小林ゴールドエッグ

ソムリエ日記 SOMMELIER DIALY

ソムリエ日記 記事一覧

こんにちは!

たまごのソムリエ・こばやしです。

 

だんだん冬らしくなってきて、

大手チェーン店の「月見」メニューが終わりましたね。

秋の時期、いろんなところで卵の黄身をみるので、

なんだかウキウキしておりました。

先日ひさびさにリアルでの会食の機会があり、

飲食街を通ったところ、

類似の店舗の真ん前に

大手チェーン店が出店しているのを見かけました。

 

飲食業界って、ホント厳しいなぁ、と思うのは

こういうのを見た時ですね。

参入障壁が低いので、

どんなに繁盛しているお店でも、

明日、となりや向かい側に

競合店ができるかもしれない。

感覚的には、

資本の大きい方が、

挑戦的な出店をしているように感じます。

 

そうなると、

大手チェーン飲食店さんと

どう差別化するかが

大事なリスクヘッジになってきます。

 

もちろん

味がちがう

サービスが違う

こんなこだわりで

差別化になるかとは思いますが、

 

わかりやすく

中小企業としての強みを活かすなら

「食材のこだわり」

これです。

 

数百店舗規模になりますと、

ゼッタイできない仕入れ食材が

あるんです。

 

たとえば牛丼チェーン店で言いますと

すき家さんが約1900店舗

吉野家さんは約1200店舗

 

この規模の仕入れになりますと、

食材の「銘柄指定」の仕入れは、

供給リスクの方が大きく

大手さんは手を出しません。

 

つまり、

『淡路島ブランドの玉ねぎ』

とか

『伊勢神宮御奉納・すだちで育った卵使用』

なんて戦略を取ると

いざ、人気になって注文増と

なったとき「手に入らない…!」

となって対処のしようがないんですね。

 

急場の場合にすぐ調達できるように

銘柄指定をうたわない

食材を使用する。

そんな傾向があります。

 

冒頭の月見バーガーだって、

「〇〇銘柄卵使用!」なんて

今後もうたえないでしょう。

 

仮に、食材のこだわりをうたうなら

生産量の莫大な

相当大きなブランド銘柄じゃないといけない。

 

でも、それってすでに

「どこでも買える」

くらいの量・銘柄になっちゃうんですよね。

 

ですので、

小規模の飲食店さんの

効果的な仕入れとしては、

ちょっとこだわりの銘柄を

きちんと打ち出すのが

効果的じゃないかと思うんです。

 

そして特に、

たまごの場合は

お肉や魚なんかと違って、

 

かなりこだわって

料理で「こりゃ違う!」

ってなるくらいのものを使っても

 

一食当たりに直すと

数円~せいぜい10円程度のコスト差です。

効率としてはスゴク良い食材だなぁ

と感じます。

 

ぜひ、あまりコストを変えずに

お客様の喜ぶ差別化メニュー

そんな選択肢としてのたまご

いちど考えてみて下さいませ~。

 

ここまでお読みくださって、

ありがとうございます。

カテゴリー | ソムリエ日記 , 飲食店さまへ 2021年11月12日

繁盛するたまごメニューを応援しています!

ニッチなメニュー、って

少ない労力でナンバーワン!

になりやすいんです。


こんにちは!

たまごのソムリエ・こばやしです。

 

今日11月11日は

2年前まで「いちばん記念日が多い日」でした。

46個もあるんだそうです。

 

現在の一番は「10月10日」で

こちらは記念日50個!

 

十一が2つ重なると

「圭」になりますので、

「鮭の日」(11月11日)

なんてのはちょっとセンスがイイなぁとは思いますが、

コンセントの日

麺の日

ゲタの日

箸の日

煙突の日

 

みたいに、

1111の見た目から来ている記念日が

いっぱいありますして、

見た目でいうなら、

まだまだ増えそうです。

 

これ、イベント的に考えますと、

ほかの記念日が少ない方が

メディアでも取り上げてもらいやすいですよね。

 

ちなみに翌日の11月12日だと

たった5つしか記念日ありませんし、

たとえば1月2日だと、

実質ゼロです。

 

うるう年だけの

2月29日はどうなんだろうなぁ、

と思って調べてみたら、

なんと3つありまして、

その内の1つが「円満離婚の日」

 

4年にいっぺん、

夫婦関係を見直してみよう

という趣旨だそうで、

なかなかオソロシイです(汗)

 

ただ、50個相手にするよりは、

話題になりそうですよね。

 

こんな風に、

料理メニューなどでも、

ちょっと軸を変えてみる事で、

 

オンリーワンになれる可能性があります。

「地域一番」

「カテゴリー一番」

なんてうたえるかもしれません。

 

たとえば楽天通販サイトだと

「プリン」のカテゴリには

5千を超えるページがありますが、

「ババロア・ムース」のカテゴリだと

たった3百件

十分の一以下です。

 

もちろん、

ニッチなカテゴリには

「ほしい!」人も少ないかもしれませんが、

 

「ナンバーワン」を目指すなら

ニッチ攻めの考え方は

面白いんじゃないでしょうか。

 

たとえば、

マグロ丼や玉子丼・親子丼は結構定番ですが、

生たまごと納豆、マグロなんかに

オクラほうれん草など

地域野菜を盛った丼を

「ばくだん丼」と総称するのですが、

日本各地に郷土のレシピがありながら、

この名前自体はジャンル、

というまでは知られていません。

 

大戸屋さんや有名お寿司屋さんでも

出されているので、

最近知っている方も増えてきた印象です。

 

たまごの特徴や食感もすごく出やすくって

僕も大好きな料理です。

 

ばくだん丼地域一番!

はねらい目としては面白いんじゃないかと感じます。

 

たとえば洋菓子でも、

アルファフォレスのように

大航海時代に

世界を半周して伝わってきた南米のお菓子もあります。

日本ではニッチですが、

ストーリー込みで

面白い専門化ができるかもしれません。

 

ぜひニッチで一番な、

たまごメニューを考えてみて下さいませ~。

ここまでお読みくださって、

ありがとうございます。

カテゴリー | ソムリエ日記 , ちょっとつぶやき 2021年11月11日

外食店さま向けの記事です。

コロナ禍で特に感じることが

多くなっている「面倒くさい料理」

玉子料理ではそこが利益の源なんです。

 


こんにちは!

たまごのソムリエ・こばやしです。

少し前ですが、

「簡単そうに見えて実は面倒くさい料理ランキング」

という記事がネットで上がっていました。

 

1位 ポテトサラダ

2位 唐揚げ

3位 冷やし中華

でしたが、なるほど納得ですね。

そもそもカンタンそうには見えない気もしますが、

見た目よりもずっと面倒くさいという意味でしょうね。

ポイントとしては、

どれも工程が多い

食材や準備物が多い

ことが共通してますね。

 

もうひとつ

これらに共通する特徴は、

外食・テイクアウトの定番

なことじゃないでしょうか。

 

面倒くさい

だから家でつくらない

なので外で食べる

 

こんな構図ですね。

ポテトサラダや唐揚げの無い

居酒屋なんてほぼ無いですし、

 

コンビニで冷やし中華を

買った経験は一度や二度じゃないでしょう。

 

つまり、「面倒くさい」料理は

外食の独壇場なんですね。

そこに価値を大いに感じてくれている。

 

さて、

そんな家でつくるのに難しさを感じる

料理のひとつが、

「玉子料理」

なんです。

 

以前も少し紹介しましたが、

20代の若者は、

60代の半分しか毎日卵を食べていません。

(関連:なぜ玉子料理メニューで粗利が取れるのか!?-たまごのソムリエ面白コラム

 

たまごかけごはん以外の

たまご料理って、

どれも多少の「技術」を習得しないと

おいしく作れないんですよね。

 

もちろんカンタンにできるコツも

たくさんありますが、

それでもプロが作るものと

大きな差が出やすい食材です。

 

いくら練習しても

一日300食つくる

ホテルの朝食シェフさんには

かなわないですし、

 

一日中焼き続けている

築地の玉子焼き専門店さんの

ようにはなかなか作れません。

 

原材料費はそう高くない分、

たまご料理は、外食さんで

「面倒さ」と「技術料」を利益に変えられる

利益提供食材でもあります。

であれば、

「よりめんどくさそうなたまご料理」が

もっと価値を感じてもらえるわけですね。

 

最近であれば、

トルネードオムライスや

ふわふわスフレオムライス

みたいな、

ちょっとひと手間のオムライスがとても受けています。

 

煮たまご

だしまきたまご

も、低温でじっくり作って

とろとろの食感にしたり、

 

たまごかけごはんでも

48時間かけるレシピ

なんてものもあります。

 

ああ、これ家じゃ作れないな

そう思わせる工夫で、

ぜひ利益の源になる

玉子料理を人気メニューにしてみてくださいませ。

 

ここまでお読みくださって、

ありがとうございます。

カテゴリー | ソムリエ日記 , ちょっとつぶやき 2021年11月10日

こんにちは!

たまごのソムリエ・こばやしです。

「アニメの『玉子焼きを箸から落とす』シーンをチェックする」

というアニメファンの話題があるのをご存知でしょうか?

 

会話でショックを受けて

ガーン…!

となったときに、

食べていたお弁当の玉子焼きを

ハシから取り落とす。

こんなシーンが

いろ~んなアニメで見られるんですね。

 

なんとあの大ヒット映画「君の名は」でも

「玉子焼き落とし」があったとのことで

いや~、正直気が付きませんでした。

というか、気にしたことがありませんでした。

 

『逆に定番イメージがあるから、最近使われなくなってきているのでは?』

と心配されるくらい、

多くのアニメであったようです。

 

面白い視点ですね~。

たまご屋としてとても興味深いです。

実写のドラマではあまり無いですので、

アニメ特有の表現なんですね。

 

おそらく、

・お弁当の定番と言えば玉子焼き

・遠目にも「黄色」で見た目に判りやすいので、アニメのシーンで描きやすい?

などが理由でしょうか。

 

海外のアニメファンの人からすると、

「あの黄色い四角ってナニ??」

ってなりそうですが、

日本人なら、ちらっと映っていても

「あ、玉子焼きだ。」って分かりますもんね。

〇定番だからこそ意外性を

この事から

ご飲食店さんの繁盛メニューを考えますと、

「玉子焼き・出汁巻きたまごはありふれている」

「定番だと思っていて期待値は高くない」

という点があります。

 

お弁当などでも、「わー!玉子焼きだ!」

ってならないですよね。

 

ですから、逆にそこで差別化が出せると

「!」という驚きになります。

 

たとえば玉子焼きをつくったら

必ず一日寝かせて

お客様にお出しする和食店さんがあります。

しっとり重厚な食感になって

ちょっとビックリのおいしさです。

 

オーナーシェフさんのこだわりが

いつも非常に面白い繁盛店さんの

人気メニューになっています。

 

保水性のたかい食材

焼き麩などを荒く砕いてまぜて

めちゃめちゃジューシーな

出汁巻き玉子

なんてのも面白いです。

 

また、焼き上がりの色味が

まったく違う。

黄金色になったり、

真っ白になったり

そんなたまごもあります。

ぜひ、

ビックリシーンで「定番」に使われるくらい

フツーだと思われている玉子焼きを、

 

食べてビックリ!ファン化の源と

してみてくださいませ~。

 

ここまでお読みくださって、

ありがとうございます。

(関連:たまご焼きはなぜ甘いか?(お砂糖の意外な効果)たまごのソムリエ面白コラム

こんにちは!

たまごのソムリエ・こばやしです。

ローソンストア100さんが、

「ミートボールだけ弁当」を出すそうですね。

前回話題になった「ウィンナーだけ弁当」の第二段です。

 

いわゆる

「こんなのでいいんだよ。」

と言われる弁当ですね。

 

うーん、美味しそう。

栄養バランスも無視

味のバランスも考慮していない

野菜の緑や黄色味、彩なんかもない。

なのに、

なぜ、このお弁当に

心惹かれるのでしょうか…?

 

少し前から、

あえて「美味しい」を減らしても

「好き!」

な点だけを重視した

人気料理が増えています。

 

言うなれば『フェチ』な料理です。

 

『ハッピーターンの粉だけ大量に舐めたい!』みたいな・・・

たとえば、超あんこが多いアンパン、なんてのがあります。

ほぼアンコのみ。すごいですよ。

でも超人気なんですよ。

あんこ好きからすると、もうたまらんわけです。

ほぼフルーツの果物サンドもありますが、

これなんかも、一個千円もしますが、

出すと即売り切れの大人気です。

 

その前には、

ハッピーターンの粉250%!の商品や

チーズが超たっぷりのお菓子など、

やりすぎ!いいぞ!

というカンジの商品も

人気になってますね。

これ、

「いちばん美味しい」というバランスから

明らかに外れている。

そんなメニューであっても

好まれてるんですね。

 

〇それを食べるための手段が「料理」

以前、俳優の大沢たかおさんが

「エビフライはタルタルソースを食べるための棒」

って言っていたことがあります。

 

いま流行りつつある「フェチ」料理は

まさにこの一言に集約される気がします。

 

つまり、

「あんこを食べるため」の手段としてのあんぱん

「フルーツを食べるため」のサンドイッチ

 

だから、バランスが崩れていてもいいんです。

だって「それ」が食べたいだけだから。

 

おいしさを多少減じても、

大好きなものをたっぷり味わってもらえる。

そんな料理に人気化のヒントがあるかもしれません。

 

サケの皮がめっちゃ美味い焼魚朝食、

卵黄たっぷりトロトロ親子丼、

生クリームだけ食べるスイーツ!

 

ぼくは目玉焼きのはじっこカリカリが

大好きなんですが、

 

これだけ集めた香ばしサンドイッチ

だれか開発してくれないでしょうか。

ぜひ、意外なフェチ料理

あなたのお店のこだわりで

お試しくださいませ~。

 

ここまでお読みくださって、

ありがとうございます。

カテゴリー | ソムリエ日記 , ワクワクすること 2021年11月8日

ご飲食店さま向けに書いてます。


こんにちは!

たまごのソムリエ・こばやしです。

トヨタがドライバーに不快感を与えずに

眠気を覚ますシステムとして、

「懐メロを的確に流す」仕組みを

開発中なんだそうですね。

 

『心が震えるような感情を喚起し、眠気が覚めやすくなる』

という実験データが出ているそうで、

なるほど、自分に照らし合わせても納得です。

 

人生で一番多感で、

テンション高かった

時期の曲を聞いたら、確かに

今でも気持ちがアガりますね~。

 

さて、この

「懐かしさ」って、

「食」の世界でも、

めちゃくちゃ強い武器なんです。


若いころ、僕は食品メーカーの研究開発員でした。

あるとき納豆事業の新商品を開発するチーム

にいたんですね。

 

「たれのおいしい王道の納豆」

という開発テーマをもらいまして、

頭をひねりすぎて

ねじ切れるんじゃないかと思うくらい

悩みながら試行錯誤しました。

 

その結果、

かなり素晴らしい風味・ダシ薫るものができたのです。

 

で、発売前に市場調査をしてみよう

という事になったんですね。

 

その地域で一番売れている

ロングセラーの納豆と、

僕が開発した新たれ納豆を比べる試験です。

で、ブラインド試験っていいまして、

パッケージを外して

どっちかわからない状態で、

おおぜいの一般の方に

試食をしていただくんですね。

 

すると…

「どっちが美味しいですか?」

という質問では、

なんと!

ボクが開発した商品の方が

「美味しい」

と多数の人に選んでもらえたのです。

 

一人試食がすむごとに

待ちきれずに回答を確認するのですが、

 

「カツオだしの香りがすごく良い」

「風味が新鮮でおいしい」

なんて書かれてまして、

 

やった!これは反応良いぞ!

と感じてました。

 

で……

「発売されたら

どっちを買いたいですか?」

という質問を、

アンケート紙の最後にしてあったのです。

 

すると‥‥‥

なんと、ボクの試作品よりも、

圧倒的に

「地域一番の納豆」を

「買いたい納豆」として

選ぶ人が多かったのです。

 

がーん‥!

????

僕が作った方が「うまい」って言ってるのに??

 

理由を読むと、

「なんか懐かしくて好き」

「子供のころからの慣れた味がする」

なんて理由で、選んでいたのです。

 

そう、

思った以上に、

ロングセラー

「昔から慣れ親しんだ」

って、すごい武器なんです。

 

生半可な「おいしさ」じゃあ勝てない。

 

「特に品質の高いわけじゃないお米でも

採れた地元では、魚沼産の一級米よりも評価が高いことがザラにある。」

大手お米問屋の社長さんにそんな話を聞いた事もあります。

 

全国いろんな銘柄の「醤油」を取り寄せて

たれをつくった結果、

キッコーマンの醤油を使ったものが一番高評価だった。

そんなこともありました。

こんな本も出ていますが、

オムライスなんかも、

昔と今でずいぶん変わっています。

 

若かりしころの原動力を思い出す

「懐かしさ」を今のメニュー要素に

翻訳してうまく取り入れれば、

根強い人気になるかもしれません。

 

たとえば、

昭和に人気だった

ひき肉と玉ねぎのオムレツ

今の時代なら、

お米を包む

オムライスよりも

低糖質ですし、

 

うまくアレンジすれば

新たな懐かしの人気メニュー

として盛り上がるかもしれません。

 

ぜひ「懐かしさ」の取り入れ

考えてみて下さいませ~。

 

ここまでお読みくださって、

ありがとうございます。

カテゴリー | ソムリエ日記 , ちょっとつぶやき 2021年11月7日