小林ゴールドエッグ

ソムリエ日記 SOMMELIER DIALY

ソムリエ日記 記事一覧

こんにちは!

たまごのソムリエ・こばやしです。

「ブラック企業の精神は聖闘士星矢から教わった」

というツイートが話題になってましたね。

よく考えたらこれヒドイですよね(笑)

 

ちなみにこの女性(アテナ)が、

主人公がぶっ倒れることになったそもそもの原因です。

 

僕は70年代生まれですが

マンガに限らず

アニメでも戦隊シリーズでも

「死ぬ気でがんばれ」的なストーリー

 

すごく多かったですよね。

 

今の10代・20代ターゲットの

ライトノベル小説では、

「苦しい修行シーン」を書くと

読む人が減るんだそうです。

 

上のシーンも

いま見ると笑えますが、

当時の小学生は手に汗握る

「がんばれ!」シーンだったわけです。

 

世の中の

頑張りの方向性について、

確実に考え方が変わりましたよね。

 

また、年末の人気番組「笑ってはいけない」

シリーズが終わりになったのも、

「暴力による笑い」がもう時代に合わないからだ

という専門家の声もありますね。

たしかに。

 

こんな風に

世の中が変わったように

「良いたまご」も

時代と共に変わっています。

 

昭和の時代・戦後

「いいたまご」とは

「安心安全なたまご」のことでした。

 

きちんと管理された農場

ちゃんと洗卵選別された

食べても安全なたまご。

 

これだけで、とても貴重で

価値があったのです。

 

先代であるボクの父は、

そんな安心なたまごを届けるべく

洗卵選別工場(GPセンター)を

つくりました。

 

でも、現代

安心で安全なたまごは、

「あたりまえ」なんですね。

 

自販機で買ったコーラが必ず冷えているくらい

卵が安全なのは当たり前。

 

そして安心安全であり、

昭和にはフツーだった

自然を取り入れた飼育たまごが

希少で価値があるものとなっています。

昔の人が見たら、

「エッ!?こんなのフツーじゃん。」

って感じるでしょう。

 

僕たちも、以前は

「安心であること」

「すぐにお届けすること」

が強みでした。

いまはあたりまえになっちゃいました。

 

ですので、今のお客さまに

ホントのお役立ちをするために、

『繁盛』の源となるたまご

『料理になったとき』いちばん美味しくなるたまご

という価値を目指しているんです。

 

おかげさまで

北は網走の小売店さん

南は沖縄のレストランさんまで

全国からご注文いただくようになりました

 

僕たちの考える「いいたまご」を更に高めて、

そんな新しい価値を感じてくださっているお客様と、

ワクワクする仕事ができる!

これはハッピーなことだなぁ

と毎日感じております。

 

ここまでお読みくださって

ありがとうございます。

カテゴリー | ソムリエ日記 , ちょっとつぶやき 2021年09月28日

こんにちは!たまごのソムリエ・こばやしです。

コロナ禍で売れたもの、売れなくなったもの

のデータで、売り上げが伸びたもの一位が「玩具菓子」という発表が少し前にありました。

 

アニメのおもちゃ菓子や、

『ねるねるねるね』みたいな

知育菓子も増えているんだとか。

 

コロナ禍で出かけられないため、

『家庭で遊べるもの』に脚光が当たってるんでしょうね。

 

最近のおもちゃって、ホントよくできてます。

子供に手をひっぱられるようにして

おもちゃ売り場に行くと、

ビックリするようなよくできたメカや

ギミックのおもちゃもあって、

子供そっちのけでテンションあがっちゃいます。

 

さて本日は、

「お店メニューで使える面白たまご調理おもちゃ」

のご紹介です。

『おかしなたまご まわしてまわしてまるごとプリン』(タカラトミー)

たまごの殻まるごとプリン

を作れる器具です。

機能は比較的単純で、

鶏卵を固定し高速回転させることで

中身がシェイクされ、

均一になります。

 

これを茹でると不思議!

たまごまるごとそのまんまで

どこにも切れ目がない面白プリンの完成です。

この装置、業務用としては以前からありまして、

「こだわりのプリン」

として量産している会社さんもあります。

 

ですがニッチな用途だけあって

機材はめっちゃ高価なんです。

それを『家庭用』として

商品化しようとしたタカラトミーさんは

いい意味でアタマがどうかしてますね。

 

かわいらしい見た目とうらはらに

細部までよく考えられていまして

組みたてやすく扱いもカンタンです。

 

作ってみるとわかりますが、

「たまごの殻を容器として使う」のは、

調理器具も少なめですみますし、

コスト面からみても理にかなっています。

作り方の性質上、

最初は味が付いてませんので(カラメルを後からかける形となります)、

和風の出汁餡などをかける事で

「ちょっと不思議なこだわり茶わん蒸し」

等としてもご提供可能です。

 

一気に大量に作れるものじゃぁありませんが、

カフェさんとか

小料理の一品として

仕込みをして作るのには

非常に便利です。

 

ウチでもいろいろ試作してみてるんですが、

どちらかというと茹で方にコツがいる感じですね。

熱湯からちょっと冷ます、くらいの温度の方がうまくいくカンジです。

 

ぜひちょっとした『単価の取れる一品』として

あそび心でご活用してみてはいかがでしょうか!?

※アマゾンで3000円くらいです。

 

ここまでお読みくださって、

ありがとうございます。

カテゴリー | ソムリエ日記 , 面白たまご話 2021年09月27日

こんにちは!

たまごのソムリエ・こばやしです。

 

TPPに中国が加入表明、

台湾も2週間違いで加入表明しましたね。

 

総裁選直前ですが、

次の総理大臣さんは

ホントかじ取りがむずかしい

責任重大ですね。

 

たまごはほぼ国産ですので

直接的には影響が少ないのですが、

TPPがスタートすると、

『卵の真の価値』

が問われるんじゃないかと思っています。


昔、食品メーカーの開発研究員だったころ、

納豆の開発担当だったことがあります。

 

その際に、上司のKさんに

「おいしい納豆ってどんなものだと思うか?」

って聞かれたことがあります。

そりゃあ

豆に旨味があって

食感がやわらかくて

糸ひきが…

なんて答えたかと思うんですが、

 

そのとき、

「じゃあ、その納豆が体に悪いと思っても食べたいか?」

って聞かれたんですね。

 

たとえば、

「油のしたたるステーキ」

「タルタルソースをつけた、アツアツの唐揚げ」

なんてのは、

体にいいと思って食べている人って少ないですよね?

(実際は適量なら体に良いですが)

 

あまり食べちゃいかんよなぁ。

そう思いながら

でも食べちゃう

 

これが、ホントの意味での

「うまい」

じゃないのか。

上司にそう言われたんですね。

 

じゃあ“納豆”は究極まで高めたら

そのレベルの「ウマイ」まで

持って行けるのか?

 

そうじゃないなら、

本質的に「おいしいもの」じゃないのではないか。

 

「だったら‥‥‥

アタマで喜んでもらう必要があるなぁ。」

というお話でした。

 

もう20年近く前の

酒の席の話しでしたが、

ずっと心に残っています。

 

これって、

「美味しいってなにか?」

っていう本質的な問いじゃないかと思うんです。

 

アタマで喜んでもらう

アタマで食べてもらうってのは、

舌だけの判断じゃなくって

 

「健康に良い」だったり、

「採れたての旬」であったり、

「伝統の調理法」であったり、

 

そういう

『情報』とか

『情緒』によってワクワクする事

そういう意味だと思うんですよね。

 

たまごは、どうでしょう??

たとえばもし体に悪かったとしても

「でもどうしても食べたい…!」

ってなるほどの美味しさを突き詰められるのかどうか。

 

人気グルメ漫画「美味しんぼ」で、

『本質的に人は生野菜が好きではない』

というお話がありました(第34巻)

これは大変攻めたテーマだと思うんです。

 

どこまで行っても、

本質的に「そもそもは美味しくない」

という要素を含むなら、

 

多面的な「情報」を食べてもらう必要がある。

「このピーマンは美味しい!」よりも、

「このピーマンのできた土がすごい!」

の方がアタマで食べたくなる魅力が多いんです。

 

TPPがはじまると、遠くない将来に

「日本産の質の良い野菜・食材」と

「外国産の超安い野菜・食材」が

売り場に並ぶかもしれません。

 

僕たちの業界で言うと

卵は『肉より安いから買っている』

っていうお客様が、一定の数いらっしゃいます。

 

じゃあ、TPPで『卵より安い』お肉が

日常的に売り場に並ぶなら‥‥‥

それでも果たして買ってもらえるのか…!?

 

「でも食べたい」になれるかどうか

そこで、

僕たちのたまごの真価が問われる。

そう思っています。

 

なので決して味・品質だけに頼らずに

価値を伝える「情報」の出し方を

高めていくべきですね。

 

また、

TPP後には、

飲食店さんのメニューの伝え方も、

だいぶん変わってくるんじゃないでしょうか。

 

考え出すとワクワクしますね!

 

ここまでお読みくださって、

ありがとうございます。

カテゴリー | ソムリエ日記 , ちょっとつぶやき 2021年09月26日

本日はご飲食様向けの、メニューのお話を。


こんにちは!たまごのソムリエ・こばやしです。

今週は中秋の名月でした。

日本では月見うどんなんてものがありますが

中国でも「黄身=月」の

見たて料理があります。

蛋黄月餅(たんふぁんげっぺい)って言いまして、

中秋節・十五夜の月見に食べるお菓子「月餅」に、

更に塩漬けのアヒルのゆで卵黄身を入れたもの。

 

あんこの中に鮮やかな黄色の黄身があって、

なるほど名月、ってカンジがします。

塩味とあんこがまた合うんです!

僕もかなり好きな味なんですよね~。

 

横浜中華街のホテルでは、

なんと直径1メートル

重さ約60キロで

皮の生地だけで12キロ

アヒルの塩卵700個もつかった

大蛋黄月餅が展示されていました。

すごいですね~。

 

ちなみに中秋節を過ぎると

月餅は大量に投げ売りされるそうで、

なんだかクリスマスケーキみたいですね。

 

ちなみに台湾にも『蛋黄酥』なる同様のお菓子があります。

あんこに丸い黄身、なのは同じなのですが、

皮が違います。

こちらは洋菓子の技法が使われてまして、

皮がバター生地でサクサクなんです。

 

上記の広東式とどっちも美味しいんですが

こんな風に

伝統の料理であっても、

別文化の技法を応用できるっていう点が

とっても興味深いです。

 

たとえば、

科学的に分析した最新の調理技法を楽しむ

ガストロノミー料理というジャンル

 

スペインバスク地方の三ツ星「アスルメンディ」の

東京店「エネコ東京」では、

「トリュフたまご」なるメニューがあります。

トリュフと卵は、

フレンチでは定番の超合う伝統の組み合わせ

 

ですが、調理法が型破りでして、

こちらの料理は

温めた新鮮な卵黄から注射器で中身を抜いて

トリュフソースを注入して作るんです。

 

口の中で両方の味が弾ける驚きの料理。

超濃厚な味が楽しめるんです。

 

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料理に注射器を使う

なんて以前であれば非常識でしたが、

煮たまご

目玉焼き

考えてみれば

いろんな可能性が広がりますよね。

 

先日紹介したファリッジの料理は、

『温泉玉子の温度帯』を駆使した

新食感のたまご料理ですし、

(参照『海外の新しいたまご料理は、ヒントいっぱい | たまごのソムリエ面白コラム

ほかにも温泉玉子の技法を利用した

スクランブルエッグ

オムレツ

いろんな面白い可能性があります。

 

ウチでもいろいろ実験していまして、

時間はかかるけど超おもしろいゆでたまごや

食感のすごい変わった玉子焼きなんかができて

めちゃくちゃ楽しんで

ノウハウが溜まってきています。

ご興味ある方はご一報くださいませ~。

 

温故知新

昔からある伝統のたまご料理やお菓子でも

ぜひ新たな技法をつかって

繁盛メニューをぜひ

ご研究くださいませ~。

 

ここまでお読みくださって、

ありがとうございます。

カテゴリー | ソムリエ日記 , 面白たまご話 2021年09月25日

たまごはありふれた食材なだけに、

メニューで特徴を出そうと思ったら

ちょっと工夫がいります。

特に「ゆでたまご」のように

家庭でできる料理は特にそうです。


こんにちは!

たまごのソムリエ・こばやしです。

Googleがニューヨークの中心部に

2300億円かけてオフィスを構える、

と発表して話題になってますね。

 

コロナ禍で世の中のリモートワークが

進んでいる中でなぜ逆行!?

という疑問が出ているようです。

 

でも、もともとGoogleは

仕事のリモート化を進めるとともに

「会う」ことを非常に重視している会社です。

 

『仕事の進捗なんかはオンラインでできる。

でも、週に一回、15分で良いから、

チームが顔をあわせて

コミュニケーションとらないと

良い仕事はできない。』

 

って思想で、

広い敷地の社内にも、

たくさんの自転車を配置したり、

部署の中間に

面白ミーティングルームをつくったり…

 

非常に空気感を大事にする

本来の「あたりまえ」も無視しない

ステキさがある会社のようです。

 

非常識とあたりまえのバランス、

僕たちも考えるべき点ですよね!

 

さて、本日のテーマは

「あたりまえに非常識をまぜる」です。

 

たまごって、

一年間にどれくらい食べられているか、知ってます?

日本の年間消費量は、

約一億3千万個。

日本国民がひとり毎日一個

食べている計算になります。

 

「卵は空気化している」

と言われるほど身近で

ポピュラーな食材なんですね。

 

それだけに、

フツーにお店のメニューや料理でお出ししたのでは

「ふつうじゃん。」

となりやすい一面も。

 

逆に、

ちょっとこだわると

「毎日食べている卵とゼンゼン違う!」

という驚きを作ることも

可能なんです。

 

たとえばサラダなんかに入れる

ゆでたまご。

 

ゆでたまごは

アツアツのうちに

ギュッと型に入れると、

好きな形状に変化します。

 

たとえば四角形

ちょっとゆでたまごを添えてあるだけでも、

なんかインパクトが出ますよね。

そして、

たとえばハート形

なかなかステキですよね。

丸箸とちょっとした板が2枚あればできます。

 

ちなみに四角形のゆでたまごをつくるのは

重しなどでもできますが、

海外では業務用型なんかも売っていたりします。

あと、個人用のものが通販でもあります

また、白身だけじゃなく『黄身』も、

ちょっとした工夫で好きな形に

演出する事ができるんです。

 

ディズニーランド内のレストランで出る、

『ミッキーの形をした黄身』

のゆでたまごが

有名ですよね。

応用で下の写真のような、

面白黄身のゆでたまご

が作れる器具も市販されています。

今までと同じこだわりの味でも、

ちょっと見た目を変える

 

そのひと手間で、

お客様の新しいワクワクと

喜びになります。

 

ぜひお試ししてほしい卵ネタです。

 

ここまでお読みくださって、

ありがとうございます。

こんにちは!

たまごのソムリエ・こばやしです。

本日は秋分の日、ですね。

 

じつは秋分の日は、

世界的な「たまごの都市伝説の日」

でもあります。

 

秋分の日と春分の日に必ず話題になる

たまごの都市伝説

それは、

「一年に2日だけ、昼と夜の長さが同じになる日には、地球の重力が最も安定するため、卵を立てることができる」

というもの。

コロンブスさんもビックリですね。

 

特に欧米で話題になってまして、

TwitterなどSNSでも毎年

「ホントに立った!!」

みたいな報告が相次ぐんです。

なんで都市伝説かって言うと、

じつは「一年中いつでも立つから」です。

「秋分の日だけ」重力が安定する

なんてことはありませんし、

 

たまごは丸くてスベスベですが、

拡大してよ~く見ると

凸凹があります。

 

静かに

そーっと

その凸凹の突起に重みが乗ると

たまごは立つんです。

やってみれば分かりますが、

5分くらいあればできます。

 

でも多くの人が、

「年に二回だけ立つ!」

と信じているんですね。

 

〇たまごと携帯電話のデマ

そして、こちらは秋分の日とは関係無いですが、

有名な卵の都市伝説です。

「携帯電話を2つ向かい合わせにして通話中にする」

「その間に卵を置く」

「そのまま放置する」

 

20分ほどで割ってみると、

「たまごはゆで卵になっている…!」

というお話です。

「だから同じタンパク質である人体にも悪影響がある。

電子レンジと同じだ。

電磁波は危ない!携帯電話は危ない!」

‥‥‥という“都市伝説”ですね。

 

これはウソでして、

やってみると分かりますが、

ゆであがるどころか、

卵の温度は0.1℃も上がりません。

(電子レンジなら500w600wですが携帯は0.6wしかありません。当然ですね。手を擦り合わせた方がマシです)

 

ですが、

欧米ではチェーンメール化してまして、

いまだに信じている方が

多数情報を発信しています。

 

さて、

この2つのたまご都市伝説に言えることは、

「やってみりゃイイじゃん。」

ということです。

 

どちらもデマかどうかは、

やってみればすぐに分かるんですね。

 

秋分の日じゃなくても卵は立ちますし、

30分経っても生たまごは新鮮なままです。

 

でもこれだけ卵の都市伝説が広まっているということは、

試さない人の方が多い、ということなんでしょう。


僕たちの仕事でも同じでして、

客層に合わせて

たまごをうまく使うと

 

ファンが増え

利益の取れるメニューになるのですが、

 

「ウチだとたぶんムリそうだなぁ。」

「そのうちね。」

って言う飲食店オーナーさん、

とても多いのです。

 

シェフさんの絶品料理が、

もっとステキに儲かるメニューになるのに…!

 

試して合わないならともかく、

もったいないなあ、って思うんです。

 

このコロナ禍は、メニュー開発の時間がとれる未来へのチャンスです。

ぜひ、気になった事は試してみてほしいな、と思います。

 

ちなみにボクはとても面倒くさがりで、

興味の無いことは

「そのうちね~。」という考えでした。

 

それを、

「明日やろうは馬鹿やろうだ。」

って叱ってくれる

繁盛飲食店の社長さんがいらっしゃったのです。

 

おかげで…

はずれも多いですが、

とりあえずやってみよう

ためしてみよう。

という体質にはなりました。

 

都市伝説ではなく、

あなたのお店を「伝説」にすること

ぜひ試作メニューなど

この時期に!お試ししてみてくださいませ。

 

ここまでお読みくださって、

ありがとうございます。

カテゴリー | ソムリエ日記 , ちょっとつぶやき 2021年09月23日