小林ゴールドエッグ

ソムリエ日記 SOMMELIER DIALY

ソムリエ日記 記事一覧

こんにちは!

たまごのソムリエ・こばやしです。

ローソンストア100さんが、

「ミートボールだけ弁当」を出すそうですね。

前回話題になった「ウィンナーだけ弁当」の第二段です。

 

いわゆる

「こんなのでいいんだよ。」

と言われる弁当ですね。

 

うーん、美味しそう。

栄養バランスも無視

味のバランスも考慮していない

野菜の緑や黄色味、彩なんかもない。

なのに、

なぜ、このお弁当に

心惹かれるのでしょうか…?

 

少し前から、

あえて「美味しい」を減らしても

「好き!」

な点だけを重視した

人気料理が増えています。

 

言うなれば『フェチ』な料理です。

 

『ハッピーターンの粉だけ大量に舐めたい!』みたいな・・・

たとえば、超あんこが多いアンパン、なんてのがあります。

ほぼアンコのみ。すごいですよ。

でも超人気なんですよ。

あんこ好きからすると、もうたまらんわけです。

ほぼフルーツの果物サンドもありますが、

これなんかも、一個千円もしますが、

出すと即売り切れの大人気です。

 

その前には、

ハッピーターンの粉250%!の商品や

チーズが超たっぷりのお菓子など、

やりすぎ!いいぞ!

というカンジの商品も

人気になってますね。

これ、

「いちばん美味しい」というバランスから

明らかに外れている。

そんなメニューであっても

好まれてるんですね。

 

〇それを食べるための手段が「料理」

以前、俳優の大沢たかおさんが

「エビフライはタルタルソースを食べるための棒」

って言っていたことがあります。

 

いま流行りつつある「フェチ」料理は

まさにこの一言に集約される気がします。

 

つまり、

「あんこを食べるため」の手段としてのあんぱん

「フルーツを食べるため」のサンドイッチ

 

だから、バランスが崩れていてもいいんです。

だって「それ」が食べたいだけだから。

 

おいしさを多少減じても、

大好きなものをたっぷり味わってもらえる。

そんな料理に人気化のヒントがあるかもしれません。

 

サケの皮がめっちゃ美味い焼魚朝食、

卵黄たっぷりトロトロ親子丼、

生クリームだけ食べるスイーツ!

 

ぼくは目玉焼きのはじっこカリカリが

大好きなんですが、

 

これだけ集めた香ばしサンドイッチ

だれか開発してくれないでしょうか。

ぜひ、意外なフェチ料理

あなたのお店のこだわりで

お試しくださいませ~。

 

ここまでお読みくださって、

ありがとうございます。

カテゴリー | ソムリエ日記 , ワクワクすること 2021年11月8日

ご飲食店さま向けに書いてます。


こんにちは!

たまごのソムリエ・こばやしです。

トヨタがドライバーに不快感を与えずに

眠気を覚ますシステムとして、

「懐メロを的確に流す」仕組みを

開発中なんだそうですね。

 

『心が震えるような感情を喚起し、眠気が覚めやすくなる』

という実験データが出ているそうで、

なるほど、自分に照らし合わせても納得です。

 

人生で一番多感で、

テンション高かった

時期の曲を聞いたら、確かに

今でも気持ちがアガりますね~。

 

さて、この

「懐かしさ」って、

「食」の世界でも、

めちゃくちゃ強い武器なんです。


若いころ、僕は食品メーカーの研究開発員でした。

あるとき納豆事業の新商品を開発するチーム

にいたんですね。

 

「たれのおいしい王道の納豆」

という開発テーマをもらいまして、

頭をひねりすぎて

ねじ切れるんじゃないかと思うくらい

悩みながら試行錯誤しました。

 

その結果、

かなり素晴らしい風味・ダシ薫るものができたのです。

 

で、発売前に市場調査をしてみよう

という事になったんですね。

 

その地域で一番売れている

ロングセラーの納豆と、

僕が開発した新たれ納豆を比べる試験です。

で、ブラインド試験っていいまして、

パッケージを外して

どっちかわからない状態で、

おおぜいの一般の方に

試食をしていただくんですね。

 

すると…

「どっちが美味しいですか?」

という質問では、

なんと!

ボクが開発した商品の方が

「美味しい」

と多数の人に選んでもらえたのです。

 

一人試食がすむごとに

待ちきれずに回答を確認するのですが、

 

「カツオだしの香りがすごく良い」

「風味が新鮮でおいしい」

なんて書かれてまして、

 

やった!これは反応良いぞ!

と感じてました。

 

で……

「発売されたら

どっちを買いたいですか?」

という質問を、

アンケート紙の最後にしてあったのです。

 

すると‥‥‥

なんと、ボクの試作品よりも、

圧倒的に

「地域一番の納豆」を

「買いたい納豆」として

選ぶ人が多かったのです。

 

がーん‥!

????

僕が作った方が「うまい」って言ってるのに??

 

理由を読むと、

「なんか懐かしくて好き」

「子供のころからの慣れた味がする」

なんて理由で、選んでいたのです。

 

そう、

思った以上に、

ロングセラー

「昔から慣れ親しんだ」

って、すごい武器なんです。

 

生半可な「おいしさ」じゃあ勝てない。

 

「特に品質の高いわけじゃないお米でも

採れた地元では、魚沼産の一級米よりも評価が高いことがザラにある。」

大手お米問屋の社長さんにそんな話を聞いた事もあります。

 

全国いろんな銘柄の「醤油」を取り寄せて

たれをつくった結果、

キッコーマンの醤油を使ったものが一番高評価だった。

そんなこともありました。

こんな本も出ていますが、

オムライスなんかも、

昔と今でずいぶん変わっています。

 

若かりしころの原動力を思い出す

「懐かしさ」を今のメニュー要素に

翻訳してうまく取り入れれば、

根強い人気になるかもしれません。

 

たとえば、

昭和に人気だった

ひき肉と玉ねぎのオムレツ

今の時代なら、

お米を包む

オムライスよりも

低糖質ですし、

 

うまくアレンジすれば

新たな懐かしの人気メニュー

として盛り上がるかもしれません。

 

ぜひ「懐かしさ」の取り入れ

考えてみて下さいませ~。

 

ここまでお読みくださって、

ありがとうございます。

カテゴリー | ソムリエ日記 , ちょっとつぶやき 2021年11月7日

こんにちは!

たまごのソムリエ・こばやしです。

 

欧米で言われる

「ウォーターエッグ」

って何の料理か分かりますか?

 

これ、「茶わん蒸し」のことなんです。

 

まぜた卵に水分を付加して

蒸気で蒸す

プルンプルンの食感になって

「めちゃめちゃ美味しい!」

 

っていう「新しい」とか

「ステキなアジア料理」

という感覚で、海外では

評価が高くなっています。

ちなみに中国語では「蒸水蛋」って呼びます。

直訳すると「蒸し水たまご」。

「水と混ぜる」というのがポイントなんですね。

 

日本人的には入れるのが

「ダシ汁」ですし、

「水」っていう意識はあまり無い気がしますね~。

 

たまご料理に水分付加って、

世界的には珍しいのかもしれません。

 

西洋には似た料理に『カスタードプティング』がありますが、

ご存知の通りこれはスイーツ

甘いんです。

「塩味のおかずみたいなケーキ」

ケークサレが美味しいけど

日本人的に

かなり珍しい感覚になるのと

同じカンジで、

 

「面白い!」と

海外TikTokなどでも

話題になって流れてたりします。

 

洋風では、

アスパラソースや魚介ソースの茶碗蒸し仕立て

などいくつか美味しいバリエーションを見たことがあります。

また、

もうちょっと刺激的な味や

エスニック風も合うんです。

 

たとえば、

チリオイル(洋風ラー油)

なんかを垂らすだけでも

絶品のピリッとした美味しさになりますし、

 

ひき肉を入れて

ちょっとナムプラーを合わせた

タイ風(?)の茶碗蒸しは、

かなり新しいおいしさです。

 

〇歴史的に中華料理に合う?

もともと茶わん蒸しの成り立ちは、

中国からの客人饗応のために

長崎で考案された料理が最初と

いわれています。

 

蒸し料理は中国ではかなり大きな料理カテゴリですし、

やっぱり茶わん蒸しと中華料理は相性良いなぁ、と感じます。

チャーシューなどを使った茶わん蒸しや、

香辛料の風味相性も絶品です。

 

1894年発行の中国人や西洋人をおもてなしする為のレシピ本『仕出しいらず女房之気転 一名和漢洋料理案内』には、しっかり「茶わん蒸し」が出てきています。

風味のアレンジもしやすいですし、

もともと外国人饗応のためのレシピです

茶碗蒸しは、

海外向けにご提案できる幅のある料理なんですね~。

 

ぜひ、いろんなアレンジを考えてみて下さいませ~。

ここまでお読みくださって、ありがとうございます。

(参考:明治期における中国料理の受容・東四柳祥子)

カテゴリー | ソムリエ日記 , たまご全般コラム 2021年11月6日

本日は飲食店さま向けに書いてます。


こんにちは!

たまごのソムリエ・こばやしです。

本日は「いい卵の日」なんです。

11月05日で、

い い たま ご

です。

 

業界的には大きなイベント日なのですが、

飲食店さんというよりは、小売店さんでのイベントが多いイメージですね。

 

ただ、露出は結構多いので、

いい卵の日にあわせた

外食さまでの

面白たまごメニューなんかは

メディア発信との相性も良さそうな気がしますね。

 

さて、この日に合わせて、

キューピーから毎年「たまご白書」という調査書がでます。

けっこうおもしろいんですよ。

 

たとえば、

好きな卵料理はなに?

という質問を調査しているのですが、

3年連続で一位は、

「目玉焼き」

 

それも、「片面半熟」が大多数です。

 

たしかに、美味しいですよね~。

目玉焼きってホント奥が深くって、

ちょっとしたコツを

知っているかどうかで

めちゃくちゃ美味しくなります。

 

人気一位の目玉焼き

ただ……

飲食店さんでは、

「じゃあ目玉焼きメニューを増やそう。」

…と考えても、逆効果になるかもしれません。

 

それは、

「非日常じゃない」から。

飲食店さまでは、

特別な時間

ステキなひととき

を望んでいます。

 

たまご料理であれば、

「家では見たことない…!」

「家では作れない…!

となるものが、

お客様にとってワクワクしますよね。

 

「目玉焼き」を

どんなにお客様が大好きでも、

「家でも作れる」のであれば

外食さまでの価値は低いのです。

 

なので、

たとえば

フレンチの技法、

「トリュフの香りづけをした絶品目玉焼き」

なんてのも良いですし、

 

もっとシンプルに外食様向けの美味しさで言いますと、

 

バターを3倍つかった目玉焼き

「たっぷりバターでカリカリに仕上げた黄身とろ目玉焼き」

なんてのはステキじゃないかと思います。

たっぷりバターの香りが絶品で、

香ばしい食感が最高です。

そして、

家庭ではまず!もったいなくてやっていません。

 

食べて驚きがあります。

 

また、カリカリ食感だけを目指すなら、

スペインの伝統料理

「ウェイボフリート(揚げたまご)」

たっぷりの油で揚げるようにつくった目玉焼きもあります。

揚げ用の油を常につかっていらっしゃる、

外食さんならではの美味しさじゃないでしょうか。

 

油たっぷりネタばかり紹介してますね。

 

もちろん付け合わせサラダなどで

ヘルシー感の工夫は必要ですが、

 

なんにせよ、

「家では作らない。作れない。めんどくさい。」

が飲食店さまの

粗利のとれるたまご料理メニュー

のキーワードです。

 

目玉焼きの人気要素、

ぜひうまく取り入れてくださいませ~。

 

ここまでお読みくださって、

ありがとうございます。

ご飲食店さま・洋菓子店さま向けに書いてます。

こんにちは!

たまごのソムリエ・こばやしです。

朝晩だいぶん肌寒くなってきましたね!

 

先日発表の

イスラエル・テルアビブ大学研究によると、

コウモリ

人間

どれも、男性(♂)よりも女性(♀)が寒がりなんだとか。

面白いですね。

 

研究発表した博士・レビン氏によると、

メスが子供を産んで「くっついていたい」

と思うように寒がりに

またオスが繁殖期にヒナを攻撃したり

エサをめぐって争わないように暑がりに

そうなっているのでは?との推論で

なかなか興味深いです。

 

さて、今日のテーマは寒~い冬の

「卵のイベント」について。

 

飲食店様、洋菓子店さまでは、

年末の繁忙期をひかえて、

ご準備など大変な時期かと思います。

 

本日はその後、年明けの販売について。

年開け1月は、飲食店様で

たまごメニューでイベントや

フェアを組むメリットの大きい月です。

 

なぜなら、一年で一番

鶏卵の相場価格が安い!のですね。

 

また、食べると金運が上がる!と風水で言われる

「寒たまご」の時期でもあります。

 

「大寒の頃生まれの卵を食べると、一年間の金運が上がる」

こんな風水のいわれがありまして、

意外とずいぶん定着した感がありますね。

15、6年前であれば

「何それ?」という感じでしたが、

ここ数年は色々な売り場でもPRが出て、

ご存知の方も多くなってきているように思います。

 

幸い(?)なことに

『食べるとやせる』とか『血圧が~~』なんて言うと薬事法に触れますが

『食べると金運が上がる』は

とっぴすぎて法にはひっかかりません。

 

過去の事例では、

パン屋さんで

「本日のたまごサンドは食べると金運が上がります」なんて特別感を出していただいたり、

 

パチンコチェーン店さん内の飲食店で

「今日のたまごは食べると金運が上がる」

なんて、いわれと共にキャンペーンを

いただき好評だったりしています。

 

〇なぜ金運が上がる?

大寒たまごは

『食べると健康になる』

といういわれも根強くあります。

 

一年を24に分けたものを節気と言いまして

その節気のひとつ「大寒」は、

鶏始乳(にわとりはじめてにゅうす)とも呼ばれ、

鶏が寒い中で元気に卵を産み始める時期なんですね。

 

そこから転じて、

「大寒の節気は寒くて快適なため

一年で一番鶏が元気で

滋養に富んだ卵を産む。

だから、

この時期の卵を食べると

活力が増す。

活力が増して商売がうまく行く」

 

こういう由来が伝わって、

すなわち『金運が上がる』と言われる

由来になったわけなんです。

 

じっさい、

ふだんの時期とくらべて

2割くらい

エサを多く食べます。

 

なので脂溶性ビタミンなどの栄養素も、

この時期が最も高く含まれる

傾向があります。

 

「最も滋養に富む卵」の時期だ

そう、いわれもお伝えしながら、

 

金運が上がる卵として

面白がっていただくメニュー企画となれば、

谷間の時期、一月後半に利益を多く出せるのではないでしょうか。

ちなみに来年の大寒の暦は、

1月20から次の立春2月4日までの2週間です。

ぜひ繁忙期前に、

ワクワクのメニューや企画をお考えくださいませ~。

 

ここまでお読みくださって、ありがとうございます。

カテゴリー | ソムリエ日記 , ワクワクすること 2021年11月4日

飲食店さま、製パン洋菓子店さま向けに書いてます。


こんにちは!

たまごのソムリエ・こばやしです。

 

ヨーロッパのことわざに、

『ガチョウの卵をもらうために鶏の卵を屋敷に持って行く』

というものがあります。

 

これは「エビでタイを釣る」、つまり

「価値の低いもので価値の高いものをゲットする」

という意味。

 

このことわざに、

飲食店さんの

お客様がワクワクする

『こだわりたまごメニュー表記』

をするコツがあります。

 

ことわざに学ぶポイントは2つありまして、

ガチョウのたまご>鶏のたまご

つまり、

➀価値の違いがハッキリあるということ。

そして、

②それを皆が“認識”しているということ。

 

たとえば

「ジロール茸を持って行ってモリーユ茸をもらってくる」

なんてことわざだったら、

「どっちが価値が高いのか分からないよ??」

となって、これじゃ意味が成立しないですよね?

 

こだわり卵の銘柄を

メニューなどで表記アピールしようと思ったとして、

『〇〇卵使用しています』

なんて風に書かれているものを時々見かけますが、

 

「それが価値あるたまごなのか分からない」

「その卵のことを皆が知らない」

という状況だと

書いても意味がないのです。

 

銘柄で広く誰でもが

「知ってる!」となるものは、

もしかすると「ヨード卵」くらいかもしれません。

 

ですので、ポイントは

「なにが優れているかを書く」

「皆が分かるインパクト価値の卵をえらぶ」

ということじゃないかと思うんです。

 

“優れている点を書く”とは、

 

『〇〇卵使ってます』

よりは、

「香りが絶品なハーブ卵を使ってます」

「白身の弾力ぷりぷりの若どりたまごを使ってます」

の方が断然伝わるということですね。

 

また、

「皆が分かるインパクト」とは、

ことわざの

「ガチョウのたまごです」

くらい判りやすいってことです。

 

かつて、

女優のグイネス・パルトロウさんが

以前料理本を出した際に

 

「アヒルのたまご 2個つかう」

みたいなレシピを書いたところ

「そんな高いもの使えるか!」って炎上したことがあります。

 

アヒルのたまごが流通量も少なく、

一個数百円する『セレブ御用達のレアもの』

という共通認識があったからこその炎上ですね。

 

ガチョウやアヒルってのは極端な例ですが、

たとえば

「鶏が初めて産んだ『初産み』たまごです」

なんてのだと、

 

入手可能でありながら

これは珍しい!という印象があって

食べるお客様のウケも高いです。

 

他にも

「産みたて当日に直送しています」とか

「歩いて5分の距離で生まれたたまごです」

「一年で一日だけ、金運が上がるたまごです」

「全国にたった3農場しか育てていません」

など、好評だった

「インパクト」の切り口はいくつもあります。

 

いや、本音を言いますと、

ぼくたち卵屋は

「自分の届けるたまごの銘柄をPRしてほしい!」

という願望はあります。

 

ですが、

それはまず

あなたのお店で、

ファンになって

ワクワク味に楽しんでいただいてから、ですね。

 

ぜひ、こだわりの食材としてPRをされる際のポイントとして、考えてみて下さいませ~。

ここまでお読みくださって、

ありがとうございます。

カテゴリー | ソムリエ日記 , たまご・鶏のことわざ 2021年11月3日