小林ゴールドエッグ

ソムリエ日記 SOMMELIER DIALY

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こんにちは!たまごのソムリエ・こばやしです。

「たまご型」は数式で表すことができます。

2つの有名な「数式」がありまして、

考案しているのは、どちらもスゴイ人。

一人は、17世紀フランスの哲学者で数学者、デカルトさん。

「我思うゆえに我あり」

という、めちゃくちゃ重要な哲学の命題を考えた方で、数学では「解析幾何学」の創始者です。

たまご型の数式は、こんなカンジです↓

グラフだと、こうなります。

うーん、ちょうど黄身の部分くらいが0点にくるカタチですね。

もう一人は、

同じく17世紀フランスの天文学者カッシーニさん。

土星の4つの衛星を発見し、木星の大赤斑(目玉みたいなデッカイ模様)を発見するなど様々な功績を上げられた方です。彼の名前を冠したNASAの土星探査機「カッシーニ」がついにその役目を終了ということで、少し前に大きなニュースとなっていました。

カッシーニさんは、

「惑星はたまご型の軌道を回っている!」と考え、

その「たまご型」軌道を数式で表したんですね。

数式はこんなカンジです↓

うーん、これまた複雑ですねェ。

グラフだとこうなります。aとcに入る数字によって、8の字を描く軌道から卵型へ変形するカンジですね。

デカルトさんは哲学者ですが、人文学なんかは全く興味を示さなかったそうで、数学の研究によって得られた明快な論理を哲学体系でも重視したからと言われています。またカッシーニさんも、人知の及ばない天文という分野にゆるぎない論理を見た結果、後半生ではあいまいな「占星術」を大批判しています。

そんな論理的な考えを持つ2人の偉人の頭脳から、「卵」を表す数式が生まれたのはとても興味深いです。


〇卵型は自然界になぜ必要?

そもそも自然界の『たまご形』はタテからもヨコからも衝撃に強い形状なのですが、

最大の目的は、

また転がってもまた元の場所に戻って来るカタチであるということ。

巣が高い所にあって、仮にころがっても戻ってくる、割れにくい形状なんです。

自然界でちゃんと意味のある、理想の形状なんですね。

(ちなみにヘビやワニなど低いところで暮らす動物のたまごは真ん丸〇です)

そのカタチに魅了される学者さんも実は多くいらっしゃいまして、他にもいろんな「卵型の数式」が研究・発表されています。


〇いろいろある!『卵型』の研究

また、『卵型』だから起こる物理現象に注目している研究も多く、

たとえば

「卵は高速回転させると重心が上方にシフトし、空中に浮き上がる」

というビックリするような工学研究や、

「ミルクなどの粘性液体のなかで卵を回転させると、卵殻に沿って液体がせり上がってくる」

など流体力学の観点から卵カタチに着目した面白い研究などもあります。

美味しい!健康に良い!

……だけじゃなくって、

その「カタチ」そのものにも自然の摂理の神秘、まだまだ面白い秘密が隠されている!

そう考えると実にロマンがありますね~。

ここまでお読みくださって、ありがとうございます。

(関連:超電導と空飛ぶたまご | たまごのソムリエ面白コラム

(x2 + y2)2 – 2a2(x2 – y2) + a4 – c4 = 0

こんにちは!たまごのソムリエ・こばやしです。

仕事柄、たくさんの卵を割る事があります。

「液卵」といって、一度にたくさんの卵を使われるお店さまに、あらかじめ卵を割って計量しておく商品です。

何千という卵を割りながらいろいろ試してみると、カラがまったく入らない&こぼさない理想的な割り方があるんですね。

スピードを考えないのであれば、


➀カラを真っ二つにキレイに割る方法

まず、卵の側面をコツンと当てて、ヒビをいれます。

軽くでけっこうです。

次に、クルンと回してその赤道上の180°反対側をまたコツンと当ててヒビを入れます。

すると……!

まるでカッターで切ったかのようにキレイなヒビが入り、スパッと卵が割れます。


②割るたびにちょっとこぼしてしまう対策

今日は目玉焼き!なんていう朝。

卵を割る際に、フライパンの端っこやボウル、鍋なんかへコツンと当てて割る方も多いかと思います。

僕も一人暮らしの頃いつもそうしていました。

でも‥‥‥意外とこぼれるんですよね。

割る際の力加減もありますが、コツンとヒビを入れたときにどうしても中身が漏れてこぼれてしまうことがあります。

あれ地味に手間なんですよね~。

さて、ちょっとした事ですが、これを防ぐ方法があります。

それは、

卵を持って、その上側を割る

ということです。

1)利き手に包丁またはスプーン、反対の手に卵を持つ

2)見えているたまご殻の上部を包丁の背でコツンとたたく

これだけです。

コンコンと割った面が下や横を向いているからこぼれるんですね。

上を向いてるとこぼれません。

やってみるとわかりますが、

気づかずにカラの破片が入っちゃう心配もしなくて良いので、おススメです。

ぜひお試しくださいませ~。

ここまでお読みくださって、ありがとうございます。

カテゴリー | ソムリエ日記 , たまご全般コラム 2021年04月19日

こんにちは!たまごのソムリエ・こばやしです。

良い天気が続きますね!

近くのお店にもツバメが巣を作っていて、なかなかかわいらしいです。

たまごと偉人のエピソード第23弾、今回は中国の王様です。


中国で最も古い王朝は「殷(いん)」と言います。

今から3200年くらい前ですね。

王様は「契(せつ)」さんという方で、

なんと、そのお母さんが水浴びをしていたときに、ツバメの卵をうっかり飲み込んだことでお腹に宿ったという伝説があります。

その昔は、今の鶏さんのように「卵を毎日産む鳥」なんていませんでしたから、卵自体がめったに手に入らない、とても貴重な食べ物でした。

ツバメがたまたま卵を落とすのを見て、

「あら、欲しいわ。」

「ちょっと、私が先にみつけたのよ。」

なんて、姉妹で取り合いっこをしているあいだにウッカリ飲み込んじゃったのです。

そして十月十日後に赤ちゃんが生まれ、これが非凡聡明ただものじゃない才能を持っている。長じて王朝をたて、王様になり天下を治めました。

めでたしめでたし。

そんな伝説ですね。


〇ツバメは縁起が良い鳥!?

古来中国や日本では、ツバメが巣を作るとその店が繁盛する・家が栄える、なんて言い伝えがあります。

ひとつには、前述の「王さま伝説」が広く伝わって「ツバメって縁起の良い鳥・たまごだよね。」と考えられていることがその理由。

加えて、ツバメは外敵のカラスやヘビから巣を守るために「人の出入りの多い所」に巣をつくります。

自然と「ツバメがいるところ」イコール「繁盛している店」になるわけです。

そんな習性が「ツバメと商い」をつなげているんですね。

そういえば中国発祥の十二支でも酉(とり)年は“商売繁盛”をあらわしますよね。

トリと商売、このあたりのイメージもつながっているような気もします。

 

〇古来の英雄は卵と絡みが多い!?

実は、

生まれに「たまご」が絡む英雄

って世界中に逸話がありまして、

この王様だけじゃなく、例えば韓国の高句麗の始祖「朱蒙(チュモン)」やビルマのパガーン朝王家の始祖さんも『卵から生まれた』という伝説があります。

他にも台湾、インド、フィリピン、ボルネオ、フィジー……特にアジア中心に「英雄が卵から生まれた」や「卵を食べたら生まれた偉人」という逸話がたーくさん残ってるんですね。

日本では奈良時代の名僧・行基(ぎょうき)さんが卵から生まれたという言い伝えがありますね。

面白いですね~。

でも、なんで卵なんでしょう?

これは、卵を「生命の源 = 聖なるもの」とする考え方と、

「英雄は他とちょっと違う生まれ方であるべき」という伝説的な考え方が合わさって

「卵がらみの生まれ」になったというのが有力な説。

医学的に、古代では貴重な精のつくたんぱく源だったから力強さのイメージ、という説もあります。

なんにせよ、古代の人の、卵イコール特別感という考え方から来ている伝説は、卵屋としてはすごく面白く感じます。

上記の写真は近くの遊園地で息子と撮ったものですが、そんな伝説の英雄たちにあやかって立派な人物になってくれると嬉しいですね~。

ここまでお読みくださって、ありがとうございます。

こんにちは!たまごのソムリエ・こばやしです。

たまごを運ぶパック容器

これがないと僕達は仕事にならないわけですが、

この卵パックができて今年で100年と2年になります。

そもそも卵パックが発明されたのは、カナダの農場主が毎日納めていた卵に割れが多く、取り引き先のホテルとトラブルになっていたのを解決するためです。

最初にできたのは“紙製”のモウルドパック。衝撃吸収性がたかく、今ではちょっと高級なたまご商品に使われることが多い容器です。

そして、プラスチックのたまご容器。これができてからだいたい50年ちょっと経ちます。

こちらは包装工程の機械効率が良く、大量生産にも向いています。中身が見えるので売り場で安心、という声もあります。


〇特許やすごい機能が満載!たまごパック

あまりイメージがないかと思いますが、たまごパックって特許のカタマリなんです。

割れないような工夫、積みやすいカタチ、開けやすい仕組み‥‥‥、とにかくいろ~んな工夫が集まって今のたまご容器になっています。

たとえばプラスチック卵パックの上下側面についている凸凹の部分。

これは、たまごと外部との接点を極力減らすためのもので、外から衝撃が加わっても割れにくいようになっています。これがあると無いとでは、耐久性がゼンゼン変わってくるんですよね。

また、ちょっとすぼんだ形状になっていますが、これはコップのイメージです。

たまごは完全な楕円じゃなく、片方がちょっと細く、もう片方がちょっと丸みをおびた楕円になっています。とがった方を下に卵が入るとすっぽりと収まって安定するようになっています。

良くカンチガイされるのですが、「とがった方を下にすると保存性が良くなる」と言われるのはデマで、実際はどちらも同じです。とがった方を下にするのは容器に入れて運ぶための工夫。あくまで「輸送時の安定性」のためですね。(参照:たまごの上下で保存性が変わる・・・はウソ!【卵の迷信】 | たまごのソムリエ面白コラム


〇実はどんどん進化している卵パック

卵パックって、実はどんどん薄くなっているんです。わずか数年前と比べても厚みが減っています。ところが耐久性は逆に上がっているんですね。

ホラ、捨てるときにパックを潰すのってすごく大変じゃないですか?

これ、上記の凸凹構造や支え部分のかみ合わせ工夫なんかのおかげでして、以前ほどの厚みが必要なくなってきているわけです。

軽くなった分、数百数千パックの卵を輸送する事を考えると、割とバカにならない燃料費やCO2量の差がでてきます。

コストをかけずに環境に良く、卵が割れない状態で運ぶかの工夫が、容器を進化させているわけです。

普段買って帰ったら捨てられるだけのたまご容器、良ければぜひマジマジと観察してみて下さいね~。

ここまでお読みくださって、ありがとうございます。

カテゴリー | ソムリエ日記 , おいしさ雑学 2021年04月13日

こんにちは!たまごのソムリエ・こばやしです。

前回のエントリの続きです(

コロナ禍で太ってしまい医者に叱られたことをきっかけにした「たまごダイエット」


①具だくさん「たまごスープ」を食べる

②量は好きなだけ食べる

③週に一度は肉をたくさん

というルールで始めた卵ダイエットですが、

結論から言うと、

スタート時の体重を起点として、

1ヶ月目… -6kg

2ヵ月目… -9kg

3ヵ月目… -15kg

という感じでした。


〇気づいた事

・辛さは全くない

・運動とたまごは思った以上に相性が良い

・だんだん料理が楽しくなってくる


➀まったく辛さはない

「腹いっぱい食べる」ルールのため、何かを食べたくって居ても立っても居られない‥‥‥なんてことは全く無かったです。チョコレートとか甘いものは食べたくなるかなぁ、とかお米も制限したので御飯が恋しくなるかなぁ、など始める前は考えたのですが、全くだいじょうぶでした。

毎日仕事しながら食べていたお菓子類なんかも不思議と欲しくはならなかったですね。

「満腹」ってやっぱり大事だなあ。と思います。

 

運動とたまごは思った以上に相性が良い

この卵ダイエットと合わせて毎週決まった時間に運動(水泳)を開始したのですが、正直単なる栄養というだけじゃなく、筋肉などの体つきが効率的に変化してきたのがすごく実感として感じます。

卵は理想のたんぱく源として必要なアミノ酸をバランスよくふくむ他、糖質代謝などに必要なビタミンB群をたっぷり含むため、運動には最適なんですね。「たまごは最高の筋肉食材だ」、なんておっしゃる栄養士さんもいるくらいです。

知識としては以前からありましたが、実際に卵を主にそえて体質改善&運動をやってみて良く分かりました。

ちなみにダイエット始めるきっかけとなった、いろいろ指摘された健康検査の数値もすべて正常にもどりました(ホッ!)

 

③料理が楽しくなってくる

卵ダイエットをするのは僕だけですから、家族の献立関係なく別メニューです。なので自分で3食作っています。少々めんどくさそうですが、今は一人用ポーションタイプの鍋調味料が各社沢山出ているんですね。けっこうどれも、卵と合うんです!すべて買い込んで味を試していきました。手軽にいろんな味が作れますので、毎日ラクして楽しめてます。

〇生活環境と釣り合ってくる!?

ただ、この生活では3ヵ月目を過ぎたあたりから、かなり体重の減少がゆるやかになりました。週に0.5kgずつくらいの、ホンのちょっとずつしか体重が減らない状況に。なんとなく、カロリー消費と摂取がちょうど釣り合っているように感じます。

今現在も継続中、徐々に痩せていまして、またベスト体重にしようと思ったらあと6kgくらいあるのですが、ここから更に短期間で痩せようと思ったら運動量を上げるか更に食事を見直すか、もうちょっと思い切った手段がいりそうです。

コロナ禍が終わり全国の鳥インフルが落ち着き、また出張や移動など体力を使う事が増えてきた際にどう変化していくのかも、楽しみです。

ここまでお読みくださってありがとうございます。

カテゴリー | ソムリエ日記 , ワクワクすること 2021年04月10日

こんにちは!たまごのソムリエ・こばやしです。

2か月半ほど「卵ダイエット」をやってみまして、15kg痩せました! いろんな方から「ずいぶん痩せたね~!」と言われるくらいにはなりました。

どんな感じだったか、下記にまとめます。


〇コロナ禍の引きこもりで医者に怒られる

僕、食べるのが大好きなんです。

もともと卵屋であることを言い訳にプライベート&仕事の両方で食べまくってましたので、この10年ほどずっと太り気味でした。

「いいかげん痩せなくちゃなぁ。でもまぁそのウチね~。」……と呑気でうす~い危機感だけは持っていたのですが…。

そこへ来たコロナ禍でなかなか他県に出向くこともままならず、運動不足気味になってしまいました。

なのに3食

今まで通りたっぷり食べ、

仕事と称して試食をし、

仕事と称してお菓子を食べ、

仕事と称して酒のツマミを……以下略)

という状況。

『食生活が現状に不適合』になっちゃったのです。

結果、更に太っていく事に…。

そして3か月前。

たまたま検診でお医者様に行ったところ、

脂肪肝などなど太り数値が何項目も高くでておりまして、ずいぶんとお叱りをいただいたことで「こりゃ本気でやらんと早晩死ぬな……。」とようやく事態のヤバさを理解したのです。

そこで、一念発起して体質改善に励むことにしました。


〇腹いっぱい食べてダイエットがしたい

で、節制をするにあたり、どんな条件でダイエットするかを考えました。

やっぱりムリせず、なが~く続けられるのがイイなぁ。

だったら…

 ①食べる量は減らしたくない

 ②そのためなら運動はしてもいい

 ③たまご屋として何か実験をしてみたい

こんな事を考えたのですね。

①は、「低糖質ダイエット」にすればいけそう。

②はまぁ、水泳が性に合ってましたので、これを週に数回やることにしました。

③に関しては……

もともとずいぶん前から毎日たくさんの卵を食べていましたので、

「たまごを食べたから痩せた」

のような変化を見る事は、ちょっと難しそうです。

ただ、この時点では、

「毎食たまご料理を食べている」だけじゃなく「たまごじゃない料理もたくさん食べている」という状況でしたので、

「じゃあいっそほぼ『卵料理のみ』食べることにしたらどうだろう…?それも『健康に良いレシピ』限定で。」

という事を考えたのです。

そこで頭に浮かんだのが、故英国首相マーガレット・サッチャーさんが首相就任時にやって9kg痩せた「たまごダイエット」。

サッチャーさんは一日だいたい5~6個のたまごを食べ続けたのですが、その当時の一週間ごとのレシピが残っていまして再現はそう難しくありません。

サッチャー財団のサイトによると、こんなカンジです↓

糖質制限、なんて言葉すら無かった頃ですが、今でも充分通用する献立ですね。

これを参考に、

たまご

野菜

豆腐

きのこ

鶏肉

の組み合わせで毎食ゆでたまごと「スープ」を作って食べることにしました。

野菜は今年はトマトがずいぶん安くなってましたので、これを中心に季節野菜を飽きないように色々チョイス。豆腐はいろんなメーカーがありますので、とにかくこの機会に沢山楽しんでみることに。

あとサッチャーさんが言うには「週に一度はガッツリ食べて良い」「肉を食べた日はウィスキーOK」などのルールを設けていたそうですので、僕も真似してみることにしました。

ルール

 ①具だくさんの「たまごスープ」・ゆでたまごを食べる

 ②量は好きなだけ

 ③週に一度は肉をたくさん食べて、酒も楽しんでみる

結果15kg痩せて、今現在は更に痩せ続けているのですが、その感想など次回もう少し詳しくご説明します。

→(たまごスープダイエットで15kg痩せました【その②結果感想】たまごのソムリエ面白コラム

カテゴリー | ソムリエ日記 , ワクワクすること 2021年04月3日