小林ゴールドエッグ

ソムリエ日記 SOMMELIER DIALY

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たまご料理の「美味しさ」が、卵部分じゃない、という話をします。

 

こんにちは!

たまごのソムリエ・こばやしです。

 

 

ある丼専門店オーナーさんと話をしていた時

「カツ丼の美味しさを決めるのはカツ丼じゃない。」

という話を聞きました。

 

どういうことかと言うと、

カツ丼のたれって甘辛くて

たまごと絡めてもしっかり

味を感じるように、

ちょっと濃い目の味ですよね。

 

親子丼もわりとしっかりの味付けです。

 

そうすると、

「わりとどの店も『美味しい』というレベル」

になって、

 

いろんな味付のこだわりはあるものの

めちゃくちゃ大きな「美味しさの差」

にはならないんだそうです。

 

違いを決めるのは、じつは

「漬物」

なんです。

暑い日、寒い日

ちょっといい陽気の日

雨の日

 

いろんな条件で

浅漬け

ぬか漬け

たくあん

ピクルス

 

季節に合わせて

いかに漬物を変えるかで、

「あの店は美味しい!」

と言われるようになるのだとか。

 

カツ丼の味は夏も冬も

そう変えられない。

 

つけあわせの酸味で

バテ気味な暑さでも

サッパリと完食できたり

 

食欲の秋

こってり風味の相乗効果を

楽しんだり

 

変化が生まれるから

リピートしてくれるんですね。

 

たまごの良しあし、

肉の素材も大事だけど、

 

一年中、暑くても寒くても

いっつも「たくあん」

こんなお店は、お客を逃している

そんなお話でした。

 

カツ丼親子丼もそうですが、

たまご料理には

付け合わせで美味しさが

ずいぶん変わる

そういう要素がけっこうあります。

 

たとえば、たまごかけごはん。

メニューで評判化しているお店では、

 

醤油の量をきちんとはかって「小皿」でお出しする

ごはんの量をちゃんと量る

このひと手間が、

感動の美味しさを生むヒケツになっています。

これが、時には

たまごそのものの美味しさ以上に大事なんです。

 

たとえば、

どんな料理のプロでも、

醤油さしから直かけで

ピッタリ!最高の醤油量をかけられる人はそういません。

初めてのお客様なら、醤油の塩分量だって分からないですし。

ぼくたちが届けする

『究極のたまごかけごはん専用たまご』は

大トロのように

黄身と白身の割合が最高のバランスのたまごだけを厳選していますが、

 

いかに最高の濃厚たまごでも、

醤油を入れすぎたり、

ごはんが多すぎたら‥‥‥

 

ぜ~んぜん

その魅力は伝わりません。

 

カツ丼屋の評判をつくるのは「漬物」

たまごかけごはんの感動をつくるのは「小皿」

 

たとえばアイスクリーム

美味しさをつくるのは案外「スプーン」

だったりするかもしれません。

 

「神は細部に宿る」

なんて言葉もありますが、

リピートを上げるために

ちょっと脇の要素に

ぜひ目を向けてみてくださいませ。

 

ここまでお読みくださって、

ありがとうございます。

カテゴリー | ソムリエ日記 , たまご全般コラム 2021年11月2日

飲食店さんで

メニューやPOPの表記、

あなたのお店の魅力を伝えるのに

文章に悩まれることってありませんか?

ちょっと面白い解決ツールがあります。


こんにちは!

たまごのソムリエ・こばやしです。

AIを駆使した小説自動生成ツール

話題になってまして、

これがなかなか面白いんです。

https://readyfor.jp/projects/ai-novel

 

本来は物語を書くひとつのヒントですが、

これ、飲食店さんや

洋菓子店さん小売店さん、

ちょっとした世界観を伝えるためのツールになるんじゃないかと思うんです。

 

たとえば、

あなたのお店の世界観や

自慢の料理

こだわっている点なんかを、

「あなたに変わって」

書いてくれる

そんな活用もできそうです。

 

メニューやレター

POPなどで、あなたの世界観やこだわりが伝わったらステキですよね?

 

いや、これ結構すごいんですよ。

めちゃくちゃ自然な文章になります。

まず、サイトにアクセスして、

書きだしの文章を入れます。

適当に、書き出しの文章を入れてみます。

試しに、

「小林ゴールドエッグというレストランのオーナー」

という設定で、

僕は小林ゴールドエッグというレストランをやっている。
カルボナーラが自慢のお店だ。

という書き出し分を入力してみます。

そして、

「続きをAIで書く」のボタンを押すと…

僕は小林ゴールドエッグというレストランをやっている。
カルボナーラが自慢のお店だ。

このお店では、いつも卵を使った新メニューを開発中。
今日も朝から厨房で、おいしい卵料理の研究をしているよ。
「うん、これならいけるな」

僕が作ったのは、ゆでた卵を細かく刻んでマヨネーズソースと混ぜ合わせたもの。
それをバゲットに載せて食べるんだ。
試食してみたけど、かなりおいしかった。
これは流行りそうだね。
「よし、これを採用しよう!」
さっそく、お店の店長であるシェフ・ド・キュイジーヌさんに食べてもらうことにした。

 

こんなカンジでボタンを押すごとに、

つづきの文章が紡がれます。

細かく、

「シェフは出汁にこだわる」とか

「たまごの食感がとても魅力」とか

付帯する文章を入れておくと

さらに意図する内容に合った文章になります。

重ねて言いますが

本来は「お話」を書くためのAIです。

 

ですが、

やってみると、

 

お店のこだわりやシェフの想い

そんな部分を、

とても分かりやすくも

文章にしてもらえます。

 

マイナビが毎年調査している「大学生就職意識調査」を見ると、

若い世代ほど

「人のためになる仕事をしたい」

という、世のためになるモノに価値を感じる人が増えています。

 

あなたのお店でも、

どんな風に味にこだわっているのか

それだけじゃなくて、

 

世のため

人のために、

どんなふうにお役立ちができているのか。

 

そういう点が、

もしサイトや、メニューや

店内POPで

ストーリーとして示されていたら

 

これからのお客様には

とても魅力的に映るかもしれません。

 

ちょっとした苦手な部分のサポートや

よりあなたの価値の伝える手段の一つとして

使ってみてはいかがでしょうか?

 

もし、ボクの毎日ブログが

急に名文章になっていたら、

AIが書くようになった・・!

なんてことがあるかもしれませんね(笑)

 

ここまでお読みくださって、

ありがとうございます。

(関連:少年ジャンプ+の新アプリ「World Maker」は飲食店の救世主?-たまごのソムリエ面白コラム

 

カテゴリー | ソムリエ日記 , ワクワクすること 2021年11月1日

こんにちは!

たまごのソムリエ・こばやしです。

選挙番組、以前と比べ

とても面白くなってますね。

 

各社とも、

工夫を凝らしていて

ザッピングしても

どこも見ごたえありました。

 

池上彰さんの選挙特番では、

選挙活動周辺グッズの紹介もされていて、

特に興味深かったのが

いろんな政治家が選挙で使う

『超強いビニール傘』

強風にも強くて透明がウリ

なるほど

顔を見せたい選挙にピッタリで、

名前も「カテール」ですからゲン担ぎにもなる。

お値段は8800円。

 

楽天の販売ショップも、

政治家っぽい使用例写真で

「勝てる雨傘」

とのキャッチコピーまで付いてます。

透明だと高級っぽいイヤミに見えないのもイイですね。

 

そういえば、

米国発で

リキッドデス(死の水)

という名前の飲料がありますが、

これ

見た目がスゴくカッコいい

「ただの水」なんですね。

 

ヘヴィメタやパンクロック

なんかのライブ会場で

 

舞台上の歌手や

応援する人が

軟弱な「水」なんて飲んでいては

カッコつかない…!

 

ってんでできた商品。

さっきのカテールとおなじで

どう「見える」か

みたいな部分がとても

大きい価値になるんですね~。

こちらも普通の水のだいたい2倍くらいの価格

 

どちらの商品も、

一番喜んでくれる人・ターゲットを

思いっきり絞りこんでいる点も

非常に面白いです。

 

さて、

たまごでも、ビジュアルにこだわった卵があります。

千寿菊の花由来の飼料成分で育ってまして、

加熱するとそれはキレイな黄金色になります。

ケーキやカステラなんかでも相当色味が変わるので、

黄金色を演出したい、

縁起モノの特別メニューや

変わったところだと、

お花屋さんのカフェでご使用いただいたりもしています。

花を食べてますから。

 

他にも、

黄身がふたつ入ったたまご

こんなのも、見た目のインパクトと

お得なカンジがとてもありますよね。

 

たとえば婚礼二次会の食材とか

ラッキーな印象を出したい鉄板焼きのお店さんとか

見た目に楽しむ印象を与えたい

そんなお店さんでお使いいただいてます。

 

「見た目」にこだわってみる

ぜひ、そんな卵の使い方も面白いですよ!

ここまでお読みくださって、

ありがとうございます。

 

カテゴリー | ソムリエ日記 , ワクワクすること 2021年10月31日

こんにちは!

たまごのソムリエ、こばやしです。

 

若者の活字離れ、なんてことが

僕が学生の頃から

言われ続けております。

 

出版物の市場は

ピーク時の半分以下に

減っているそうですが、

じっさいどうなんでしょうね?

 

いまの若い人たちって、

昔よりずっと毎日活字に

触れているように感じます。

 

スマホやSNSのつながりがありますから、

毎日活字を読まない日って

ないんじゃないでしょうか?

 

僕達が若いころは、

ホント学校が終わったら

まったく字を読まない、

 

ゲームセンターだボーリングだと

遊び歩いて帰ったら、

テレビを見て寝る

 

授業以外では「文字」なんて

見たくないね…なんてのも

割と普通でした。

 

今とは雲泥の差ですね。

実際、「国語に関する国勢調査」

世代別データによると、

本を読まない率は60代、70代と

上の世代ほど高くなっているようで、

 

「若者の活字離れ」どころか

「中年以降世代の活字離れ」として

僕たち以上の世代が意識して

活字に触れて行かないと

いけないんじゃないかと思います。

 

本日は「世界観って大事だなぁ。」って思った、本のご紹介を。

 

〇「ヒカルの卵」(森沢昭夫著 徳間文庫)

限界集落の養鶏家が、

卵かけご飯専門店を

森の中に出店するお話です。

 

お人よしの主人公に

次第に周囲の人たちが巻き込まれ、

だんだん「オレたちも頑張ろう。」

…となっていく様子に

とっても心が温かくなります。

 

“「誰かを幸せにする」のが仕事だ”

という真理を思い出させてくれますね。

 

読む人に

「へー、養鶏ってこんなカンジなんだね。」

と感じてもらえる、

業界PRとしても貴重な一冊です。

「養鶏や鶏卵のこだわり」が

たくさん出てきますが、

 

実際に鶏卵業界であった

取り組みなども

うまく取り込まれていまして、ちょっとニヤッとする事も。

 

僕が面白いな、と思ったのは

作中で出てくる

「卵の魅力」の伝わり方。

 

卵の味に関する細かな描写も

出てはくるんですが、

「ああ、この卵かけご飯食べてみたいな。ステキだなぁ。」

と感じるのは

そんな描写の部分じゃなくって、

 

主人公たる養鶏家の人柄や

鶏舎まわりの大自然や

満天の星空、

卵かけご飯専門店を包み込む『世界観』に触れているシーンなんですよね。

 

僕たちが卵を売る際に

伝えて行かなくてはいけないのも、

決してモノとしての卵のスペックじゃなく

 

こういう“物語”や

人柄や想いや理念

といったような

もっと大きな部分なんだなぁ、

と気づかされます。

 

何のために養鶏をするのか。

たまごをお届けするのか

そういう根源的な想いこそが

 

最終の食べて頂ける

お客様の食卓を魅了するのかもしれません。

 

ここまでお読みくださって、

ありがとうございます。

カテゴリー | ソムリエ日記 , ワクワクすること 2021年10月30日

こんにちは!

たまごのソムリエ・こばやしです。

マサチューセッツ工科大学の研究で、

すごい研究が報告されましたね。

 

がん細胞を一部取り出し

「刻んで」「半殺し」にし

もう一度体に戻す。

 

すると、もとフツーの細胞だった時の

自己壊滅機能が

ガン細胞に復活し、

なんと40%のマウスで

腫瘍が完全消滅したとのこと。

 

すごいですね~。

切り刻んでダメージを与えると

元々の機能に目覚める。

 

なんだか、漫画で

敵に操られていた仲間が

ダメージで我に返る

みたいなカンジですね。

 

しかし、よくこんな方法を思いつきますね。

 

さて、たまごでも

「よく思いついたなぁ。」

となるような、

 

切り刻んで

元のものと合わせると

絶品の味になる

 

そんな料理があります。

 

フランスで定番の“前菜”

たまご料理に

「ウフマヨ(たまごマヨネーズ)」

というものがあります。

名前の通り、

マヨネーズとゆでたまごを合わせた

シンプルな料理ですが、

フランスの料理店ごとにこだわりの味があって

毎年「ウッフマヨ最優秀賞」まであるくらいです。

 

オバマ元大統領やプーチン大統領が

訪れたこともある名店

「オーベルジュ・ドゥシェ・ユー(Auberge d’Chez Eux)」

のウッフマヨは、

 

・ゆでたまご+マヨネーズソース

・刻み野菜を敷く

・上から刻んだゆでたまごをかける

 

という、

2種の「食感のちがうゆでたまご」を

合わせた料理で、

2013年に「ウフマヨ最優秀賞」を

受賞しています。

味付けもシンプルで、

比較的カンタンに作れますが

めちゃくちゃ美味しいんです。

 

コツとしては、半割りにするほうを

熱湯7分の半熟ゆでたまご

刻む(すりおろす)ほうを

12分固ゆでにすると

2種の食感の違いが際立って

絶品です。

 

〇ちがう食感の組み合わせは面白いかも!

こんな風に、ちょっと食感のちがう2種料理を組み合わせる手法は結構おもしろいんですね。

温泉玉子とゆでたまごを合わせたり、

目玉焼きと燻製たまごを合わせたり

個人的に好きなのが、

温泉玉子を巻き込んだオムレツ。

 

作るのにちょっとコツがいりますが、

いろんな食感がたのしめて、

かなり面白いです。

 

可能性のあるたまご調理方法だと思いますので、

ぜひメニュー開発のヒントになりましたら幸いです。

 

ここまでお読みくださって、

ありがとうございます。

 

 

カテゴリー | ソムリエ日記 , たまご全般コラム 2021年10月29日

こんにちは!

たまごのソムリエ・こばやしです。

 

自分の考えに近い政党が分かる

「投票マッチング」が

SNSで話題になってましたね。

 

政策、ってなると

難しく感じるかもしれませんが、

あなたに「近い」って

いわれると

親近感をもって

選べそうですよね。

 

さて昨日は

「遠い」「わざわざ」

「ど田舎で飼育、生まれる卵」

が価値になる、

という事をお伝えしました。

 

今度は、

「近い」が価値になる

そんなお話をします。


「わざわざ遠くから取り寄せている」

というのは、

飲食店さんではとても素敵な素材の価値になりますよね。

『北海道産の〇〇を取り寄せています』

『フランス産の〇〇を~』

なんて言われると

ついつい頼みたくなります。

 

ですが、その逆に

「顔が見える近さ」

という価値があります。

 

2つメリットがありまして、

1つは

「誰が作っているかわかる安心感」

ですね。

「歩いて5分の距離で生まれたたまごです」

「右曲がってまっすぐ行ったところ」

「ああ、あそこのおばちゃん、イイ人だよね。」

みたいな部分って、

飲食店さんでは大きなメリットになります。

 

香川県にはうどんの有名店が

たくさんありますが、中には

「ウラの畑でネギを植えてるから自分で取ってきて」

みたいなお店もあります。

なかなか究極の安心感になりますよね。

 

2つめに

生産コンディションが

自分の体調にピッタリ合う

 

そんな利点もあります。

 

仏教では「身土不二」なんて

言葉がありまして、

「土と体は切り離せない。」

という意味ですね。

 

自分が住み育っている環境で

土地のものを食べるのが

一番体に良い、

とも言われます。

 

たまごは自然に近い

飼育をすると

暑い寒い

環境によって多少味が

変わりますが、

 

食べる自分の住む地域が

暑ければ、

そこに住む鶏さんも

水を多めに飲み

少しあっさり目の卵になる。

 

涼しい日が続けば

たっぷり餌を食べて

濃厚な味になる。

 

そんな日々の変化と

たまごの風味がピッタリ合う。

それって究極のぜいたくだったりします。

 

僕たちがお届けするたまごは

ぜんぶで14か所

 

たとえば徳島県でいうと

7か所に分かれています。

 

種類によりますが、

いちばん近くのたまごをお届けする

「町単位の地産地消」

ができるんですね。

ストレートに

「ここから10分の距離で生まれたたまご」

という名前で並べます。

しかも、3分だったり7分だったり、

農場からの近さで売り場ごとに

すべて装丁も異なる

ちょっとマニアックな仕様です。

 

飲食店さんにも

「ここから7分の距離で生まれた卵を使ってます。」

なんてPOPを貼っていただいたりしています。

「県内産」くらいだと

「ふーん。」ってカンジですが、

歩いて行けるくらい近いと

やっぱりインパクトありますよね。

 

どこのお客様でもお伝えできる価値ではないですが、

ぜひ、あなたのお店でも

そんな仕入れがあったなら

伝わる繁盛価値として

一考してみてくださいませ~。

 

ここまでお読みくださって、

ありがとうございます。

(関連:お店のメニューで活きるたまごの『遠さ』 | たまごのソムリエ面白コラム

カテゴリー | ソムリエ日記 , ちょっとつぶやき 2021年10月28日