

たとえばサウジアラビアなんかは

毎年数万トンのたまごをインドから輸入しています。

 

そんな中東で人気のたまご料理と言いますと

「シャクシューカ」があります。

トマトとスパイスのソースに

たまごを落として焼いたもので

 

スパイスとオイルで食べるため

塩も少なくても

しっかり風味が立っていて

とってもヘルシーなんです。

 

減塩はこれからの大きな

キーワードですので

料理として取り入れても

面白いんじゃないでしょうか。

 

◆中東スイーツが面白い!

中東って、旅人の国なんです。

かつては砂漠を渡り

欧州~アジアを旅をする

一晩限りの出会いに

こころを込めてもてなす

 

日本の一期一会と通じる

そんなおもてなしの文化が

があるんです。

 

そんなおもてなしのお菓子

中東スイーツは

前述のナッツをたっぷり使ってまして

たまご菓子もいろいろあります。

ちょっとずつ日本にも浸透してきてまして、

去年には、ドバイで大人気のスイーツ店

「VIVEL」日本一号店が東京南青山に出店し

話題にもなっていましたね。

 

そしてなんと!

一橋大学でレシピ集を無料公開している!んです。


かなり読み応えあって、面白いです。

新しいスイーツ、

デザートの開発には

かなり刺激になるんじゃないでしょうか。

 

ぜひ、中東料理、中東スイーツ

あなたのお店の新メニューに

取り入れてみて下さいませ~。

 

ここまでお読みくださって、

ありがとうございます。

カテゴリー | ソムリエ日記 , ワクワクすること 2021年12月20日

こんにちは!

たまごのソムリエ・こばやしです。

 

糖質オフ、の流れは

一過性ブームじゃなく

定着してきましたね。

 

帝国データバンク調べでは

昨年コロナ禍での飲食店倒産数では、

ラーメン店が最も多かったとの事ですが

 

テイクアウトとして麺類が不利であること

そして糖質制限の流れが

マイナスに働いていることが

その要因と分析する

専門家もいます。

 

コロナ禍で

「より健康であること」

のニーズが以前よりも

上がっている事

これは外食産業においても

対処していかなくてはならない

重要課題だと感じます。

 

大手飲食チェーン店でも

対応は分かれていまして

 

野菜のヘルシーさや

カロリー表示で

健康感を出している

サブウェイやモスバーガー

 

糖質オフの新レシピを導入している

ココ壱番屋など

さまざまです。

 

また、その中で

「ごはんの代わり」

を打ち出しているところもあります。

 

たとえば

牛丼のすき家は

ごはんの代わりを

「豆腐」にした

丼メニューを打ち出していますし

 

くら寿司では

ごはん量を半分にしたり

大根酢漬けきざみにして

シャリ代わりにしています。

 

うーん、

それぞれとても興味深い対応です。

 

中小の飲食店さんでも

対応が必要となってきている

状況ではないでしょうか。

 

さて実は、

「たまご」でも

ごはん代替となる場合があります。

 

それは「カレー」のばあい。

じつは、日本ではあまり知られていませんが、

欧米、そして本場インドでは

定番となっているカレーに

「エッグカレー」

なるものがあります。

これは、

ゆでたまごをスパイスで炒めて

カレーでじっくり煮込んだ料理

 

インドでは家庭ごとに

お母さん自慢の異なる味付けが

あるくらい、メジャーなカレーです。

「eggcurry」の検索でもいろいろ出てきますね。

ある程度の伝統がありますので

日本への導入も

やりやすいのではないでしょうか。

 

たまごはほぼ糖質ゼロですので、

カレーをお腹いっぱい食べても

糖質をグッと減らせる

そんなメニューです。

 

また、たまご自体は一日に10個食べても

健康にとってプラス、

そんな研究データが出ています

 

また、固ゆで玉子には

食欲を抑える効果も確認されていますので、

こういった点も、

ダイエット向きです。

 

ごはんの代わりに「固ゆでたまご」

これから脚光浴びてくるんじゃないでしょうか。

和洋中問わず

応用できそうです。

 

ここまでお読みくださって、

ありがとうございます。

カテゴリー | ソムリエ日記 , たまご全般コラム 2021年12月19日

こんにちは!

たまごのソムリエ・こばやしです。

ギックリと腰を痛めてしまいまして

寝転がったままこの文章を打ってます(汗)

日々のコンディション、大事ですね~…。

 

さて、先日のエントリで

開放式農場飼育や放し飼い飼育のメリットのひとつは、

季節のゆらぎにある、

そんなお話を書きました。

もう少しくわしく書きます。

 

気候や季節に左右されやすい

開放式農場や放し飼い飼育のメリット。

それは「飽き」に強いこと。

あなたも、なにかの食べ物に

飽きたことってありますよね?

 

例えばほら、

レトルトカレーって美味しいですが、

頻繁に食べると

飽きて嫌気が差してくるじゃないですか。

 

でも不思議と家庭で

お母さんが作るカレーって

そうでもない。

 

この飽きに関係するのが

味の「ゆらぎ」です。

 

エッセイスト神津カンナさんが言っていましたが

ある有名店の料理長さんによると

「豪華客船のシェフは

船長より大事にされる重要な存在だ。

でも一流では務まらない、

二流三流に限る。」

のだそうです。

どういう意味でしょうか?

 

長く修行を積んだ一流シェフは

いわゆる『絶対味覚』を持っていて、

自分の体調や状況にかかわらず

最高の味を常に作り出すことができます。

 

とても素晴らしい事ですが、

これが世界中を周り

何カ月も航海する豪華客船では、

マイナスに働いてしまうんです。

 

毎日三食おなじだと、

その味に飽きちゃうんですね。

 

逆に、二流(というか絶対味覚を持たない)シェフならどうでしょう?

暑い日には無意識に

塩味の濃い料理になったり、

雨の日や曇りの日には

ちょっとマイルドな味付けになったり、

毎日違う天気

ちょっとしたコンディションの違いで

味が変化してしまいます。

 

微妙に味が変わってしまう。

そしてこれが結果として

お客の舌にぴったり来るんだそうです。

客の方も

「今日はちょっと揺れるから、さっぱりした料理が食べたいなー。」

なんて同じように思っていたりします。

食べる方だって環境で、

好みが日々変わるんですね。

 

実際、鶏卵についてもその傾向があります。

当社で定期的に官能評価試験を行いますが、

長期摂取試験、

毎日連続で卵を食べ続けて

評価をした場合において、

2週間以上続けると

ゆらぎの大きな自然飼育農場産の

卵の方が評価が上がってくる、

そんな傾向の評価結果があります。

お母ちゃんの家庭料理のように、

ゆらぎが体に合うから…かもしれません。

毎日食べる「卵」については

重要な要素じゃないかと思います。

 

セブンイレブンが

黎明期にコンビニおにぎりや

蕎麦をヒットさせた背景に、

このゆらぎの活用があったことは有名です。

 

包装前にかならず人が

おにぎりをギュッと握りなおす、

 

麺のカットの際に

あえて不ぞろいとなる工程を入れる、

 

たったそれだけで

飽きのきにくい「自然さ」を

人は感じるわけです。

 

もちろん安定した品質、

温度調節した飼育条件の卵は素晴らしいです。

 

でも、暑い時には暑さに合った味、

寒い時には寒さに合った味になってくれる

自然のコンディションを活かす卵、

 

食べる者とおなじ気候に住む

そんな鶏さんから生まれる

自然な味である

「季節一番の卵」は

 

「いつもおいしいな。」と

無意識に思ってもらえる魅力になり得ます。

ぜひメニューでの卵選びの際に

ご一考を。

 

ここまでお読みくださって、

ありがとうございます。

カテゴリー | ソムリエ日記 , たまご全般コラム 2021年12月18日

こんにちは!

たまごのソムリエ・こばやしです。

 

寒くなってきましたね!

温かい麺類、そして丼物が美味しい季節です。

 

老舗の蕎麦屋社長さんから聞いた話。

「ウチでは親子丼と蕎麦のセット定食

これを推しているでしょう?

これってすごく意味があるんですよ。」

 

それは、

『蕎麦に食べ慣れてない人のため』

なんです。

 

◆慣れは「タッグ」でつくる!

こちらのお店は

蕎麦専門で数十年前から続く老舗

うどん店の多い四国では少数派です。

 

東日本在住の方は想像しにくいかもしれませんが、

 

四国では、

うどんじゃなくて蕎麦は

意識しないと食べに行かない

 

習慣が少なくって

食べ慣れてない人が多いんです。

 

もちろん山間部へ行けば、

古くから蕎麦処の地域もありますが、

地域としては少数派です。

 

そば処の信州なんかだと

「蕎麦」がメインの

シンプルなメニューの

そば専門店も多いですが、

 

それだと四国では

「まぁ、べつに食べに行かなくてもいいかなぁ。」

となってしまう

そう感じる人も多いのです。

 

なので、

食べ慣れてない人に

蕎麦親子丼のセットは美味しいなあ。」

と感じてもらって

 

そのうちに

そばって旨いんだなぁ。」

「今週も蕎麦を食べに行こう。」

と蕎麦の熱烈ファンになってもらう。

 

そうなるとしめたもので、

その地域に蕎麦店が少ない

→つまり競合が少ない

地域オンリーワン蕎麦店に

なるわけです。

 

蕎麦に限らず、

お店でほんとうに食べて欲しい

自慢の味がある

でも地域ではまだ珍しくて

定着していない。

 

そんなメニューがあるのでしたら、

何か食べ慣れているものと

セットにする

 

そんな戦略が有効です。

 

◆たまご料理の「慣れ」パワーはすごい!

例えば、

牛タン専門店って

ありますよね。

 

今は定着していますが

出はじめの頃は、

「牛タンってそれだけわざわざ食べに行くものかなぁ?」

という声もネットなどで出ていました。

 

ある牛タンの多店舗展開されているお店では、

牛タン塩焼き+だしまき玉子

のめちゃくちゃ美味しそうな定食を

昼の定番化・イチオシしています。

食べにいって見ていると

昼の6~7割のお客様が

ボリュームある玉子焼きとのセットを

頼まれている様子でした。

 

カレーの「ナン」も同じで、

ライスとナン「両方セット」を

メニューにしているお店も多くあります。

(実はインドでナンを食べる人は少数派だそうですが)

これも、

ナンに慣れていない方への

提案になっていて

「ごはんも食べられるわけだし、

ちょっと試してみよう」

という気分になりますよね。

 

日本の卵消費は世界2位

日本人は卵大好き民族ですので、

家庭でもたまごを沢山食べてますし

「慣れ」という部分では

最強に近い食材です。

 

もし、あなたのお店で

こだわりと差別化を打ち出す

新メニューの定着を考えているなら

 

慣れと親しみあるたまご料理

プラス差別化メニュー

のセット組みで、

お客様を定着させていくのが

良いのではないでしょうか。

 

ここまでお読みくださって、

ありがとうございます。

カテゴリー | ソムリエ日記 , 飲食店さまへ 2021年12月17日

旨いものだからヒットする、ではないんです。

良さそう、と感じるから買ってもらえる

そう感じてもらう手段について

2つの工夫ができます。


こんにちは!

たまごのソムリエ・こばやしです。

 

「良いモノなら売れる」

この言葉を聞いて、あなたはどう感じますか?

 

これ、間違ってないですが、

正しくもありません。

 

なぜなら、

今の世の中ほとんどの食品が

「良いモノ」になってしまっているから。

ちょっと思い返してみてください。

最近「不味い。」という食べ物に

出会ったことありますか?

 

すぐ思い浮かばないのではないでしょうか。

コンビニで買おうが

ファストフード店で買おうが、

それなりに美味しいのが現実です。

 

すなわち、

「美味しい」かどうかで

差がつきにくい時代だと言えます。

 

そして僕達の価値観が多様化したことで

「良いモノ」の定義が広がっています。

仮にあなたが

「めっちゃ美味しい卵が最高なんだ」

と思っていたとしても、

 

お客様によっては

「それよりも健康になる卵が欲しい」とか

子供が喜ぶパッケージが最高だ。」

「パックが捨てやすいのが一番だなぁ。」

なんて考えているわけです。

 

例えば、黄身の良さ、

黄身の濃厚さと旨味

盛り上がり

 

これらを美味しさの

売りにしている卵屋や養鶏家さんは

多いかと思います。

 

ですが、ところ変わって米国では

それが全く響かないお客様が、

日本とは比較にならないくらい

沢山います。

 

肥満の多い米国では、

数年前よりヘルシーメニューとして

「たまごの白身」だけを使った料理が

ブームになったりもしています。

米国マクドナルドでは

「白身だけエッグマフィン」、

ダンキンドーナツの「卵白フラットブレッド」

ジャックインザボックスの

「白身だけ玉子サンドイッチ」などが

相次いで発売されて

ちょっとしたヒットとなりまして、

 

その結果卵白の液卵が不足し高騰、

80%も価格が上昇(過去最高)し

町のパン屋さん洋菓子店が

とても困る事態となったことも。

 

そのまま現在のヘルシーレシピへ

の流れや、ビーガン食の流行にも

受け継がれています。

誤解をおそれずに言うと、

多くの米国人は

「美味しいから」という理由では

卵を食べていないんですね。

 

日本も同様の影響がでていまして、

たまごメニューのこだわりの

伝え方も変わってくるかと思っています。

 

実際米国小売店の店頭では、

飼育や育て方、考え方の

こだわり訴求がずっと多いです。

 

あなたのお店のメニューでも、

もし、たまごのこだわりを

謳っていく際は、

味そのものじゃなく、

「考え方」「思想」

「健康」

「大切にしているもの」

「SDGs」など、

別の切り口が必要になってきます。

 

また改めて後日お伝えしますね~。

 

ここまでお読みくださって、

ありがとうございます。

カテゴリー | ソムリエ日記 , ちょっとつぶやき 2021年12月16日

こんにちは!

たまごのソムリエ・こばやしです。

西洋に「たまご同士のようにソックリ(As like as an egg to another)」

という言い回しがあります。

日本で言う「瓜二つ」ですね。

 

つまり卵が

「同じもの」の象徴

なワケですが、

 

卵を通してこだわりの価値を

届ける僕たちは、

 

はたして自分たちの卵を

「ちがいがあるもの」として、

高められているか・・・?

日々自問しながら

試行錯誤しています。

 

さて、

放し飼いや開放式農場などの小規模飼育

ニワトリさんの健康に良い

ステキに自然を活かしている

そんな良い点はもちろんありますが、

 

実のところ

「たまご品質にちゃんと差があるのか」

が大事な点だと思います。

 

ステキな環境

イコール

たまごの味が美味しい

 

というのは、

繋がっている様で理屈として

一致していない

そう感じます。

 

自然を活かす小規模飼育

この“品質上”のメリットの一つは、

「季節のゆらぎ」です。

 

仏教には「身土不二」という言葉があります。

「体と住む土地は分かち難い」

という意味で、

その土地でその季節に採れたもの

を食べるのが一番良いですよ~、

という事です。

 

たとえば夏に暑い日が続いた、

あ~ちょっとバテ気味だなぁ、

とあなたは感じる。

 

そんなとき、

放し飼いされている鶏さんも

やっぱりちょっとバテていて

餌食いが悪く、水を多めに飲みます。

そうすると、

その時期のたまごはややあっさり目になります。

 

反対に、とても寒い日が続くと

ニワトリさんも元気にたっぷり餌を食べ、

濃厚な風味のたまごを産む

そんな時期は、

あなたも元気に濃い風味のたまごを

体が欲する状況にあります。

 

こんな風に、

自然なゆらぎで、

生まれるたまごが

お客様にとって食べやすい風味となる。

 

自分の生活する環境と

同じ状況で育っている鶏が産む卵だから、

自分の体調にとってピッタリの風味になる。

 

これぞ身土不二、と言えるんじゃないかと思っています。

実際、こういった味のゆらぎは

飽きが来にくい

季節の好みに合う

などメリットも多くあります。

 

大ヒット商品のお茶「伊右衛門」は、

お客様の香りの好みを徹底的に分析して

 

寒い時期には香ばしくて

はっきり特徴の強い香り、

夏はさわやかな香りが

好まれることを突き止め、

それぞれの季節で製法を変えているそうです。

 

お客様への品質PRに

「自然を活かすことで、

一年中あなたの体調に

ぴったりの風味となる卵です。」

 

こんなお伝えの仕方が

あなたのお店の玉子料理のメニューの

魅力につながるかもしれません。

 

ここまでお読みくださって、

ありがとうございます。

カテゴリー | ソムリエ日記 , ちょっとつぶやき 2021年12月15日