小林ゴールドエッグ

ソムリエ日記 SOMMELIER DIALY

ソムリエ日記 記事一覧

こんにちは!たまごのソムリエ・こばやしです。

とんでもない寒波が来てますね~。

さて、海の向こう、アメリカでも寒さが続いています。

先日、カンザス州のハイウェイパトロール隊がSNSで一枚のたまご写真をアップしました。

おお・・・!

たまごの中身が出る途中でカチンコチンに凍ってます!

これはスゴイですね。

『もし寒さで車が動かなくなった時は、カンザス州緊急対応サービスがありますので、慌てず連絡してくださいね!』

とのメッセージに添えての写真だったんですね。

これは判りやすいですね~。

こばやしは20代の頃、カンザス州の隣の隣の州サウスダコタという所に半年ほど住んでいたことがあり、冬に車がハイウェイで故障して凍死しかけたことがあります。

ガソリン計のメーターが凍り付いてガス欠に気づかなかったのです。

大陸の冬ってめちゃくちゃ冷えるんですよね。毎夜気温はマイナス20℃近くまで下がり、車のフロントガラスが寒さで収縮してヒビが入るくらい……。

運よく通りかかった車に助けてもらいましたが、このハイウェイ緊急サービスを知っていればもっと安心していられたでしょうね。

日本の寒波も大変ですが、みなさま暖かくしてお気を付けてお過ごしくださいませ~。

(local News that matter /It’s so cold in Kansas, Highway Patrol says an egg did this)

カテゴリー | ソムリエ日記 , たまごの海外ニュース 2021年02月17日

こんにちは!たまごのソムリエ・こばやしです。

以前に「マツコの知らない世界」さんで出演させてもらった際に『ゆでたまごは少量のお湯でゆでるべき』と話したらけっこう大きな反響がありました。

(関連:「マツコの知らない世界」でご紹介した『究極のゆでたまご』作り方 | たまごのソムリエ面白コラム)

本日はなんでそうすべきなのかを、ご説明しますね。

その理由は2つあります。

その① 割れ対策

ヨーロッパの料理専門書なんかを見ていると、『ゆでたまごを作る際は沸騰させてはいけない』と書いてあることがあります。

これは、沸騰した際のグラグラ泡によって、卵が持ち上げられたり沈んだりすることで底面とカラがぶつかって割れてしまうから。

たしかに、70℃以上の熱があれば卵はじゅうぶん固まりますから、グラグラ沸騰させる必要は無いんですよね。

ただ……沸騰させずに高温を維持するのってすっごく面倒くさいですよね!?

それならそもそもの茹でる水の量を、卵の高さよりも低くしておけば解決です。

水が少なくてもふたをしておけば、蒸気でちゃーんとゆであがります。

東南アジアには「焼きタマゴ」なるものがあります。

これは、網やオーブンで殻ごと卵を焼いてゆでたまごを作る手法です。

つまり、熱が充分伝われば水が無くってもオッケーなんです。

 

その② すばやく冷やせる

美味しいゆでたまごには、加熱時間をキッチリ守る事、これが一番大事です!

例えば半熟なら熱湯に入れて6分半

この時間さえしっかりと守れば、誰が作っても極上のゆでたまごが作れます。

逆に言うと、冷やす際に手間取ってしまうと、出来上がりが変わってしまうという事です。

たっぷりのお湯でゆでた場合、

水で冷やして加熱を止めようと思っても、

すぐに冷えないんですね。

あわててやけどしないように鍋を動かすのもタイヘンですし…

でも、ちょっとの水で蒸すように加熱しておくと、上から水道の水をジャーッと入れるだけでサッと冷えます。

「お湯中で割れない」

「すぐに冷やせる」

単純ですが大きな要素です。

あ、あと、水道代とガス代が少なくてすむ、というのも大きいですよね!

チョットの水でゆでたまご

ぜひお試しくださいませ~。

ここまでお読みくださって、ありがとうございます。

故俳人作家・石川桂郎さんの句に、

「塗椀に割つて重しよ寒卵」

という句があります。

「寒卵」って何でしょう?

古来より、大寒の暦に生まれた卵を食べると金運が上がる、と風水では言われます。

なぜそんなことが言われるのかというと、

「寒い時期は、鶏が最も餌を食べる時期」だからなんです。

寒い環境は、羽毛に包まれた鶏にとってとても快適、

飼料も良く食べるんです。

それだけ、卵質の良い、滋養に富んだたまごを産む。

それを食べると活力が増して、商売が上手く行く。

金運が上がる。

そう考えられてきたのです。

江戸時代以前の卵はとても貴重でぜいたく食材でしたが、

この時期は産卵率も上がり、低温で卵の保存性も上がりますので、おそらく手に入りやすさも違ったのでしょうね。

上記の俳句ですが、

椀の中に、季節のもっとも滋養に富んだ卵をぜいたくに割り落として食べる。

普段の汁物よりもずしっと重くて、それを実感しながら贅沢を喜ぶ。そんな様子が感じられるしみじみステキな句です。

ここまでお読みくださって、ありがとうございます。

カテゴリー | ソムリエ日記 , たまごの歴史・文学・文化学 2021年02月8日

こんにちは!たまごのソムリエ・こばやしです。

今月、FMたちかわ『Green Café』さんという番組にて卵のお話をさせていただきます!

なんと一ヵ月間!

たまごにまつわるいろんなテーマで少しずつお話をいたします!

この番組は、作曲家の中村幸代さんがパーソナリティをつとめられている、こころとからだの健康と「癒しの時間」を提供することがテーマ。

うーん、いいですね~。

コロナ禍のこのご時世、癒しと健康ってすごく大事ですよね!

番組のサイトには美味そうなヘルシーレシピが沢山載ってまして、かなり面白いです。

こばやしは卵の栄養や健康効果・卵の使い分けやアレルギーなど、卵に関するお話をさせて頂いております^^

■放送日時:毎週日曜日22:00~22:56(*再放送:毎週水曜日23:00~23:56)

■公式サイト:http://www.green-cafe.co.jp/index.html

PCやスマホからでも聴けますので、ご興味の方はぜひ~!

カテゴリー | ソムリエ日記 , 取材・掲載・ご紹介 2021年02月5日

こんにちは!たまごのソムリエ・こばやしです。

この美味しそうなたまごの絵が入った商品、いったい何だと思いますか?

コレ実は、ホームセンターで売っている炊飯器の外箱なんです。

良く売れているんだそうです。

以前少し書きましたが、卵の黄身を見せることで、人は目を惹きつけられます。

店舗での写真を載せたメニューイングには、積極的に黄身のシズルを取り入れるべきです。


〇日本人は世界トップクラスの卵好き

意外と意識されていない

「卵の魅力」が

黄身の「色」と「形」です

あの黄色、あの丸みを見るとどうしても目が行ってしまうんですね。

世界トップ3に入る卵消費国の日本。

食文化的にも生卵としての黄身を見慣れていてよく食べますので、「見た目」の誘因効果としても機能しやすいんですね。

例えば下の商品メニュー。

もし黄身が無ければ、絵的にとっても地味な商品になりますよね。

こちら↓の2商品なんて『肉炒めの素』『のり』ですからたまごは入ってませんし関係無いですよね。なのに、たまごが主役級に目立っている……。

こんな風に、街中でよく見るとあちこちに「黄身」で目を惹きつける商品やメニューがあります。

冒頭の紹介のように、電化製品まで「黄身のシズル効果」を使うようになってきていますが、

それだけ「効果的」だということです。

じゃあ、なんで黄身が効果的なのかといいますと、2つ理由があります。

〇丸い形状に惹かれる

人は心理学的に丸いものに惹かれます。

人間の攻撃欲求は丸いモノを見ると弱まるのだそうで、子供のキャラクターなんかも全て丸っこくなっていますよね?

特に日本人は丸いカタチが好きな傾向があるそうで、

和菓子・茶道の影響や日本国旗など様々な様式で「〇」形が取り入れられていて、自然と丸い形状に触れていることも大きいんじゃないか、ともいわれています。

 

〇たまごの色味にヒトは惹かれる

また、黄身の明るいオレンジ色は心理学的に「開放感」を掻き立てます。

ビタミンカラーとも言われるこの色味は、元気さの象徴でもあります。

○の形状とオレンジ色

この両方を併せ持つ黄身は、シズルとして人の目を引くベスト食材なんですね!

実際僕達のお客様でも、和風パスタに黄身を乗せ写真をメニューで見せたところ、

100円UPしたにもかかわらず出数は2割もアップしました。

お客様の目を引く、

粗利のとれるメニューシズルにぜひ「黄身の写真」を活用してみてはいかがでしょうか!?

ここまでお読みくださって、ありがとうございます。

カテゴリー | ソムリエ日記 , 飲食店さまへ 2021年02月3日

こんにちは!たまごのソムリエ・こばやしです。

たまご鶏のことわざ第65弾、今回は中国から。

<王述擲卵(おうじゅつてきらん)>

カッとなって愚かな事をする、というような意味です。


昔々、東晋という国に、王述さん、という方がいました。

この方、めっちゃくちゃ短気でせっかちな人で、

ある時、ゆでたまごを食べようとしたところ、

ツルン!と箸から逃げた。

思わずカッとして手でつかんで床へ投げつけたところ、

どこまでもコロコロと転がっていく……

その転がるたまごを追いかけてゲタの歯で踏みつけようとしたら、

またまたツルン!とすべってあちこち転がり続ける

さらに激怒した王述さんはその玉子を手づかみにして口に入れ噛み潰し、即座に口から吐き出した。

そのハナシを聞いて、王羲之さんは大笑い。

「あの才覚あった親父(王承)がもしおんなじことをやってたら、今頃あんな富ある名家にはなってなかっだろうね。ましてやあのボンボン息子の王述がするなんて(笑)」


というお話。

この王述さんのお父さん(王承)は晋の国で出世し名門貴族となった方で「とにかくすごい立派な人物だ。」という評判でした。息子の王述さんもそれなりには優秀な方だったようですが、とにかく癇癪持ちで「親父はすごかったのに。」と言われがちなポジションの人。あと『王義之さんと仲が悪かったこと』で有名です。

最後に出てきた王羲之(おうぎし)さんはとんでもない大人物です。大将軍で超有名書家、皆さんのパソコンにも入っている行書・楷書・草書の書体を作った方。

なにせ遠く離れた日本ですら、奈良時代~近代に至るまで王羲之さんの書がずーっと字のお手本だった。それくらい超メジャーな人。

じつは怒りんぼの王述さんは、役人だった若い頃の王羲之さんの失礼な態度に腹を立て、上司(州知事)の立場からパワハラをかけ王義之さんを辞職&隠遁させたという過去があったのです。

王羲之さんからすると、アノこんちくしょう「笑い倒してやれ!」という気持ちがあったのでしょうね。

なんだかいろんな意味で小っちゃいエピソードですが、

結局のところ、このお話が現代まで残っているのは、

現代で言うならば『有名人が自分の持ち番組で、気に入らないヤツの失敗を笑い飛ばした』みたいなものでしょうか。

「あの」王羲之サンがそう言った……という事が、1600年未来の現代までエピソードを残したのです。

このお話が書かれた書物『世説新語』では、

ゲタの歯で踏むのを失敗したシーンや、卵が転げて止まらない様子も、不必要なくらい目に浮かぶようにかなり詳しく描写されています。

当時も、巷で面白おかしく広まっていたのかもしれません。

とはいえ千年以上も残る『ことわざ』にされてしまうなんて…書物の影響・メディア(?)の力おそるべしですね。

ここまでお読みくださって、ありがとうございます。

(関連:ニワトリさんは見飽きた!?【たまご鶏のことわざ】その30 | たまごのソムリエ面白コラム

カテゴリー | ソムリエ日記 , たまご・鶏のことわざ 2021年01月19日